芸術の秋到来!ということで、フィアットで訪れたい、とっておきのアートスポットをセレクトしました。心地よく過ごしやすい気候の秋は、絶好のドライブシーズンでもあります。絶景に魅せられたり、アート鑑賞の前後にほかの観光スポットに足を運んだり、あるいは運転そのものを楽しんだりと、アートをとことん楽しむ──、そんな“アートをドライブする”秋を満喫してみませんか。
札幌市内から車で約40分、新千歳空港から約1時間。多くの人が眠る『真駒内滝野霊園』は、180万平方キロメートルもの広大な敷地の約6割が公園や散策路となっている、道内屈指のアートスポットです。入口では悪霊を門前で撃退するとされるエジプトの狛犬的存在『人頭有翼の獅子像』がお出迎え。そのすぐ近くには、33体ものモアイ像の姿も!
モアイ像の視線の先には、数万本ものラベンダーが植えられている丘があり、その中央からは『頭大仏』が頭をのぞかせています。高さ13.5メートルの大仏が鎮座する大仏殿は、建築家の安藤忠雄さんが設計したもの。大仏へのアプローチもとても個性的で、結界を意味する『水庭』やコンクリートがひだのように連なった天井を持つトンネルなど、心が浄化されるような空間となっています。ほかにも、永代供養墓が併設された『ストーンヘンジ』やブロンズの鹿、布袋様の大群など、「なぜここにコレが?」と突っ込みを入れたくなる多種多彩なオブジェや像の宝庫です。公園施設として開放されているので、散策をおすすめします。
▼INFO:画像提供
真駒内滝野霊園
北海道札幌市南区滝野2番地
011-592-1223
https://www.takinoreien.com/
“県美”の愛称で青森県民に親しまれている『青森県立美術館』は、2006年にオープンしました。青木淳さんが手がけた地下2階、地上2階建ての建物は、隣接する日本最大級の縄文集落跡『三内丸山遺跡』から着想を得て、発掘現場のトレンチ(壕)をモチーフに設計されています。
コレクションは、棟方志功さん、工藤甲人さん、寺山修司さん、澤田教一さん、成田亨さんなど青森にゆかりのあるアーティストのものを中心に、アンリ・マティス、レンブラント・ファン・レイン、パブロ・ピカソといった海外作家の作品も所蔵。吹き抜けの大空間『アレコホール』では、20世紀を代表する画家の一人、マルク・シャガールが、1942年、亡命先のアメリカで描いた、バレエ『アレコ』の背景画を展示しています。美術館のシンボル的存在でもある、青森県出身の現代美術作家・奈良美智さんによる立体作品『あおもり犬』は、地下2階の吹き抜けで会うことができます。高さ8.5メートル、幅6.7メートルの純白の犬の前には、エサの器を模した花壇が設置され、なんともフォトジェニック!
車で訪れた際は、お隣の『三内丸山遺跡』にもぜひ足を伸ばしてみてください。
▼INFO:画像提供
青森県立美術館
青森県青森市安田字近野185
017-783-3000 (代表)
http://www.aomori-museum.jp
現代美術作家・奈良美智さんが、「作品をより身近に感じてもらえる場所を設けたい」と、現在、拠点を置く那須に開設した個人美術館。那須の中心地から少し離れた森の中に佇む建物には、絵画やドローイング、彫刻など奈良さん本人の作品はもちろんのこと、奈良さんがこれまで収集してきたレコードや現代作家のアートも展示されていて、どっぷりと“奈良ワールド”に浸ることができます。
建物の外壁には芦野石、一部床材にはかつてフランク・ロイド・ライトを魅了した大谷石など地元・栃木で産出された石が使われている点も特徴的。天井に敷地で伐採されたヒノキが使われている展示室もあります。オリジナルグッズが揃う、併設のショップも必見です!
