マニュアル車が大好きで初めて買ったクルマがこの『500S』だという鳥飼奥人(とりかいおくと)さん。通勤だけでなく、多彩な趣味をこのクルマとともに過ごしているそうです。今回2回目の車検を受けて、ますます愛着がわいているこの『500S』の魅力についてたっぷりと語っていただきました。 ほっぺが光って可愛い500と出会って 2017年4月に初めての愛車として『500S(チンクエチェント エス)』を購入した鳥飼さん。それまではご実家の日本車を借りて乗っていたそうです。実はお父さまもクルマ好きでマニュアル車が多かった様子。その影響からかご自身も「まずはマニュアル車であることが大事でした。それとコンパクトなクルマということ。あとは予算を考えながら絞り込んでいったのです」。そうして『500S』に出会いました。 ▲鳥飼奥人さん 鳥飼さんの購入した『500S』は2016年12月に発売された150台の限定車で3色のカラーバリエーションがありました。人気車だったため鳥飼さんが気付いたときにはボサノバ ホワイトが残り1〜2台のみ。鳥飼さん曰く「縁があって手に入れることができました」と本当に嬉しそうに語ります。 ▲『500S』 以前から『500』のことは知っていて「可愛いなと思っていましたし、学生の頃、たまたま通りがかった『500』を見たときに、デイライトが点いていたので、“ほっぺ”が光って可愛いと思ったことを覚えています」とその可愛らしさに惹かれた様子です。またコンパクトさについても「日本の道は狭いですし、『頭文字D』なども読んでいて峠に行くのも好きなので、そういった時に大きいと走りにくいですよね。ですからこのコンパクトさは魅力です」と教えてくれました。 実は鳥飼さんは、クルマはもちろん、キャンプや鉄道撮影など幅広い趣味をお持ちです。しかも、その全てが本格的で、今回同行したカメラマンも驚くほどの知識と機材をお持ちです。「遠くでは、岡山や三陸の方まで出かけたりもしますね。写真を撮るスポットに行くときは狭いところを通ることもありますし、クルマを止めるのも大変ですから周りに迷惑が掛からないこのボディサイズは手ごろです」と、とても満足している様子です。 ▲鳥飼さんが撮影されたお写真 次ページ:【鳥飼さんの生活の幅を広げてくれた『500S』】
取材・文 九島辰也 都心の小道もノーストレス!走りの楽しさが味わえるチンクエチェント フィアット500、通称チンクエチェントは不思議なクルマだ。これだけ小さく、可愛らしいのにも関わらず、老若男女問わず愛されている。ミラノやトリノといったお膝元を一時間も散歩すればよくわかる。真っ赤なボディにキャメルのソフトトップをつけた女性ドライバーもいれば、ダーク系のカラーをビシッとキメた紳士の姿も目にする。もちろん、それはパリのような大都会や地中海側のリゾートでも一緒。若い人たちだけでなくリタイア後のご夫婦の足にも使われているようだ そしてそれは海を越えた日本でも同じ。fiat magazine CIAO! にもいろいろなタイプのチンクエチェントオーナーが登場している。というか、かくゆう私もその一人。齢五十路でチンクエチェントを日々の足として使っている。都内を移動するのにストレスのないサイズと操ることを楽しませてくれる走りは、決して飽きることはない。 マヌアーレとは? さて、そんなチンクエチェントに新しい仲間が登場した。マヌアーレだ。昨年12月19日、100台の限定で2019年1月12日に発売を開始するとアナウンスされた。正式名称は『500S Manuale(チンクエチェントエス・マヌアーレ)』。マヌアーレとはマニュアルトランスミッションのことをいう。なので、当然だが2ペダルのATモード付5速シーケンシャルのデュアロジックはない。ダッシュパネルセンター下部からニョキっと生えているのは、5速のマニュアル用シフトレバーである。 と、ここでフィアット好きの方なら、「マヌアーレって前にもなかった?」とつぶやくであろう。そう、その通り。今回のマヌアーレは第二弾。第一弾は2018年6月9日に発売された。その時も100台限定で、アルペングリーン60台、イタリアブルー40台という2つのボディカラーが用意されていた。要するに今回は、「ご好評によりアンコール!」ってことになる。 イタリア車ならではのスタリッシュカラー ポンペイ グレー ではその詳細だが、ボディカラーはポンペイ グレーというメタリックの限定車専用色のみとなった。前回とは異なるカラーリングでのリリースだ。そしてボディを着飾るのはさまざまなパーツ。