自宅で過ごす時間が増え、在宅勤務が続く女性も多いと思います。いつもと違う暮らしが続いて、ストレスや運動不足を感じることもあるでしょう。そんな時に、体を整え、気持ちを穏やかに保つにはどうしたらいいのでしょうか。そこで、ヨガインストラクターの吉川めいさんに、自宅で簡単にできる運動不足とストレスへの対処法を教えてもらいました。
プラスのことに焦点を合わせて、ストレス緩和
まず、簡単なストレス緩和法をご紹介しましょう。こういう時に、できなくなったことや失ったものばかりを考えてしまうと、それがストレスの原因になります。「家にいる時間が増えて、自分がチャレンジしたいことができる」「子どもと一緒にいられる時間が増えた」など、プラスのことに意識の焦点を合わせましょう。ストレスを感じたら、意識を切り替えてプラスのことを考えるようにすることが大事です。
1日20分のヨガで心が整う
ヨガの良さは、体を動かすだけでなく、意識的な呼吸を行うことにあります。体をほぐして気のめぐりを良くし、意識的な呼吸を行うことで、心のメンテナンスができます。今、不安で心がザワザワしている、寝つきが悪い、つい家族や子どもに当たってしまうという人は、1日20分、ヨガの時間を持つと、呼吸が整い、姿勢が良くなって、いつもの自分に、そしてよりポジティブな自分に近づくことができます。これから、いつでもどこでも簡単にできる呼吸法とヨガのエクササイズを紹介しますので、ぜひ試してみてください。
均等呼吸法
ヨガの考えでは、呼吸は微細な生命エネルギーです。私たちの体は放っておくと緊張したりこわばったりしますが、意識的に呼吸をコントロールすると、気のめぐりを落ち着かせることができるので、体がゆるんで、ほんわかします。この呼吸法は、家でも、車の中でも、歩きながらでもできるので、ぜひやってみてください。
1. 頭のてっぺんが一番高くなるように、すっと背筋を伸ばして立ちます。目を閉じて、自分の呼吸を感じることに集中しながら、鼻から大きく吸って、口から吐きます。気持ちが落ち着くまで、この呼吸を繰り返します。
2. ここからは、鼻から吸って鼻から吐く呼吸法になります。目を閉じて、今ある息を全部吐き出します。4カウント(1カウント1秒)で吸って4カウントで吐きます。4回繰り返したら、一度ゆったりと大きく吸って、吐きます。
3. 次は、8カウントで吸って8カウントで吐く呼吸になります。背筋を伸ばし、今ある息を全部吐き出したら、8カウントの呼吸を4回繰り返します。倍の長さで吸うので、1回に吸う量は4カウントの半分にします。最初に吸う量を少なめにして、8カウント全部を使って均等に吸うように意識するとうまくいきます。吐くときも同じようにします。
4. 4カウントの呼吸に戻して4回繰り返します。終わったら一度大きく吸って、吐いて空っぽになるのを見届けたら、体に自然な呼吸をさせてあげましょう。ゆっくりと目を開きます。
スリーステップウォームアップ
これは太陽礼拝のポーズの準備になるヨガ・エクササイズです。4カウントで鼻から吸って、4カウントで鼻から吐く均等呼吸をやりながら、体の中心軸の要である腰の屈伸運動を行うことで、全身の気のめぐりがじわーっと良くなって、体がポカポカします。
1. 足を揃え、まっすぐに立ち、手を下ろします。ここで、胸を張りすぎないように注意しましょう。軽くあごを引いて、目線を鼻から下の方に落とします。
2. 4カウントで吸いながら、真横から手を上げて頭の上で手を合わせます。目線は手の親指を見ます。
3. 4カウントで吐きながら前屈します。体が硬くても、できるところまで前屈すれば大丈夫です。
4. 吸いながら、90度くらいまで体を起こし、顔を上げます。
5. もう一度、吐きながら、無理なくできるところまで前屈します。
6. 吸いながら、手を横から上げて上に伸び、2の姿勢に戻ります。
7. 吐きながら、手を横に開いて下ろし、1の姿勢に戻ります。
牛の顔のポーズ(上半身)
パソコンを長時間使っている方が多いので、腕、肩のストレッチになるように、牛の顔のポーズ(ゴムカーサーナ)の上半身の部分を紹介します。ぜひ、パソコン仕事の合間にやってみてください。
1. 椅子に背筋を伸ばして座り、右手を上げて頭の後ろに回します。左手を左肩下から後ろに回し、右手の指先を握ります。左右の手が届かない方は、フェイスタオルを細長く巻いたものを右手に持って垂らし、左手でタオルをつかんで引き合います。
2. この姿勢のまま、できれば少し上を見上げるようにして、4カウントで吸う、4カウントで吐く均等呼吸を5呼吸行います。
