フィアット バルケッタ 1990年代スポーツ

フィアット バルケッタ

オープン2シーターのフィアット バルケッタは1995年にデビュー。1989年に登場したマツダ・ロードスターのヒットが強く影響したと言われており、日本では1996年にデリバリーが開始されている。

イタリア語で「小舟」を意味するバルケッタの名はそのルックスにぴったりで、シンプルながら流れるようなボディラインは味わい深く、今でも古さを感じさせない。ボタンを押すとドアノブが飛び出す仕組みはちょっとスーパーカー的で、オーナー心をくすぐる演出だった。FFレイアウトの利点を生かし、キャビンスペースとトランクルームを確保しながら、オープン時もソフトトップをスッキリ収められるスペースをキャビン後部に備えている。

横置きの直列4気筒1747ccと5速MTが組み合わされ、左ハンドルのみの設定。1999年に限定販売されたリミテッドではオプションでハードトップも用意されていた。一旦輸入が途切れた後、2004年にはマイナーチェンジを受けたニューバルケッタが再上陸。フロント回りのデザインなどがリファインされ、パワートレインなどはデビュー時のものが受け継がれて2007年まで販売されている。

フィアット バルケッタ 1996年モデル

●全長x全幅x全高:3920x1640x1265mm ●ホイールベース:2275mm ●トレッド:前1410mm/後1405mm ●車両重量:1090kg ●エンジン:水冷直列4気筒DOHC・1746cc ●トランスミッション:5速MT ●最高出力:130ps/6300rpm ●最大トルク:16.7kg-m/4300rpm ●サスペンション:前ストラット/後トレーリングアーム ●ブレーキ:前ディスク/後ディスク ●タイヤサイズ:195/55R15

マメ知識 FIAT Barchetta

300万円以下で本革シート仕様が買えた?

モダンなイタリアンデザインながらシンプルな印象の強いバルケッタだが、ニューバルケッタの名で輸入再開された後期仕様は本革シートを標準装備しながら価格は279万円(消費税別)となかなかお買い得だった。左ハンドルMT車のみというラインナップも、本国仕様にそのまま触れられるという点では貴重な存在。クルマ好きには見どころ満載のクルマだったのは事実だ。