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ヒッチハイクとボランティア。バックパックで21カ国。「世界はいい人であふれてる」− Simona Matsunoさん –

母はイタリア人、父は日本人。大学までフランスで過ごし、夏休みになるとイタリアのノンナ(おばあちゃん)宅を訪れて手作りパスタを味わったというSimona Matsunoさん。卒業後は日本に拠点を置き、FCAジャパンに勤務した後、2016年から、長年夢見ていたバックパックの旅を決行。4年8ヶ月にわたって1人で21カ国を巡りました。そんなSimonaさんに、各国での発見と女性一人旅での経験についてインタビュー。旅先で撮影した約4万枚の中から選りすぐった写真とともに、ぜひご覧ください。     お金をかけずに世界を巡る!その手段は「ボランティア」   ▲アルゼンチン・ポトレリージョス/住み込みで働いていた小さな家 (2016年12月) ―約5年におよぶ一人旅を決行しようと考えたきっかけは何だったのでしょう?   20歳の頃からの友人がバックパッカーで、インドに半年とか南米に1年とか長期滞在している姿に憧れていました。彼の居場所をメールで聞いてはGoogle Mapで調べたりして。「私もいつか絶対行く!」と決めていたんです。 最初は「日本で2〜3年働いたら旅に出よう」と考えていましたが、やっぱり職場や友人関係の心地よさに慣れちゃいますよね。友達からも「仕事やお金はどうするの?将来は?本当に大丈夫?」「Crazyだね」とか言われて(笑)。本来の私は計画的で几帳面なので、そういう言葉に影響されたし、簡単にはいかなかった。まぁ、ビビってたんですよね(笑)。気がつくと結局東京で8年が過ぎていました。 旅をためらう最大の理由は経済的な心配。だったらそれを解消しようと調べていたら、「相手の願う仕事を行えば、宿と食が提供される」というマッチングサイトを見つけました。それが2015年中旬です。「食べ物と寝る場所があれば、行けるじゃん!」とテンションが上がりました。   ▲ネパール・ヒマラヤ山系/シェルパ族の伝統衣装を着るSimonaさん。3700メートルにある村のロールワリン・ヒマールの修道院学校で5ヶ月間、講師として勤めた(2020年4月)   ▲メキシコ・バラカル/近くのホテルで働きながら湖(ラグーン)でハンモックを楽しむSimonaさん(2019年3月)   ―これまでに約23回のボランティアをしながら旅をされていていたそうですね? 4年8ヶ月のうち約8割がそうでしたね。宿代とご飯代、電気代も水道代もWi-Fiの使用料もかからない。全く問題なくやっていけますよね。 しかもローカルの人たちと直に触れあえるので、何でも教えてもらえます。毎日が勉強だし、私もいろんなことを教えました。そうやって、自分の知らない新しいことをシェアし合えるのもこういう自由なスタイルの旅だからこそです。 あらかじめ仕事を見つけてから行くわけじゃないので、正直不安もありました。初めての滞在先はブエノスアイレスで、顔では笑って自信満々そうにしていたけど、心の中は不安で震えてた(笑)。   ▲アルゼンチン・ブエノスアイレス/初めて南米に着いた日(2016年10月)   でもいざ始めてみたらみんな親切で、毎日が最高!たまにオーナーと気が合わないこともあったけど、たまたま自分と合わないだけの話と思い、気持ちを切り替えて次の仕事を探していました。その日、その時限りの出会いだからこそ良いこともあって、そのひとつがイースター島での出来事です。   ▲チリ・イースター島(2017年7月)   ある日の夜中の1時頃に、思いつきでヒッチハイクをしていたんです。すると一台のバイクが停まって、ピックしてくれたのは親切な養蜂家でした。その後に、前のボランティアを辞めた話を伝えたら「ちょうどいいタイミング!うちにおいで」と言ってくれて。彼の養蜂場で10日間、働くことになったんです!   ▲チリ・イースター島/養蜂場で働くSimonaさん(2017年7月)   計画的に動いていたら、この奇跡みたいな出会いはなかったはず。そういう経験を数えきれないほどしました。几帳面で計画的だった自分が、「風に任せて動くこと、Go with the flow」の魅力、大切さを知った瞬間でしたね。     “女性だから”ではなく、空気もマインドも、全ては「自分しだい」   ―ボランティア先での出会いに加えて、ヒッチハイクも出会いの宝庫だったに違いありません。そもそもヒッチハイクの経験がある日本人はなかなかいないと思いますが、実際どんな感じだったのでしょうか? 最高ですよ(笑)。乗せてくれる人も、長く運転しているとつまらないから、1人よりも2人でおしゃべりしてたほうが楽しいと思うんです。並んで座って、相手をインタビューする感じでたくさん話しました。だから、ローカルしか知らない話をgetできる。最高でしょ?   ▲ペルー・エクアドル/6週間にわたり、仲間と車で旅した時のキャンプスポット(2017年11月)     ―女性一人での旅やヒッチハイクは少し危ない印象もあるのですが?   女性一人でヒッチハイクって危なくない?とよく聞かれるのですが、女だから危険、男だから大丈夫ということはありません。実際、女性の一人旅は普通です。女だから危ないという考え方はチェンジして、「自分しだい」「心の持ち方しだい」という意識を持ったほうがいいと思います。 長期間ヒッチハイクしながらバックパッカーを続けていると、出会う男性たちがリスペクトしてくれるんです(笑)。今の時代、女性のほうが強いんじゃないですかね。それにヒッチハイクをしていた時に、乗せてくれる人は女性が多くて、メキシコのバハ・カリフォルニアでピックしてくれた子に聞いてみたら「男性にピックされるの嫌でしょ?」って(笑)。女性同士で協力しようよ、守り合おうよみたいな、あたたかい雰囲気を感じたのを覚えていますね。     ―「旅の醍醐味は人との出会い」といいますが、Simonaさんの話を聞いていると本当にそう思えますね。 […]

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車もファッションも仕事も生活も 自分らしく、ナチュラルに、自由に。

