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LIFESTYLE

CIAO! LIFE〜シンプル&コンパクトに楽しむアウトドア

気楽にできるの? アウトドア 街の本屋やTV、ブログなどを賑わす“アウトドア”なモノやコトたち。都会を走るクルマまでがSUVやヘビーデューティー感溢れる大型四駆も増加の一途です。しかし、実際に「アウトドアをエンジョイしよう!」となると、やってみたいのは山々だけど、準備がね…。 道具がね…。 というようにまだまだ敷居が高いと感じる方も多いのもまた事実。 たしかに、大掛かりなキャンプや凝ったBBQをしようと思えば、それなりの装備や準備が必要になりますし、そうなると、事前のきちんとした計画も必要になりますよね。 本格キャンプやBBQはもちろんとっても楽しいのですが、その楽しさの原点とは、思い立ったが吉日!ではありませんが、スッと腰を上げて行動に移せるかどうかが重要なポイントではないでしょうか?     興奮と喜びは“外にある” そんなわけで、ちょっと手軽なアウトドアの楽しみ方を求めて、日本のキャンプシーンの第一人者、石角直樹(いしかど なおき)さんを訪ねました。彼は、関東で人気のファッショナブルタウン、二子玉川にあるビンテージランタンとオイルランプの専門店「viblant」(ビブラント)のオーナーです。その土地柄、若いカップルや最近では女性のお客さんも多いとか。取材当日も、かわいいアウトドアグッズやランプを求める姿が絶えませんでした。     石角さんは、かつては米国のアウトドアグッズの名門コールマン社の日本法人で、多くの直営店のプロデュースを手がけるなど、その筋では有名なアウトドアのひと。 ちなみに石角さんの結婚式はもちろん“アウトドア”だったそうなのですが、会場となった御殿場のキャンプ場には、彼を慕う全国のキャンパーたち200人余が集結し、屋外にバージンロードから祭壇まである本格的な結婚式をつくりあげたという伝説までお持ちです。   「キャンプって、プロのライセンスがないじゃないですか?プロとアマの線引きがないですよね。この緩さがたまらない…。もちろん、あの空気感とか、朝起きた時の爽やかさとかね。普段見られない物も見ることができます。たとえば、星空は街でも見られるけど、天の川を肉眼で楽しめるのはキャンプ場まで足を運ばなければならない。街中で流れ星をずーっと目で追うなんてことはなかなか難しい。それ以外にも、夜の動物との出会いも楽しくて、テントサイトのゴミ箱をあさりにくるタヌキとかね(笑)。鹿はすごいんです。近づいてくると、テントにでっかい影が映ってびっくり(笑)。とにかく、日常にはない何かに出会える楽しみがいっぱいあるんです。それがキャンプの醍醐味かな…。」   「思い立ったらすぐにやる」そんなクルマでのアウトドア・ライフ そんなキャンプの様々な楽しみを語る石角さんが、気軽に楽しめるドライブ&アウトドアをいくつか提案してくれました。     「たとえば、シングルバーナーという手に乗りそうな小さなコンロがあります。これとパーコレーターさえあれば、どこでも美味しいコーヒーを楽しめるんですよ。」     ホワイトガソリンのシングルバーナーは、非常にコンパクトで、持ち運びもカンタン。それだけではなく、気温の低下や風にも影響を受けません。なにより、本格感があるにも関わらず、実はかなりお手軽だったりします。 「さらに、折り畳みのチェアとコンパクトなテーブルがあれば、風景のよいところでのんびりと休みながらの贅沢なコーヒーブレークが楽しめます。ちょっとした行楽や道中の合間の道草でも楽しめたりするのでオススメです。 ちなみに車内で楽しむのもいいのですが、折りたたみのチェアなんてあるといいですよね。また、コットというキャンプ用の折り畳みベッドがあるんですが、ものによってはベンチとしても使えたりするものもあるし、ちょっとした昼寝にも使えたりと便利なんですよ。」 