街ではクリスマスの飾り付けが始まった季節の夕暮れ。日本でも有数の高級住宅地、渋谷区松濤に位置するフィアットカフェ松濤に、たくさんの人々が集まりました。老若男女、年齢も性別もばらばらでしたが、彼らにはひとつの共通点で繋がっていました。それは、イタリアを愛しているということ。アリタリア-イタリア航空日本語版機内誌『PASSIONE(パッシオーネ)』の創刊3周年を祝うパーティの模様をお伝えします。
ここで、イタリアを愛する人々を迎えたフィアットカフェ松濤についても簡単に補足しておきましょう。フィアットカフェ松濤は、フィアット松濤店に併設されたユニークなカフェ。イタリアの食材を用いたフードイベントを開催するなど、クルマ以外のイタリアの魅力や文化、ライフスタイルを発信する基地として愛されている場でもあるのです。都心の一等地にあることとあわせて、パーティを開くのにうってつけというわけです。
イタリアで最も有名な高級スパークリングワインのひとつ、フランチャコルタの繊細な泡が来場者を歓迎し、ナポリの名店で修行を積んだ青木嘉則さんが焼くピザの香りが空腹を刺激します。そう、美味しいものや美しいもので人生を楽しむのがイタリア流。極めつけが料理研究家のベリッシモ・フランチェスコ氏の料理。登壇したフランチェスコ氏は、「ただ食べるだけでなく、土地の歴史や人柄とか、イタリアの美や食への文化を知ってもらいたく料理教室を開いています」と述べました。
フランチェスコ氏の言葉を聞きながら、ふと「料理」の部分を「クルマ」に置き換えても成立するのではと感じました。すなわち「イタリア車を知ることで、イタリアの文化を理解できる部分もあるのではないか」と思います。
さて、アリタリア-イタリア航空の客室乗務員のコスチュームを用いたファッションショーで会場のボルテージはさらに高まります。同航空会社の制服はこれまでにジョルジオ・アルマーニやアルベルト・ファビアーニといった錚々たる顔ぶれのデザイナーズブランドが手掛けており、2016年に18年ぶりに刷新された現在のワイン色の制服も、ミラノを拠点とするデザイナー、エットーレ・ビロッタの手によるもの。ファッションショーでは歴代の制服が一堂に会し、華やかなオートクチュール・コレクションを披露。イタリアを象徴する赤と緑を用いた色合いが見事でした。
さて、イタリアの美意識を堪能した後で、この日、最も会場を沸かせたトークセッションが行われました。壇上にあがったのは、『PASSIONE』の九島辰也編集長と、FCAジャパン マーケティング本部長のティツィアナ・アランプレセです。
九島さんは、「僕は自動車評論家の仕事もしているので、ティツィアナさんとは旧知の間柄。リラックスしすぎて、余計なことまでしゃべらないように気をつけます(笑)」と挨拶。
ティツィアナが、「私は学生時代に九州大学に留学して、日本をとても好きになりました。そして13年前に再び来日して、現在は、FCAというフィアットやアルファロメオなどのクルマを扱う企業でマーケティングの仕事をしています」と自己紹介したところで、愉快なトークセッションがスタートしました。
ここでは、ふたりのトークを抜粋してお伝えします。
九島 「フィアット500は日本でも人気がありますが、イタリア人ってホントにこのクルマが好きじゃないですか。実際、ミラノの街とかで見かけると映えるんです。なぜでしょうね?」
ティツィアナ 「人生って毎日が違う生活の連続ですよね。フィアット500は、ライフスタイルの変化に合わせやすいんだと思いますよ。どんな人でも、その人らしい使い方ができるというか」
九島 「カラーバリエーションも豊富で、性別や年齢を問わず、だれもが自分の好きな色を選べますね」
ティツィアナ 「そうです。特に若い人はカスタマイズしたりオプションを選んだり、自分にぴったりの1台を楽しんでいます。九島さんはファッションにもお詳しいけれど、ファッションを楽しむのにも似ていますよね」
九島 「おっしゃる通りで、フィアット500を楽しむ人は、ジャケットや靴を選ぶのと同じように、自分らしさを表現しているのだと思います」
ティツィアナ 「私は日本人になりたいと思ったくらいで、日本の文化をとても深く愛しています。一方で、イタリアの文化にはちょっと違うところがあって、でもそれも好きなんです」
九島 「たとえば、どんなところがイタリアの文化は違いますか?」
ティツィアナ 「自分らしさを大事にしたり、それを恥ずかしがらずに表現したり。だから私は、マーケティングの仕事を通じて、日本のみなさんにそうしたパッションを伝えられたらいいと思っています」
九島 「パッション、素敵な言葉ですよ。クルマにしろ旅行にしろファッションにしろ、情熱がなければ人生は楽しめませんから」
ティツィアナ 「ね? だからパッションを大事にして、恥ずかしがらずに自分を表現するために、九島さん、一緒に歌いましょうよ」
九島 「え? ここで歌うんですか?」
ティツィアナ「さあ、『オー・ソレ・ミオ』を始めるわよ!」
こうして、会場も巻き込んだ『オー・ソレ・ミオ』の大合唱でパーティは賑やかに幕を閉じることに。パッションと自分らしさを大事にして人生を楽しむ。参加者たちは、“イタリアンナイト”が発信したメッセージを満喫したはずです。
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