マットジーンズブルーのボデイカラー、ボディとコーディネートされたブルーのインストルメントパネルなど、まるでデニムを履き込んだような独創的なデザインが施された特別仕様車「500X Indigo」が10月3日から150台限定で発売開始。そこで#ciao Donnaでは、デニムのつながりで、自他ともに認めるデニム好きである人気スタイリスト百々千晴(どど ちはる)さんにご登場していただきました。   百々 千晴(どど ちはる)/スタイリスト 2002年渡英、2004年より東京をベースにスタイリストとして活動。雑誌、広告を中心にスタイリングを手がけ、ブランドディレクターとしても活躍中。著書「THE DODO JEAN」。 https://dodochiharu.com/   デニムの見方が変わる1冊「THE DODO JEAN」デニムは自分の体と向き合えるバロメーター     シンプルでナチュラル。着る人を美しく見せるスタイリングは数々のトップモデル、俳優たちから全幅の信頼を寄せられている百々さん。スタイリングだけでなく、物心ついたころからデニムが好きで、仕事もプライベートもほぼ毎日デニムを履くという百々さんは、ブランドディレクターとしても多くのコラボレーションも手掛けています。そんなデニム通の百々さんのライフスタイルを垣間見ることができる著書が「THE DODO JEAN-ジーンズ3本でスタイルは決まる!」。まずは著書を出すきっかけ、どのようなこだわりを注いだのかを伺いました。 「私が普段からデニムばかりを履いているので、デニムの本を出したら?と友人のスタイリストが言ってくれたのがきっかけです。でもデニムに対するこだわりは全くありません。性格的におおざっぱなのでこだわれないんです。物事にフォーカスして何かを研究することがすごく嫌い。ただデニムが好きなだけで、その時代、そのときの自分の気分に合わせてほぼ毎日デニムを履いています。だから著書は素のまま、自分の私生活の一部を切り取って、自分の履きこなし方をお見せできればと思い、スナップを多めに紹介しています。」 ジーンズ3本を主に、春夏秋冬に分けて30のコーディネート、合計120のコーディネートスナップは、ページをめくるたびに、デニムでお出かけしたくなるような気持ちにさせてくれます。デニムに似合う、装いや小物使いも目と心の滋養にもなる一冊。 「私が持っているデニムを全て紹介するのではなく、絞って見せたほうがわかりやすいんじゃないかというヒントをいただいて、著書では3本の着回しを紹介していますが、絶対に3本しか必要がないということではないんです。私自身、デニムは100本以上持っていますが、シーズンごとに好きなデニムは変わるので年間でいうと10~20本を履いています。その中でもわりと3本くらいをルーティンで履いている感じなので、著書では私にとっての3本をピックアップしました。ですから3本に固執せず、たくさんのデニムを履きまわしてもいいし、自分が心地よいと感じるままに楽しんでもらえたらうれしいですね。」 一般的にデニムはカジュアルなイメージですが、百々さんにとってはデニムを履くということは気持が引き締まるアイテムなんだそう。 「それは本にも書いたことなのですが、私はラクがしたいから、体を隠したいからデニムを履いているのではなく、白いシャツを着るときのような感覚で襟を正す気持ちで履いています。デニムは体のシルエットが少しでも変わると明確に教えてくれる、いわば自分の体と向き合えるバロメーター的な存在でもあるんです。 もし欠点と感じる部分があったらそれを隠そうするのではなく、良い方向へ伸ばせるように切り替えて考えるのも手。例えばお尻が大きいことを気にしている方であれば、わざとピタっとしたデニムを履いたほうが綺麗じゃないですかと答えています。それでもどうしても隠したい方は、出すところと隠すところのメリハリをつけるといいですね。個人的には隠そうとするパーソナリティよりも、自分に自信をもって洋服を着ている人のほうが話しかけたくなるし、その人自身に興味が持てますね。」   私から提案するドライブファッションはありません ご自身がナチュラルであることが何よりも大切!       イタリアファッションとデニムの関係性、またフィアットの車に関してはどのような印象をお持ちなのか伺いました。 「デニムというと近年アメリカのブランドが注目されていますが、イタリアもデニムが自然に日常にあり、デニムを履く国民性だと思っています。ディーゼルやドルチェ&ガッパーナなど、ハイブランドのブランドからもデニムが出ていて代表的なブランドがある国ですよね。フィアットは、街中で見かけるとかわいいなと目に留まります。小道を小粋にすり抜けていくような印象があって楽し気な車だなと思います。 個人的に車は好きです。子供たちの休みには山や海に出かけたりもします。今は子供がいるので、子供が乗り降りしやすく、荷物が乗ることも重視して車を選んでいます。本当は自分の感覚で車を選びたいのですが、今のライフスタイルを考えるとSUVの選択はちょうどいいですね。」 続いて百々さんにドライブに行く際のおすすめのデニムファッションを伺うと、竹を割ったような爽快感がある答えが返ってきました。 「私は自分の職業をたてにとって、ドライブに行くのにおすすめのファッションはこうだとはおしつけがましくて言えません。その本人がナチュラルであることが何よりも大切。たとえば保育園に行くときの恰好を教えてくださいというような質問も同じで、みなさん周囲の目を気にし過ぎていませんか?と思ってしまう。テーマや何かしらの括りなんてなくてもいいんです。もっと自由に、自分らしく生きていれば大丈夫!と声を大にしていいたい。 私自身、ドライブに行くからこの洋服を着ようという概念は全くありません。スカートを履く方はパンツのほうが運転しやすいかもしれないけど、本当にそれくらい。あとは靴がヒールだと運転は危険ですから、運転に適した靴を車内に置いておくと便利ですよね。」   百々さん流、仕事と家庭の両立とは? 短期集中のせっかちさと、潔いおおざっぱさ!     車の運転も生活も気負わず、ナチュラルに、自分のまま楽しんでいる百々さんに言われると、ファッションはもとより、人生をもっともっと自由に楽しみたくなってきます。仕事もエネルギッシュにこなし、二児の母でもある百々さんに、仕事と家庭を両立する秘訣を伺いました。 「私はとてもせっかちなんです。アシスタントいわく「お願いだからだらだらするのをやめて」というのは私の口癖のようです。仕事は集中して早く終わらせて早く家に帰る。そもそも長時間の作業に取り組むことは私には集中力が無さ過ぎてできないんですね。だから子供を生む前と生んだ後とさほど仕事のスタンスは変わっていません。とにかく仕事が終わればすぐに帰ります。 子育てに関しては多いに周囲に頼ります。お母さんになると子育ては、人に任せず全て自分でやらなくてはと思う責任感が強い方も少なくないと思いますが、私は時間がなければパパにお願いしますし、土日に急な仕事が入った場合はお友達にも頼みます。掃除に関しては必要なのでやりますが、料理は苦手。作るには作りますけど、あまり自分の料理がおいしいと思えないんですよね。だから子供たちとはよく外食に行きます。 ある程度、諦めて、ある意味、おおざっぱに物事を捉えられれば、仕事も家庭も回せます。外から入ってくるさまざまな情報から“良いお母さん像”を作ってしまうと、自分で自分を縛ってしまうことになりとても息苦しくなると思います。私からすればもっともっと適当で良いのにと思うんです。ファッションも車もそう。誰かのおしつけではなく、自分らしく、ナチュラルに。自由でいいんです。」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「せっかちなんです!」と言う百々さんですが、家に帰ってソファの上でぼーっとしながら、テレビを見る時間は癒しのひとときなのだそう。しっかりと休息をとることも百々さん流で、ONとOFFの切り替えは明確。そして短気集中するための、ある意味原動力となる『せっかちさ』と、自然体で潔い『おおざっぱさ』。これは時流の変化が激しい今を生きる女性たちが、自分の人生をかろやかに自分らしく歩くために必要な方法と心の持ちようなのかもしれないと思いました。 百々さんの近況も含めて、シンプルでナチュラルな生活スタイルを垣間見ることができると話題の公式YouTube「DODO TUBE」も必見です。「ファッションのことはほとんど語っていませんが、ぼーっとしているときに見ていられる面白いものが発信できたらと思っています。」と、百々さん自身も楽しみながら発信中です。 DODOTUBE https://www.youtube.com/channel/UC54WzaCim6JC0TK_reOUpgA   […]

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忙しくても自分を見失わないために。 ヨガの呼吸でいつ・どこでも、心と身体のメンテナンス

仕事に、家事に、育児に、趣味にと忙しい現代女性。 目まぐるしい生活は充実感があるものの、ついつい身体や心の声に気づかず進んでしまいがち。しかし、豊かな生活を続けていくためには、日頃から自分の心と身体のバランスを取ることが欠かせません。 2020年7月4日(土)にオンライン開催された「FIAT PICNIC 2020」では、日本人女性初のアシュタンガヨガインストラクター・吉川めいさんに、そんな「心と身体のメンテナンス法」を伺いました。 まさに充実する女性のお手本のような彼女ですが、実はヨガを始めた時は、体調も心も崩し、人生の「どん底」状態だったとか。そこから彼女が自分の心と身体のバランスを整え、人生を大きく好転させた背景や、今も大切にしていること、そして、自宅でできる簡単なヨガについて教えてもらってきました。   聞き手:FCA ジャパン株式会社 マーケティング本部 本部長 ティツィアナ アランプレセ(Tiziana Alamprese)     不調の原因にとことん向き合ったとき、ヨガに出会った   今日は、自分の心と身体のバランスを探している女性のために、貴重なお話を聞かせてくださるゲストをお誘いしました。ヨガインストラクターの吉川めいさんです。 よろしくお願いします! ヨガと女性って、とてもパーフェクトなコンビネーションですよね。 はい。もはや生活において欠かせないものだと思っています。特に現代女性は、仕事や子育て、恋愛など、多くのことを両立している方も多く、その中で心や身体のバランスを崩してしまうこともあります。ヨガは、そんな心と身体をメンテナンスし、自分のセンターに立ち返らせてくれる作業。パワフルで豊かな生活を送るために、欠かせないものなんです。 めいさんがヨガを始めたきっかけは何だったのですか? 実は私、どん底からのスタートで……。というのも、大学時代、大きく健康を損なってしまったんです。身体もですが、心にもかなりダメージを受けていて、鬱や不眠にも悩んでいました。ただ、お医者さんに行っても、薬を出してくれるだけで、原因は解決しないんですよね。 原因が解決しないと、一時的に症状は治っても、また同じことを繰り返してしまいますね。 そうなんです。当時、日本ではまだストレスに対する意識が低くて、なかなか根本的な解決ができずにいました。それで、自分の中で原因を掘り下げていったときに、ヨガに出会ったんです。     ヨガは「自分の軸」を見つける作業   自分の心と身体のバランスを整えるのに、ヨガはどう役立ったのですか? いろいろありますが、一番良かったのは、自分の「気持ちいい」って感覚に、素直になれるようになったことかな、と思います。 面白いですね! ヨガをやっているとみなさんよく、「気持ちいい」と口にされます。その「気持ちいい」が、どんな風に自分の生活に反映されるんでしょうか? たとえば飲み会に誘われて、「本当は行きたくないんだけど、行かなきゃな」とか、本当はやりたい仕事じゃないんだけれども、「稼がなきゃいけないから、やっておいたほうがいいかな」と思って行動してしまうシーンってありますよね。     「我慢」とか、「義理」みたいなものですか? はい。なんとなく、他人や世の中に自分の軸を合わせてしまうんですね。ヨガには、そういうときに、「呼吸」を使って自分の軸を見つける術(すべ)があるんです。呼吸には、「今、吸っている」か「今、吐いている」しかありません。また、その呼吸が、自分にちょうどいい長さか、ちょうどいい強さかって、自分の感覚でしか分かりませんよね。 そうですね。他人の中に答えはありません。 だから、呼吸に意識を集中することで、どんどん「今の自分の感覚」に素直になっていくことができるんです。それを毎日繰り返すことで、少しずつ日常生活でも、自分の本当の気持ちを見つけられるようになりました。 ファンタスティック! 深いですね。自分らしく進むために、自分の中に力をもらう。やはりヨガには、私たちの人生にとても大事な教えがあると感じます。     ドライブの時間はヨガと似ている!?   実は私、ドライブの時間って、ヨガや瞑想と同じくらい大好きな時間なんです。車の中って、自分だけの時間と空間が作れるじゃないですか。それなのに移動もできるって最強だな、と思っています。 そうなんですよね! FIATの、特に女性のオーナーさんから「FIAT 500に乗り込んだ瞬間、自分だけの可愛い空間にとても気持ちが安らぎます」というご感想をよくいただきます。 すごく分かります。 それって、ちょっとしたヨガ体験ですよね。 本当にそうです。運転しながらヨガのような体験をしていると感じます。 運転を含め、自分のスペースを大事にすることを、毎日少しずつ意識していきたいですね。最後に、めいさんが、心と身体のメンテナンスに最も大切と考えていることを教えてください! 私がオススメしたいのは、1日10〜15分の短い時間でいいので、「自分とデートする」ぐらいの気持ちで、「自分を第一にできる時間を作る」ことです。 […]

