PandaファンによるPandaファンのためのイベント「パンダリーノ2020+1」が、5月23日(日)に静岡県の浜名湖 渚園にて開催。全国から150台ものPandaとその仲間たちが大集合!晴天の中開催されたイベントの様子をご紹介します。 Panda誕生40周年+1年の記念イベント 初夏にもかかわらず強い日差しの中、毎年恒例のパンダリーノが5月23日(日)に開催。新型コロナウイルスの影響で、残念ながら昨年中止となった同イベントですが、今年は徹底した感染対策の中で行われました。当日は、受付時間の前から、数多くの『Panda(パンダ)』たちが集まり、オーナー同士での談笑がスタート。例年であれば、300台以上のPandaとPandaファンが集まるパンダリーノですが、今回はコロナ禍のため、参加台数を150台ほどに絞り、人もクルマ同士もソーシャルディスタンスを取りつつ、Pandaならではの、のんびりと楽しむイベントとなりました。 パンダリーノといえば、毎年Pandaオーナーが思いのままに過ごすのが恒例のスタイル。リアゲートを開けてタープを設置したり、テントを広げたり。オーナーそれぞれが、心地良い“居場所”を作り上げるのです。手慣れたものだと思ってクルマのウインドウなどを見ると、これまでのパンダリーノのステッカーが貼られているクルマが何台も。このように常連の参加者が多いことからも、パンダリーノの楽しさが伺えます。 今回のタイトルは「パンダリーノ2020+1」。昨年、Panda生誕40周年をお祝いして盛大に開催する予定でしたが、残念ながら中止。そこで今年改めて40周年をお祝いするために「2020+1」として行われたのです! 1980年にデビューした初代Pandaは、世界的なプロダクトデザイナーであるジョルジェット・ジウジアーロ氏がデザイン。シンプルながらも様々なアイデアと使い勝手に優れたベーシックカーの基本となったモデル。取り外すことも可能なハンモックシートや、インストルメントパネルに取り付けられたスライドできる灰皿など、インテリアも独創的でした。 ▲会場では初代Pandaと写るジョルジェット・ジウジアーロ氏とサインも展示。 ゆるさが魅力のPandaとパンダリーノ 全国からたくさんのPandaオーナーが集まるパンダリーノの魅力について、主催者であるパンダリーノ実行委員会のYUKIさんにお話を伺いました。 「もともと個人のウェブサイトで“パンダをめぐる冒険”というものをやっていたんです。そこに、パンダオーナーの登録コーナーがあって、そういった人たちと関西でたまにオフ会レベルで集まっていたんです。関西以外の人たちとは、フィアット関係のイベントなどで“初めまして”みたいな感じでファンのコミュニティーを続けていたのですが、ちょうど東京と大阪の中間くらいの場所で年1回開催されていたイベントがなくなってしまって。そこで、自分たちでイベントを開催しようということになり、気がつけば今回13回目になりました」 ▲パンダリーノ実行委員会のYUKIさん。 「参加者は、年々増えています。どうしても初代Pandaが多くなりますが、2代目、3代目もまんべんなく参加していただいています。みなさんが“来年もお願いします”とか、年に1回、ここで挨拶してみんなで盛り上がって喋るのが楽しみ”という声を聞くと、止められないというのが正直なところですね(笑)」とのこと。しかし、そんなYUKIさんも会場を回りながら、いろいろな人とおしゃべりをして楽しんでいる様子がとても微笑ましく映ります。そんな雰囲気からも、PandaとPandaオーナーの人となりが窺える気がしました。 ▲YUKIさんの愛車であるパンダ・バン。 そこでYUKIさんにPandaの魅力について聞いてみると、「まず一番はクルマのゆるさがあります。パンダリーノの雰囲気もまさにそうで、速さを競うわけでもなく、改造自慢があるわけでもありません。クルマの優劣がないのです。みんなここに集まって、“良いPandaですね”、“色を変えたんですか”とか、この間は“ここが壊れたのでこうやって直しました”とか。それでも皆さんこだわりがありますので、そこをわかり合いながらコミュニケーションを取っているのです。そういったゆるさがPandaとPandaオーナーの良いところですし、この雰囲気を感じたのでイベントを続けています」とほのぼのとした口調で話すYUKIさん。 実は、イベントを開催するには大事な目的があるとのこと。それは、「Pandaを降りないためのモチベーションの維持です。僕自身もそうですし、このイベントがなかったら降りている人は多いと思います。単純にPandaが調子を崩した時には、やっぱり心が折れますよね。“あぁ、壊れた”と思うこととか、奥さんに“そろそろクルマを乗り換えたら”とか言われることもあるでしょう。でも、1年に1回強烈に楽しいことがあると“もう1回パンダリーノに行くまで乗り続けよう”と思うことができるのです。パンダリーノは、そういうきっかけになっていると思うし、そういうきっかけにしていこうと思っているのです。モノより思い出ではないですが、パンダリーノは、楽しい思い出を作って1年頑張ってもらうためのイベントなんです」と、目を細めながらYUKIさんは話してくれました。 ヒエラルキーなく、みんながそれぞれゆるく楽しんで それぞれのスタイルでパンダリーノを楽しんでいるPandaオーナーのみなさん。今回参加していた3組のオーナーさんに、Pandaやパンダリーノの魅力についてお話を伺いました。 まず1組目は『Panda Cross 4×4(パンダ クロス フォーバイフォー)』で、奥様と参加されていたNuova500さん。愛車の隣りでフレンチトーストを作っているところにお邪魔しました。 ▲Nuova500さんと奥様 「今回4回目の参加ですが、2代目『Panda(パンダ)』『500X(チンクエチェントエックス)』『595 Competizione(595コンペティツィオーネ)』、そして『Panda
