日頃、『500C』はどんなふうに使っていらっしゃいますか?
「どこに行くのもだいたい『500C』ですね。仕事のときにありがたいのは、工事現場で停めるとこもないようなキチキチの中に駐車しなきゃいけないんですけど、小さいから停めやすいんですよ。しかも小回りが利くから、狭い敷地の中で難なくターンができたりもする。それに工事現場って平らなところなんかほとんどなくて、クルマが停められる場所の地面に高低差があったりするんですよ。でも、普通のクルマだったらフロントの下側とかマフラーとかをガリッと摺っちゃうような現場でも、『500C』は行けるんです。オーバーハングが短いから擦らない。車高も変に高くなくて見た目のバランスがいいのにここまで下を擦らないクルマは、ほかにはないんじゃないかと思いますね。そういう面でも実用的です」
走りの面ではいかがですか?
「加速にも高速巡航性能にも不満はないですね。このクルマに乗るようになってすぐに島根県の出雲大社まで行く用事があったんですけど、普通、このサイズでこの排気量だったら疲れますよね?でも、サービスエリアで停まってお茶を飲んでっていうのを繰り返していたら、たいして疲れもせずに出雲に着けちゃったんです。途中、小排気量にはつらい峠越えがあるんですけど、そこでも力不足はぜんぜん感じませんでした。それに走っていて楽しい。走りの部分についてもよくできていて、感心しきりです」
すでにいろいろお話しいただいてますが、どんなところが特にお気に入りですか?
「元気に走って、乗っていてすごく楽しいです。そういうクルマは燃費が悪いことも多いですが、『500C』は燃費もいい。気にしてなくても18km/Lとか20km/Lとかは当たり前のように走っちゃいますね。それにこのキャラクターですよ。眺めていると何だかニコニコしちゃう。いろいろいいクルマはたくさんあるけど、一家に1台『500C』だな、って思うくらい優秀ですよ。見た目はいいけど中身はちょっと妥協みたいなクルマもあるのに、『500C』は見ていても楽しいし、中身も優れている。本当によくできたクルマだと思います。かわいいっていうのは入口で、本当はその奥にいいところがたくさん詰まってるんです」
『500C』にはいつまで乗り続けるおつもりですか?
「たぶん長くなると思います。ものすごく気に入っていますから。今の世の中、14年の壁があって税金が割増になっちゃいますけど。考えてみたらうちのクルマはほぼすべて割増なんですけど、『500C』のツインエアは割増になってもちょっとだけしか高くならない。排気量が小さいって、正義ですよね。本当にありがたいな、って感じます」
最後の質問です。近藤さんにとって『500C』はどんな存在ですか?
「いちばん答えの難しい質問ですね。シンプルに言えば……相棒ですね。いい相棒を見つけたっていう感じです。ここがフィアットの偉いところで、フランクなんですよね、すごく。元気がいい友達みたいな感じで付き合ってくれるじゃないですか。運転するとわかると思うんですけど、すごくフランクに接してくれる。いい相棒、いい仲間。そんな感じでしょうか。仲間といえば、僕のクルマ仲間のおじさんたちが、ここ数年の間に、気づいたら5〜6人が『500』を買っているんですよ。みなさん、ベテランと言えるくらいのクルマ好きばかり。おもしろいですよね」
近藤さんは、建築設計のお仕事もクルマにまつわるものが多いですし、趣味も長年はっきりとクルマ、です。いわば筋金入りといっていいクルマ好き。そしてお言葉の中にあるように、デビューの頃から、いや、デビューの前から、現在の『500』のことをご存知でした。そうした方がこのタイミングになってあらためて所有して、惚れ込んで、どこにでも乗って出たくなってしまう。そうさせてしまうだけの奥深い魅力を、この小さなイタリアのクルマは持っているのですね。
Text:嶋田智之
Photos:タナカヒデヒロ
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