ワインに生ハム、チーズなど、こだわりの食材がイタリア全土から集結する『EATALY(イータリー)』。とりわけホリデーシーズンは、1年の中でも心を浮き立たせるアイテムがラインナップされる季節です。今回は、商品担当の星川智子さんに、ホリデーシーズンに楽しみたい、イタリア気分を盛り上げるフードアイテムを、10点セレクトしてもらいました! EATALY初登場。パネットーネと双璧をなす伝統菓子『パンドーロ』 ▲〈ガルップ〉パンドーロ チョコチップ750G 4,600円(税込) パンドーロは、パネットーネと共にイタリアのクリスマスには欠かせない発酵菓子。“pane d’oro(黄金のパン)”という名前のとおり、卵をたっぷり使用したブリオッシュのような濃厚な生地が特徴です。EATALYでは複数のパンドーロを取り扱っていますが、イチオシは今年、EATALY初お目見えとなったGALUP(ガルップ)の『パンドーロ チョコチップ』。ポップなピンクのパッケージにも心がときめきます。GALUPは1922年、ピエモンテ州の北西部に位置する町ピネローロで設立した家族経営のブランドで、今も創業時と同じレシピで伝統的なお菓子を作り続けています。卵をたっぷり使用した軽い食感とやさしい甘さの生地に、別添えの粉砂糖をしゃかしゃかと雪のようにまぶしていただきましょう!ちなみに、イタリアではパネットーネ派とパンドーロ派に分かれるのだとか。あなたは、どちら派? ホリデースイーツと合わせたい、微発泡の甘口ワイン『モスカート ダスティ』&『アスティ パレット ブルー』 ▲〈フォンタナフレッダ〉左:モスカート ダスティ 2,420円(税込) ▲〈フォンタナフレッダ〉右:アスティ パレット ブルー 2,871円(税込) イタリア、特にピエモンテ州では「ホリデーシーズンのデザートタイムには、パネットーネとマスカットを使った微発泡の甘口のワインを一緒にいただくのが定番です」と星川さん。今回、紹介してくれた2本のワインは、イタリアの初代国王ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世のご子息が、その所有地を譲り受けて設立したワイナリーフォンタナフレッダ社のもの。「マスカットの自然な甘みとフレッシュなさわやかさが魅力です。またアルコール度数が低いので、普段、ワインを飲みなれていない方にも楽しんでいただけると思います。焼き菓子のほか、ヘーゼルナッツをたっぷり使ったチョコレートとの相性も抜群です。『モスカート ダスティ』は泡がかすかに立つ程度の微発泡で甘みをしっかりと感じます。よりさわやかな『アスティパレットブルー』はパネットーネとは、定番の組み合わせ。この時期には特によく飲まれています」と、星川さんがそれぞれのワインの楽しみ方を教えてくれました。どちらも気になる方はぜひ飲み比べしてみてください。 グリッシーニの仲間『リングエ』は、パリパリと割っていただいて ▲〈マリオフォンゴ〉リングエ 1,080円〜(税込) チーズやプロシュートに欠かせない、トリノ発祥の堅焼きパンの一種である『グリッシーニ』は、日本ではもう定番ですよね。1945年に創業した、マリオフォンゴ社のグリッシーニは、小麦粉、水、油(またはラード)、塩、イーストとシンプルな材料を使用しており、パン屋で作っているような食べ応えが魅力です。そのグリッシーニの生地を、舌(Lingue/リングエ)のように薄く平たく焼き上げたのが、今回ご紹介する『リングエ』。パリパリと割っていただきます。オススメのタイプを星川さんに尋ねると「クラシックタイプのほか、オリーブやローズマリー、パルミジャーノ・レッジャーノなどを練り込んだタイプなども用意しています。そのまま召し上がっていただいてもいいですし、チーズと一緒に食べてももちろん美味しいですよ」と素敵な食べ方も教えていただきました。 18ヶ月間熟成した生ハム『エリ プロシュット』を原木のまま直輸入 ▲〈エリプロシュッティ〉エリ プロシュット18ヶ月熟成DOP 100G 2,462円(税込) イタリアのホリデーシーズンにプロシュートは欠かせません。お皿に盛るだけで、美味しくいただけます。現在、EATALYでオススメしているのは、エミリアロマーニャ州のエリプロシュッティ社のプロシュート。まるっと原木のまま直輸入し、日本でスライスして販売しています。