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#ciaoDonna by FIAT x 大手小町 かんたんストレッチ

自宅で過ごす時間が増え、在宅勤務が続く女性も多いと思います。いつもと違う暮らしが続いて、ストレスや運動不足を感じることもあるでしょう。そんな時に、体を整え、気持ちを穏やかに保つにはどうしたらいいのでしょうか。そこで、ヨガインストラクターの吉川めいさんに、自宅で簡単にできる運動不足とストレスへの対処法を教えてもらいました。   お家ヨガで、呼吸と姿勢を整えて プラスのことに焦点を合わせて、ストレス緩和 まず、簡単なストレス緩和法をご紹介しましょう。こういう時に、できなくなったことや失ったものばかりを考えてしまうと、それがストレスの原因になります。「家にいる時間が増えて、自分がチャレンジしたいことができる」「子どもと一緒にいられる時間が増えた」など、プラスのことに意識の焦点を合わせましょう。ストレスを感じたら、意識を切り替えてプラスのことを考えるようにすることが大事です。   1日20分のヨガで心が整う ヨガの良さは、体を動かすだけでなく、意識的な呼吸を行うことにあります。体をほぐして気のめぐりを良くし、意識的な呼吸を行うことで、心のメンテナンスができます。今、不安で心がザワザワしている、寝つきが悪い、つい家族や子どもに当たってしまうという人は、1日20分、ヨガの時間を持つと、呼吸が整い、姿勢が良くなって、いつもの自分に、そしてよりポジティブな自分に近づくことができます。これから、いつでもどこでも簡単にできる呼吸法とヨガのエクササイズを紹介しますので、ぜひ試してみてください。   均等呼吸法 ヨガの考えでは、呼吸は微細な生命エネルギーです。私たちの体は放っておくと緊張したりこわばったりしますが、意識的に呼吸をコントロールすると、気のめぐりを落ち着かせることができるので、体がゆるんで、ほんわかします。この呼吸法は、家でも、車の中でも、歩きながらでもできるので、ぜひやってみてください。   1. 頭のてっぺんが一番高くなるように、すっと背筋を伸ばして立ちます。目を閉じて、自分の呼吸を感じることに集中しながら、鼻から大きく吸って、口から吐きます。気持ちが落ち着くまで、この呼吸を繰り返します。 2. ここからは、鼻から吸って鼻から吐く呼吸法になります。目を閉じて、今ある息を全部吐き出します。4カウント(1カウント1秒)で吸って4カウントで吐きます。4回繰り返したら、一度ゆったりと大きく吸って、吐きます。 3. 次は、8カウントで吸って8カウントで吐く呼吸になります。背筋を伸ばし、今ある息を全部吐き出したら、8カウントの呼吸を4回繰り返します。倍の長さで吸うので、1回に吸う量は4カウントの半分にします。最初に吸う量を少なめにして、8カウント全部を使って均等に吸うように意識するとうまくいきます。吐くときも同じようにします。 4. 4カウントの呼吸に戻して4回繰り返します。終わったら一度大きく吸って、吐いて空っぽになるのを見届けたら、体に自然な呼吸をさせてあげましょう。ゆっくりと目を開きます。   スリーステップウォームアップ これは太陽礼拝のポーズの準備になるヨガ・エクササイズです。4カウントで鼻から吸って、4カウントで鼻から吐く均等呼吸をやりながら、体の中心軸の要である腰の屈伸運動を行うことで、全身の気のめぐりがじわーっと良くなって、体がポカポカします。 1. 足を揃え、まっすぐに立ち、手を下ろします。ここで、胸を張りすぎないように注意しましょう。軽くあごを引いて、目線を鼻から下の方に落とします。 2. 4カウントで吸いながら、真横から手を上げて頭の上で手を合わせます。目線は手の親指を見ます。 3. 4カウントで吐きながら前屈します。体が硬くても、できるところまで前屈すれば大丈夫です。 4. 吸いながら、90度くらいまで体を起こし、顔を上げます。 5. もう一度、吐きながら、無理なくできるところまで前屈します。 6. 吸いながら、手を横から上げて上に伸び、2の姿勢に戻ります。 7. 吐きながら、手を横に開いて下ろし、1の姿勢に戻ります。     牛の顔のポーズ(上半身) パソコンを長時間使っている方が多いので、腕、肩のストレッチになるように、牛の顔のポーズ(ゴムカーサーナ)の上半身の部分を紹介します。ぜひ、パソコン仕事の合間にやってみてください。 1. 椅子に背筋を伸ばして座り、右手を上げて頭の後ろに回します。左手を左肩下から後ろに回し、右手の指先を握ります。左右の手が届かない方は、フェイスタオルを細長く巻いたものを右手に持って垂らし、左手でタオルをつかんで引き合います。 2. この姿勢のまま、できれば少し上を見上げるようにして、4カウントで吸う、4カウントで吐く均等呼吸を5呼吸行います。 3. 次に、左右を逆にして、同様に行います。         車に乗るときも、ヨガでほぐしを 腰を中心に刺激を入れて、体を整える 人との接触をなるべく避けるために、電車やバスを使わずに自分の車を運転するようになった方も増えていると思います。私も運転が好きで、車にはよく乗るので、運転の合間にできるストレッチとヨガ・エクササイズを紹介します。車に乗る前や休憩中、車を下りた後にこれらのエクササイズをやって体に正しい刺激を入れると、長時間運転しても疲れがたまりにくくなります。   […]

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3月8日の国際女性デーとイタリアのミモザの日ってどんな日?楽しみ方も紹介

