『Panda』のラゲッジルームに折り畳み自転車を積んで、出掛けることもあるという瀧川徹(たきかわ・とおる)さん。以前は、『500 TwinAir』にお乗りで、『Panda』でフィアットは2台目とのこと。そんな瀧川さんに、フィアットとの出会いや趣味にも大活躍の『Panda』との過ごし方について、自動車ライター・嶋田智之さんがお話を伺いました。 自転車を積み込んで出掛けるときの『Panda』の使いやすさ それがどの街であれ、イタリアの街角に立ってグルリと周りを見渡すと、少なくとも1台や2台は『Panda(パンダ)』の姿が目に入ってきます。それもそのはず、『Panda』はイタリアで最も売れているクルマ。3代目にあたる現行のモデルのデータだけを見ても、2022年ではすべての月で販売台数はトップ、それも2位に大差をつけての記録です。デビューから10年以上が経過していることを考えたら、それは驚異的というべきこと。そして同時に“代わりになるクルマがない”ということの証でもあるのでしょう。 一体、なぜそれほどまでに『Panda』が支持されているのか。今回お話を伺った瀧川徹さんの言葉に、その理由がつまっているように感じました。 瀧川さんは奥さまとふたり暮らしの、ご職業はシステムエンジニア。2021年に『500(チンクエチェント)』から『Panda』に乗り換えたとのこと。それ以前は国産車に6年、ドイツ車に7年、英国ブランドのクルマに12年、そしてフィアットへと、輸入車を乗り継いでこられました。まずはフィアットとの出逢いから伺いました。 「私たち夫婦は小学校、中学校のときの同級生なんですけど、18〜19歳の頃にふたりで話しているときに、四角い初代の『Panda』で盛り上がったことがあったんですよ。でも、若い頃はイタリア車に乗ることがあまり現実的に思えなかったんです。そんなこともあって別のクルマに乗ってきたんですけど、フィアットの前のクルマに12年乗って、そこから先のメンテナンスや部品のことを考えて乗り換えを意識しはじめた頃、実際のところ『Panda』はどうなんだろうね?ってことでフィアットのショールームに行ったんです」 ▲瀧川徹さん ところがそこで購入したのは、『Panda』じゃなくて『500』だったんですよね? 「そうなんです(笑)。奥さんの好みで、やっぱり『500』のデザインがいい、と。うちの場合、クルマは奥さんの好みで選んで、私が試乗をして決める感じなんです。はじめてのイタリア車だったので、メンテナンスのことなど少し心配していたところもあったんですけど、ディーラーの方にいろいろと訊ねて教えていただいて、納得して買い換えました。2017年のことでしたね」 『500』はどうでしたか? 「実はそれまで乗っていたクルマの最新型の購入も考えていたんですけど、ボディサイズが大きくなっちゃって、自分たちに合った大きさではないとか、感覚からズレちゃってたんです。それで国産車も含めていろいろ試乗もしたんですけど、やっぱり見た目が気に入らないと愛せないですよね。『500』は、ボディサイズもデザインもいい。それにツインエア エンジンも楽しいから、ずっと乗り続けていくつもりでいたんですよ。私たちは気に入ったものとは長く付き合いたいタイプなので、10年以上乗ろうって思っていたくらいでした。すごく気に入って乗っていたんです」 なのに、『Panda』に乗り換えられたのはなぜですか? ▲『Panda』 「1回目の車検のときに奥さんといっしょにショールームに行ったら、『Panda』があるんですけどちょっと乗ってみませんか?って、勧められるがままに『Panda』に試乗しちゃったんです。『500』が気に入っていたから、買い替える気もない状態で(笑)。クルマの印象がすごくよかったから、はじめはいずれ乗り換えてもいいかもしれないね、ぐらいの話だったんです。でも世の中の状況が変わってきて、好きなクルマに乗るのもだんだん難しくなっていきそうだし、純粋なガソリンエンジン車もどんどん少なくなってきてる。加えて、コロナ渦に入ってからクルマの入荷が鈍くなる。そこでしばらくは好きな『500』を次の車検を通すか、その前に『Panda』に乗り換えるかで悩んでいたんですけど、今のタイミングを逃したら次に入荷する予定が見えなくなりそうと聞いて、最後の最後にふんぎりをつけました。乗り換えたのは2021年で、それから2年経って、今、走行距離は1万5,000〜6,000km。乗り換えたのは結果的には正解だったと思っています」 どんなところが正解だったんでしょう? 「自転車をクルマに積み込んで出掛けるときの、『Panda』の使いやすさです。例えば、私はカメラを肩から下げてポタリングをするのが趣味なんです。自宅から出発して近所を走ることもあるし、折り畳んだ自転車をかついで電車で遠くまで行って走ることもあります。また、クルマに積んで出掛けることも結構あるんです。週末になると、どこかしらを走っている感じですね。これは『Panda』や『500』に乗るずっと前からの趣味で、20〜30kmくらい走るときもあるし、思いのままに写真を撮りながら、どこにでも行っちゃうんですよ(笑)。目的地というよりもそこに至るまでのプロセスを楽しみたくて、ポタリングをやっています。そういう意味では、走ろうと思っている場所までどうやって行こうかを考えるのも楽しみのひとつなんですけど、『Panda』は自転車やそれに取り付けるポタリング用のバッグなどを積み込みやすいんです。『500』のときには工夫しながら積み込んでいたところがあったんですけど、『Panda』はそのまま難なく3台は積み込めますよ」 『Panda』の荷室容量はそのままで225リットル、リアシートを倒せば870リットルですから、積載能力は高いでしょうね。 「ボディサイズからしたら充分なスペースですよね。でも、その広さももちろんなんですけど、ラゲッジスペースのかたちがまたいいんですよ。実は去年、奥さんがしばらく空き家になっていたおばあさんの家を相続したので、この1年ぐらいは毎月『Panda』で南房総の海の近くに通って、中を片付けたりちょっとリフォームしたりして、やっと住めるようにしたんですね。そのときに向こうから荷物をいっぱい運んできてこっちで処分したり、逆にこっちから家電とかを持っていったり、それはもう散々荷物を積み込んできたんですけど、『Panda』のラゲッジルームは本当に使いやすいんです。