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石川県・輪島塗の職人さんを応援しよう! Share with FIAT 輪島塗工房の復興応援プロジェクト

2024年1月1日に石川県・能登地方を襲った能登半島地震。なかでも大きな被害を受けた輪島市、志賀町(しかまち)などの地域では、5ヶ月以上が経ったいまでも、2,200戸以上で断水が続いているだけでなく、余震が発生するなど、先行きが見通せない状況が続いています。フィアットでは、能登半島地震で被災した輪島塗工房の復興を応援するクラウンドファンディングを実施しています。輪島塗の職人さんであり、同伝統工芸を長年支えてきた矢田松雄さん(73)、ならびに石川県在住で震災直後から支援活動をされているインフルエンサーのキザワヒロヤさんに、石川県と輪島塗の現状についてうかがいました。   需要はあるのに作れない   日本の伝統工芸品に指定され、三大漆器のひとつに数えられる輪島塗。輪島市で採れた地の粉(じのこ)を漆に混ぜ合わせ、磨きと塗りを何度も繰り返して仕上げられる漆器は、深みのある光沢を帯びた仕上がりと、繰り返しの使用にも耐えうる丈夫な作りが特徴となっています。   矢田さんが手掛けた輪島塗の作品。   矢田さんは輪島塗の職人であると共に、輪島塗を扱う土産物店、漆市番を約30年営まれ、輪島塗の発信ならびにプロデュースをされています。ところが、2024年1月1日の能登半島地震で最大震度7を観測した輪島市の店舗は大きな被害を受け、建物は損壊。展示していた商品の多くが損傷してしまいました。   矢田さんが営まれる土産店兼工房の漆市番。   矢田さんは現在、二次避難所で暮らしながら被害を免れた製品を持って朝市に出店したり、避難所で販売したりしています。 「地震に負けてたまるか。そんな思いでやっています。でも、新たな製品を作りたくても作れないのが辛いです」と話します。   輪島塗の発展に尽力されている矢田さん。   輪島塗は、木地、下地、上塗、ろくろ、沈金、蒔絵、ろいろと複数の工程を経て完成するのですが、それらすべて分業によって成り立っています。輪島塗を支援しようという人達の思いで需要が増えても、職人さんが二次避難中のため大幅に不足しており、製品を作りたくても作れない状況だと言います。連絡がつかない人もいれば、正月の震災だったため帰省していた家族や子どもを亡くしてしまい、声をかけられない状況の人もいるそうです。   ブースを設けさせてもらった協力施設で製品を販売する矢田さん。   「家に帰るたびに涙が止まらなくなりますよ。それでも復興しなくては、という思いです。そのためにまずは仕事がしたい。新たな製品を作りたいですね。まだ先は長いですけれど、まずは倉庫や作業場を確保し、次にお店を再建して、ひとつひとつ前進して行きたいです」   >>>次ページ 被災地の“いま”を知ってほしい   […]