毎年3月8日は、国連が制定した「国際女性デー」です。そして、イタリアでは「ミモザの日」とも呼ばれています。この記事では、国際女性デーとミモザの日が何の日でどんな関連性があるのか、また、具体的な楽しみ方やイベントなどをご紹介します。   国際女性デーはニューヨークの女性労働者が参政権を求めてデモを行った日 国際女性デーは、1904年3月8日にアメリカのニューヨークの女性労働者が参政権を求めてデモを行った日です。このデモを受けて、1975年に国際女性デーが制定されました。現在は国連事務総長が加盟国に対して、女性が平等に社会参加できるような環境づくりを呼び掛ける日になっています。 国連だけでなく、途上国の女の子の支援プロジェクト「Because I am a girl 」などを実施している公益財団法人プラン・インターナショナル や民間企業などもイベントやシンポジウムを開催するなど、世界中で女性の社会参画を願った取り組みがなされる日なのです。   イタリアでは女性にミモザを贈る「ミモザの日」 女性の社会参画を願う日とされている3月8日の国際女性デーは、イタリアでは同時期にミモザの花が咲くことにちなんで、ミモザの日とも呼ばれています。3月あたりにはミモザの花が咲き乱れ、イタリアの街中の随所でミモザの花が飾られたり売られたりするようになるのだそうです。 このミモザの日には、男性が女性に敬意と感謝を込めて、ミモザの花を贈るのがならわし。パートナーだけではなく、母親や祖母、友人、仕事仲間など自分にとって大切な女性に贈るのだとか。女性たちは贈られたミモザを飾るだけでなく、仕事や家事、育児からつかの間離れて、お出かけや外食を楽しむのだといいます。 また、ミモザの花は「春を告げる花」としてイタリアだけでなく、ヨーロッパ全体で広く愛されています。例えば、フランスのマンドリュー・ラ・ナプールという街では、2月に「ミモザ祭り」が開催されるそうです。   ミモザはアカシアの総称で花言葉は「秘密の恋」 ミモザは、正式にはマメ科ネムノキ亜科アカシア属の総称で、和名は銀葉アカシアと言います。ヨーロッパで人気があるミモザは、実はもともとオーストラリアが原産で、国花にも指定されている花です。 ミモザの花言葉は「優雅、友情」で、黄色のミモザの花言葉は「秘密の恋」。花屋でミモザの切り花が買えるのは1~3月で、3月8日のミモザの日近辺は日本の花屋でも手軽に手に入れることができます。自分で手にいれても、イタリアの風習や花言葉を男性に教えて贈ってもらう、なんて楽しみ方もいいかもしれません。   リースやサラダでミモザの日を楽しもう ミモザは、花束として部屋に飾るだけでなく、リースにしても楽しめます。また、ミモザの彩りを再現したミモザサラダのつくり方も紹介するので、ぜひミモザの日を楽しんでみてください。   花束と麻紐を使うミモザリースのつくり方 ミモザリースは完成品を花屋で買える場合もありますが、花束と麻紐があれば簡単につくることもできます。 1.麻紐はミモザを適量で結べるくらいにカットして、ミモザの花の付け根で結びます。余った紐はカットし、茎の下のほうから生えている脇花もカットします。 2.茎を覆うように、カットした脇花を重ねて紐で結び、茎部分も紐で結んで固定します。 3.茎部分をアーチ状に曲げ、花がついた先端に被せるようにして輪をつくります。葉の位置やリース全体の形を確認しながら紐で結び、整えて完成です。   ミモザの花そっくりのミモザサラダのつくり方 ミモザの花を使用するわけではありませんが、ミモザの花に見た目がそっくりなサラダのつくり方を紹介します。簡単につくれるので、料理に自信がない方もぜひチャレンジしてみてください。 【材料】 ・ゆで卵          2個 ・ミニトマト        3個 ・ベビーリーフ       40g ・オリーブオイル     小さじ4 ・すりおろしニンニク   小さじ1/2 ・レモン汁        小さじ1/2 ・塩           ふたつまみ   【つくり方】 1.ミニトマトはヘタを取り除き、4等分に切る。 2.ゆで卵は白身と黄身に分けて、それぞれ粗めのザルに押し付けて裏ごしをする。 3.ボウルにAの調味料を入れて混ぜ合わせる。 4.器にベビーリーフ、ミニトマトを盛り付け、真ん中に裏ごししたゆで卵の白身と黄身をミモザの花に見えるように盛り付けます。最後にAのドレッシングをかけたら完成です。   ミモザにちなんだFIATの限定車のフェア開催 […]

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“無名の偉人”木全ミツさんに聞く、公私共にうまくやるコツ

