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イタリア人料理家直伝! 手軽で本格的なボロネーゼを作っチャオ

日本でおなじみのパスタのひとつ、ミートソース・スパゲッティ。しかし「実は、ミートソース・スパゲッティはイタリアにはないのです」というのは、イタリア・サルデーニャ島出身のクラウディア・カズさん。彼女は、一般の方からプロの料理人まで、幅広い方に本物のイタリア料理を伝えるクッキングスタジオを主宰する、イタリア料理家兼パスタデザイナーです。 「ケチャップを使うミートソースは、デリバリー系のピザ同様にアメリカからきたものかもしれませんね。この料理の原型は、イタリア語ではRagù alla bolognese(ラグ―・アッラ・ボロネーゼ)といいます。直訳すると“ボロネーゼの煮込み”です。日本ではボロネーゼといわれているパスタです。ちなみに、ラグーとはragoûterというフランス語の“味を活かす”という動詞からきた言葉でして、北イタリア・ボローニャの人々がフランス料理を参考にして作ったソースです」。 今回は、本格的なのに手軽に作れるボロネーゼを、カズさんから直伝していただきます。本場仕込みの深い味わいをお楽しみください! 「パスタは、手打ちをおすすめします。乾麺もおいしいものが増えていますが、やはり生のものは食感が違います。思っているよりも簡単ですので、ぜひ挑戦してみてください」とカズさん。さらに、パスタの種類にもこだわりがあります。「ボロネーゼは、平打ち麺との相性がいいのです。オリーブオイルをメインに使ったペペロンチーノやボンゴレは細い麺=スパゲッティですが、ラグーには幅広で平たい麺=フェットチーネやタリアテッレ、パッパルデッレを合わせるのがイタリアでは普通です。今回は、私がデザインしたレースのような飾りがついたARRANDAS(アッランダス)という麺を作ってみましょう」 平打ちパスタ 材料(4人分)/薄力粉(200g)、デュラムセモリナ粉(100g)、卵3個 「ボウルに薄力粉とデュラムセモリナ粉(グルテン含有量の多い硬質のデュラム小麦を粗挽きにしたもの)をすべて入れて、真ん中にくぼみを作って、そこに卵を3個入れてください。卵は常温がいいでしょう。冷たいと、こねにくくなるので。さらに、塩をふたつまみ入れて、その後卵をフォークなどでつぶしてください」。 「よく卵をかき混ぜたら、徐々に周りの粉になじませていきます。その後、手で10分くらいこねます。この時に、強く握らないように、空気がやわらかく入るようなイメージでこねてください。粉が全部なじんだら 、生地をくるくると回転させます。だんだん生地が温かくなってきて、ふわっと軽く、さらさらとした手触りになります」。 「最後に丸くして、ボウルをひっくり返して蓋のように生地の上にかぶせ、室温で20〜30分ほど生地を寝かせます 」。   パスタ生地を寝かせている間にソースを作りましょう! ラグー 材料(4人分)/ひき肉(豚100g、牛100g)、ニンジン(70g)、玉ねぎ(70g)、セロリ(70g)、トマトの缶詰(1缶)、バジル(三葉ほど)、無塩バター(20g)、オリーブオイル(15g)、塩(3つまみ) 「まずはニンジン、玉ねぎ、セロリをみじん切りにして、ナベにいれます。その上にオリーブオイルとバターを加えたら、火をつけてください。焦げないように気を付けてください」 「次に、ひき肉を加え、火が通る前に塩を3つまみ。さらに、トマトとバジルを加えます。その後、弱火で1時間ほど煮込んだらソースの完成です」。   いよいよ、手打ちパスタを作り! 「寝かせていた生地を、麺棒でのばしていきます。厚さ1㎜くらいを目指します」。 「今回のパスタは総量400gほどあるので、一度にのばすのは結構難しいですが、生地を半分に切ってのばすと楽ですよ」。 「機械でのばすのは楽ですが、表面がツルツルしすぎてソースがからまりにくくなります。手打ちは、表面がざらざらしているのでおいしくなるんです」。 次に、のばしたパスタ生地をカットしていきます。今回はタリアテッレやパッパルデッレという種類のパスタをベースに、両サイドをあえてギザギザにカットした平打ち麺にします。パスタカッターはさまざまな種類があって、 1,500円くらいから、オンラインショップなどで手に入れることが出来ます。イタリアの真鍮製のものだと数万円するモノまでありますが、 今回は、不規則に切れるイタリア真鍮製のモノを使用しました。 「この3本はイタリアでオーダーしたパスタカッターです。レースのような見た目がかわいいのと、ソースがからみやすいという利点があります」。 「パスタの長さは、フォークで決めます。2回巻いてちょうといい長さを計ってみましょう。だいたい長さは15㎝くらい、幅は3㎝くらいが良いと思います」。 「鍋に水を張り、沸騰したらパスタを入れます。塩は水の10%くらい。ゆで時間は5分くらいですが、4分の段階で一度味見をしてみるといいでしょう。デュラムセモリナ粉を使っているので歯ごたえがありますので、ゆで過ぎには注意してくださいね」 「盛り付けなのですが、イタリアのパスタは日本のように麺の上にソースをのせて出すことはありません。パスタとソースをからめて、それから各皿に盛り付けます。パスタをお皿に盛り付けたら、パルメジャーノレッジャーノ(チーズ)をたっぷりかけて、Buon appetito!」。 ラグーソースはパスタだけではなく、ラザニアにも活用できます。少ない食材で深い味わいを楽しめるので、ぜひレパートリーに加えてください! CLAUDIA CASU(クラウディア・カズ) イタリア・サルデーニャ島出身。ローマ、ロンドン、東京などでグラフィックデザイナーとして約20年働く。2012年よりパスタ・デザイナーとしての活動をスタートし、「SARDEGNA COOKING STUDIO」料理教室を主宰(一般クラスとプロ向けのプライベートクラスあり)。季節に合わせた新鮮な食材を選び、芸術的な形の本格手打ちパスタや伝統的なサルデーニャ料理を日本に広めている。 WWW.FACEBOOK.COM/SARDEGNACOOKINGSTUDIO/ […]