なお、周辺は、国指定重要文化財の洋館『旧青木家那須別邸』や『水庭』、隈研吾さんが設計を手がけた『石の美術館 STONE PLAZA』などアートなスポットがそこかしこに。アートをめぐるドライブを楽しむには格好のエリアです。
▼INFO:画像提供
N’s YARD(エヌズヤード)
栃木県那須塩原市青木28-3
0287-73-5711
https://www.nsyard.com
1986年に開業し、自然と融合するリゾートとして多くの支持を受けたリゾートホテル『二期倶楽部』(2017年に閉館)の思想を受け継ぐカルチャーリゾートとして、二期倶楽部創業者である北山ひとみさんのプロデュースにより誕生。2018年には、敷地内に、建築家・石上純也さんが構想から約4年の歳月をかけて作り上げた『水庭(みずにわ)』が完成しました。水庭は隣接する敷地に生えていた318本の樹木と160の小さな池、さらに、地面を覆いつくす苔や飛び石からなる、神々しいまでに静謐(せいひつ)なランドアートです。
石上さんはこの水庭で、芸術選奨文部科学大臣新人賞のほか、2019年に創設されたデンマークの新しい建築賞、オベルアワードを受賞しており、水庭を見るために東京から車を走らせる人も少なくありません。2020年には、土地に根ざした料理を供するレストラン『μ(ミュー)』と、坂茂さんの設計による全14棟15室の『スイートヴィラ』が加わり、新たにグランドオープンを果たしました。
▼INFO:画像提供
アートビオトープ那須
栃木県那須郡那須町高久乙道上2294-3
https://www.artbiotop.jp/
『ART FACTORY城南島』は、東横インが巨大な倉庫を改修し、文化振興活動の一環としてオープンさせたアートの複合施設。羽田空港(東京国際空港)に近く、屋上庭園からは離発着する飛行機を間近に見ることができます。近くには城南島海浜公園もあり、家族でのドライブにもぴったり!
1階部分では、現代美術家・三島喜美代さんのアート作品を展示。陶で制作された空き缶や、段ボールの空き箱といった代表作をはじめ、広大なスペースをいかした、1万個を超えるレンガを用いたインスタレーションも展示されています。3階部分では、葛飾北斎、歌川広重などの浮世絵をインスタレーション形式で紹介。どちらの展示も観覧は無料ですが、現在は、公式サイトからの日時指定予約が必要となっています。
▼INFO:画像提供
ART FACTORY城南島(アートファクトリージョウナンジマ)
東京都大田区城南島2-4-10
03-6684-1045
https://www.artfactory-j.com/
琵琶湖の南、自然豊かで風光明媚な湖南アルプスの山中に、1997年に開館した『MIHO MUSEUM』へのアプローチは四季折々の自然が満喫できる格好のドライブコース。ルーヴル美術館のガラスのピラミッドで知られるI・M・ペイが、“桃源郷”をテーマに設計した建物は、周囲の山々に溶け込むようにと建築容積の8割が地中に埋設されています。敷地面積は約30万坪と圧倒的なスケール感。
南館では、シルクロードに沿って、エジプト、ギリシア、ローマ、西アジア、南アジア、中国、ペルシアなどの古代美術品のコレクションの展示、北館では、春・夏・秋の開館ごとにテーマ性を持った特別展が開催されています。
▼INFO:画像提供
MIHO MUSEUM
滋賀県甲賀市信楽町田代桃谷300
0748-82-3411
https://www.miho.jp/
淡路島の北東部に位置する『淡路夢舞台』は、大阪湾埋め立て用の土砂を採取した跡地に失われた緑を再生することを目的に、2000年に誕生した複合文化リゾート施設。“時空を超えて自然と共生する”をテーマに、世界的建築家・安藤忠雄さんが設計を手がけました。
東京ドーム6個分に相当する広大な敷地には、国際会議場、ホテル、温室、さらには展望テラスや野外劇場が点在。山の斜面にそって階段状に100個の花壇が並ぶ『百段苑』は、1995年の阪神・淡路大震災の被災者に捧げられた鎮魂のモニュメントであり、大阪湾を一望できる絶好のビューポイントでもあります。高さ約20メートルの空間を舞台にした、日本最大級の温室『あわじグリーン館』は、2021年9月にリニューアルしたばかり。こちらも必見です。
本州からは世界最長のつり橋の明石海峡大橋、四国からは大鳴門橋を使えば、車でのアクセスも抜群。絶景ドライブも合わせて楽しめます。
▼INFO:画像提供
淡路夢舞台
兵庫県淡路市夢舞台2
0799-74-1000