東大医学部を卒業し、労働省に入省。ワーキングマザーとして公務に尽力し、 労働官僚30年のうち15~6年を開発途上国に対する国際技術協力等国際関係の仕事に奔走、49歳で国連公使としてニューヨークに単身赴任。その後、ザ・ボディショップジャパンの初代社長に就任。のちにNPO法人「JKSK 女性の活力を社会の活力に」を設立、日本やアジアにおける女性のリーダーシップの育成に尽力されるなど、数々の輝かしい実績を積み上げてこられた木全ミツさん。その生い立ちや実績は、『仕事は「行動」がすべて 無名の偉人・木全ミツの仕事』(伊藤彩子 著 WAVE出版)に綴られています。 この本で“無名の偉人”と表現されているように、木全さんは表に立って采配を振るうというよりは、後ろから押すタイプ、というのでしょうか。周囲の人を巻き込み、取りまとめて大きな力を生み出し、プロジェクトを成功に導いています。フィアットとは、Share with FIATの活動を通じ、東日本大震災復興支援プロジェクト(関連記事)や、アジアの優秀な女性に教育の場を提供する活動(関連記事)などに共に取り組みました。今回は木全さんに豊かな経験をお持ちの大先輩として、仕事や日常をスムーズにこなすコツや、意識の持ち方についてアドバイスを伺っていきます。 自立心が芽生えたのは9歳の時 ──まず率直にうかがいたいのですが、木全さんはなぜそんなに優秀なのでしょうか? 「優秀と言われますけど、私は子どもの頃、ごく普通の女の子でした。兄弟姉妹が9人。6人が男の子、3人が女の子で私は次女。誰からも期待をされていない、どうでもいい普通の女の子であったと思います。兄や姉は優秀で、常にクラスで一番だった。でも私は、 “クラスで一番”ということにあまり関心を持ってませんでした。1番をとったこともありますが、常にではなかったので家庭内ではデキが悪いと思われて、親から期待される子ではなかったのではないでしょうか」 木全さんが9歳のとき、その後の人生に大きな影響を与えたという出来事が起こります。木全さんのお父さまは第二次大戦のとき陸軍の軍医大佐をされておられ、木全さんが小学生の頃、家族皆で満州の新京(現在の中国の長春)に移住。侵攻国の軍の幹部として、なんでも手に入るような生活を送っていたそうです。しかし、そんな生活に変化が訪れます。戦局が悪化すると木全さんのお父さまは子どもたちを集めて、次のように伝えたそうです。 “いいか、これからはお母さんのいうことをよく聞いて、日本に帰って生活するのだ”。お母さんと子どもたちは、その地に残る父を心配しながらも言われるがまま満州を後にしました。 「満州を離れて、朝鮮半島を汽車で移動していきました。1945年8月15日、日本が敗戦したという報を一家は今の北朝鮮の首都,ピョンヤンで聞きました。日本の敗戦を知った朝鮮の人たちは、それを喜び、日本から痛めつけられてきたことに対する怒りをあらわに、“憎き日本人を殺せ!”と暴動を起こし、私達日本人に襲い掛かってきました。その時、私たち家族の面倒を見てくれていた父の部下の軍部の人が、“この穴に入りなさい”とおっしゃり、母と一緒に真っ黒い穴に入りました。やがて、ガタンという音と共に穴の入り口が締まり、その後、ゴトン、ゴトンという音と共に動きだしました、当初はわからなかったけれども、それは石炭を運ぶ貨車だったのです。その貨車に人間が乗っていることは疑われず、無事に朝鮮半島を後に、舞鶴にたどり着きました。満州からの引き揚げ船の第一号でした。たどり着いた日本は焼け野原、浮浪児がごろごろとした状況でした。母と一緒に福岡・久留米にたどり着きました。その頃、母のお腹には8人目の子がいました。久留米では、生活力のない母のもと、どん底の生活を強いられました。母は日本の陸軍大将の妻になるというのが夢でした。でも敗戦後の彼女の生活は、生活保護を受けながらのぎりぎりの生活でした。国家を信じ、夫を信じて生きながら、将来は日本の陸軍大将の妻になるという夢のはしごを、自分の力とは関係のないところで外された、哀れな母でした。子どもたちはお腹が空いたといって母を苦しめると、母は配給されたかぼちゃの一切れをお皿にのせ、“まだ、夕食には、時間が早いけど、食べたら動かないのよ、お腹が空くから”と言いました。“ああ、いやだいやだ、あんな哀れな女にはなりたくない。私は、どんな時代、どんな環境に置かれても自分の二本の足で立ち、歩んでいく人間になりたい”と、本当にそう思いました。それが私の自立心の基本であり、職業意識の芽生えでした。9歳の時です」 戦時下での混沌のなか、児童期に天と地のように違う生活を経験したことを振り返ってくださった木全さん。そうした経験も糧に“偉人”となったご自身のスタイルを3つ挙げてもらいました。 1   誰にも頼らないで生きていく 「どんな時代、どんな環境下に置かれても、誰にも頼らないで生きられる人間になりたい。9歳の時に強く思ったその気持ちは、その後ずっと変わっていません。自立するということは、まず、経済的にひとり立ちするということです。ですから私はひとりでも生きられるように就職して収入を手にするようになって以来、今日まで収入の20%を貯金することを原則として守ってきました」 2 何事も自分で決める 「もうひとつ大切なことは、“自ら選んだ道、自分が決めたことではないか”という考えです。それが自分の人生を支えてきました。進学の際の専攻、職業の選択、結婚の決定も、誰からの推薦、アドバイスでではなく、すべて自分で決めました。そして誰からも強制されたものではないからこそ、自分で責任が取れるのです。言い換えると、決定したことがうまくいかなくても“貴女が自分で決めたことではありませんか”ということが背中をおしてくれ、勇気をもって対峙してきたことにより、問題を解決していけたのだと思います。自ら行動をとることの重要性。私はこのことを、人生を通じて学んできました。だから人生でなにひとつ後悔はありません」 3 どんな経験や体験も自分の血となり肉となる 「人はそれぞれ違う体験をして生きていきます。なかには、反り(そり)が合わない人もいるでしょう。でもそうした人とも一緒に物事を進めていく、という場面は仕事においても日常でも多々あります。そのようなとき、嫌だなと思ってやるのと、前向きに受け入れて進めていくのでは大きな違いが出てきます。後述しますが、どのような人でも、自分にはない優れた一面を持っています。それぞれが持っている“良さ“とお付き合いをしていこう、自分なんか大した人間ではないと。そうした相手との経験から何を学ぶか。そしてそれを血として肉とすることで、人生の豊かさは変わってくるということを学んでまいりました」 ──職場のなか、組織のなか、あるいは家庭のなかであっても、自分の信念が周りの人々の考えと対立したり、価値観の違う人とぶつかったりすることはあると思います。そのような時は、どのように折り合いをつけるのでしょうか? 相手のすばらしい面とお付き合いする 「相手は自分が気に入らない点を持っているかもしれませんが、自分にはない良さが必ずあります。私は、相手のその良さとどうやって付き合って行こうかということを必死に考え、そのすばらしさとお付き合いしていこうと心掛けてきました。もし相手とぶつかった時、非難したり、罵倒したりして、された人はハッピーでしょうか? また罵倒した本人はそれでハッピーになりますか? そんなことをしても上手くいくわけがない。自分と意見が異なることがある場合、必ずそこに理由があるので、その理由を冷静に考え、解決する努力をした方がずっと早く、良い方向に向かうのではないでしょうか。そしてその経験は自分を成長させてくれ、その後の実績をあげる力になるのだと思います」 ──仕事の話になりましたので、もう少しお聞きしたいと思います。仕事やプロジェクトを進める際に大切なことはなんでしょうか。 1 どんな仕事も自分ひとりで成し遂げることはできない 「私はどんな仕事やプロジェクトもひとりでできることはないと思っています。だから、成し遂げた結果に対して、これは誰それの功績だという言い方も適切ではないと思います。個人だけでできることというのは、あっても小さいのではないでしょうか。“自分はたいしたものではない”と自覚するべきだと思いますね。賛同者がいて、共感する人がいて、価値観を共有できる人々がいて、それで一緒にやっていこうと繋がった時に大きな力が生まれるのだと思います」 2 自分の考え、方針を明確に打ち出すことは大事 「ただし、チームでプロジェクトを進めていくときに、私はこういう考えであるということは、押し付けではなく、相手にお伝えすることは重要だと思います。その考えが他の方と同じでなくてもいいんです。賛同が得られることもあるし、意見は違う場合はまず耳を傾け、理解し、ひとりひとりを大切にすることが大切です。そして、自分が誰よりも一番働くことに努めてきました。そうすると周りの人はその姿を見て、自分のやることを考えて動いてくれますから。会社だったら社長、プロジェクトだったらそのリーダーが一番の小使に徹するべきだと思いますね」 3 成果を同志とともに分かち合い、喜び合う 「そしてその仕事を成し遂げたら、喜びを一緒に分かち合う。それが次のエネルギーになるのです。私も同志を家にお招きして手料理を振る舞ったり、お酒を一緒に飲んだりします。実感を分かち合える場を作る、ということは、とても大切なことではないでしょうか」 不可能なことはない ──これまでのお話でもわかるように、木全さんは個を尊重し、人を大切にされます。そして人から頼まれたことは断らないといいます。なぜなのか。うかがってみました。 「There is no word of impossible in my dictionary。私の辞書には不可能という言葉はない。なんでもやってみるべきだと思います。したがって人から頼まれて断ったことはありません。小さなことでも大きなことでも、やればやれると思っています。成果に差はあるかもしれないけど、まずはやってみることだと思いますね」 「戦後の混乱のなか、私たち子どもたちは食べるものがなく、みんなお腹を空かしていたお話をしました。そういう生活をしていたとき、軍部で父の部下だった方が時々、様子を見にきてくれていました。私は母にお腹が空かない生活をするには、月にいくら位必要なの? と聞いたことがあります。“3,000円くらいあればねえ”いう母の言葉がずっと耳に残っていました。小学校をあと2年、そして中学3年間を終わらないと働くことができないと思い込んでいましたが、訪ねてきたおじさんに、“早く、義務教育を終え、お金を稼ぎたい、母を助けたい”と心情を伝えると、“お嬢ちゃんにもできることはありますよ。パンを9円で仕入れて12円で売りなさい”と。そして、おじさんがパンの仕入れを手伝ってくれ、私は一軒一軒訪問しました。“パンを買ってください”、“いくらなの?”、“12円です”、“高い、10円にしなさい”、“10円にしたら、わたしの儲けがなくなります”という会話を交わしながら、毎週日曜日に、100個を目標に売って歩いた。数ヶ月実行し3,000円を貯めて母に渡したら、最初は泣いて受け取ってくれませんでしたが、最後に喜んでくれた。その時のことは、今でも鮮明に覚えています。子どもが多かったので、すべての子に目を配ることもできなかった母でしたので、母は私の訪販の体験には気が付いていなかったようです。その時、私は“やればできる。人生に不可能なことはない”ということを学びました。小学4年、10歳の時です。そして、この体験から得た信念が、私の人生の屋台骨の一つとして今日まで支えてくれています」 ──人のために尽くす。木全さんのそうしたお考え、そしてこれまでの実績をみると、自分のためではなく、社会のため、あるいは少し大げさかもしれませんが、世界のために働いているというか、そういう意識を感じます。 「自分のためじゃなく、日本人として、アジアの一員として、世界の一員として行動する、という意識は常にあります。大学の専攻で公衆衛生を選んだのも、そのような理由からでした。当時、医者にかかれる人はまだ少なかった。そんな時代でした。医者にかかれる数人のために働くのではなく、医者にかかれない大勢のことを考えて生きたい。それが“社会のため”という意識を持つようになった始まりでした。父も応援してくれました」 「シベリアに抑留された父には、“家族は、全員、朝鮮半島で皆殺しにあった”という報が届けられていたようです。“すべての家族を失った自分には、帰国をする理由がない、若い将来のある部下たちを優先的に帰国させよう”と心に決め、部下たちを優先的に、シベリアからの引き上げ船に送り込んでいた。他方、子どもの私達は音信不通の父について、生死もわからない中で、父に手紙を送り続けました。そのうちの一通が父に届いたようです。子どもが日本で生きていることを知った父は、最後の引き揚げ船で帰ってきました。一人でも生きていればという思いで帰ってきたら、皆生きていたという喜びの中で、父は子どもたちを前に、“俺は、社会的地位も、名誉も、財産も失った。しかし、諦めていた子どもという宝があるじゃないか。私は医者だ。再起可能だ。日本に将来があるとすれば、それはテクノロジーだ。これからの日本の社会には、男も女もない。能力があるなら大学に行け。そして専攻は理系を選べ”と。さらに、“ひとつだけお父さんに協力してほしい。国立大学に進んでほしい”と。私が中学2年の時でした。そして、後に東京大学の医学部で公衆衛生を学ぶことにいたしました」 家庭内の問題をスムーズに進めるコツ 大学時代に勉学に励んだ木全さん。そこでご主人となる方と出会うこととなりました。 「夫は、医学部の3歳年上。彼からラブレターをもらいました。私は、21歳、恋だ、結婚だ、などということはまったく眼中にもなく、そんな気持ちのかけらもなかったころです。“九州から東京まで出てきて勉強しているのは、伊達や酔狂ではない。勉強以外のことに時間を取られたり、エネルギーを注いだりしたくない、理解していただきたい“ といったような内容の返信を送りました。しかし、ある日、同じサークル(ソヴィエト医学研究会)の活動を終え友人たちとワイワイ言いながら本郷のキャンパスからお茶の水駅まで帰っている時に、今まで避けていた彼と視線がぶつかった。どういう訳か、胸の高まりを覚えた。そのことを私の女友達に話したら、彼女は後で彼に “脈なしにあらず”と伝えたようです。その友人の計らいが発端で、私達のデートが始まりました。結婚まで3年半お付き合いを経ましたが、デートの時はいつも、“私は自分の道を自分の足で生きていく”ということを必死に伝え、ディスカッションも重ねました。その結果、120%理解をし合い結婚することになりました。結婚してやがて60年になりますが、今日に至るまで、ケンカもなく実にうまくいっています。夫の人間性の素晴らしさもあり、お互い尊重し、感謝し合う。そんな関係を築くことができています」 ──ご主人のお話が出ましたのでお聞きします。家庭をうまくいかせるため、相手とぶつからないでうまくやっていくには、どうしたらよいとお考えですか? 1 ひとりの人間として相手の人格を尊敬、尊重する […]

