外出自粛でこの春はあんまり愛車に乗らなかったなぁ、という人も多いのではないでしょうか? あっという間に梅雨入りして、気がつけばクルマにとって過酷な季節、夏もすぐそこに迫っています。
実はこうした季節の変わり目は、しっかりと点検やメンテナンスをして、愛車の調子を整えてあげたいタイミング。「あんまり乗ってないから大丈夫」という思い込みは危険信号です。
クルマには、走っていなくても傷んだり消耗する部品があったり、汚れてしまう、動作が鈍くなる、などの劣化が進むこともあるもの。そのままにして、高温多湿でクルマに大きな負荷がかかる過酷な夏を迎えると、重大な故障につながってしまうかもしれません。
そうした故障を未然に防ぎ、いつも快調に走ってもらうには、年に一度の法定点検だけでなく、季節の変わり目に点検&メンテナンスを習慣にすると安心感が高まります。そうすると、故障の予兆ともいえる細かな異音や変化を見つけやすく、大事に至る前にリペアできるから、実はお財布にも優しいんですね。
今回は、フィアットを知り尽くしたメンテナンスの達人、「TECマエストロ」の資格を持つエンジニア・田野倉哲士さんに、フィアットならではのチェックポイントや夏に向けての注意点を教えてもらいました。フィアットのオーナーさんはもちろん、愛車に気になることがあったり、夏にドライブを計画している人も必見です。
エンジニア・田野倉哲士さん(フィアット/アバルト東名川崎)
まず、フィアットのTECマエストロとはどんな資格なのでしょうか?
「フィアットはエンジンやトランスミッションなど、独特な機構を持つ技術が多いので、愛知にある研修センターでそれらの仕組みや構造、動作、制御システムなどを実車と座学でみっちり勉強します。すべてを理解し、効率的かつ正確な問診からトラブルシューティングができることと、お客様にそれをわかりやすく説明できるスキルを持ったエンジニアに与えられるのがTECマエストロという資格です」(田野倉さん)
豊富な実務経験も求められるため、まさにフィアットのプロフェッショナルと認められたエンジニア。そうしたプロの目で愛車をチェックしてもらえるのが、正規ディーラーの大きな魅力です。専用テスターやコンピューターを使ってのメンテナンスなどもスムーズにできるほか、メーカーからの情報もダイレクトに入ってくるため、正確かつスピーディー。部品の調達も確実です。お客様自身ではなかなか気がつきにくい不具合を発見できたり、メーカーならではの保証がつくのも頼もしいですね。
取材にご協力いただいたフィアット正規ディーラー、フィアット/アバルト東名川崎は2020年6月13日(土)にリニューアルオープン。明るく清潔感のあるショールームでお出迎えします。
ただ、初めての点検やあまり慣れていないオーナーさんは、いったいどんな点検をするのか、時間はどれぐらいかかるのか、費用も高いんじゃないの? なんて、ちょっと不安があるかもしれません。
「点検は、法律で定められた項目にプラスして、フィアットならではの消耗しやすい部品や、故障が出やすいところなどを重点的にチェックします。なにも大きなトラブルがなければ2時間くらいで終わりますし、費用も3万円〜5万円くらいですね。ビックリするほど高額、ということはないと思います」(田野倉さん)
ちなみにフィアット車ならではのチェックポイントとは、ツインエアエンジンのプラグの消耗がやや早めだったり、ブレーキパッドの減りが少し早めなので、こまめに見てあげるとのこと。また、500のドアを開けた時にボンネットの方から「ウィーン」という音が聞こえるのは、デュアロジックというトランスミッションの油圧がちゃんと上がっている合図なのですが、それを故障かなと勘違いする人もいるそう。むしろ、音がしなくなった時の方が要注意なので、そうした小さな疑問も放っておかずに、TECマエストロに相談して欲しいと田野倉さんは言います。
「定期的な点検はもちろんですが、遠出をする前には必ず顔を出してくださるお客様もいらっしゃいますので、難しく考えずに身近な相談相手のような感覚で来ていただけると嬉しいですね」(田野倉さん)
昔はそれこそ「イタリア車は壊れやすい」なんて都市伝説みたいな話がありましたが、今はどうなんでしょうか?
「確かに昔は、高温多湿の日本の気候に合わず、弱い部分があったり、その対応も不十分だったところもあったと思いますが、今は同じグループにクライスラーも入って多国籍化したり、日本での販売ノウハウも蓄積されてきたこともあり、定期的にメンテナンスさえしていれば、日常のアシとしてガンガン使えると思います。メーカー保証も3年または走行10万kmと長いですし、エクステンデッドワランティープログラムでさらに2年間の延長も可能なので、安心です」(田野倉さん)
では、梅雨から夏にかけての今の時期だからこそ、気をつけたいポイントやオススメのメンテナンスは何かあるのでしょうか。
「梅雨に入るとワイパーを使う頻度が高くなりますので、もし前回の交換から1年以上経っていたり、ビビリ音が出ていたりする場合には、早めに交換することをお勧めします。また、これから夏にかけてはエアコンを多用しますので、その前に点検をしておくと安心です。エアコンが故障すると、部品の入荷なども含めて修理に時間がかかる場合がありますので、余裕を持った点検が大切だと思います」(田野倉さん)
そのほか、オーバーヒートが起こりやすいのも今からの季節。サブタンクやサーモスタットの小さなクランク、クーラントの量が減っている場合などもオーバーヒートの原因となるため、必要なら補修/補充して万全な状態にしておきたいですね。もし気になるようなら、フィアット/アバルト東名川崎では無料点検も行なっているので、まずはそうしたサービスから利用してみましょう。
また、フィアットでは無償・有償さまざまなメンテナンスプログラムが用意されています。新車登録から3年間または積算走行距離10万kmまでをカバーする修理プログラム、3年間・365日・24時間いつでも頼れるロードサービスは無償で付帯。有償でさらに2年間の延長プログラムもあります。
2年目までの法定点検とその部品交換が無料となる「フィアット”イージーケア”」や、タイヤのパンクや新品タイヤへの交換費用が2年間保証される「フィアット”タイヤケア”」など、有償のプログラムも合わせて活用すると、大きな安心が手に入りますね。
こうした万全のサポート体制と、フィアット車のプロがお客様一人ひとり、1台1台に必要な点検やメンテナンスを提供することで、思いきり楽しいカーライフを届けたい。そうした想いで、TECマエストロをはじめスタッフ全員がお客様を迎えてくれます。この機会にぜひ、夏に向けての愛車の点検&メンテナンスにトライしてみてはいかがでしょうか。
Text:まるも亜希子(カーライフ・ジャーナリスト)
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