ライフスタイルはそれぞれ異なるのに、愛車であるPandaはオーナーそれぞれの生活にぴったりと寄り添っている。さりげなく、ときに印象強く。そんな人生に彩りを添えるPandaとの暮らしぶりについて、オーナーに話を伺った。
「このPanda、私と同じ1980年生まれなんです。偶然なのですが、同じ年に生まれた車に乗れるというのは感慨深いものがありますね」。
まさに運命的な出会いともいえるエピソードを素敵な笑顔とともに教えてくれた岩本さんは、物心ついた頃から車が好き。それは車好きな父親の影響が大きい。
高校卒業後、すぐにマニュアル免許証を取得し、最初の愛車から左ハンドルのマニュアル車を選んだ。「昔から惹かれる車が80~90年代の車で、デザインがとても好き。とくに、ヨーロッパ車のハッチバックが好きなんです」。
そんな中、出会った車が初代Panda。彼女にとって、初めてのイタリア車。初代Pandaの存在は、知人が乗っていたこともあり以前から知っていて、かわいいデザインだなと気になっていた。
「趣味用の車、実用車と2台を所有できたら理想的ですが、車は通勤でしか使わないので不経済。1台で趣味と実用を兼ねられる車を探したときに、ちょうどいいバランスだったのがPandaに決めた理由です」。
旧車に乗り続けてきた経験も経ていたため、旧車の扱いはお手のもの。普段からていねいな運転を心がけ、3000㎞ごとにオイル交換。その際には、入念な車両のチェックも怠らない。平日はお買い物、週末は3頭の犬をPandaに乗せてドライブへ出かける。山なら山歩き、海では砂浜での散歩を、愛犬といっしょに楽しんでいる。
「助手席に1頭、後部座席はフラットにして2頭を乗せています。後ろの空間は犬同士がケンカしないようにネットで仕切りを作り、1頭ずつ分けて乗れるようにしています」。
また、ときには、仕事のため4日間で1300㎞もの道のりを愛車Pandaで走破するそう。いったい何の仕事をしているかと思いきや、彼女はクラシックカーラリーを主催する会社に勤めている。
「ラリーのスタートからゴールまでの往復を含めると、6日間で約2000km近く走っています。でもPandaは全然大丈夫!余裕ですね」。
仕事上、日本全国をPandaとともに走っている岩本さん。初代Pandaが珍しいこともあり、各地を走っているとガソリンスタンドなどで話しかけられることも増えたという。
「大切に乗っていることは間違いないのですが、その反面、気負わずに使い倒せるところも気に入っています。毎日履くスニカーのような感覚。私と同じ年でもあるので、いっしょにメンテナンスをしながら、いつまでも長く乗れればいいなと思っています」。
写真提供:カー・マガジン編集部/撮影 佐藤亮太
Pandaに2台の自転車を乗せて、6輪ライフを満喫中の中山さん。Pandaと出会ってから、自転車を持っていかない旅は一度もしていないという。往路はドライブを楽しみ、目的地に着いたら自転車で散策するのが中山さん流の旅の楽しみ方。
「自転車を持って行くと、ドライブ中には見落としてしまいがちな地元のパン屋さんや絶景ポイントなどに気軽に立ち寄ることができるんですよね」。
中山さんと奥様の2人が、車+自転車の旅を楽しんでいる様子を見て、数年前から娘さんも「自転車に乗りたい!」となり、いまでは父と娘で旅に出かけることも増えたという。
車と自転車の旅。そんな旅のきっかけを作ったのがPanda。
「以前から自転車は趣味で楽しんでいましたが、Pandaを購入したタイミングで、ロードバイクも購入したんです。Pandaに乗る前は車に自転車を乗せて出かけるという発想自体が無かったのですが、Pandaにはちょうど後部座席に1台、荷室に1台とシートを倒さなくても自転車が乗せられた。そのことがわかってからは、日帰り旅行をする回数も一気に増えました」。
そして、Pandaと出会ったときの印象も運命的だったという。
