イタリアのお菓子といえばティラミスやパンナコッタなどを思い浮かべる方が多いと思いますが、今回ご紹介するのはイタリア現地のスーパーマーケットに売っているようなお菓子たち。イタリア人ならだれでも1度は食べたことがあるはずのポピュラーな商品を、輸入菓子一筋25年のスペシャリスト「タマアニ」さんにセレクトしていただきました。前出の写真の左がアニさん、右がタマさんという二人組です。
専門店には週2日で通い、合計10,000種類、25,000個以上の世界各国のお菓子を食べてきたという無類の輸入菓子マニア・タマアニさんが、数あるイタリアお菓子の中から選りすぐった7商品をナビゲートします!
大人の燃える恋心を表した、世界でも類をみないチョコレートこそバッチです。
バッチ(Baci)とは『たくさんのキッス』を表し、1922年サッカーの名門ペルージャで誕生しました。エピソードもイタリアらしく、後に高級アパレル「ルイザ・スパニョーリ」を立ち上げたルイーザ婦人が、パスタ・ブイトーニの御曹司で14歳年下のジョヴァンニ氏へ宛てたラブレターから「チョコを愛のメッセージで包み込む」アイデアが生まれたという秘話があります。
クラッシュヘーゼルナッツを加えたココアクリームの上に、ヘーゼルナッツを丸ごと1個乗せ、ダークチョコで覆った贅沢なプラリネチョコレート。うっとりする口どけに、軽やかなナッツの歯応えを感じる至福のハーモニー。素敵な恋を楽しみましょう。
1866年。フィアット創業者ジョヴァンニ・アニェッリ氏は、トリノ県ヴィッラール・ペローザの小さな村に生を享けました。その同郷の地が産んだチョッコラータこそカファレルのジャンドーヤです。
その歴史は19世期初頭にさかのぼります。かの有名なナポレオン一世が、大陸封鎖令を発令しカカオが不足。それを補う為にヘーゼルナッツを混ぜ合せて、今のジャンドーヤの原型が生まれたと伝えられています。
味わいは、一切の邪魔が入らない滑らかな口溶け! ヘーゼルナッツの豊潤な風味が、チョコレートに立体感を生み出し、いつまでも残る余韻がたまりません。また、少し小粒な形も後をひく美味しさです。 まさに期待を裏切らないイタリアン高級チョコレートですよ。
楽しかった子供の頃の夏の思い出。あの頃に食べた冷たい棒アイスを覚えていますか? 実はイタリアでも、冷凍庫で凍らせて食べるアイス『ポラレッティ』があります。1914年以来、何世代にも渡ってイタリアの子どもたちに、喜びと笑顔をもたらしてきました。
老若男女を問わず、安心して食べられるように、合成着色料、防腐剤は一切不使用。本物のフルーツジュースを使ったシャーベットアイスで、フレーバーは、ストロベリー、オレンジ、レモン、サワーチェリーの4種類と色々。シャリシャリで、どれもフルーティーな美味しさ!
一本食べきりサイズは、とても食べやすく、好きな時にキンキンに凍らして楽しめますよ。
少しずつ気温が下がるこの季節。コーヒーにぴったりなビスケット・カントチーニ! 別名ビスコッティともいわれています。
起源はローマ時代にまで遡り、フィレンツェにほど近いプラートが発祥の地。ザクッとした食べ応えある食感と共に、蜂蜜の優しい甘味。そしてアーモンドの香ばしさが、味を引き締めてくれる優美な味わい。見た目の無骨さとは裏腹に、なんとも優しい甘味が、また一つ、また一つと手を伸ばすことに!
コーヒーと一緒に味わうと、いくらでも食べれてしまうこと請け合いです。また、本場トスカーナでは食事の締めくくりとしてヴィン・サント(デザートワイン)に浸して楽しみます。秋の夜長のお供としていかがでしょうか?
ピエモンテ州の銘菓『アマレッティ』は、16世期ルネッサンス時代に花の都フィレンツェのメディチ家カテリーナ=デ=メディチ妃がフランス王室に嫁ぎ、その際に宮廷へアマレッティの製法が伝わって今のマカロンが誕生したという歴史的な逸話があります。
そしてこのアマレッティは、169年の歴史を誇り銘酒アマレット・ラザローニも醸造するパオロ・ラッザローニ社の製品。丸型に焼かれたメレンゲ生地は、空気のように軽やかな口当たり。アーモンドの甘い香りの中に、淡く残るビターな味わい。
あの有名なトリノのドルチェ『ボネ』にも使われていて、ご自宅でスイーツ作りもできますよ。その独特な風味を感じてください。
創業1857年! トリノゆかりの伝統菓子パスティリエ・レオーネ。日常的なお菓子としてスーパーやタバッキ(煙草屋)のレジ横スペースに置かれ、イタリアーノと共に歴史を歩み続けてきました。
パッケージは、レトロな雰囲気がたまらないヴィンテージ風。期間限定デザイン品も多数発売されていて世界中に多くのコレクターがいます。あの有名アニメ「ルパン三世」と「フィアット」とのコラボ製品もありました。
箱を開けると、目を奪われるポップなカラーバリエーションは、見ているだけで楽しくなります。それぞれが不揃いなのはご愛敬。味わいは、そっと立ち上がる芳香。ゆっくりと甘みが広がりつつ、スッと天然フルーツの香りが通り抜ける。とても魅力的なお菓子ですよ。
イタリア人に幅広く知られ、長い年月を愛されてきたポテトチップス『サンカルロ』。1936年ミラノの一角にある小さなレストランとして始まり、近くのサンカルロ・ラッザレット教会にちなんで名づけられました。その看板メニューだったスライスポテトフライが評判となり、ご存じ『フィアット・トポリーノ』に乗せて、地元のベーカリーやバーへと運ばれた歴史を持ちます。
高オレイン酸ひまわりオイルで、カリッと揚げたジャガイモは、サックサク!芋の旨さに、チェリートマトの風味がスッキリと感じ、濃厚ながらもとても爽やかな後味。赤ワインが、つい欲しくなってしまう本格イタリアンの味わい。まさに、地中海の情熱を再現したポテトチップスです!
ご存知のお菓子はありましたか? どれもイタリアらしいエピソードやその歴史を感じることができるお菓子ばかりですね。お洒落なパッケージも多いので、これから迎えるハロウィンやバレンタインなどのイベントでも喜ばれること間違いなし。
ちょっとめずらしいイタリアのお菓子で、まわりの人に差をつけてみてはいかがでしょうか。
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
FIATの最新情報をお届けします。