CULTURE

“チャオドンナ”が合言葉!女性による女性のためのフィアット試乗会は「楽しい、かわいい!」

2019年10月26日にciao DONNA×Lady GO MOTO「FIAT MEETING」が開催されました。イタリア語のあいさつの言葉「ciao(チャオ)」と、女性という意味の「DONNA(ドンナ)が組み合わされた「チャオドンナ」は、女性がより豊かな人生を楽しめるようと願いを込めた魔法の合言葉。そんなチャオドンナの合言葉のもと、女性による女性のためのフィアット試乗会が開催されました。その模様をお届けします。 ◆雰囲気は女子会そのもの!女性による女性のための試乗会 ciao DONNA×Lady GO MOTO「FIAT MEETING」の集合場所は都会でありながら緑の木々に包まれた一角にある、イタリアで生まれたカフェ「Bondolfi Bon Coffe(ボンドルフィボンカフェ)赤坂」。ガラス張りのカフェテラスの入口に入ると女性スタッフが出迎えてくれて受付へ。受付の横にはテーブルセッティングがされていました。試乗会と聞いていましたが、その雰囲気は「これから女子会がはじまるのかな?」というもの。 受付後は軽く顔合わせの挨拶を済ませて地下駐車場へ移動し、かわいらしい3台のフィアットとご対面。この日用意された試乗車は、深みのある美しいレッドカラー(パソドブレ レッド)の『500』と、艶のあるホワイトカラー(アイスホワイト)のカブリオレモデルの『500C』、そして上品なベージュカラー(カプチーノベージュ)をまとったSUVタイプの『500X』の3台。 試乗は赤坂周辺で1台につき約15分のプチドライブ。交互に乗り合って3台のフィアットをテイスティング…もとい、試乗するという内容で、助手席にはナビゲーター兼アドバイザーが乗ってくれるので安心。フィアットオーナーの方も、フィアットに乗るのが初めての方も、最初はちょっぴり緊張した面持ちでしたが、ちんまりとかわいく佇むフィアットを目の前にすると「わぁ~、かわいいー」と表情が緩みます。そして運転席に身を収めるとやさしく体を包み込むシートと、キュートな車内インテリアに、すっかり参加者のみなさんは笑顔に。 ◆走った感想は?「楽しい、かわいい!」 試乗を終えてカフェに戻ってくると自然とおしゃべりが弾みます。 「SUVタイプは怖いかなと思ったけど見晴らしがよくて運転がしやすかった!」 「スゥーとスムーズに加速する感覚が楽しかったです」 などなど、いろいろな車に対する感想が口々にこぼれました。そしてみなさんが共通していうことは「楽しかった、かわいかった!」という言葉。試乗を終えて“かわいい”という言葉が出るのは、女性の感性を刺激するフィアットならではかもしれません。 興奮の試乗を終えた後は、パニーニとドリンクとともに、フィアットのスタッフと参加者で座談会という名の女子会。ゲストはクルマやバイクを扱う雑誌『ahead』編集長の若林葉子さん。自己紹介からはじまり、乗った感想から普段の車生活や好きなドライブスポットまで話題は尽きません。 ユニークなのは、フィアットの試乗会であるのに、スタッフからはフィアットに対するプレゼンテーションが全くないこと。それよりも「今日という日の出会いを心から楽しみましょう」というスタンス。今回参加された8名の中にはフィアット初体験の方も多くいらっしゃいましたが、そもそもみなさんはどんな風にフィアットに出会ったのでしょうか。そしてフィアットのどんなところに惹かれたのか、初めて試乗してみた感想など、参加者のみなさんの声をお届けしましょう。 ◆梶山友里さん「家族が増えたら500Xという選択肢も」 結婚して夫婦ともども初のマイカーに選んだ車がフィアット500ツインエアラウンジという梶山さん。 「最初は夫にアバルトがいいと言われたのですが少し私にはハードルが高くて。でも500なら私も、そして夫が楽しみたい走りも両方が叶うので選びました。今日は500Xにも乗りましたが、いつも乗っている車よりも大きいので運転できるか心配でしたけど、見晴らしがよく運転もしやすくて感動しました。内装もかわいい。子供ができて家族が増えたら500Xという選択肢もあるということが発見できました」 ◆横山莉枝子さん「思わず“おはよう”と声をかけたくなります」 家の車はマニュアル車で運転ができない日々が続き、すっかりペーパードライバーになっていたという横山さん。車には全く興味が無かったけれどフィアットに興味があったそうです。 「フィアットを見たときにすっかりファンになりました。見た目が犬みたいにかわいらしく思わず“おはよう”と声をかけたくなります。久しぶりのプチドライブでしたが運転のしやすさ、心地よい走りのフィーリングなど見た目だけでなく、運転も楽しめました。本当に今日の試乗会はお天気もよく、フィアット日和でした」 ◆水飼和美さん「フィアットと出会えてライフスタイルも変わりました」 フィアットオーナーの水飼さん。今日のイベントにあわせてイタリアと日本の生地を組み合わせたレナクナッタというブランドの美しい色合いのスカートを選択。 「イタリアのテイストはもちろん、かわいさとシンプルさが融合されたところが好き。以前はペーパードライバーでしたがフィアットと出会えてライフスタイルも変わりました。まだ遠出はできないのですが、フィアットとともにロングドライブも楽しみたいと思っています。そしていつかイタリアでフィアットのレンタカーを借りてドライブを楽しんでみたいです」 ◆小松千歌さん「助手席から眺める風景も素敵」 小松さん自身はペーパードライバーで 今は助手席専門。でもドライブは大好きでよく箱根へ出かけるそうです。今回は水飼さんが運転する車の助手席でプチドライブを楽しみました。 「自分自身が車を所有するならデザイン性が良い車がいいなと思っていまして、そんなときに発見したのがフィアットです。今日は運転ができないのに参加させていただいたのですが、本当に来て良かったです。見た目のオシャレさだけでなく、助手席から眺める風景、内装の雰囲気も素敵でした」 ◆小柳麗さん「ドアを開けた瞬間からわくわくさせてくれる」 元々車に全く興味が無かったという小柳さんはフィアットを見て、フィアットに乗るためだけに自動車免許を取得したといいます。 「当時付き合っていた彼氏(今の旦那様)がいろいろな車のカタログを見せてくれたのですが、その中にあったのがフィアットでした。フィアット500は私の車生活を、人生をも変えた車です。今日はいろいろなフィアットに乗ることができて、本当に楽しかったです。ツインエア(エンジン)最高! フィアットはドアを開けた瞬間から心をわくわくさせてくれる車です」 ◆大掛愛さん「フィアットに乗っているオーナーさんは素敵に見える」 東京に上京して約4年。たまにレンタカーを借りて運転する程度になっていたという大掛さん。恋人がフィアットに乗っていることもあり、いつしか自分でも所有したいとフィアットに恋い焦がれるように。 「レンタカーだとなかなかフィアットはないので、今日は憧れのフィアットを運転することができて本当にうれしかったです。とくに大好きなボディカラー、赤色(スペシャルソリッド)と室内のアイボリーとの組み合わせがすごくオシャレで気に入りました。フィアットに乗っているオーナーさんを見ると、それだけでオーナーさんがより素敵に見えるんですよね。わたしもいつか仲間入りしたいです」 ◆高田かほるさん「一人でもドライブが楽しめそう」 ご主人が内緒で今回のイベントに応募したという高田さん。普段は家の車に乗っていて、遠出のときの運転はお任せしていたそう。 「フィアットのかわいさは以前から知ってはいたのですが、試乗会の当選にはびっくりしました。今日運転してみてさらに驚いたのは運転のしやすさ。家の車は全長が長いので駐車はいつも苦労するのです。でもフィアットは扱いやすく走りやすいので、遠出はもちろん、一人でもドライブが楽しめそうです。心地の良い室内は体に優しく、何よりデザインがいいですね」 ◆矢部尚子さん「もう一度乗りたいと思っています」 初めて購入した車はフィアットだったという矢部さん。でも結婚、出産で泣く泣く手放すことに。 「小豆島へ旅行に行ったときに見たフィアットに一目ぼれしたことがきっかけで、旅行から帰ってすぐに購入しました。当時は車を見ると自然に“おはよう”“おつかれさま”など話かけたり、フィアットと出かけるとフィアットと一緒に写真が撮りたくなるんです。本当に私にとってかわいくて大切な相棒でした。だからもう一度乗りたいと思っています。今日試乗することができて改めてその気持ちが高まりました!」 ◆「チャオドンナ」は女性を応援する魔法の合言葉 イタリアでは親しい間柄で使われるあいさつ「ciao(チャオ)」と、女性という意味の「DONNA(ドンナ)が組み合わされた「チャオドンナ」は、女性がより豊かな人生を楽しめるようと願いを込めた魔法の合言葉。そんな素敵な合言葉を生み出し#ciao DONNAプロジェクトを立ち上げたのは、FCAジャパン・マーケティング本部長のティツィアナ・アランプレセさん。 フィアットの変わらないかわいさを伝えること、そして何より女性が女性らしく社会で頑張れるように、女性を応援するというのがこのプロジェクトの目的。その愛あふれる#ciao DONNAの姿勢は、女性の心に寄り添い、女性同士の心温まるつながりを育むことを大切にしています。 車の試乗会にも関わらず、本日集まった参加者が、ペーパードライバーの方や車に全く興味がないという方も気軽に参加できるのは、#ciao DONNAの想いがそのまま伝わっているともいえます。そしてフィアットの愛らしさも女性に「行きたい!会いたい!」と思わせる魅力。 […]