今どき、バンでもワゴンでもないのにこんなふうに四角に積めるクルマ、そうそうないですよ。それが気に入っているところのひとつですね」 ほかにはどんなところがお気に入りですか? 「いろいろあるんですけど、背が高いのにロールが少ないので高速道路も安定して走れるし、素直に曲がってくれるところ。何の不安も不満もないです。それと走っていて楽しいこと。楽しくなかったら、たぶん買ってないです(笑)。それには、ツインエア エンジンの存在が大きいでしょうね。姿カタチからは想像できない音を聞かせてくれて、速くて、燃費もよくて、“走っている”っていう感覚が強いのもいい。シートがいいっていうこともあるんでしょうけど、エンジンが力強いから長い距離を走っても疲れない。『Panda』もツインエアだから乗り換えた、ツインエアだから乗っている、っていうところはあります。『500』のときは、見た目がかわいいから変な恰好して乗れないなって思っていましたけど、『Panda』は自然に街に馴染んでくれるので、気を使わずに普通に乗れますね。変に目立ったりはしないけど埋もれなくて、実によくできた洗練されたデザインだと思っています」 次のページ:【『Panda』は余計なものが何もついてない】
『PANDA EASY(パンダ イージー)』にお乗りの山川さんご夫妻。これまでは日本車を乗り継いでこられましたが、7年前にPandaを購入されました。そこにはご主人のお仕事の変化とともに、奥さまが起業したことが大きな影響を及ぼしていたそうです。では何がそのキーとなったのでしょう。山川さんお気に入りのイタリアンレストランエッセにて詳しくお話を伺いました。なお、奥さまは今回コメントでのご登場となります。 メカニカルな面に興味を覚えて 山川さんは商社にお勤めで中南米に船のエンジンを輸出するお仕事を担当されていましたが、政情不安の関係などからヨーロッパの自動車関係のオイルなどを担当することになりました。その頃まではあまりクルマにのめり込んではいなかったそうですが、担当するオイルに関する知識を蓄え、また、多くの自動車ショップを回り、そこにある輸入車に触れるうちにクルマに興味を覚えていきます。そんなあるとき、普段乗っている日本車で帰宅途中、ふと「なんでこのクルマに乗っているんだろうと突然疑問に思ってしまったんです」とお話しされます。 ▲山川雅弘さん 「それこそ仕事でフィアットの『500(チンクエチェント)』や『PANDA』をはじめとした新旧欧州車を見ていると、いま自分が乗っている日本車は何か違うなと思ってしまいました」とご自身の中で違和感を覚えたそうです。 また、ちょうど奥さまが乗っていた軽自動車が車検時期を迎えたということもあり、買い替えを考え、早速ディーラーにPandaを試乗しに行かれました。そして、「試乗したその日にはもう契約していました。即決です」と、とても気に入られたそうです。そのポイントは何だったのでしょう。 ▲山川さん御用達のイタリア料理 エッセ前にて 「私が魅力を感じたのは、もう完全にツインエア エンジンです。もっと速いクルマはいっぱいありますが、日本の道路事情や環境を考えた時に、『ちょうどいいな』と思ったんです。特にツインエアはいま住んでいる浜松市内などではすごくきびきび走れますし、『なんて楽しいんだろう』と感じました。また、2気筒というエンジンが他にはないでしょう?そこにもすごく惹かれました」と教えてくれました。山川さんは前述の通りお仕事でオイルを扱われているため、メカニカルな視点からも興味を覚えられたようです。 自分を表現する手段のひとつ では、奥さまはどう感じたのでしょうか。実は奥さまは以前からフィアットをご存知でした。 「叔母がずっと500に乗っていて、母がそれを見てずっと欲しいといっていたんです。結局私たちがPandaを買った後、母も500を購入しました」とのこと。 そして今回、「最初は500を見に行ったのですが、子どもが2人いるので、家族4人で乗ることを想定すると4ドアが望ましいと考えました。それから、もう少し角ばったデザインが好きなのでPandaが良いなと思いました」と購入の理由を教えていただきました。 ▲PANDA EASY そして、もうひとつ大きなトリガーがありました。ちょうど買い替える前に奥さまはデザイナーとして起業。 「雑貨屋さんによく作品を納品に行くのですが、そういうシーンでPandaで行って納品することで作品や自己のプロデュースができると感じました」とご自身がどのように周りから見られるか、また見られたいかを冷静にデザイナーの視点で分析。また奥さまにとってクルマは、「“自分自身を表現するもの”とも言えるかもしれません。自分が表現したいデザインとPandaが結構合うように感じます」とコメントされていました。 そして、「徐々にステップアップしていくと知り合いも増えますし、素敵な方ともいっぱいお会いします。そうすると、作るものだけではなく、(デザイナー自身の)バックグラウンドが大事になってくるんですね。その人のライフスタイルや人となり、どういうものを好むのかをお客さんは見ているんです」と話され、Pandaはその重要なアイテムであると語ります。 山川さんは、「妻はデザインの仕事をしていますので、そういうところで外観に惹かれ、私はオイルの仕事をしていますので中身(エンジニアリング)に惹かれます」といい、お二人の意見が一致したのがPandaだったのです。 もう少し魅力についてお伺いしようと「ほかにも欧州車はありますよね」と尋ねてみると、山川さんは、「色々と一人で見に行ったりもしましたが、『どれが1番しっくりくるかな』、『楽しいかな』と考えると、やっぱり候補として1番に上がってきたのがPandaだったんです」と答えられました。 その楽しさとは、「使い勝手はどれも変わらないように思うのですが、妻が乗っているところを想像すると、デザイン的に一番しっくりくるのがPandaだったんですね」とご自身の興味に加えて、実際にお使いになる奥さまのことも考えて車種選びをされていました。 次ページ:【山川家ではPanda以上のクルマが見つからない】
