『Doblò』のボディが『500X』と比べずいぶんと大きく見えるのは、角ばったスタイリングや無塗装の黒いバンパー故だろう。
またどこを切り取っても可愛らしい『500X』に比べ、中央に新しい意匠のFIATエンブレムを掲げた『Doblò』のフロントマスクからは端正な印象を受ける。
『Doblò』のシートの見た目はフロントもリアもボディ形状に似てすっきりと平板な印象だが、ほどよく沈み込んで体にフィットしてくるタイプだ。
リアシートは大人がゆったりと座れる独立したシートが3座並んでいる。またフロントシートの背面に折りたたみ式のテーブルが備わっている点も実用的といえる。
『Doblò』のリアゲートはバンパーの高さから大きく開いて便利だが、狭い駐車スペースではリアガラスだけ開く機能が重宝する。荷室はリアシートを起こしたままでも充分すぎる広さがある。
大きなベビーカーでもトランクケースでも気楽に放り込める容量があるのだ。これなら子どもが3人いても充分に対応できるし、友達やおじいちゃんおばあちゃんをよく乗せる場合には『Doblò Maxi』を選ぶという手もある。
1.5Lのディーゼル・ターボはひとり乗りではパワフル過ぎるほど。5名フル乗車+荷物満載でも力強く走ってくれるはずだ。また8速ATは巡航する場合とても低い回転で走ることができるので静粛性が高く、燃費もいいはず。
実用性を徹底的に追求しつつ、しかしフィアットらしいデザインの良さ、お洒落感覚も忘れない。『Doblò』には一見の価値がある。
今回はいつも以上に実用性に着目して『500X Sport』と『Doblò』を乗り比べてみた。
そこで判明したのは、実用性やADAS(先進運転支援システム)に代表される安全性能がぎっしり詰まったお洒落なクルマであるということ。
そしてもう1つ大事なことは、キャラクターがちゃんと作り分けられているということだろう。
走りの楽しさと見た目のプレミアム感、そしてコンパクト性を重視した『500X』か、ファミリーユースのみならず、スケールの大きなキャンプやクルマ旅すら許容することができ、ディーゼルの省燃費性能も魅力的な『Doblò』。
最後にもう1つ、この2台を比較対象として挙げたくなる理由が車両価格だ。
『500X Sport』の435万円に対し、『Doblò』は399万円、『Doblò Maxi』は429万円に設定されているのである。
どちらのモデルもフル装備の状態で、オプションとして設定されているのはボディカラーだけなので、様々な装備を追加していった結果価格が高くなってしまうということはない。
『500X』と『Doblò』、どちらも魅力的!という方は、家族全員でショールームを訪れ、実車に触れてみることをお薦めする。
Text:吉田拓生
Photos:神村聖
出典元:AUTOCAR JAPAN
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