1950年からグラナ・パダーノとパルミジャーノ・レッジャーノの加工・販売を行ってきたDalla Bona家が2000年代に設立したエリプロシュッティ社では、職人の手によりひとつひとつ加工を行っています。なかでもEATALYが仕入れている『エリ プロシュット』は、18ヶ月間熟成されており、上品で深みのある味わいが特徴。穏やかな塩味で、しっかりとした旨味が凝縮しています。 群馬県の天然水と生乳を使い、イタリアの製法で作るフレッシュチーズ『ブッラータ』&『ストラッキーノ』 ▲〈カワバチーズ〉ブッラータ 125G 1,814円(税込) ※12月22日より再入荷予定 ▲〈カワバチーズ〉ストラッキーノ 100G 1,274円(税込) ※12月22日より再入荷予定
“○○の秋”の中でも、とりわけ魅力的な響きを持つのが“食欲の秋”。この季節は1年の中でも特に、旬の食材・グルメをとことん満喫したいものですよね。そこで今回は人気のイタリア食材ショップ2店舗に、この秋にお家で食べたいイタリアの食材・グルメと、その楽しみ方について教えていただきました。どれもイタリアが誇るスペシャルな味覚ばかり。この機会にぜひご賞味あれ。 イタリア食材〈ベリッシモ〉 オリーブオイル・バルサミコ・スパイス・パスタなどを始め、オーガニック認証、BIO、D.O.P、ICEA認証などを受けている厳選されたイタリア食材を取り扱う専門店『ベリッシモ』。同店がセレクトした食材や商品は、大量生産とは無縁な家族経営の農場で愛情深く作られたものばかり。その美味しさの裏にある何世代にもわたって受け継がれる“物語”という隠し味が、あなたのお腹も心も満たしてくれます。 プレーンのチョコレートを香りの中で熟成させた世界初の試み 〈サバディ〉アッフィナーティ 1,620円(税込) シチリアで生まれたチョコレートブランド〈サバディ〉の『アッフィナーティ』は、香りのある原材料をチョコレートに練り込む従来の方法ではなく、プレーンのチョコレートを“香りの中で熟成させる”という世界初の試みを行っています。花などの繊細な香りにはカカオバターを加えることでより香りを引き立て、逆に風味の強いものにはカカオマスと砂糖のみのチョコを漬け込むというこだわり。気温の低下とともに、身体を温める甘いものがうれしい秋の夜長のお供には、チョコレートがぴったり。スタイリッシュな缶が贈りものにも最適です。 クルマ好きが一目惚れするルックスと上質な大人の味わい 〈マイアーニ〉フィアット チンクイーノバック 3,510円(税込) 1796年にボローニャで創業したマイアーニのチョコレートは、そのキュートなルックスに一目惚れ。なんとフィアット『500(チンクエチェント)』をモチーフにした、2色の車型チョコがたっぷり180gも入っています。青い包み紙の『チンクイーノ・フォンデンテ』は、秋が旬のヘーゼルナッツとカカオのペーストをセミスイートチョコでコーティング。白い包み紙の『チンクイーノ・ラッテ』は、たっぷりのヘーゼルナッツペーストを閉じ込めたミルクチョコです。見た目のポップさとは裏腹に、その上質な味わいは口にした瞬間に大満足! シチリア伝統の古代硬質小麦を使った3種の豪華パスタセット 〈アリアンナ オッキピンティ〉古代硬質小麦パスタ3種のセット 4,001円(税込) ギリシャ時代からシチリアで生産されている、古代硬質小麦・トゥミニアを使ったパスタセット。7月に収穫された2500㎏の小麦は布袋で保管され、その後パスタに加工されます。『ベリッシモ』では10月頭に入荷したばかり! らせん形状でどんなソースでも絡みやすい“フジッリ”、イタリアの家庭では定番のペン先の形状をしたショートパスタ“ペンネ”、大きなチューブの形状が特徴のカンパーニア州の郷土パスタ“パッケリ”の3種を取りそろえています。アマトリチャーナにして楽しんだり、秋が旬のアサリやキノコなどと一緒に味わってみてはいかがでしょうか? ▼INFO:画像提供 ベリッシモ https://www.bellissimo.jp/ photos by shashinshokudo エッセンティア 東急東横線・学芸大学駅前にて、2016年にオープンしたナチュラルワインとオーガニック食材の専門店『エッセンティア』。歴史・芸術・食文化など、とにかくイタリア好きのオーナーは12年かけて全土20州を制覇! そしてイタリア全土20州から選ばれたナチュラルワインの品ぞろえは600種類・1200本、人気のオレンジワインだけでも100種類のラインアップを誇ります。