ドライブを快適に楽しむために、車内環境はいつでも清潔に保っておきたいもの。中でもイタリアンデザインを施したFIAT車のシートはハイセンスなデザインのものが多く、クルマ自体のキャラクターを形成する大切なパーツのひとつです。
ところで、みなさんは愛車の車内清掃をするさい、シートのケアはどうされていますか?
シートの材質はレザーやファブリックといった素材を用いたものがありますが、今回はファブリック(布)素材を用いたシートのお手入れについて、自分でできるクリーニングの方法をご紹介していきたいと思います。
① ゴミとホコリを取り除く
まず、最初に行いたいのが細かなゴミやホコリを取り除くことです。
シートやフロアマットはゴミやホコリをそのまま放っておくとダニが発生しやすくなるため、数ヶ月に一度は清掃されることをオススメします。
やり方としては、シートを叩いてホコリを浮かせた後、掃除機でゴミを吸い取っていきます。縫い目や凹みなどに細かなゴミが入り込んでいることがあるので、市販されているブラシ付きのアタッチメントを使うとゴミを掻き出しながら吸い取ることができるのでオススメです。
② ファブリックに染みこんだ汚れを取り除く
布素材を用いたシートの場合、表皮にコーティングが施されたレザーシートと比べて、素材自体に油や水分が染みこみやすい分、不意にこぼしてしまった飲食物のシミや夏場の汗染みなども気になるものです。また、何年も乗り降りを繰り返していると、摩擦で汚れが積み重なってしまうことがあるので、汚れが付いていることに気づいたら、洋服のシミ取りと一緒で、繊維に染みこんでしまう前に早めの処置を心がけたいものです。
今回はクルマのシートやカーペット洗浄用のインテリア・シャンプーで、界面活性剤を含んだアルカリ性の溶剤を使用してみます。注意点としては、洗浄剤を用いる場合、先ずは目立たない箇所(シートの裏地など)でテストをして、シミにならないか確認してから使用します。
シートの表面にクリーナーを吹きかけて湿らせていき、2〜3分程置いたあと、水に濡らして硬く絞ったウエスで叩いたり、抑えたりしながら汚れを吸い取っていきます。汚れが落ちにくい時はキレイな水で湿らせたスポンジで叩いたり、軽く擦ったりしながら汚れを落とします。それでも落ちない頑固な汚れは繰り返し作業を行っていきます。
③ 水分を拭き取る
汚れが落ちたら、乾いたウエスで残った水分を吸い取っていきます。
この時、シート内部に水分が残るとカビの原因になりやすいので、水分の吸い取り効果の高いマイクロファイバーやスポンジなどを使うと良いでしょう。
ついでなので、レザーステアリングもお掃除。
表面にコーティングが施されているレザーの場合、水で濡らして絞ったウエスで拭きとるだけでも汚れは落ちていきます。汚れが沈着してしまう前にマメなお手入れをしておけば、汚れも簡単に落としやすいものです。
④ しっかりと乾燥させる
シートは水気を拭き取っても、わずかに水分が残ってしまうので、最後にしっかりと乾燥させていきます。晴れて湿度の低い日であれば、日向にクルマを置いてドアや窓を開け放って換気するのも良いですが、そうしたことが出来ない場合は、ドアと窓を閉め切ってエアコンを使う方法もあります。その際、外気循環+エアコン+暖房に設定すると良いでしょう。
⑤ 作業を終えて
じつはこのシートは筆者自身が3年半乗っている愛車のファブリックシート。
ロングドライブの際についてしまったシミや汚れが気になってきたところでしたが、作業をする前は汚れが落とせるかどうか不安もあり、なかなかチャレンジできないでいました。とはいえ、デザインが魅力のクルマだけにシートのシミは気になってしまうばかり。実際に自分でお手入れしてみると、意外と簡単な作業で清潔感のある状態が保てることから、もっと早くお手入れしておけば良かったと思いました。
適切なケアを心がけることで愛車とのドライブを楽しく快適に。
みなさんもお試しになってみてはいかがでしょうか。
藤島知子(モータージャーナリスト)
幼い頃からのクルマ好きが高じて、スーパー耐久のレースクイーンを経験。その一年後、サーキット走行はズブの素人だったにもかかわらず、ひょんなことから軽自動車の公認レースに参戦することになる。以来、レースの素晴らしさにどっぷりハマり、現在は自動車雑誌やWeb媒体で執筆活動する傍ら、箱車にフォーミュラカーにと、ジャンルを問わずさまざまなレースに参戦している。
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