「Pandaを見たとき、この車なら5年後も飽きることがないだろうという確信めいたものがあったんです。奇をてらっていないかわいらしいデザインとシンプルさ、そしてエモさもある。小さい車で軽快に走るのが好きなので、サイズ感も気に入っています。実際、乗り始めて6年が経ちますが、いつ見ても小動物みたいな雰囲気があって愛着がありますね」。
旅の予定は、天気予報次第で突然決まることもあるとか。
「今週末、“晴れ”ということが分かると、よし行こう!となりますね。Pandaがあると、本当に自由。荷物の積み方もうまくなって、隙間なくフルに積んで出かけています。先日は、キャンプにも行ってきました。1日目はキャンプをして、2日目は自転車で散策。キャンプの道具は現地で借りたのですが、今後キャンプギアを積むとなったら、次は屋根ですね。屋根に自転車を乗せればキャンプ道具も積んでいけます(笑)。Pandaのおかげで、遊び方の幅が増えました」。
まさに、充実のPandaライフ。これからも6輪の旅は長く続きそうだ。
昔から小さな車が好きで、好んで軽自動車に乗ってきたエフオピさん。その後、輸入車に惹かれてさまざまな車に乗り継ぎ、2005年に初めてのイタリア車「フィアット プント」を所有。そして、プントの次に出会った車が2代目の「Panda」だったという。
「もともとマニュアル車が好きだったので、ディーラーで6速マニュアルで100馬力の「Panda 100HP」が発表されると聞いたときは“すぐに乗ってみたい!”と食指が動き、興味津々でした。プントはCVTだったので、マニュアル車好きとしては少し物足りなかったのですが、2代目Pandaを試乗したら本当に面白くて。すぐに乗り換えました。“Panda”とひと目でわかるデザインも気に入っています」。
車を選ぶ上で重要視しているもうひとつのポイントは、荷物が積めること。
「本業はシステムエンジニアですが“エフオピ”という名前で、エレクトロニック系の音楽活動を行っています。シンセサイザーやキーボードのスタンドなど多くの機材を車で運ぶので、機材が積めるかどうかというのも大切な要素。そして、4ドアで小さな車というのも、僕の理想の車。僕の場合、昔から大きな車には、なぜか琴線が触れないんですよね」。
理想のスタイルを見つけて2代目Pandaの生活を満喫。その後、現行Pandaへと乗り換えたエフオピさん。そのとき、Panda以外の選択肢はまったく頭になかったという。
「2代目Pandaの後、現行Pandaに乗るのが当たり前な感じでしたね。どうしてだろう(笑)。自分の頭の中に、まったく他の車に乗る選択肢はありませんでしたね。Panda一択です(笑)。現行Pandaの、ATモード付き5速デュアロジックのトランスミッションのフィーリングも気に入っています。思わず、クラッチを踏みそうになるくらいの感覚が体感できるマニュアルモードのフィーリングも大好きです」。
そして、毎年開催されているPandaオーナーが集うお祭り的なイベント「パンダリーノ」もエフオピさんには大きな存在だという。
「パンダリーノへ2代目Pandaで参加したときに、現行Pandaに乗っている方がたくさんいて。間近で見ることができる機会があったことも、現行Pandaへ導かれた理由のひとつだと思います。「パンダリーノ」には10年以上参加しているので、車を乗り換えても絶対にPandaで参加したいという思いがありましたね」。
日常から音楽活動、ときには遠出して東京から関西のほうまで車を走らせてお寺巡りへ行くことも。気負わずフラットに、自然体でいられるPandaライフは、いまのエフオピさんのライフスタイルにぴったりと寄り添っている。
乗る人それぞれの毎日を、素敵に楽しく演出し続けるPanda。
モデルや世代は違っても、車という存在を超えたそのよろこびはいつの時代も変わらない。
そんなPandaの奥深い魅力を、ぜひひとりでも多くの方に体感していただきたいと思っている。
Text:鈴木珠美(officetama Inc.)
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