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#楽しい運転

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DRIVING

楽しい運転のために〜正しいドライビングポジションのススメ

正しいドライビングポジションで安全と快適を! 愛車でドライブに出掛ける時、クルマに飛び乗って、サッとシートベルトを締めて走り出す……。そんなシチュエーションに心当たりはありませんか? 運転姿勢というと、とかく楽な体勢を求める方がいますが、じつは正しい運転姿勢が取れていないと、ドライブする上で様々なリスクにさらされることになります。安全に快適にドライブを楽しむためにも、正しいドライビングポジションを心掛けたいものです。 運転姿勢はスポーツで言う“フォーム”のようなもの。基本がしっかりできていなければ、ドライバーはクルマの動きを身体で感じ取れないだけでなく、常に身体が揺すられながら走る走行環境の中で、クルマが必要としている正確な運転操作が行えません。     また、とっさに急ブレーキを踏まなければいけない状況になった時、シートから身体がズレこんで、ブレーキペダルを奥まで踏み切れずに、前方の障害物に衝突してしまうケースも少なくありません。万が一、衝突してしまった際に身体に受けるダメージが大きくなってしまう可能性もあるのです。 つまり、正しい運転姿勢をとることは、安全運転に貢献するということ。さらに、しっかりと身体にフィットするポジションはドライバーがクルマの動きをしっかりと感じ取れるようになるため、愛車と意思疎通を交わしながら走る歓びを満喫することができるのです。 そこで今回は、正しい運転姿勢の重要性を確認した上で、理想的なドライビングポジションを見つける上での注意点について、ご紹介させていただきたいと思います。   ① シートに座る時       運転姿勢を整えるためには、まずはシートに腰掛ける位置が重要です。 シートになんとなく腰掛けてしまうと、腰とシートの間に隙間ができてしまいがちです。 正しい座り方は、シートに座る時に腰の後ろの隙間を埋めるようにして、深く腰掛けるのがポイントです。最初に腰を落とす位置が浅すぎると、シートスライドやバックレストを調節しても余分な空間がある分、衝突事故の際、乗員の身体がシートベルトからすり抜けてダッシュボード下部にズレこむ“サブマリン現象”を起こすリスクがあります。   ② シートスライドの調整   次はシートの前後スライドの位置を調整します。調整の方法として、ブレーキペダルに右足を置き、ペダルを一番奥まで踏み込んだとき、ヒザが伸びきらない位置に前後スライドを合わせます。 ヒザが伸びきってしまう位置に座席を合わせた場合、足がピンと突っ張った状態でブレーキを掛けながら衝突してしまうと、クルマの前方から受けた衝撃がドライバーの足を伝わり、損傷が骨盤にまで及ぶなど、ダメージが大きくなる可能性があります。ヒザの関節にゆとりがあれば、ブレーキペダルを奥までしっかりと踏み込めるだけでなく、受けた衝撃を緩和する効果が得られます。   ③ バックレストの角度調整     『バックレスト』とは、いわゆる『背もたれ』のことを指します。クルマのシートは家のソファーと違い、常に動いたり、揺られたりしながら運転操作を行うことになるため、上体の位置が倒れ過ぎているとハンドルが遠すぎて、大きく回したい時に手が届かなくなる場合があるだけでなく、カーブや山道などを走る時、遠心力で横方向に力が掛かって、ドライバーの肩が背もたれから外れてハンドルにしがみついてしまう“不安定な運転操作”になりがちです。バックレストの角度をヒジの関節にゆとりが得られる位置まで起こせば、腕を大きく回すことができるので、スムーズな運転操作が行えるようになります。また、シートベルトの効果が充分に得られるようになります。 バックレストを調整する際に基準となるのは、肩が浮かない状態でハンドルの上部を片手で持ったとき、ヒジが伸びきらない位置までバックレストの角度を起こすこと。 最近のクルマにはエアバッグが装着されていますが、ハンドルの中央からドライバーの顔までの距離を25cm以上確保することもお忘れなく。衝突の際、エアバッグはまばたきよりも早いスピードで展開されるので、ハンドルに近すぎたり、シートベルトが正しく装着されていなかったりすると、怪我をする可能性があるので注意が必要です。背もたれはハンドルに対して遠すぎず、近すぎない位置に合わせることが大切です。     ④ シートリフターの調整     シートリフター付きのクルマの場合、座面の高さが調節できます。中でも、小柄な体格のドライバーの場合、目線の位置が低くなりがちなので、バスタブに浸かっているように周囲を見渡せる範囲が狭くなってしまいます。座面の位置を上げ、目線の位置を高くすると、クルマ周りが見渡しやすくなるので、積極的に心掛けてみてください。   ⑤  ハンドルの位置の調整   ハンドルの高さを調整する『チルト機構』も運転姿勢を調節する上で活用したい装置です。ハンドル下部のレバーでロックを解除して上下の位置を調整すると、ハンドルの高さを変更できます。メーターが見渡せて、大腿部に当たらない範囲でなるべく低めの位置に合わせると、ハンドルを回しやすくなります。扱いやすい位置をご自身の体型に合わせて調節してみてください。   ⑥  ヘッドレストの調整 ヘッドレストという名前であっても、頭を休めるためのものではありません。正確には『head restraint』という言葉で、頭部の拘束装置を意味しています。ヘッドレストは衝突事故の際にむち打ち障害を緩和するための装置で、正しい位置に合わせることが重要です。高さを合わせる時は目と耳の高さの延長線上にヘッドレストの中心がくるように調節します。   ⑦  シートベルトの掛け方   シートベルトを何の気なしに着用している方がいますが、ねじれやたるみがないか確認し、ベルトが通過する位置を整えることが効果を得る上で重要です。 肩ベルトが適切な位置に掛かっていないと、衝突の衝撃で首を圧迫してしまったり、ベルトから上体がすり抜けて怪我をしてしまったりすることもあります。また、腰ベルトがお腹に掛かっていると内臓を圧迫してしまうリスクがあります。 […]

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DRIVING

楽しい運転のために〜ファブリックシートのお手入れに挑戦!