フィアットの『Panda』を愛する人々が集まるイベント『パンダリーノ』。その取材にお伺いした際、愛車の『Panda Cross 4×4(パンダ クロス フォーバイフォー)』の側でフレンチトーストを焼いていたお二人が今回お話を伺った岡部さんご夫妻です。これまでにフィアット車を何台も乗り継いでいるほか、いまも『Nuova 500(ヌォーヴァ チンクエチェント )』といっしょに暮らしているとのこと。そこで、岡部さんご夫婦に、歴代の愛車の話やフィアットの魅力をたっぷりと伺いました。 Nuova 500がはじめてのフィアット 「大学生の時に先輩から“俺はいつかこのクルマが欲しいんだ”とNuova 500の写真を見せてもらったのが、フィアットというメーカーやNuova 500を知ったきっかけでした」と最初の出会いを教えてくれた岡部さん。 ▲岡部さんご夫妻 そのときに、「僕も凄く欲しい!」と思ったそうです。岡部さんは、元々クルマ好きだったそうですが、その頃は国産の旧車に興味が向いていたとのこと。しかし、「これがきっかけで一気に興味がわきました。ワールド・カー・ガイド(ネコ・パブリッシング刊)のフィアットをすぐに買ってパラパラとめくってみたら、魅力的なクルマがいっぱい載っていて、アバルトもそこで知りました。それがフィアットは面白いと思った始まりです」と嬉しそうに思い出を語ります。そして岡部さんは、「その頃からNuova 500貯金として毎月1万円を貯め始めました。最終的に10年間かかりましたが、そのお金でNuova 500を買えたのです」 このクルマが岡部さんにとって初めてのフィアットになりました。 ▲Nuova 500(写真協力:岡部さん) フィアットの魅力について、「デザインや走りなどクルマの本質に関わる部分がすごくしっかりと作られているところですね。特に著名なエンジニア、ダンテ・ジアコーサが作ったフィアットのクルマ達や、ジョルジェット・ジウジアーロがデザインした初代Pandaもそうですが、機能を突き詰めて考えた結果、あのデザインになったというクルマがフィアットには多いというところに、すごく惹かれました」と語る岡部さん。 その結果、日本車はもちろん、他のヨーロッパ車には目もくれずフィアット一筋。ワールド・カー・ガイドを毎日眺めながら、フィアット車のことを考えて過ごしていたそうです。 実は、Nuova 500の前に、もう1台購入を考えていたフィアット車があったそうです。「社会人になって普段使いのクルマとして、絶対にフィアットが良いと思って『フィアット リトモ アバルト130 TC』の購入を考えていました。コンパクトなハッチバックで“熱いエンジン”を搭載しているのが魅力でしたね。しかし、親に反対されて断念しました」 そこで、スポーティな走りも楽しめる日本車を手に入れ、そのクルマを持ちながら後にNuova 500も購入。そして、その日本車は13年ほど乗ったころからトラブルが相次いだため手放して、Nuova 500のみの生活になったとのこと。「妻といっしょに、Nuova 500でいろいろな場所へ出かけました。屋根のない駐車場に停めていたため、大雪でクルマが埋まってしまったという思い出もあります」 加えて、奥さまから面白いエピソードが。「ある時、土砂降りの中を迎えに来てくれたのですが、突然道を歩いてるおじさんに『これ、フィアットじゃないですか?』と話しかけられ『中を見せてくれ』といわれたことがありました」そして「珍しいクルマだから、どうしてもインテリアを見たいといきなりドアを開けられたよね(笑)」と岡部さんご夫婦は顔を見合わせながら楽しそう。 また、奥さまは、「インパネ周りがツルッとしているので、それにビックリしました。嫌だなという感じは全然なく、楽しい、可愛いと思いました。土砂降りの中で乗っても、ついつい笑っちゃうんです」とお二人ともNuova 500を本当に大好きな様子です。 2代目Pandaからはじまる、快適なフィアット生活 Nuova 500を所有していたものの、年式が古いため長距離でのお出かけはレンタカーを借りていたという岡部さんご夫婦。 「レンタカーを借りる度に、すごくガッカリしていました。こういうクルマに毎回乗るのであれば、やっぱりもう1台、フィアットで何か良いのはないかなと考え2代目『Panda(パンダ)』の中古車を買いました」 そこでも、フィアット車であるということは譲れなかったそうで、他ブランドのクルマのことは、まったく考えなかったそうです。 ▲500X(写真協力:岡部さん) すでに、この2代目Pandaを手放しているという岡部さん。実は、そのことを後悔しているそうです。「サイズ感や、小さいのに5ドアであることなど、いまにして思うと貴重な存在でした」とのこと。 そのPandaを手放した後『500X(チンクエチェントエックス)』を購入。500Xの購入には、実は岡部さんの趣味が関係していました。「トレイルランニングや登山をするので、ちょうどSUVの四駆が欲しかったのです。そうした思いにピッタリなモデルがフィアットのラインナップに加わっていたことと、形が500に近いこともあり、ずっと欲しいと思っていました。ちょうど『Panda 4×4(パンダ
お医者様として日々奮闘している松村啓さん。多くのクルマを乗り継ぎ、現在もヒストリックカーを含め複数所有する“エンスージアスト(熱狂的なファン)”であり、また、アウトドアレジャーも存分に楽しむ素敵なライフスタイルをお持ちです。そこにフィアットがなくてはならない存在と語る松村さんに、その魅力を存分にお話しいただきました。 “ちっちゃくてすばしっこい”のが格好良い お勤めの病院の近くにあるガレージには今回ご紹介する『Panda 4×4(パンダ フォーバイフォー)』や、新車から所有する『クーペ フィアット』のほかに、ヒストリックカーの『Nuova 500(ヌォーヴァ 500)』、アバルトでは『1000TCR』などが収まっており、そのほとんどが小さなクルマ達です。 「子供の頃のおもちゃはミニカーでした。デパートに行くとトミカを買ってもらっていました」と楽しそうに思い出を語る松村さん。クルマ好きになるきっかけは全く覚えていないとのことですが、お父様やご親戚が、海外のスポーツカーや大型サルーンなどに乗っていたくらいのクルマ好きだったことから、必然的にクルマ好きになっていったのでしょう。