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LIFESTYLE

イタリア高級帽子ブランド「ボルサリーノ」。クリエイティブキュレーターが語る老舗の誇りとクラフトマンシップ

世界中の誰もが憧れる、世界最高峰の帽子ブランド「ボルサリーノ」。イタリアを代表するブランドであり、クラフトマンシップを大切にしながら伝統を守り続けているなど、ボルサリーノとフィアットには多くの共通点があります。そんなイタリアの2大ブランドによるコラボレーションが実現しました。   世界に冠たるイタリアの高級帽子ブランド「ボルサリーノ」とは?   ひとたび帽子をかぶれば、たちまち誰もがエレガントになれるボルサリーノは、1857年に創業者であるジュゼッペ・ボルサリーノ氏が北イタリアのアレッサンドリアに設立してその華麗なる歴史がスタートしました。     1900年にパリ万国博覧会にてグランプリを受賞したことから、一躍世界中から脚光を浴び、またたく間に世界を代表する人気ブランドへと飛躍。1925年には最初に工房を建てたアレッサンドリアにボルサリーノブティック1号店をオープンさせました。     1930年からはボルサリーノの帽子が多くのハリウッド映画に登場するようになります。『カサブランカ』ではハンフリー・ボガートが、『8 1/2』ではマルチェロ・マストロヤンニが、『勝手にしやがれ』ではジャン・ポール・ベルモンドがボルサリーノの帽子を着用し、世界的スターたちが身につけるボルサリーノ・ハットの人気は不動のものになります。 1970年、フランスを代表する2大俳優アラン・ドロンとジャン・ポール・ベルモンド主演の映画『ボルサリーノ』(ジャック・ドレー監督)が公開されますが、高級ブランド名がそのまま映画のタイトルになるのは世界で初めてのことでした。     その後もモスキーノやヨウジ・ヤマモトといった世界の名だたるデザイナーたちともコラボレーションを成功させ、世界中の人々に愛され続けてきました。現在は世界に9つの旗艦店と約550店舗を展開、今なおそのエレガントさは時代を超えて、ますます輝き続けています。     ボルサリーノが誇る、創業時から変わらぬ一流のクラフトマンシップ   ボルサリーノが19世紀半ばからずっと世界中から愛されてきた理由は、創業時から職人たちによって徹底的に守られているクオリティと独自のスタイル、そしてそれらを支えるクラフトマンシップにあります。 フェルトハットとストローハットの2ラインを展開していますが、いずれも伝統的な製法のハンドメイドにこだわり、何世代にも渡って忠実につくられ続けています。     イタリアを代表するブランドとしての誇りなど、フィアットと多くの共通点をもつボルサリーノ。そんなボルサリーノのクリエイティブキュレーターを務めるジャコモ ・サントゥッチ氏への特別インタビューが実現し、ブランドの魅力やフィアットとのコラボレーションについてお聞きしました。   ボルサリーノ・クリエイティブキュレーター、ジャコモ ・サントゥッチ氏の特別インタビュー   <プロフィール> Giacomo Santucci ジャコモ ・サントゥッチ ボルサリーノのクリエイティブキュレーター。これまでドルチェ&ガッバーナの最高執行責任者、グッチの社長兼最高経営責任者、プラダのアジア太平洋マネージャーなど数多くのブランドで経営指揮やマネージメントを行ってきたラグジュアリーブランドのエキスパート。パリ工科大学で原子力工学の学位、ボッコーニ大学でMBAを取得。           ー長きにわたり、帽子を作り続けてきている御社の、製品作りに対するフィロソフィーを教えてください。   ボルサリーノの創造的なフィロソフィーは、アレッサンドリアに帽子工房が設立され、アーツ・アンド・クラフツ運動の花が開いた 19 世紀後半の特定の時代にインスパイアされています。 その当時のスタイルが現代風に再解釈され、過去と現在の間に有意義な対話を生み出しています。   ーボルサリーノがものづくりにおけるこだわりのポイント、そしてデザインについて重視しているポイントなどを教えてください。   1857 年の創業以降、ボルサリーノの製造は世代から世代へと受け継がれ、ブランドの文化的価値を表す製造プロセスを忠実に守ってきた点がこだわりのポイントです。 例えばフェルトハットはマテリアルからつくるのですが、ひとつ完成させるには手仕事による50以上のステップと7 週間の作業が必要です。 手で編んでつくるストローハットでは、1 […]