その他にも伝統製法・無農薬・無添加のチーズ、パスタ、オリーブオイルなどを豊富にそろえ、イタリア好きはもちろん、料理研究家やシェフなども足繁く通うお店です。 銘醸地・ピエモンテから希少品種・ルケを使った赤ワイン 〈テヌータ・モンテマーニョ〉ノビリス・ルケ・ディ・カスタニョーレ・モンフェッラート 2018 3,520円(税込) スパークリングワインや白ワインを飲む機会の多い夏が過ぎ、迎えた秋は赤ワインの季節。日本同様に四季の移ろいを感じられるイタリアでは、トリュフやポルチーニなど、1年で最も食材が豊かな季節でもあります。毎年秋になるとトリュフ祭りなどが開催される街・アルバのあるピエモンテ州は、バローロやバルバレスコが有名ですが、秋におすすめしたいのが希少品種・ルケを使ったワイン。バラなどの華やかなアロマに果実やスパイスが混ざる香りが特徴で、お肉はもちろん、トリュフ、ポルチーニ、チーズ、生ハムなどとの相性が抜群です。 “イタリア最古のチーズ”に黒トリュフを混ぜ合わせた逸品
近年、人気を集めているナチュラルワイン(ヴァン・ナチュール)。サスティナビリティへの関心が高まるなか、奥深いワインの世界を楽しむうえでも“自然派”であることが大きなトレンドとなっています。そんなナチュラルワインの魅力を探るべく、今回は三軒茶屋でイタリアのナチュラルワインを扱うワインストア&スタンド『Però(ペロウ)』へ。イタリアへの留学経験があり、現地の文化やお酒の楽しみ方をお店づくりに反映している同店ストアマネージャー・森田雅人さんに、小規模ワイナリーで手間と時間をかけて造られるイタリア生まれのナチュラルワインについて、フィアット『500』をイメージしたオススメの3本を添えて、その魅力を解説していただきました。 イタリアの文化を発信するワインバー『Però』 三軒茶屋の人気イタリアン『Bricca(ブリッカ)』の姉妹店として、2017年にオープンしたワインストア&スタンド『Però』。同店のコンセプトは、ズバリ“飲めて、買える”。店内のウォークインセラーにズラリと並べられた約300〜400種類・800本以上のワインは、そのほとんどがイタリアの小規模ワイナリーでつくられたもの。土壌や気候はもちろん、ワイナリーごとに受け継がれる伝統や造り手の人柄さえも味に表れる、いわばクラフトワイン。そんな個性豊かな無二の一本と出会える『Però』は、一度知ると足しげく通いたくなるワイン好きのためのお店です。 イタリア語の接続詞“しかし”を意味する“Però”。その由来について「言い訳をするときに使う“Però”は、ガス抜き上手なイタリア人らしい言葉。日本人ももっと言い訳しながらでもラクに生きていいし、少なくともこのお店では気楽に過ごしてほしい」と語るのは、ストアマネージャー・森田雅人さん。 同氏は、デザイン事務所を退社しイタリアンの世界に飛び込んだユニークな経歴の持ち主。都内のレストランに入社し、2012年イタリアを縦断。2014年、さらに単身留学。帰国後、南青山の人気店でソムリエを務め、2017年『Bricca』に入社。その後『Però』開店にイチから携わり、現在は自身が現地での生活で体感したイタリアの文化やワインそのものの魅力を生産者に近い立場で発信し続けています。 ▲『Però』ストアマネージャー・森田雅人さん 「ワインは、ブドウで9割が決まると言われています。ただし自然が相手ですし、地質の違いや日照条件なんかでブドウの特徴が変わってきます。加えて、醸造の方法で同じブドウを使っていても味わいが変化する。うちで扱っているのは、ほぼ家族経営の小規模な生産者が造ったもの。だからこそ、ブドウそのものの味だけでなく、年ごとにスキルの向上や苦労と成功までも顕著に表れる。そこがクラフトワインならではの魅力だと思っています」 3つの“待つ”を経てつくられるイタリア産ワイン 近年トレンドとして注目されている『ナチュラルワイン(ヴァン・ナチュール)』。一般的には、ぶどうの栽培方法から醸造工程にいたるまでを可能な限り自然に則ったかたちで造られるものとして『ビオワイン』や『無添加ワイン』も同様に人気を集めていますが、実のところ“自然派”の定義は明確に定まっていないのだとか。 「ナチュラルワインとそうではないものの違いは、かなり曖昧です。