「ヘッドライトやテールランプの形でみんな車名がいえるくらい好きでしたね(笑)」 免許を取得しクルマが買えるようになったとき、最初に選んだのは『FIAT RITMO ABARTH 130TC(フィアット リトモ アバルト 130TC)』というハイパワーのハッチバックで、その後少し他の国のクルマにもお乗りになったそうですが、再びフィアットとアバルトの世界に戻ってきた松村さん。その車歴を振り返ると、いずれもが小さなハッチバック系だったそうです。松村さんは素直に、「ちっちゃいクルマが好きなんです」と語ります。「自分の体格は小さい方なのですが、高校時代は柔道部に所属していました。そのときに、“ちっちゃくてすばしっこい”のが格好良いと思っていたんです。クルマの世界でもラリーで速いクルマは小さくてすばしっこくて、ジャイアントキラー、大きいクルマに勝つみたいなイメージですものね」とその理由を教えてくれました。 そもそも最初にフィアットを意識したのはルパン三世の『Nuova 500(ヌォーヴァ 500)』でした。ここからが松村さんらしいところで、カリオストロの城ではなくテレビのファーストシリーズに登場した水色の500だったのです。 「これが最初のフィアットとの出会いだったんでしょうね。ちっちゃいクルマですばしっこくて、狭いところにどんどん入って行って、後ろから来た大きいクルマは入っていけない」。そんな痛快なイメージに惹かれたようです。因みにこのシリーズは何度も見直し、今ではセリフまで言えるようになったそうです。 パンダがやってきてカヌー熱が再燃 松村さんのいまの生活に最も溶け込んでいるのは“ヴェルデ・トスカーナ”というオリーブドラブカラーの『Panda 4×4(パンダ フォーバイフォー)』です。 「実は大雪の日に安心して乗ることが出来る四駆が欲しかったのですが、SUVは見た目が好きではないので、いろいろ探していました。そのときに、ディーラーからパンダの四駆が出るという話を聞いた瞬間に買います!となりました」。 もともとパンダのデザインは好きだったそうで、そこに迷いはなかったといいます。それ以前にも先代パンダも所有していた経験があることから、そのサイズと魅力は熟知していたのでしょう。 パンダがやってきたことで松村さんのライフスタイルは一変します。 「もともとアウトドアレジャーが好きで、パンダでスキーやスノボ、自転車を積んで出かけたりしていました。あるときふと、カヌーがあったなと思い出したのです」。 実は20~30年くらい前にカヌーを楽しんでいたことから、「もしかしたらとルーフキャリアにアタッチメントを付けて乗せてみたら、ギリギリ大丈夫でした」。そこから一気にカヌーの趣味が再燃。いまでは仲間とともにご自宅から近い中禅寺湖で楽しんでいるそうです。 松村さんはパンダについて、「いろいろクルマを持っていますが、パンダが一番楽しいといってもいいぐらい面白いですね。例えば6速マニュアルを操って元気に走らせることも出来ますし。あとは雪道も、悪路もガシガシ行くほうなので、そのときの抜群の安定感も素晴らしいです。雪道も何度も試しましたが全然ヒヤッとしたことがないくらいです。また、カヌーを乗せていくと、湖畔は凸凹道ですがそこも楽しい。こんなになって(といってステアリングを握るふりをして、体を大げさにゆすりながら)もすごく楽しくて」と本当に笑い声をあげながら実演してくれます。
雪道での実力を試したくて往復750kmドライブ 日本各地で桜を喜ぶ声が聞こえ始め、雪景色なんてもうほとんど残っていないんじゃないか? という3月下旬のある日。冬の名残を探して、フィアット・パンダ・クロス 4×4で往復750km少々のロングドライブに出掛けてきました。なぜなら、この小さいのにちょっとワイルドなヤツを装ったヤンチャ坊主のようなパンダ・クロスが、ホントのところはどこまで逞しいのかを知りたいな、と思っていたからです。 結論から述べてしまうなら、このパンダ・クロス、成り立ちから分析してみた自動車ライターとしての予想どころか、イタリア車好きとしてのひいき目込みの期待感をも大きく超える走破性の高さと、1台のコンパクトカーとしての完成度の高さを、ハッキリと見せつけてくれました。それはもうちょっとした驚きといえるほどに。 ジェントルなパンダがワイルドに変身 パンダの4WDモデルは、これまでも限定車というかたちで何度か上陸を果たしています。このパンダ・クロスが従来のパンダ 4×4と異なるのは、主としてルックスでしょう。動物の方のパンダみたいな目の周りの黒と、その目元に埋め込まれたフォグランプ。フロントのバンパーの下側にはシルバーの樹脂製スキッドガードが備わり、左右に赤いトウフックが顔を出しています。リアのバンパーもスキッドガード風のデザインになり、コンビネーションランプもフロントと同様に黒いプロテクションで覆われています。 そうした遊び心のあるアレンジが加えられたおかげで、かわいらしくも穏やかな印象のパンダが、一気にワイルドなオフローダーへと変身したかのようです。そしてこのバンパー周りのデザイン変更は走破性の向上にもつながってることが、数字の上からも解ります。アプローチアングルが24°、デパーチャーアングルが34°と、それぞれ通常のパンダ 4×4より1°ずつ向上しているのです。いずれも凸凹道や急坂道を走るときの路面と車体の干渉の度合いを知るための参考になる値。つまり、より干渉しづらくなっている、ということですね。 他にもルーフレールがよりキャリアやボックスを取り付けやすい形状のハイトの高いものへと変わっていたりして、パンダ・クロスがフィールドを楽しむことをこれまで以上に考えて作られたモデルであることが分かります。 機能の面では、従来のパンダ 4×4ではダッシュボードにあった“ELD”、つまりエレクトロニック・ロッキング・ディファレンシャル(=電子式デフロック)のスイッチが廃止され、センターコンソールにドライブモードのセレクターダイヤルが備わったのが新しいところです。モードは通常走行のための“オート”、4輪の駆動力配分のレスポンスを高めるとともに、それぞれのタイヤにブレーキ制御をかけることで空転を抑えるLSD的な機能も働く“オフロード”、滑りやすい急な下り坂で自動的に細かくブレーキを介入させることで安全性を高める“ヒルディセントコントロール”の3つ。これもフィールドを楽しく走るために有効なものですね。 