CULTURE

AmiCono代表・井上舞子さんに訊く、ジェラートの魅力って何ですか?

「世界中の“友達”をハッピーにするジェラテリア」をコンセプトに、2017年11月に東京・自由が丘にオープンした『AmiCono JIYUGAOKA(アミコーノ自由が丘)』。今年7月に開催されたFIAT PICNICにも出店していたので、こちらのジェラートを味わったフィアットオーナーの方も多いのでは? オーナー兼ジェラティエーレである井上舞子さんは「母が黄色の500に乗っていますし、FIAT大好きなんですよ」と言います。ジェラート作りはフィレンツェで学んだという井上さんにジェラートの魅力を伺ってきました。  ジェラート店をスタートさせたきっかけは? まずはジェラート店をやろうと思ったきっかけを井上さんに訊きました。  「理系の大学に通っていたのですが、アルバイトで始めた飲食業界に惹かれてしまい、親の反対を押し切って、そのままバイト先のレストランに就職したんです。バンケットという様々なパーティなどをプロデュースする担当でした。そのお店は外国人のお客様も多かったのですが、私は英語が話せませんでした。それがコンプレックスでしたので、退職して思い切ってオーストラリアへワーキングホリデーに出ました」 約1年間をオーストラリアで過ごし帰国。コンプレックスは解消されたのですが、新たな悩みが生まれたと井上さんは言います。 「帰国すると周りの状況が変わっていました。友人は仕事で昇進したり、結婚したり、みんな歩を進めていて、私だけ取り残されているような気分になりました」  そこから井上さんは仕事に没頭します。白金にあるイタリア料理店の店長となり、オープンから閉店まで、毎日働いたというのです。  「がむしゃらに働いていたのですが、30歳を目前にして、このままでいいのかな、とも考えるようになったのです。飲食業をやっていると最終的に独立しないと楽しくないのかな、とか。私にしかできないことって何だろうと毎日考えるようになったのです。悩んでましたね」  そこで井上さんは、ご自身が好きなモノやコトをノートに書き始めたといいます。記されたワードのひとつが海外旅行でした。  「それまでイタリア料理店で働いているのにイタリアに行ったことがなかったんです。友人とふたり、ミラノ、ヴェネツィア、ローマ、フィレンツェを巡りました。その時の写真を見ていると、ジェラートのものがとても多かったんです。なんでこんなにジェラートの写真を撮ったのだろう、と思い返しました。ジェラートのカラフルさが好きだったのもありますが、とにかく年齢、性別関係なく、イタリアでは誰もがジェラートを楽しんでいたことを鮮明に思い出したんです」  そこからの井上さんの行動は素早かったのです。  「食は本場で学ぶ、という考えを持っていましたので、ジェラートならフィレンツェに行くしかないと考えました」  フィレンツェでは毎日、毎日ジェラートのことだけを考えていました ちょうど30歳と半年を数える日にフィレンツェへと旅立った井上さん。  「日本から修業をお願いしていたジェラート屋さんはドゥオーモのそばにありました。アンティカ・ジェラテリア・フィオレンティーナというお店です」 無事、フィレンツェに降り立った井上さんですが、修業の時間は限られていました。 「毎日夜遅くまで働きました。アンティカでは他にも修業している人がいたのでフルタイムでは働けませんでした。だから別のジェラート屋にお願いして働かせてもらいました。毎日、毎日ジェラートのことばかり考えていました」 フィレンツェのすべてのジェラート店を訪れたと言います。  「全部で54店。味わい、店構え、接客を勉強しました」  フィレンツェで学んだことは?と訊くと。  「ジェラートは食材の味がストレートに出ます。つまりごまかしがきかないのです。だから季節の旬を大事にする必要があるということを学びました。日本のスーパーマーケットには、季節外れのものも揃えています。それは便利なことですが、自然なことではありませんね」  フィレンツェでの修業を終え、帰国した井上さんにまた新たなる壁が現れます。 「それまで飲食店の店長をやったことはあったのですが、お店をゼロから作ったり、経営したことはなかったのです。当然、ジェラート店を開業する方法がわかりませんでした」  途方に暮れる井上さんに運が味方します。  「昔から可愛がっていただいていた飲食業界の社長が雇ってくれたんです。でも、入社前にいいました。私は3年後に独立します、と」  そこは「チャヤマクロビ」というマクロビをはじめとする自然食を扱う会社でした。そこでの仕事のひとつに4店舗のオープンとリモデルを担当。業者への依頼や契約、保健所への申請など、飲食店を開業するためのノウハウを得たのです。 「マクロビオティックやアレルギー対応の料理、添加物について触れることで、社会における重要性や必要としている方々がこんなにも多くいらっしゃるということを学びました。乳アレルギーを持つ小さなお子様が、「ママ、僕もアイスが食べられた」と豆乳のアイスを頬張るお子様を目の前で見たとき、目頭が熱くなったのを今でも思い出します」 ジェラートは人をハッピーにする 「入社して2年目に自由が丘に私用があってこの店の前を偶然通ったんです。テナント募集という張り紙があって。独立するならここだ、と直感しました。すぐに不動産屋さんに電話をしたのですが、残念ながら先約があるとのことでした」  しかし、縁があったようです。  「その1ヶ月後にまたここを通ると、まだ張り紙があったのです。改めて電話をすると先約はキャンセルされた、と」  そこから井上さんの行動は、またも素早かったのです。 「会社に辞職届を出したのが8月。有休を使って開店へ向け、店舗を改修したり、銀行から融資を得て機材を買ったり。そして、2017年11月の28日にオープンさせました」  3年を待たず、2年で独立を果たしたのです。  寒い季節のジェラート店は、大変だったのでは。  「バタバタの中でオープンさせたので逆にいい助走となりました。ビジネスとしては卸しも開店と同時にはじめて、すぐに目黒の八芳園さんや、今までお世話になったシェフたち10店舗ほどが取引してくれましたので春先への準備期間にあてることができました」 開店から2年を迎えようとするアミコーノは地元でも愛される存在になっているようです。  「11月の寒空にジェラート屋がオープンだって?と不思議がられる存在でしたが、いまではほぼ毎日来店してくださる84歳のおじいさんがいます。2日いらっしゃらないと心配で電話しちゃうほどの仲です。小学校2年生のお子さんは今までお母さんと一緒に来てましたが、そろそろ一人で来させますとお母さんは言います」  取材当日も常連さんがひっきりなしに訪れてきます。最後に井上さんにとってジェラートとはどんな存在なのかを伺いました。  「ご来店いただいた皆さん全員にHAPPYになってもらいたいので、ヴィーガン対応メニュー、卵や乳アレルギーの方々向けのジェラートも用意しています。ジェラートを食べながら悲しい気持ちになったり、喧嘩をする人っていないですよね。ジェラートは人をハッピーにする力があると思います。そして、フィレンツェで見たように老若男女を問わず、皆が笑顔でジェラートを楽しんでいただければと思います」 AmiCono(アミコーノ)東京都世田谷区奥沢5-27-9  ☎03-5755-5183  https://amicono.official.ec/ 営業時間11:00-19:00  不定休 ジェラート¥380~、ドリンク¥250~  2Fにはイートインスペースがあります ジェラートワールドツアージャパン 2019 横浜 チケットを当てて投票しよう! 日本No.1の称号は誰の手に!? […]