3. 次に、左右を逆にして、同様に行います。
腰を中心に刺激を入れて、体を整える
人との接触をなるべく避けるために、電車やバスを使わずに自分の車を運転するようになった方も増えていると思います。私も運転が好きで、車にはよく乗るので、運転の合間にできるストレッチとヨガ・エクササイズを紹介します。車に乗る前や休憩中、車を下りた後にこれらのエクササイズをやって体に正しい刺激を入れると、長時間運転しても疲れがたまりにくくなります。
腰から背骨のツイスト
1. シートに座り、4カウントで吸いながら、頭のてっぺんが一番高くなるようにまっすぐに背筋を伸ばします。
2. 4カウントで吐きながら、腰を中心にして体を右にひねります。右手でシートの背もたれをつかんで、胸を開くように左肩を押して、体をひねりましょう。行けるところまで行ったら、そのまま4カウントで吸って4カウントで吐く呼吸を5回行います。
3. 4カウントで吸いながら前に戻り、吐いて体をゆるめます。
4. 反対側も同様に行います。
骨盤底筋を上げるポーズ
1. シートの少し前に座り、肩を外旋する形でお尻の少し後ろに両手を置きます。膝は90度目安で。
2. 両手で座席を押してお尻を持ち上げ、下腹部を前に出すようにして自分の体重をリフトします。その時に、肛門から股の間の筋肉をすっと上に引き上げるイメージ持ちましょう。運転中は肩が丸まり、下腹部が緩んでいるので、その逆をイメージして胸を開き、下腹部を引き締めてリフトします。持ち上げて下ろす、を5回繰り返します。
3. 慣れてきたら、恥骨から上へすくい上げるように行い、持ち上げたところで5カウントキープしてゆるめます。これを3〜5回繰り返します。
股関節回し
1. 車を下りたら足を揃えて真っ直ぐ立ちます。両手を腰に置き、右ひざをへそのあたりまで上げ、外に90度開いて元の位置に戻します。この外回しを3〜5回繰り返し、反対側も同様に。
2. 逆の動きをします。外に90度に開いた位置に膝を上げ、膝を正面に戻して下ろします。この内回しを3〜5回繰り返します。反対側も同様に。仙骨(骨盤の中央にある骨)意識した股関節回しで腰がゆるむので、椅子に座っている時間が長い方や腰痛がある方も、ぜひやってみてください。
最後に、いつも頑張る女性のみなさんに、ストレスをためないコツをご紹介したいと思います。私が今ポイントにしているのは、「完璧を求めない」「いつも通りを求めない」ということです。みなさん、大変な状況の中で、「いつも通りにご飯を作ろう」「いつも通りの量の仕事をやろう」と考えがちだと思いますが、今はそれができない状況なので、「いつも通り」を求めることをやめてしまいましょう。そして、今できることをポジティブに考え、ここで紹介したヨガの呼吸法とエクササイズをやって、元気でいてほしいと思います。
イタリアの自動車メーカーFIAT(フィアット)は、#ciaoDonnaというプロジェクトを通じて、頑張る女性を応援しています。すべての女性がより輝く日々を過ごせるよう、カーライフ、ファッション、ビジネスをはじめとする幅広い情報を、記事やコミュニティなど多彩なカタチで発信しています。
今回#ciaoDonnaでは、楽しいおうち時間を応援するキャンペーンを実施いたします。毎日をよりハッピーに過ごすことができるよう、たくさんのご応募をお待ちしております。
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Profile プロフィール
吉川 めい(よしかわ・めい)
ヨガインストラクター
日本人女性初のインド総本山KPJAYI公認アシュタンガヨガインストラクター。コンセプトスタジオveda(東京・南青山)主宰。10年間に渡り雑誌YOGINIのカバーモデルを務める。現在はadidasヨガアンバサダーとして広告モデルを務め、アディダスヨガのプログラム開発を担当。ヨガジャーナル誌『Yoga People Award 2016』ベスト・オブ・ヨギーニ受賞。著書に『吉川めいのアシュタンガヨガ基礎レッスン』(NHK出版)など。 http://amazon.co.jp/mae にてDVD(総監修)『ヘルス&ビューティ ヨガ』 『朝昼夜の20分ヨガ』およびヨガアイテムを揃えたセレクトショップを展開中。
出典:https://otekomachi.yomiuri.co.jp/s-post/20200527-OKT8T219745/
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