それ以外は、基本的にはこれまでのパンダ 4×4と一緒です。路面から車体の最も低い部分までの高さが161mmと、パンダのFFモデルよりも遙かに大きなロードクリアランス。通常は前輪に98%、後輪に2%の駆動を送り、走行状況や路面状況に応じて駆動力の配分を瞬間的に変化させる、トルクオンデマンド式のフルタイム4WDシステム。アイドリング付近から素晴らしく粘り強いトルクを発生させるツインエア・エンジンに、いかなるときも駆動力のことを考えてるといわんばかりの低いギアレシオを持った6速マニュアルトランスミッションの組み合わせ。姉妹ブランドのジープと同じとまではさすがにいきませんが、パンダ 4×4は元々がいわゆる“生活ヨンク”と呼ばれるクルマ達よりも一段高いレベルの、しっかりした4WD性能が与えられているモデルなのです。 背が高いのにワインディングロードでもよく曲がる このクルマで350kmほど先の雪景色を目指したのですが、そこまでのアプローチの大半は街中走行や高速道路でのクルージング。僕はその段階でもう、パンダ・クロスに好印象を持ちました。直列2気筒875ccターボのツインエア・エンジンが意外や速い、というのはよく知られた話でしょう。85ps/5500rpm、145Nm/1900rpmという数値だけ聞かされたら期待は持てないように感じられるでしょうけど、このエンジンはトルクの沸き立たせ方が巧みで、ゴー&ストップを含めた街中でも扱いやすく走らせやすく、高速道路に入れば巡航しやすいうえに力不足もじれったさも全く感じないという出来映え。ギアレシオが全体的にFFモデルより低い設定であることも手伝って、巡航状態から加速していくときの素早さも増しています。発表されている0-100km/h加速タイムは12秒と、スポーツモデルではないこのクラスのクルマとしては優秀な数値。体感的にも日常生活において、あるいは日本の交通状況の中で、不満らしい不満に繋がることはないでしょう。 雪が残るエリアへの山道の登り坂は、当たり前のようにツイスティなワインディングロードです。スタンダードなFF版パンダは、そのルックスにはそぐわないフットワークのよさを見せてくれるクルマとして高い評価を得ています。そこから推定値で65mmほどフロアの位置、つまり最低地上高が高くなってるパンダ・クロスは、もちろん重心そのものも高くなってるわけで、本来ならグラついたり揺り戻しが大きく出たりしてもおかしくありません。こうした場所は苦手分野だろう、という先入観を持たれても不思議はないのです。が、いやいや、とんでもありません。確かにコーナーを曲がるときの車体の傾き具合はやや大きくなってはいます。けれどその動きはとっても自然で解りやすいし、何より元々の持ち味が健在。ステアリング操作に対して素直なフィールを感じさせながら気持ちよく曲がってくれるハンドリングは気持ちいいし、そうしたときのしっかりと腰を粘らせながら路面を捉えていく安定した曲がりっぷりには感心させられます。ツインエア・エンジンのどこからでもしっかりと力を送り出してくれる性格は、コーナーから立ち上がって次のコーナーに向かうまでの爽快な加速を作り出してくれます。マニュアルトランスミッションならではの“操縦してる”感の強さは、今や貴重ともいえるドライビングの根源的なおもしろさのひとつ。パンダ・クロスで走るつづら折れ、実は望外に楽しいものだったのです。 雪道や泥濘みではっきり生きる見た目以上の逞しさ なので、この時点ではとっくに “パンダ・クロス、いいなー!”なんて感じていました。けれど、山を登り切った辺りの雪景色の中に辿り着き、積雪した路面、凍った路面、それが組み合わさった路面、陽当たりがよく雪が融けて泥々になった路面など、滑りやすいところをたっぷり走ってみると、それはいとも容易く“パンダ・クロス、ものすごーくいいなー!”に昇格したのでした。 なぜなら、この4WDシステム、かなり優秀なのです。4つのタイヤのそれぞれが駆動の強弱を滑らかに素早く変化させながら、確実に路面を掴んで前に進んでいく。その様子が車体やステアリングを通じて伝わってきます。わざとアクセル操作をラフにして前輪を空転させようと試みましたが、空転はしたかしないかの一瞬だけ。ほとんど同時に後輪の駆動力がグッと膨らんで、全く何事もなかったかのように前に進んでいきます。わざと4つのタイヤが不安定になるようなドライビングも試みましたが、どこかが安定を失えばどこかが補う、それも瞬きする間もなく……といった感じで、破綻させるのが難しいほどでした。磨き上げられたアイススケートのリンクのような場所でそれなりの速度域まで持っていくなら話は別でしょうが、僕達が普通にこのクルマで入っていける場所ならほとんど全て、どこだって走れちゃうんじゃないか? と感じたほどでした。僕は駆動力配分の変化のレスポンスのよさが欲しかったので走行モードを“オフロード”にして走ることが多かったのですが、最初から最後まで“オート”でも全く問題はなかったかも知れません。パンダ・クロスはカッコだけの見かけ倒しとは全く異なる、実に逞しく頼りになる相棒だったのでした。 懐深く大人びた、疲れ知らずの乗り心地 そしてもうひとつ。足元の悪いところを楽しんで、下りのワインディングロードも楽しんで、再び高速道路をひた走って東京に近づいたときのこと。夜中に出発するときにリセットしたオドメーターは、650kmを超えてました。けれど、それほど疲れを感じてないことに気づいたのです。走っていて楽しかったからというのも無視できない要因ではあると思うし、自分自身が長距離に慣れてることも要因のひとつだったかも知れません。が、何より乗り心地がよかったのです。地上高を上げるのに伴ってサスペンションのストローク量を大きくしたことを、キッチリと活かしているのでしょう。路面の凹凸をしなやかに吸収し、不快な衝撃として伝えてくることがほとんどないのです。加えてクルマそのものの高速走行時の直進性がいいこと、ステアリングの座りがよくて反応も機敏すぎず素直であること、シートが上手く身体を沈み込ませて安定させてくれること、車体がとにかくコンパクトだし視界もいいから気疲れが少ないこと、なども疲れ知らずの要因でしょう。スポーツカーのような姿はしていませんが、本来の意味でのグランドツーリングには、このクルマは最適な1台といっていいかも知れません。 