クーペ フィアット 1990年代スポーツ

クーペ フィアット

クーペそのものという自信に満ちあふれたネーミングが与えられたクーペ フィアットは1994年に生産が開始され、日本へは1995年に上陸。エクステリアはフィアット社内のデザインチームが担当し、流麗なクーペフォルムにナイフで切り込んだようなスラッシュラインが刻まれ、ダブルバブルのヘッドランプを配するなど斬新さに満ちている。

ピニンファリーナが手がけたインテリアも新鮮で、ボディ同色のメーターパネルを配したインパネなど、その後のスポーティカーのデザインに少なからず影響を与えている。当初、日本へは4気筒195psのターボエンジンを搭載するモデルが導入され、1997年にはフィアットが新開発した5気筒220psのターボエンジン搭載の20Vをラインナップ。

ピーキーな面も持つハイパワーFF車だったが、広いグラスエリアが生み出す明るい室内がイタリアンな雰囲気を醸し出し、視界のよさから街中でも取り回しやすいクーペに仕上がっていた。1999年にはブレンボ製ブレーキやレカロ製シートなどを備え、プッシュボタン スターターなどレーシーな装備で武装したターボプラスも追加。2001年まで販売されている。

クーペ フィアット2.0 1995年モデル

●全長×全幅×全高:4250×1765×1340mm ●ホイールベース:2540mm ●トレッド:前1490mm/後1475mm ●車両重量:1320kg ●エンジン:水冷直列4気筒DOHCターボ・1368cc ●トランスミッション:5速MT ●最高出力:195ps/5500rpm ●最大トルク:30.2kg-m/3400rpm ●サスペンション:前ストラット/後トレーリングアーム ●ブレーキ:前ベンチレーテッドディスク/後ディスク ●タイヤサイズ:205/50ZR15

マメ知識 Coupe FIAT

クーペなのに居住性のよさも売りだった!?

デザイン重視で居住性は二の次に見えるクーペ フィアットだが、FFの利点を生かした絶妙のパッケージングにより後席スペースは想像以上に広く、トランクルーム容量も過不足ないレベルを確保。大人4人での長距離移動も苦にならない居住空間が与えられていた。左側シートバックを倒せばトランクスルーも可能で、ファーストカーとしても十分使える実用性を兼ね備えていた。