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「持続可能なHappyを!」HAPPY WOMAN®代表 小川孔一氏に聞く、なりたい自分に近づく方法

“仕事もプライベートも充実したHappyな生活を送りたい”。これは皆が願う永遠のテーマ。でも、日々目の前のコトをやるのに精一杯で、なかなか手がつけられない、という現実も。そうしたなか「女性がHappyになれば、男性もHappyになり、結果社会がHappyになる」という独自の方法論で、“持続可能なHappy”の追求に精力的に活動している団体があります。一般社団法人ウーマンイノベーションが展開するHAPPY WOMAN®(以下HAPPY WOMAN®)です。常日頃から女性の活躍を応援しているフィアットとも通じるスピリットを強く感じ、さっそくHAPPY WOMAN®代表を務める小川孔一さんに、お話をうかがってきました。 大切なのはイキイキ、ワクワク ──まずHAPPY WOMAN ®の活動を始めた経緯から教えてください 「私は子供が2人いるんですけど、2人とも自宅出産でしたので、子どもたちのへその緒は自分で切ったんです。そのとき、これからは自分の人生だけではなく、子供たちの100年先の人生まで設計していかないといけない、という決意を固めました。それと同時に痛感したのが、女性の生命力、凄まじさです。100年先、もっと先まで持続可能な未来を創っていくには、女性の力が不可欠。でもその女性は、さまざまな問題に直面しています。そこに向き合っていく必要があるなと。それで持続可能な未来のために女性をHappyに。女性がHappyになれば男性もHappyになる。結果的に世の中全体がHappyになるという考えのもと、HAPPY WOMAN ®を立ち上げました」 ──HAPPY WOMAN ®の活動内容について教えてください。 「“女性をHappyにする”をテーマにさまざまな活動を年間通じて行なっていますが、一番大きい活動は、3月8日、国連が制定している国際女性デーに行っている「国際女性デー| HAPPY WOMAN FESTA」というイベントです。これは“女性の生き方を考える日”として企画し、2017年にスタートしました。これを全国47都道府県全体に広げて、地域の活性化を図っていきたいと思っています」 ──Happyになれる具体的な方法についてお話しいただけますか。 「Happyへの近道は、“イキイキ、ワクワク”を追求することだと思います。そのために大事なのは、夢や目標を持つこと。目標を持ち、そこに向かって進んでいくことが、なりたい自分に近づく第一歩だと思います。もし目標が達成できたり、やっぱり違うと感じたりしたら、また新しく設定すればいいのです。そうやって常に目標を持って進んでいくことが人生をイキイキ、ワクワクさせる秘訣で、そこに向かって行動することが、Happyな人生になると考えています」 「でも、目標や夢を持っていない人というのは意外に多いのです。その場合は、自分の人生を棚卸しするみたいに、これまでの経験を振り返って、過去に夢中になったこととか、情熱を持ってあっという間に時間が経ったことを思い浮かべ、それをノートにパッと書き出してみるんです。そうすることによって、自分はこういう時に夢中になれたとか、あらためて自分のことがわかってくるので、そこに対して、もう一回向き合って進んでいく。自分のワクワクすることを行動に移していく。その繰り返しがHappyに結びつくと思います」 自分の「こうなりたい」を明確に ──仕事とプライベートの両立ってなかなか難しいと感じます。両方を底上げできればいいと思いますが。 「働くことがすべてではなくて、どういう人生を過ごすのか、どうやって人生を豊かにしていくかの方が重要で、そのなかのひとつとして働くということがあるのだと思います。今はいろいろな選択肢があり、結婚する・しないというのもありますし、子供を産む・産まないという選択もあると思います。そういった環境のなかで、自分の人生をどう豊かにしたいのか。そのなかで仕事というのはどういう位置にあるのかを意識して、考えていく必要があるのかなと思いますね」 ──仕事と出産は社会の問題でもありますけど、個人の問題としても大きいと思います。 「女性の活躍推進が少子化を推進してしまうというジレンマがあることは否めないと思います。このままいくと日本は人口が減少して2040年に半分の自治体が消滅するという報道もありました。進学のときに首都圏に集まって、そのまま就職をし、結婚をし、出産をし、地方に帰らない。そんな状況が各地で起きていますが、もうちょっとみんな深刻に考えていかないと地方は沈んでしまうので、そういう問題も意識しながら、色々な働く人改革をしていく必要があるのかなと思いますね」 「一方で、個人の問題としては、産む・産まないは自由ではありますけど、人は生命体として適齢期があるということについて、男性も女性も今一度勉強しておかないといけないのかなと思っています。子どもを産むという選択をした場合、何人欲しいかということを男性と相談しておく。3人欲しいのでれば、3人産むための体力や体の衰えのことも理解し、何歳から産まないといけないかを考えて準備していかないと、思い通りにならないこともありますので。そこに対する知識や意識というのが日本は意外と低いんですよね。改めてそういうことを学んだうえで、さまざまな選択をしていく必要はあるのかなと思います」 “男尊女尊”を広めたい ──女性の活躍のために男性ができることはなんでしょうか。 「男性ができることというと、僕は“男尊女尊”という言葉を広めたいなと思っています。お互いをリスペクトすること、尊敬しあえる関係をつくっていくことが一番重要で、仕事に関しても女性が活躍すれば、男性にとってもたくさんメリットがあるということを考えていく必要があると思います。事業を拡大していくためには、女性の感性や視点が非常に重要で、それを生かせば事業が伸びる。会社としても伸びるといったことを男性が改めて理解をすることが大切です。こういうと、なんで女性ばっかり、逆に男性が差別されているんじゃないという声も挙がりますけど、そうではなくて、女性が活躍することによってお互いがHappyになるという理解を示していくことが、女性の活躍推進のために男性ができることだと考えます」 ──最後に、fiat magazine CIAO! の読者にメッセージをお願いします。 「HAPPY WOMAN ®では、「国際女性デー |HAPPY WOMAN FESTA」を47都道府県で同時開催することを、2025年を目標に設定しています。今年で3年目ですけど、12都道府県まで広がっています。ほかにも、秋には女性の文化祭というのを開催したり、赤坂のカフェでは定期的にコミュニティイベントを開始し、アイデアを出しあったり、色々な企画を立てたりしています。これからも皆さまと一緒に、女性が活躍しやすい環境づくりに努めていきたいと思いますので、ご興味ある方はよろしくお願いします」 今日はどうもありがとうございました。 #ciaoDonna by FIATについてはコチラ Happy Woman® ONLINEはコチラ […]

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