ドライブを快適に楽しむために、車内環境はいつでも清潔に保っておきたいもの。中でもイタリアンデザインを施したFIAT車のシートはハイセンスなデザインのものが多く、クルマ自体のキャラクターを形成する大切なパーツのひとつです。 ところで、みなさんは愛車の車内清掃をするさい、シートのケアはどうされていますか?   お手軽にファブリックシートをお手入れ! シートの材質はレザーやファブリックといった素材を用いたものがありますが、今回はファブリック(布)素材を用いたシートのお手入れについて、自分でできるクリーニングの方法をご紹介していきたいと思います。     ① ゴミとホコリを取り除く     まず、最初に行いたいのが細かなゴミやホコリを取り除くことです。 シートやフロアマットはゴミやホコリをそのまま放っておくとダニが発生しやすくなるため、数ヶ月に一度は清掃されることをオススメします。 やり方としては、シートを叩いてホコリを浮かせた後、掃除機でゴミを吸い取っていきます。縫い目や凹みなどに細かなゴミが入り込んでいることがあるので、市販されているブラシ付きのアタッチメントを使うとゴミを掻き出しながら吸い取ることができるのでオススメです。     ② ファブリックに染みこんだ汚れを取り除く 布素材を用いたシートの場合、表皮にコーティングが施されたレザーシートと比べて、素材自体に油や水分が染みこみやすい分、不意にこぼしてしまった飲食物のシミや夏場の汗染みなども気になるものです。また、何年も乗り降りを繰り返していると、摩擦で汚れが積み重なってしまうことがあるので、汚れが付いていることに気づいたら、洋服のシミ取りと一緒で、繊維に染みこんでしまう前に早めの処置を心がけたいものです。     今回はクルマのシートやカーペット洗浄用のインテリア・シャンプーで、界面活性剤を含んだアルカリ性の溶剤を使用してみます。注意点としては、洗浄剤を用いる場合、先ずは目立たない箇所(シートの裏地など)でテストをして、シミにならないか確認してから使用します。     シートの表面にクリーナーを吹きかけて湿らせていき、2〜3分程置いたあと、水に濡らして硬く絞ったウエスで叩いたり、抑えたりしながら汚れを吸い取っていきます。汚れが落ちにくい時はキレイな水で湿らせたスポンジで叩いたり、軽く擦ったりしながら汚れを落とします。それでも落ちない頑固な汚れは繰り返し作業を行っていきます。     ③ 水分を拭き取る   汚れが落ちたら、乾いたウエスで残った水分を吸い取っていきます。 この時、シート内部に水分が残るとカビの原因になりやすいので、水分の吸い取り効果の高いマイクロファイバーやスポンジなどを使うと良いでしょう。 ついでなので、レザーステアリングもお掃除。     表面にコーティングが施されているレザーの場合、水で濡らして絞ったウエスで拭きとるだけでも汚れは落ちていきます。汚れが沈着してしまう前にマメなお手入れをしておけば、汚れも簡単に落としやすいものです。   ④ しっかりと乾燥させる   シートは水気を拭き取っても、わずかに水分が残ってしまうので、最後にしっかりと乾燥させていきます。晴れて湿度の低い日であれば、日向にクルマを置いてドアや窓を開け放って換気するのも良いですが、そうしたことが出来ない場合は、ドアと窓を閉め切ってエアコンを使う方法もあります。その際、外気循環+エアコン+暖房に設定すると良いでしょう。   ⑤ 作業を終えて   じつはこのシートは筆者自身が3年半乗っている愛車のファブリックシート。 ロングドライブの際についてしまったシミや汚れが気になってきたところでしたが、作業をする前は汚れが落とせるかどうか不安もあり、なかなかチャレンジできないでいました。とはいえ、デザインが魅力のクルマだけにシートのシミは気になってしまうばかり。実際に自分でお手入れしてみると、意外と簡単な作業で清潔感のある状態が保てることから、もっと早くお手入れしておけば良かったと思いました。 適切なケアを心がけることで愛車とのドライブを楽しく快適に。 みなさんもお試しになってみてはいかがでしょうか。     藤島知子(モータージャーナリスト) 幼い頃からのクルマ好きが高じて、スーパー耐久のレースクイーンを経験。その一年後、サーキット走行はズブの素人だったにもかかわらず、ひょんなことから軽自動車の公認レースに参戦することになる。以来、レースの素晴らしさにどっぷりハマり、現在は自動車雑誌やWeb媒体で執筆活動する傍ら、箱車にフォーミュラカーにと、ジャンルを問わずさまざまなレースに参戦している。 […]

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