こういったグッズは、いずれも軽量でコンパクトなので車内でもまったく場所をとりませんからクルマに積みっぱなしという手もあります。     キャンプ場じゃなくても、アウトドアは楽しめる さて、アウトドアを楽しむためのツールは本当にたくさんの種類があります。そんなキャンプ用品のどんなところに魅力があるのでしょうか。 「やはり、コンパクトさと丈夫さですよね、なんといっても。あとはシンプルさ。シンプルだから壊れにくいし、修理すれば長く使えます。コールマンのランタンなんて100年前のものが現在でも普通に使えるわけなんですが、それは何より構造がシンプルなことが大きいと思うんです。これが例えばオイルランプだと構成部品が10点くらいしかない。コールマンのランタンだってせいぜい50点あるかないか。だから、誰でもカンタンにメンテが可能で長く使い続けられる。自分と同じ歳の道具で遊べるって、あんまりないでしょ…?」 そんなコダワリをみせる石角さんは、オリジナルの商品を開発、販売もしている。     「たとえば素材。うちのバッグ関係はコットン、つまり厚い帆布なんですが、いろんな道具を運ぶバッグとして使うには、当然丈夫でないといけないし、火に弱くてもいけない。だから帆布を使います。でも帆布のバッグは普通のミシンでは縫えませんし、縫製もしっかりしなければなりません。こうした要求すべてが連動して結果、機能と風合い、つまりモノとしての存在感がどんどんよくなっていくんですよ。こういうコダワリが出てくると、現場で使う道具の素材もできるだけ揃えたくなるんですよね〜。イスとテーブルのフレーム素材が違ったりしたら、やっぱりちょっと気になって仕方ない(笑)。」     石角さんのテントのセッティングはその美しさに定評があるのですが、きっとこうしたひとつひとつの道具の素材に対する気配りや選定、そして配置が成しうるものなのでしょう。 こうしたコダワリは、「心地よい空間を作るためには何が必要か?」ということを追い求めてきたからこそ生まれた結果なのでしょう。彼のお店が最近の若い子たちを惹きつけているのも、シンプルで長く愛せて飽きない。だからより愛着が増す…といった道具たちはもちろん、そのスタイルにどこか本能的な価値を見出しているのかもしれませんね。     プラスアルファにみる「楽しさ」 さて、この日はちょっとした荷物も飲み込んでくれ、しっかりと悪路も都会も走れる「気軽な四駆」フィアット500Xでお邪魔したのですが、このクルマを初めて見た石角さんが、隅々までチェックして大きく頷きました。     「本格的なクロカン四駆も好きなんですけど、やっぱりパッと乗れる、パッと出かける気軽さというのは本当に大事だと思うから、こういうタイプのSUVを見るとワクワクしちゃうんです。たとえば、大晦日に“そうだ、初日の出を見に行こう!”って寝袋とチェアを積んで、元旦の朝3時に出かけてクルマの横で朝日を眺める…。そんな簡単なことでもいいと思うし、なにより楽しそうじゃないですか? このくらいの広さがあれば遊びの道具もそれなりに詰めちゃうわけだし、それでいうと毎月テーマを決めて出かけちゃうと思うんですよ。2月は雪山でスノーボード、3月なら野草摘み、4月はベタだけど桜、6月ならホタルを見に行こう!とか。だから、こういうクルマを見ると、年中いつでもアウトドアで遊べるというイメージが湧いちゃうんですよね。」     チンクエチェントの系譜でありながら、新しい装備や駆動形式といったプラスアルファを持つ500X。新しいものとレトロフィーチャーの組み合わせが織りなす独特の雰囲気は、写真のようなレトロなウォータージャグとも不思議なマッチングをみせてくれます。     是非、次回は小さなクルマ、楽しいクルマで行く気軽だけど本格的な「アウトドア〜実践編」。つまり、ちょっとしたプラスアルファがもたらしてくれる「楽しさ」をご紹介頂きます。お楽しみに!     ビンテージランプ&アウトドアギア viblant 東京都世田谷区玉川2−15−13ヴァレンナ二子玉川2-A […]