イタリアンダイニングをご自宅で。イタリアのクルマといえば、フィアット。そして、イタリア料理に欠かせない調味料といえば、オリーブオイルとバルサミコ。オリーブオイルは日本でもメジャーですが、かたやバルサミコは使い方が限定的だったり、上手な使い方がわからないという方もいらっしゃるのでは? そこで、イタリア食材を扱うプロ集団、モンテ物産さんに、バルサミコのおいしい食べ方から、おすすめ商品、究極の逸品まで、バルサミコについて詳しく教えていただきました。 おいしいバルサミコと出会うには バルサミコは、イタリアでは「アチェート・バルサミコ」と呼ばれます。アチェートは「酢」という意味で、日本でもバルサミコ酢とも呼ばれます。イタリアでは生産地や製造方法が法律で厳格に定められており、アチェート・バルサミコとして販売できるのは、D.O.P.またはI.G.P.認証を受けた製品のみ。そこで、まずはおいしいバルサミコと出会うために知っておきたい認証制度について簡単にご紹介しましょう。 バルサミコはブドウ果汁を主原料としており、そのブドウ果汁を火にかけてできたものをモストコットと呼びます。D.O.P.(イタリアにおける保護指定原産地表示)認証のアチェート・バルサミコは、原料がモストコットのみに規定され、その他の原料を使用したものはD.O.P.認証を受けられません。さらに、D.O.P.認証のアチェート・バルサミコは熟成期間が最低12年以上、さらに熟成期間の長い「エクストラ・ヴェッキオ」は最低25年以上と定められており、原料となるブドウの産地も決められています。このようにD.O.P.認証のアチェート・バルサミコは生産するうえで非常に手間や時間がかかるため、高級品と位置付けられています。 一方、I.G.P.(イタリアにおける保護指定地域表示)認証のアチェート・バルサミコは、D.O.P.認証品に比べると、広く普及しています。こちらは原料にモストコットのほか、ワインビネガーの使用が認められていますが、味に関わるその他の原料の使用は認められていません。I.G.P.認証のアチェート・バルサミコは年間9,000万リットルほど作られており、単純に日割りすると1日24-25万リットルが世界で消費されている計算になります。それだけ多くの方に愛用されているバルサミコといえます。 I.G.P.認証のアチェート・バルサミコ。 ちなみにこのふたつの認証に当てはまらないものは、イタリアではコンディメント(調味料の意)という呼ばれ方をします。 >>>次ページ イタリアの食卓でおなじみの定番バルサミコ