FIATは自動車ブランドの枠を超え、特に“カラー”にこだわったコラボレーションで常に話題を提供してきました。
日本でも2025年、イタリア国旗の三色を配したビアレッティのエスプレッソメーカー「モカ エキスプレス」が限定車の成約プレゼントとして採用されました。さらにローマの老舗ジェラート店「ジョリッティ」原宿ハラカド店では、FIATのロゴカラーをイメージした4色フレーバーを期間限定販売したのが記憶に新しいところです。
こうしたカラーを意識したコラボレーションに続き今回紹介するのは、ミラノで注目を集めたFIATによるコラボレーションです。 FIATらしい色彩へのこだわりが、今回もユニークな形で表現されています。カラー・コンシャスのために選んだパートナーとは? 同時に、ブランドが進めている大胆なプロジェクトを紹介します。
イタリアが誇る高級靴下ブランド『Gallo (ガッロ)』
世界最大級のデザインの祭典ミラノ・デザインウィーク。期間中メッセの国際家具見本市とは別に、市内では「フォーリ・サローネ」が開かれます。こちらは、さまざまな企業・団体、デザイナーが新製品やデザイン・フィロソフィーを展開するもの。4月8日から13日まで開催された2025年度には、公式ガイドブックに掲載されたものだけでも1066の参加がありました。
FIATも、このフォーリ・サローネに参加。数あるラインナップから主役に選んだのは電動マイクロモビリティ「トポリーノ」でした。トポリーノは2023年にイタリアで発表されました。欧州連合の規格でライト・クアドリサイクルと呼ばれるカテゴリーに属します。高速道路の走行は許されていませんが、多くの国・地域では14歳から原付免許で運転できます。
(日本への導入は未定です。)
トポリーノの解説をした詳細記事はこちらから
トポリーノはデリバリーが本格的に始まるやいなやミラノで大きなブームになり、今日に至っています。事実、そのミントグリーンのボディがお洒落な街区に佇んでいるのを頻繁に目にするようになりました。その昔イタリアでカメラのシャッターを押せば、必ずといっていいほどフィアット500が写っているといわれたように、トポリーノもミラノの風景に溶け込む日が近いでしょう。

ミラノでは、FIATトポリーノが、文字どおり小ネズミ(topolino)のように走り回り始めています。これは、ドア無しの「ドルチェヴィータ」仕様。※ トポリーノはイタリア語で小ネズミの意味を持つ
今回FIATがタッグを組んだのは、高級靴下ブランド『Gallo (ガッロ)』でした。1927年ミラノで創業したガッロは1960年には画期的なパーフォレーション(穴開き)ソックスと、新生児用ソックスで事業を成功させます。やがて、マルチカラーを全面に押し出してラインナップを展開。ヴィヴィッドでありながら上品な色彩は多くのファッショニスタの間で有名です。
コラボレーションにあたってFIATが特別に用意したのは、異なるカラリングをまとった4台のトポリーノでした。1台はガッロのマルチカラーと“ガッロ・ストライプ”へのオマージュ、2台目はエレガントなツートーンカラーのストライプ、3台目は躍動感あふれる水玉模様、そして4台目はガッロの2025年春夏コレクションのライトモチーフである幾何学模様、というラインナップです。

デザインウィークのため、FIATが用意した4台のトポリーノ✕ガッロ。(photo:FIAT)
4台のトポリーノはデザインウィーク期間中、連なって市街地を駆け抜けていました。走行するたびに、街行く人々が次々にスマホを向けていました。

4台のベースとなったガッロ・ブティック前で。すでにトポリーノを見慣れた人々にも、ガッロのカラーリングは注目度抜群でした。

このスナップでも、街の人が思わずスマートフォンのカメラを向けています。きっと本人は「タクシーだったらいいのに」 と思っているはず。(photo:FIAT)

室内から。小さくても開放感は満点。(photo:FIAT)

サンバビラ地区のガレリア前を颯爽と走るFIAT トポリーノ✕ガッロ。(photo:FIAT)

レトロ感覚溢れる丸いミラーの中、まるでアニメの世界のような光景が広がります。(photo:FIAT)
一方、ミラノ中心部のドゥリーニ通りにある「ガッロ」の店舗や、マルペンサ空港・リナーテ空港内の売り場では、FIATトポリーノをモチーフにした靴下やメンズ用の水着が、限定コレクションとして販売されました。

ミラノ中心部のガッロ・ストアのウィンドウには、「FIATトポリーノがミラノを彩ります」の文字が。(photo:FIAT)

デザインウィーク中のブティック内。

限定コレクションの靴下。ミラノ大聖堂前を行くトポリーノが刺繍で表現されています。

2ブランドとMilano Design Week 2025の文字が。手に入れた人の喜びが目に浮かびます。(photo:FIAT)

4台のうちのガッロ・ストライプバージョン。ちなみにGalloとはイタリア語でニワトリの意味です。

リアに装着されたラゲッジ用ラックが、トポリーノのレトロ感覚を増幅させます。
今回の共創をFIATとガッロは「車を視覚的なマニフェストに変え、街の中心に色と創造性をもたらすプロジェクト」「カラーのパワーを祝うため」と解説しています。
FIATとカラーといえば、すでに進行中の大胆なアクション「No Grayポリシー=グレーの車は作らない」宣言を思い出します。グレーのモデルをカタログから消す代わりに、新鮮なカラーバリエーションを充実させる、というものです。「FIATの車体色は、イタリアの海、太陽、大地、空からインスピレーションを得たものになります」というマニフェストは、大きな話題を呼びました。
トリノにあるFIATのチェントロスティーレ(デザインセンター)では今日も、外部コンサルトも交え、カラリングやマテリアルのリサーチが続けられています。ブランド全体でカラーがもつ魅力とパワーを認識し、FIATらしいセンスを洗練させてゆく。それを広くアピールするため、靴下の次はどのようなジャンルをパートナーに迎えるのか、今から楽しみですね。

ミラノ・デザインウィーク2025では、家具ブランド「カルテル」とのプロジェクト「FIATグランデパンダKartell」も公開されました。(photo : FIAT)
Report: 大矢アキオ ロレンツォ Akio Lorenzo OYA
Photo: 大矢麻里 Mari OYA/Akio Lorenzo OYA/FIAT

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