畑で使われる農薬や添加物の有無など、ナチュラルの基準もメーカーがどう主張するかによるところがあります。国ごと州ごとにも規定が変わってきますし、人によっても捉え方が変わりますよね。近年若い生産者の参入による多様化によってさらにナチュラルワインというワードが曖昧になっていき、いずれ淘汰されていくと思っています」 『Però』で取り扱うものは、ほとんどがナチュラルワイン。そして、イタリアワインには他の国で造られるワインとは大きく違った特徴があると森田さんはいいます。 「たとえば世界的に認知度の高いフランスのワインは、需要に併せて出荷スピードが重視されています。その反面、イタリア産ワインの特徴を挙げるとするなら、3つの“待つ”。まず1つ目は、原材料であるブドウがフルーツとして完熟するのを待つ。これは一番大事なことですし、彼らにとっては伝統であり当然のことなんです。2つ目は、醗酵し切るのを待つ。年によってブドウの糖分が違うので、かかる時間も変わってきます。3つ目は、熟成させ飲み頃になるまでボトリングを待つ。いま市場に出荷されているものだと2020年のものがリリースされはじめていますが、イタリアワインの場合2010年前後のものが今年出荷されることもザラにあるんです」 受け継がれる伝統と自然の摂理にすべてを委ね、じっくり時間をかけて造られたイタリアのナチュラルワインは、おうちでゆっくりと楽しむのがオススメ。取り扱いについては、ナチュラルでなくとも基本的に数日ワインセラー(なければ冷蔵庫でも)で寝かせるとより美味しく飲めるというのがワインの基本ですが、森田さんは「計画的に置いておければベストですが、すぐに開けても大丈夫。イタリアワインはしっかり時間をかけているからこそ、いつ開けても飲みごろです」と太鼓判を押します。 「のんびり造られたイタリアのワインは、のんびり飲むのが一番。たとえば、ワインが冷えすぎているなと思えば少し放っておけばいいんです。温度変化とともに味わいの変化を楽しむ余裕があるといいですよね。グラスや温度帯、一緒に食べるものによって印象がさまざまに変化するのがワインの面白いところ。いろいろな種類をたくさん飲むことももちろん楽しいのですが、一杯飲んで知ったつもり一本飲んでわかったつもりになるのはもったいない。いろんな飲み方を試しながら、ひとつのワインとぜひじっくり付き合ってみていただきたいです」 フィアット『500』をイメージした3本のワイン これまで、訪れるお客さまとワインとの出会いをつないできた森田さん。人それぞれ好みや要望が異なるなか、ワインを勧めるうえで特に大切にしていることは、飲むシチュエーションや誰と飲むのかなど、意外にも味以外の部分だといいます。 「ワインの情報というものはラベルに記載されているんですけれど、残念ながらそこから味はわからないんですよね。ですので、こちらからオススメするときは出来るだけ求めているもののヒントを会話から引き出すようにしています。たとえば、キャンプに持っていくというなら常温でも美味しく飲めるものを勧めたり、プレゼントであればどんな方に贈られるのかを伺ったり。贈る方ご本人が好きなものをプレゼントするのが喜ばれる場合もありますよね。コミュニケーションの中で、その方が求めるものを伺ったうえで自分の引き出しからオススメの一本を選ぶようにしています」 今回は森田さんが、フィアット『500(チンクエチェント)』をイメージしたイタリア生まれのとっておきの3本をリコメンド。それぞれの特徴や味わいと併せて、赤・白・シードルそれぞれのワインによく合うフードの取り合わせのアイデアも伺いました。森田さん曰く、ペアリングフードは味のマッチングではなく“口の中の心地よさ”がポイントになるそう。ぜひ、おうちで楽しむ際のご参考に! <Asinoi Barbera d’Asti 2016/Carussin(アジノーイ バルベーラ ダスティ/カルッシン> イタリア在住の時、働いていたワイナリーの逸品。心地の良い酸味の奥に完熟ぶどうのフルーティさも感じられる赤ワインです。「日本で誰よりもこのワインを飲んでいる自信がある」というのは森田さん談。まったりと口溶けのいいチーズやチョコレートと合わせることで、より深い旨みを堪能出来るのだそう。 <Lamoresca Bianco 2018/Lamoresca(ラモレスカ・ビアンコ/ラモレスカ)>