しかも軽く衝撃を受けるほどの出来映えなのに、値段は200万円台半ばほど。このクラスの4WDモデルとしては、コストパフォーマンスはピカイチです。何だかホメ過ぎのような気がしないでもありませんが、ウソはなし。僕自身、憧れてるライフスタイルへのターニングポイントに辿り着いたらこのクルマを手に入れたい、と感じてしまったくらいです。様々なSUVにも4WDモデルにもこれまでたっぷり試乗してきたというのに、あっさりと……。 先日発表されたばかりのモード グレーのパンダ・クロス 4×4も、カラーリング以外はほぼ同一の仕様。鮮やかなイエローとは異なりますが、少し大人びたシックな雰囲気がまた魅力的です。215台の限定ですが、こちらもまた人気を呼びそうですね。 いずれにしても、パンダ・クロス、おそるべし。フィアット、おそるべし。そんなふうに痛感させられた、春先の雪景色探訪ロングドライブだったのでした。 文 嶋田智之(自動車ジャーナリスト) 写真 神村 聖
クルマの購入において、クライマックスともいえる「納車」。契約をしてからとても待ち遠しい納車日は、まだクルマを買ったことがない方にとってはベールに包まれた1日でもあります。 今回は、フィアットのPanda(パンダ)を購入した井熊さんの納車に密着。実際の納車とはどのようなものでしょうか? 納車未体験の方、これから初の納車を迎える方は必読です。 納車とは? セールススタッフに聞く、納車の基本 2021年1月某日、Pandaの納車日。井熊さんが訪れたのはフィアット/アバルト東名川崎。2020年6月にリニューアルオープンしたばかりの、明るく清潔感のあるショールームが魅力のオフィシャルディーラーです。サービス工場も併設しており、以前にはフィアットのメンテナンスに関する記事で登場したこともあります。 まずは、井熊さんの担当セールススタッフで、クルマの検討から購入、納車、アフターフォローまで一貫してサポートする田中さんに、納車の基本についてお話を伺いました。 — そもそも納車とは何でしょうか? 田中さん:納車とは、クルマを販売業者からお客さまに納入することです。クルマは販売店で見て気に入ったからといって、その場で購入してすぐに乗って帰ることはできません。在庫がある場合でも、ご契約いただいてから納車まで車庫証明、車検整備、名義登録などの手続きで2〜3週間はかかります。また車両の在庫がなくオーダーになる場合は、3カ月ぐらい必要です。 — 納車の多い日時は? 田中さん:最も納車が多いのは、土曜日の午前中になります。やはりクルマを受けとってすぐ、どこかにドライブしたいということが理由でしょう。その反面、日曜日の夜の納車はあまりないですね。あとは大安など、縁起の良いとされる日を選ばれる方も多いです。 — 納車の場所は選べるのですか? 田中さん:自宅納車と店頭納車からお選びいただけます。ただ、ご自宅での納車の場合は別途費用が必要となることもあり、現在では店頭での納車が主流です。店頭での納車時には、今後お客さまをサポートさせていただくスタッフもご紹介いたします。 — 現在乗っているクルマと入れ替えの「代替購入」の方も多いと思うのですが、フィアット車以外でも下取りできますか? 田中さん:メーカーを問わず可能です。納車時には、思い出の詰まった前のクルマと、新しく購入したクルマを並べて記念撮影される方も多いですよ。 納車当日の流れは? 必要な持ち物はある? ではいよいよ、納車の実際の流れを3つのパートに分けてご紹介します。納車に必要な時間は30分〜1時間を目安にしておくといいでしょう。 「納車にかかる時間はまちまちですが、Pandaの場合は装備や機能がシンプルなので説明時間が短くすみ、比較的早めに終わると思います」(田中さん) 1. 車検証など書類の確認 納車日は予約の時間に来店し、まずは車検証の名義などが正しく表記されているか確認します。 納車日当日に印鑑など必要な持ち物はとくにありませんが、免許証はお忘れなくお持ちください。お忘れになるとクルマに乗って帰ることができませんので……。 2. クルマの確認、機能説明 つぎにセールススタッフと一緒に、実車をチェックします。新車の場合はボディカラーが合っているか、頼んだオプションが取り付けられているか、車内外に傷や汚れがついていないかなどをご確認ください。また中古車の場合は事前に依頼した修理がされているかという点はしっかりチェックした方がいいでしょう。 チェックと同時に、セールススタッフがクルマの運転や装備、機能などに関する説明を行います。たとえばPandaの場合、日本車とは使い勝手が異なる部分や、デュアロジックをはじめとする独自のテクノロジーなど、ユニークな点もあります。分からないことは何でも質問してください。 3. 受け取りのサイン クルマに問題がないことを確認できたら、受け取りのサインをして納車の手続きは終了。これにて晴れて“マイカー”となります。
なかなか自由にお出かけできない毎日。おうち時間のなかでも、何か楽しいことに触れて、気分を上げたいものです。 そこでフィアットでは、みなさんに楽しんでもらえるように、フォトコンテスト「#LOVE FIAT 2021」を開催します。これはあなたの好きな写真を、ハッシュタグ「#LOVEFIAT_2021」をつけてインスタグラムに投稿してもらうキャンペーンです。 過去にも、インスタグラムでさまざまなフォトコンテストを開催してきました。今回はとくに投稿数の多かった2つのフォトコンテスト「LOVE FIAT 2020」「FIAT HAPPY YELLOW」から、編集部が独断で選んだ素敵な写真をご紹介します。その写真をお楽しみいただくとともに、「#LOVEFIAT_2021」の投稿の参考にしてくださいね。 「LOVE FIAT 2020」 バレンタインシーズンにぴったりな投稿キャンペーンが、2020年2月に開催された「LOVE FIAT 2020」です。みなさんの“好き”がたっぷり詰まった写真を、ハッシュタグ「#LOVEFIAT_2020」をつけて投稿してもらいました。 このキャンペーンで「好きなもの」を紹介してもらったのは、バレンタインデーがある2月に、フィアットオーナーさまも、まだそうでない人も気軽に参加できるようにするため。自分の好きなものを投稿してもらうことで「生活にさらなる彩りを」と考えて企画したキャンペーンです。 