アートディレクターの小田能知さんの愛車はフィアット500S Manuale(チンクエチェントエス・マヌアーレ)。実はこのクルマ、人気YouTuber欅まつやさんの「クルマ乗る系ch」で紹介され、動画は15万回以上再生されたとのこと。
可愛いらしい内外観のデザインからは想像できないパワフルな5MTは、普段の買い物の足として、別荘やアウトドアを楽しむギアとして大活躍。これまでとは違った、クルマとの新しい付き合い方を見つけたそうです。
「休日はディーラー巡りをするのが趣味でした」という小田さんが500S Manualeと出会ったのは、国立府中インター近くのフィアット/アバルト国立。初めて見たとき「こんなクルマを市販するなんてフィアットって、どれだけ懐深いんだろう」と驚いたそうです。
「チンクエチェントは知っていましたが、赤とか黄色とか、ポップな色のイメージがありますよね。でも、500S Manualeは渋いマット グリーンで、コンセプトカーみたいと思いました。しかも、5MTですし」
それまで乗ってきたクルマも、ほとんどがMT車だったという小田さん。ですが、特にMTにこだわったわけではなく、むしろライフスタイルと実用性を考慮したうえで、クルマを操る楽しさを感じられるMTを選ばれてきたそうです。とはいえ運転する楽しさは、クルマ選びの大切なポイントですよね。
「2018年型の500S Manualeは100台限定。うち60台がこのアルペングリーン・マットメタリックです。2気筒、0.9リッターのツインエアエンジンはバイクのような感覚。窓を開けて走っているときの、小気味のいいエンジン音が気に入っています。車格が小さいので、裏道や小道も走りやすいし、駐車スペースに困ることもありません。予想以上に力があって、坂道をぐいぐい登っていく感じも楽しいんです」
小田さんが住んでいるのは東京郊外の私鉄沿線。駅前からの道が高台の住宅街へ続く真っ直ぐ伸びる坂道は、やがてつづら折りに。その坂の途中から見える街並みは人気アニメ映画の舞台にもなった場所だとか。小田さんは、ここからの風景をとても気に入っているそうです。
坂を登りきってさらに進むと、都内で最初に作られたラウンドアバウト(環状交差点)に出ました。目の前のカフェでは、近所の方が優雅な午後を過ごす憩いの場所。その絵になる街並みに、500S Manualeがとてもよく似合うのです。
「近所にクルマを停めて買い物から戻ると、知らない方から声を掛けられることがよくあります。乗っているクルマのことで話しかけられることなんて、これまでなかったのでちょっと驚きました。街でフィアットを見かけたとき、すれ違いざまにドライバーさんがアイコンタクトしてくることもよくあります。同じフィアット乗り同士、通じるものがあるみたいです」
それまで感じることのなかった「クルマが取り持つ新しいライフスタイル」を、小田さんはこの街で満喫しています。
「休日は八ヶ岳にある別荘へ行きます。高速道路も不満はありません。セミバケットタイプのシートは収まりがよくて疲れにくいし、山道でも非力と感じることはないですね。ただトランクがあまり広くないので、荷物はルーフキャリアに積んでいきます」
経年変化して味のでたキャリアは、500S Manualeのマットなボディカラーとも相性良好。クーラーボックスに食材を積み込んで、別荘ライフとアウトドアを楽しんでいます。小田さんは、他にもカヌーをはじめ幅広い趣味をお持ちとのこと。それなら大型SUVのほうが相応しいのでは? と、あえて尋ねてみました。
「実用性を超えるクルマ選びの楽しさを、この500S Manualeが教えてくれたんです。外装と内装がバランスよくまとまっていて、そのコンセプトとパッケージングの妙にも強く惹かれています。トルクコンバーターもクルーズコントロールも付いてない潔さに至っては、いっそ窓も手回しでいいのにとさえ思えるほど。ここまで削ぎ落とすことでクルマの魅力を引き立てている、イタリアデザインのレベルの高さにも夢中なんです」
これまで、ライフスタイルに合わせてクルマを乗り換えてきた小田さん。でも500S Manualeは実用性とは別のところに惹かれて購入しました。以来、クルマに対する考え方が変わったとのこと。
「Manualeって操作するっていう意味なんです。見てカワイイ、運転して楽しい、そういうクルマを自分の思い通りに走らせることができる歓び。指名買いするクルマってこういうことなんだなってわかった気がします。それと、これまでのクルマはあまり長く乗った記憶がないんですが、このクルマはずっと乗りたいと思えた初めてのクルマ。息子にもこの楽しさを、わかってもらえる日がくるといいなと思っています」
自分にとっての最良のクルマが見つかったことで「趣味のディーラー巡り」はひと休みされるのでしょうか。「しばらく行く用事がないですね」と振ると、「最近はバイクのディーラーを回ってるんです。じつはもう決めてしまって来週納車なんです」と笑みがこぼれました。
2020年9月8日デビュー
イタリアンドライブの魅力を感じる洗練の限定車
「500/500C Manuale +Cielo」の詳細はこちら
Text:池田保行
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