初代フィアット パンダ 1980年代ファミリー

初代フィアット パンダ

曲面を見つけるのが難しいといってもいいボディパネルと、平面ガラスで構成されたスタイルが斬新なコンパクトカー、初代フィアット パンダは1980年にデビュー。

日本へは4気筒902ccエンジン搭載車が82年に上陸している。ちなみにヨーロッパでは2気筒652ccエンジン車もラインナップしていた。ウェーバーのシングルキャブを備えたエンジンは、当時の日本車と比べてもやや非力だったが、エンジンを思いっきり回してやると元気良く走るところはやはりイタリア車。最高速も140km/h(メーカー発表値)と十分な性能を与えられていた。室内に目を移すと、シートはパイプフレームをベースとしたハンモックタイプで、シンプルながらホールド感と座り心地のよさを両立した出来映えに驚いたものだ。さらに、4x4と名付けられた4WD車もラインナップしており、予想を超える走破性を持つコンパクトカーとして日本でも多くのメディアに取り上げられていた。後期型はフロントグリルのデザインが変わっているのですぐ判別でき、排気量も999ccへと拡大。最終型パンダ スーパーieはキャブをインジェクションに代え、より一層のパフォーマンスアップが図られている。

初代フィアット パンダ 4x4 1980年モデル

●全長x全幅x全高:3405x1510x1415mm ●ホイールベース:2165mm ●トレッド:前1270mm/後1270mm ●車両重量:800kg ●エンジン:水冷直列4気筒OHC・999cc ●最高出力:45ps/5250rpm ●最大トルク:7.5kg-m/3250rpm ●サスペンション:前ストラット/後リーフリジッド ●ブレーキ:前ディスク/後ドラム ●タイヤサイズ:145SR13

マメ知識 PANDA 1st

初代パンダ 4x4の4WDシステムは軍用車メーカーが手がけたってホント?

初代パンダ 4x4の4WDシステムは、オーストリアの軍用車メーカーであったシュタイヤープフ社の手になるものだった。同社はメルセデス・ベンツ ゲレンデヴァーゲン(現在のGクラス)なども手がけており、その技術力は折り紙付き。小さいとはいえパンダ4x4が想像以上の走破性を持っていたこともうなずける。ちなみにパンダ 4x4のリアにはそれを示す「Puch」のエンブレムが貼られている。