その結果、フィアットとの愛や繋がりを感じる写真だけではなく、家族やペット、ファッション、スイーツなど「#LOVEFIAT_2020」のハッシュタグがついた愛を感じる写真の投稿は5,000件を超えました。その中から編集部が注目した写真をご紹介します。 夕陽のなかで映える「500S Automatica」 Instagramで投稿を見たい方はこちら 夕陽が差し込む大きな水溜りに、愛車の500S Automatica(オートマティカ)を停めて撮影。景色が光の反射によって水面に映り込む「リフレクション」と呼ばれる方法を使うことで、幻想的な世界観をつくりだした写真になっています。 美しい風景だけではなく、好きな猫や日常の身近なものを写真に残して投稿するejistagramさん。愛車のフィアットが写り込んだ風景写真の投稿もあるので、ドライブシーンを連想できます。 ejistagramさんのinstagramはこちら お気に入りの赤い「500」で大自然をドライブ Instagramで投稿を見たい方はこちら 日本百名山に選ばれている北海道の「羊蹄山(ようていざん)」をバックにした、真っ赤なボディカラーの500(チンクエチェント)が目を引きます。大自然のなかを500で爽快にドライブするときの気持ちよさを感じる写真です。 北海道の大自然や街並みといっしょに、愛車の500を撮影した写真が並んでいます。被写体の元のカラーを変えないように撮影してあるので、「その場にいるようなリアルさ」を感じることができる写真ばかりです。 ezoflatさんのinstagramはこちら 箱根・芦ノ湖を「500C」で爽快にお出かけした記録を Instagramで投稿を見たい方はこちら 箱根・芦ノ湖に現れた光芒(雲の隙間から差し込む光)を背景に、カブリオレモデルの500C(チンクエチェント シー)を撮影した1枚。光がうまく当たっているので、ホワイトのボディカラーでも白飛びすることなく、500Cのおしゃれさが際立っています。 愛車の500Cとの日常を残しているKensuke Imamuraさんのアカウントでは、撮影後に加工を施した写真もたくさん投稿されています。アーティスティックな写真を残したい人にとって参考になる写真ばかりです。 Kensuke Imamuraさんのinstagramはこちら 「FIAT HAPPY YELLOW」 春本番をむかえた季節に、インスタグラムのフィードを色鮮やかに彩ったキャンペーンが「FIAT HAPPY YELLOW」です。 キャンペーンのテーマは、2020年3月に発売された限定車『500 Mimosa(チンクエチェント ミモザ)』のボディカラーで、色彩心理学で「しあわせ」のイメージを与えるといわれる“黄色”。黄色いアイテムが写っている写真をハッシュタグ「#happyfiat_yellow」をつけて投稿してもらいました。 このキャンペーンが開催された2020年の3〜4月は、世界各地で新型コロナウイルス騒動によるロックダウンや外出自粛が叫ばれていた時期。フィアットでは「気分がすこしでも明るくなり、生活を楽しんでもらえるようなコンテンツをお届けしたい」という気持ちでキャンペーンをはじめました。 その気持ちに反応してもらったみなさんから、愛車の500
ウインタースポーツ好きの方にとって心躍る季節です。スキー場で楽しむのはスキーやスノーボードはもちろん、ゲレンデで食べるごはん、いわゆる「ゲレ食」を楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。カレーやラーメン、蕎麦などさっと手軽に食べられる、シンプルなメニューが主流ですが、ロケーションと相まって最高においしいですよね。 しかし、近年の「ゲレ食」は進化を遂げて、各店の創意工夫が光る手の込んだ料理がトレンドに。おいしいゲレ食No.1を決めるイベントも開催されているほどです。そして、お客様にゆっくりと召し上がっていただくという、ゆとりのある食事スタイルもセットになっています。 今回はそんなワンランク上のゲレ食を38年にわたって提供してきた老舗ピッツェリア「ラ・ロカンダ・デル・ピットーレ岩原本店」をご紹介します。 極上のゲレ食を求めて、「PANDA CROSS 4×4」で雪道ドライブ ピッツェリア ラ・ロカンダ・デル・ピットーレ岩原本店は、新潟県の越後湯沢・岩原スキー場にあります。湯沢エリアは新潟県の内陸部に位置し、降雪量が多い地域として知られ、数多くのスキー場が点在。都心からも約2時間半というアクセスの良さも相まって、ウインタースポーツを楽しむ人たちに人気のスポットです。 今回は冬場のドライブでも頼りになる一台、フィアットの限定車「PANDA CROSS 4×4(パンダ クロス フォーバイフォー)」で、岩原スキー場を目指します。 高速道路を降りてからスキー場までの一般道は、スノーコンディションであることも珍しくありません。スタックしやすい雪道に加えて、坂道が続くことも多く、ドライバーにとっては少し不安に感じることも……。 岩原スキー場への最後の道程はつづら折りの急坂になっていますが、PANDA CROSS 4×4は、そんな不安を払拭するような、安定した力強いパフォーマンスを披露。4WDの駆動形式と6速マニュアルトランスミッションの組み合わせによって生まれる走破性は、フィアットのラインナップの中でも随一です。 本格ピッツェリア「ラ・ロカンダ・デル・ピットーレ」が、ゲレンデにある理由 岩原スキー場に到着し(ちなみに岩原スキー場の駐車場は全日無料!)、クルマを降りてゲレンデへと歩いていくと、目的地である「ピッツェリア ラ・ロカンダ・デル・ピットーレ岩原本店」が見えてきました。建物の外も中も、一般的なゲレンデのレストランとはまったく異なる、おしゃれで落ち着いた雰囲気です。 出迎えてくれたのは、オーナーの辻伊佐男さん。イタリアンとの出会いや、ゲレンデという場所にお店を構えた理由などをお聞きしました。 ― どのようにしてイタリアンの道に入ったのでしょうか? 辻さん:今から40年以上前のこと、アフリカを旅した帰りに立ち寄ったパキスタンで、とあるイタリア人に出会いました。お互いに旅することや人と会うことが好きだったという共通点があり、すぐに意気統合。