https://www.yumebutai.co.jp/
広島県尾道市から愛媛県今治市までに浮かぶ瀬戸内の6つの島を9本の橋で結ぶ、絶景ルート『しまなみ海道』。尾道側から数えて3つめの島・生口島にある『未来心(みらいしん)の丘』は、ぜひドライブで訪れたいアートスポットです。
『未来心の丘』は、広島県出身の彫刻家の杭谷一東(くえたにいっとう)さんが制作した、広さ5,000平方メートルにもおよぶ大理石の庭園。使用されている総重量約3,000トンの大理石は、すべて杭谷さんがアトリエを構えるイタリアのカッラーラで採掘され、コンテナ船で運んだものだそう。“日本のサントリーニ島”とも異名をとる白亜の空間に身を置き、実際に大理石に触れながら過ごす時間はきっと特別なものとなるはず。なお、『未来心の丘』は、耕三寺博物館の中の施設のひとつ。寺全体がアート空間となっており、色鮮やかな色彩に度肝を抜かれるような浄土真宗本願寺派の寺院・耕三寺もあわせて見ることができます。
▼INFO:画像提供
未来心の丘(耕三寺博物館内)
広島県尾道市瀬戸田町瀬戸田553-2
0845-27-0800
http://www.kousanji.or.jp/
『GREENable HIRUZEN(グリーナブルヒルゼン)』は、サステナブルの価値をより多くの人に知ってもらうことを目的に、2021年7月、岡山県の北部・真庭市蒜山高原にオープンした観光文化発信拠点です。建物は建築家の隈研吾さんが監修。東京・晴海で役目を終えた、CLT(直交集成板)を使用した木造の建物を移築して設計されました。施設は象徴的建築物となるCLTパビリオン『風の葉』、隈氏の建築模型などの資料と現代アートを展示する『蒜山ミュージアム』、『ビジターセンター・ショップ』、『サイクリングセンター』で構成されています。
自然豊かな蒜山エリアはひるぜんジャージーランド、塩釜の冷泉など、車で訪れたいスポットが盛りだくさん。ジャージー牛が放牧されている光景に出会えるのもこの地ならではです。蒜山と大山を結ぶ、自然を満喫できる人気のドライブコースの蒜山大山スカイラインもお見逃しなく!
▼INFO:画像提供
GREENable HIRUZEN(グリーナブルヒルゼン)
岡山県真庭市蒜山上福田1205-220
https://greenable-hiruzen.co.jp/
『鹿児島県霧島アートの森』は、2000年10月、鹿児島県湧水町の栗野岳中腹に開園した野外美術館。約13ヘクタールの敷地の中にアートホールと野外広場、樹林ゾーンが広がっています。所蔵作品は屋内コレクション作品43点、野外作品23点。野外に展示されている作品は、国内外で活躍する作家たちが実際にこの地を訪れ、自然や歴史的・文化的な特徴を活かしながら制作したもの。『男と女』(ジョナサン・ボロフスキー)や『シャングリラの華』(草間彌生さん)などいずれもインスタ映え必至。『あなたこそアート』(チェ・ジョンファ)はその名のとおりゲストがアートの一部になれる作品です。霧島の雄大な自然と現代美術が見事に調和したアート空間は、観る者の創造性をぎゅんぎゅんと刺激するはず!
なお、古くは湯治場として栄え、坂本龍馬も訪れた、霧島温泉エリアまでは車で1時間弱。アート鑑賞の前後には大小9つの源泉を持つ名湯で癒されてみては?
▼INFO:画像提供
鹿児島県霧島アートの森
鹿児島県姶良郡湧水町木場6340-220
0995-74-5945
https://open-air-museum.org/
芸術の秋、フィアットとアートを旅するドライブを計画してみませんか。キュートで心強い相棒と一緒なら、ほかのアートスポットや観光地、気になる飲食店や温泉などに気軽に足を伸ばすことができます。凛とした秋の空気のなか、ドライブを楽しみながら、好奇心を刺激し、自身の感覚を研ぎ澄ますようなアートに出会う──。もしかしたら、今まで知りえなかった自分を知るチャンスなのかもしれません。そして、とことん芸術の秋を謳歌するという欲張りな欲求にも、フィアットはきっとこたえてくれます。
*各店舗情報につきましては、掲載時(2021年10月現在)の情報となります。新型コロナウイルス感染拡大防止措置により、変更となっている場合がございますのでご留意ください。外出の際はウイルス感染予防策を講じていただき、安全にご配慮いただきますようお願いいたします。
Text by長谷川 あや
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