フィアット ブラビッシモ 1990年代コンパクト

フィアット ブラビッシモ

欧州Cセグメントのマーケットにフィアットが1995年に投入したブラーボを、日本へはブラビッシモの名で導入。1998年2月に販売が開始され、輸入期間は2年ほどと短命ではあったが、フィアットエンジンと日本メーカー製ATとの組み合わせなど新たな側面を持つモデルでもあった。

クリーンなスタイルはあちこちにフィアットならではのアクセントが効いていて味わい深く、シンプルだがセンスのいいインテリアもイタリア車ならではの仕上がり。シートのデザインなども含め、お洒落に乗れるハッチバックだった。全長は4m程度ながら1755mmの全幅は当時としては大きく、ゆったりした室内は大人4人での長距離移動も苦にならないスペースを確保していたが、3ドアのみというラインナップゆえに日本市場ではやや苦戦してしまう。

4気筒DOHC 1580ccのエンジンはフレキシビリティに富んでおり4速ATとのマッチングも良好。高回転重視型が多いイタリア車のなかでは扱いやすく、誰もが気軽に乗れるクルマに仕上がっていた。

フィアット ブラビッシモ1.6SX 16V 1998年モデル

●全長x全幅x全高:4025x1755x1414mm ●ホイールベース:2540mm ●トレッド:前1435mm/後1440mm ●車両重量:1170kg ●エンジン:水冷直列4気筒DOHC・1580cc ●トランスミッション:4速AT ●最高出力:103ps/5750rpm ●最大トルク:14.4kg-m/4000rpm ●サスペンション:前ストラット/後トレーリングアーム ●ブレーキ:前ディスク/後ドラム ●タイヤサイズ:185/60R14

マメ知識 NUOVA 500

ブラビッシモは日本だけの車名だった?

ヨーロッパでは「最高!」という意味の男性名詞であるブラーボ(BRAVO)の名で登場したが、日本では同じ意味で欧文スペルも同じ三菱ブラボーが商標登録されていたため、最上級を意味するブラビッシモと名を変えて販売されたという経緯がある。ちなみにヨーロッパでは5ドア車には女性名詞のブラーバ、ハッチバックセダンにはマレア、ステーションワゴンにはマレア・ウィークエンドという名がそれぞれ付けられていた。