お医者様として日々奮闘している松村啓さん。多くのクルマを乗り継ぎ、現在もヒストリックカーを含め複数所有する“エンスージアスト(熱狂的なファン)”であり、また、アウトドアレジャーも存分に楽しむ素敵なライフスタイルをお持ちです。そこにフィアットがなくてはならない存在と語る松村さんに、その魅力を存分にお話しいただきました。 “ちっちゃくてすばしっこい”のが格好良い お勤めの病院の近くにあるガレージには今回ご紹介する『Panda 4×4(パンダ フォーバイフォー)』や、新車から所有する『クーペ フィアット』のほかに、ヒストリックカーの『Nuova 500(ヌォーヴァ 500)』、アバルトでは『1000TCR』などが収まっており、そのほとんどが小さなクルマ達です。 「子供の頃のおもちゃはミニカーでした。デパートに行くとトミカを買ってもらっていました」と楽しそうに思い出を語る松村さん。クルマ好きになるきっかけは全く覚えていないとのことですが、お父様やご親戚が、海外のスポーツカーや大型サルーンなどに乗っていたくらいのクルマ好きだったことから、必然的にクルマ好きになっていったのでしょう。「ヘッドライトやテールランプの形でみんな車名がいえるくらい好きでしたね(笑)」 免許を取得しクルマが買えるようになったとき、最初に選んだのは『FIAT RITMO ABARTH 130TC(フィアット リトモ アバルト 130TC)』というハイパワーのハッチバックで、その後少し他の国のクルマにもお乗りになったそうですが、再びフィアットとアバルトの世界に戻ってきた松村さん。その車歴を振り返ると、いずれもが小さなハッチバック系だったそうです。松村さんは素直に、「ちっちゃいクルマが好きなんです」と語ります。「自分の体格は小さい方なのですが、高校時代は柔道部に所属していました。そのときに、“ちっちゃくてすばしっこい”のが格好良いと思っていたんです。クルマの世界でもラリーで速いクルマは小さくてすばしっこくて、ジャイアントキラー、大きいクルマに勝つみたいなイメージですものね」とその理由を教えてくれました。 そもそも最初にフィアットを意識したのはルパン三世の『Nuova 500(ヌォーヴァ 500)』でした。ここからが松村さんらしいところで、カリオストロの城ではなくテレビのファーストシリーズに登場した水色の500だったのです。 「これが最初のフィアットとの出会いだったんでしょうね。ちっちゃいクルマですばしっこくて、狭いところにどんどん入って行って、後ろから来た大きいクルマは入っていけない」。そんな痛快なイメージに惹かれたようです。因みにこのシリーズは何度も見直し、今ではセリフまで言えるようになったそうです。 パンダがやってきてカヌー熱が再燃 松村さんのいまの生活に最も溶け込んでいるのは“ヴェルデ・トスカーナ”というオリーブドラブカラーの『Panda 4×4(パンダ フォーバイフォー)』です。 「実は大雪の日に安心して乗ることが出来る四駆が欲しかったのですが、SUVは見た目が好きではないので、いろいろ探していました。そのときに、ディーラーからパンダの四駆が出るという話を聞いた瞬間に買います!となりました」。 もともとパンダのデザインは好きだったそうで、そこに迷いはなかったといいます。それ以前にも先代パンダも所有していた経験があることから、そのサイズと魅力は熟知していたのでしょう。 パンダがやってきたことで松村さんのライフスタイルは一変します。 「もともとアウトドアレジャーが好きで、パンダでスキーやスノボ、自転車を積んで出かけたりしていました。あるときふと、カヌーがあったなと思い出したのです」。 実は20~30年くらい前にカヌーを楽しんでいたことから、「もしかしたらとルーフキャリアにアタッチメントを付けて乗せてみたら、ギリギリ大丈夫でした」。そこから一気にカヌーの趣味が再燃。いまでは仲間とともにご自宅から近い中禅寺湖で楽しんでいるそうです。 松村さんはパンダについて、「いろいろクルマを持っていますが、パンダが一番楽しいといってもいいぐらい面白いですね。例えば6速マニュアルを操って元気に走らせることも出来ますし。あとは雪道も、悪路もガシガシ行くほうなので、そのときの抜群の安定感も素晴らしいです。雪道も何度も試しましたが全然ヒヤッとしたことがないくらいです。また、カヌーを乗せていくと、湖畔は凸凹道ですがそこも楽しい。こんなになって(といってステアリングを握るふりをして、体を大げさにゆすりながら)もすごく楽しくて」と本当に笑い声をあげながら実演してくれます。