4年後に彼の地元であるイタリアに行く約束をして、その場をあとにしました。そして4年の月日が経ったころ、実際に会いに行ったんです。 彼が住んでいたのは、ミラノから車で約30分。スイスの国境近くに位置する「コモ」という町でした。コモ湖という大きな湖が有名で、自然の多いリゾートエリアです。 そして彼はピザとパスタを提供する庶民的なピッツェリアを営む料理人だったんです。わたしは最初、彼のお店で皿洗いの仕事を手伝い、そのまま彼の家に居候することに。これがイタリアンの道に入るはじまりでした。 — 料理の修行のために、イタリアに渡ったわけではなかったのですね。 辻さん:そうです。イタリアンのシェフを目指す人たちは、ミラノやローマ、ナポリなど、イタリア各地の有名なレストランを転々としながら、自分に合った料理のスタイルを見つけていくことが一般的だと思います。 私の場合は、真逆の土着型。北イタリアのコモに住むイタリア人の家庭に入り込みながら、料理を含めて現地の人々と同様のライフスタイルを長く経験しました。なので、一般的な料理人のスタイルとは大きく異なるかもしれません。 — 料理はどうやって覚えていったのでしょうか。 辻さん:コモのお店では、スタッフは仕事が終わってから食事をとっていました。わたしの仕事は皿洗いだったので、余ったソースやピザをこっそり残しておいたんです(笑)。仕事が終わると、それらを味見して、さまざまなメニューの味を覚えていきました。 料理を作るシェフは数人いたんですが、彼らの出身地が北か南かによって微妙に味付けが違っていました。同じイタリアでも地域によって味に違いがあることは非常に興味深かったのを覚えています。 そして毎週、店の休みには友人が周辺のレストランに食事に連れて行ってくれました。そのおかげで、カジュアルなピッツェリアから高級店まで、さまざまな本場のイタリアンの味を勉強することができました。
太陽の光も、吹き抜ける風も、鳥のさえずりや虫の音も心地よい青空の下、とれたての野菜を使った本格的なイタリア料理を楽しむ…そんな贅沢な時間を過ごせる場所があることを知っていますか? 千葉県君津市の里山にある「マリポコミュ」に併設された「アオゾラ畑の台所」は、2020年6月にプレオープンしたばかりの知る人ぞ知るレストラン。イタリアでの約2年間の修業を経て、現在はミシュランガイド東京に6年連続で掲載されるナポリピッツァの名店「ピッツェリア・ベントエマーレ」を10年にわたって営む中西和之シェフが腕を振るう、無農薬野菜を使った“本物”のイタリア郷土料理が味わえます。 今回の旅の相棒は、5ドア5人乗りコンパクトのPanda。走り心地と乗り心地のバランスがよく、家族での移動も楽しく快適な1台です。 食べることとじっくり向き合うために 都心から約1時間半、東京湾アクアラインを渡り、峠道のワインディングを駆けてたどりついた先に見えてきたのは、カラフルな2軒の古民家と農園。おおよそレストランがあるようには見えないこの場所が「アオゾラ畑の台所」です。 まず出迎えてくれたのは、「マリポ農園」を運営する古木真也さん。微生物と共生した土づくりにこだわり、無農薬で野菜を育て、規格外や本来廃棄となってしまうような野菜も加工して付加価値をつけるという“持続可能な農業”をテーマに活動をしています。 野菜を無駄にせず、循環させたいという「マリポ農園」の考えに中西シェフが賛同したことをきっかけに「アオゾラ畑の台所」は始まりました。 「食べられるのに捨てられてしまう野菜がすごく多いことを知って、食品ロスに課題を感じるようになりました。そんな中、野菜の廃棄問題に取り組んでいる古木さんと出会い、この農園でイタリアンを楽しんでもらえる場所を作りたいと思ったんです」と中西シェフ。 「アオゾラ畑の台所」は現在プレオープン中で、1日1組限定で営業しています。「ゲストの数を絞っているのは、ゆっくりと食事の時間を過ごし、食に向き合ってほしいからに他なりません。日々忙しく働き、短い時間で食事を済ましていると、どうしても食のありがたみを忘れてしまいがちです。みなさんも今日は、鳥や虫の声をBGMに、風を感じながら普段とは違った食事を楽しんでくださいね」 作れるものは自分たちで作る 食事の時間まで、古木さんに農園を案内していただきました。「マリポ農園」では、季節の野菜からハーブまで常時十数種類と多くの品種が無農薬で栽培されています。ここでとれたものを中心に、近隣の農家から物々交換で仕入れた食材が「アオゾラ畑の台所」の料理に使われます。 農園を抜けるとそこには食事の場所となる「アオゾラダイニング」が。テーブルと椅子がセットされたパオは、中西シェフ自らがDIYしたという力作です。また、パオの隣にあるジャングルジムも、自生する竹を使って仲間たちで協力して手作りしたそうです。 時間を忘れて楽しむイタリアの郷土料理 農園を後にし席に着いたら、いよいよコース料理のスタートです。調理もサービスも、すべて中西シェフ自らが行います。 ウェルカムドリンクは、シュワっと冷たいしそジュース。暑い日にぴったりの爽やかな香りです。その時々に応じて、季節のフルーツやハーブを選んで作ってくれます。 赤い皮が特徴のジャガイモ「アンデスレッド」を使った冷たいスープは、甘くクリーミーな味わい。皮までおいしいので、まるごとスープにしているそうです。 シェフが目の前で仕上げるパフォーマンスも、気分を盛りあげてくれます。 「料理を出す直前に仕上げるのは、食材の説明をしっかりできるから。また、お客さんと濃い会話ができるのもいいところですね」と話す中西シェフ。どの料理にも食材の持ち味がいかされています。 白いキクラゲのサラダはシンプルな味付けで、コリコリとした食感を楽しめます。和えられているモロヘイヤとヤーコンも農園でとれたもの。 セモリナ粉をまぶして揚げた黒キクラゲは、ほどよい塩加減とサクサクの衣、プリプリの食感が相性抜群。 色鮮やかなシチリア風のカポナータは、よくあるトマトソースで煮込んだものでなく、カラフルで爽やかなビジュアル。4種類の野菜をオーブンで焼き、1日冷まして味をなじませて野菜の旨味を凝縮。酢、砂糖、ケッパーなどで甘酸っぱく仕上げた、夏でも食が進む一品です。 ナポリのピザ屋でおなじみのゼッポリーニは、ピザ生地の中に青のりを練り込んで揚げたもの。磯の香りともちもちした食感がクセになります。