マヌアーレの名前が500Sとなっていることからもわかるように、“S”専用のお化粧が施される。専用のフロントバンパー、サイドスカート、リアルーフスポイラー、リアバンパー、15インチアルミホイールなどだ。また、ドアハンドルやテールゲートハンドルがサテングレー仕上げなのも見逃せない。前述したポンペイ グレーとのマッチングが絶妙。この辺のセンスの良さは、さすがイタリア車と言いたい。 インテリアを覗き込むとここもそう。黒を基調としたカラーコーディネイトは外装色との相性はバッチリ。 サイドサポートに白いラインの入ったファブリックシートのデザインもかなりいい感じだ。 それに専用色のダッシュボードとレザーのステアリングが特別感を濃くする。助手席側の赤い“500”の文字もまたいいアクセントになっている。 ツインエアエンジン×5速MTが生み出す独特のフィーリング 5速MT(マニュアルトランスミッション)のマヌアーレに組みあわされるエンジンは、インタークーラー付きターボの0.9リッター直2のマルチエアとなる。カタログモデルにある“ツインエア”と同じパワーソースだ。特徴はクルマ好きにはたまらないフィーリング。エンジンの振動、音、そこから発生するパワーが手に取るように感じられる。いってしまえば、まるでオートバイのよう。個人的に所有しているのもツインエアで、このエンジンの独特なフィーリングが気に入って購入した。シームレスな加速感と静かさを追求するイマドキの高出力型エンジンとは真逆な立ち位置といえる。 その2気筒エンジンをMTで操作して走らせるのだから、マヌアーレが楽しくないはずはない。確かに小排気量の2気筒エンジンは回転数が落ちてからの盛り返しが少々苦手だったりする(オーナーからすればそこも可愛かったりするが)。それをMTで操作し、おいしいところを自分のタイミングで引き出せるのだからこんなに便利なことはない。想像するに、野球で言うところの黄金バッテリーのような組み合わせだ。ちなみに、このツインエアエンジンとMTの組み合わせは、パンダの限定車『Panda 4×4 Italiana』(6速)でも使われている。その意味では実績は十分と言えるだろう。 マヌアーレの価格は241万円(価格は、2019年1月10日現在の全国メーカー希望小売価格(消費税込)です)。いろいろな専用パーツが付いていることを鑑みればお値打ち価格である。というか、単体でも濃い味のツインエアエンジンをMTで楽しめるのだからその価値は他とは比べられない。オンリーワンだ。 でもちょっとだけ気になるのはマヌアーレというネーミング。イタリア語勉強中の私にはわかりやすいけど、マニュアルトランスミッションそのまんま。もう少しひねってもよかったかと思う。まぁ、そこが彼らイタリア式の洒落なんだろうけど。そもそもチンクエチェントも500のイタリア語読みですからね。 500S Manualeの詳細はコチラ 【フェア開催】500S Manuale Fair “DRIVE MY S FAIR” フィアット正規ディーラーでは2019年1月12日(土)〜14日(月・祝)の3日間、FIAT 500S Manualeの誕生記念フェアを開催。みなさまのご来場を心よりお待ちしております。500S Manuale Fair “DRIVE MY S FAIR”の詳細はコチラ FIATでは現在、オーナーインタビューに出演していただけるフィアットオーナー様を募集しております。応募はコチラ
クルマの数だけ、出会いにまつわるエピソードがある――みなさんの愛車との出会いはいかがでしたか? 今回はFIAT 500(チンクエチェント) に魅せられ、わずか半年で3台も購入してしまったという長野県にお住まいの増田さんに3台の500 との出会いについてお話をうかがいました。 藤島 最初にFIAT 500 に興味をもたれたキッカケは何ですか? 増田 いまのFIAT 500 が2008年に登場した時から気にはなっていたのですが、きっかけは去年の終わり頃、たまたまインターネットを見ていてFIAT 500の広告バナーが目に留まったので思わずクリックしたんです。そして調べていくうちに500の魅力に引き込まれ、妻が乗るクルマにいいなと購入を意識するようになりました。 藤島 実際にどのモデルを購入されたのですか? 増田 最初はベーシックな1.2リッターモデルに特別装備を施した「500 Super Pop」という限定車を購入するつもりでした。でも、ちょうどその頃、スポーティな内外装にTwinAirエンジンを搭載し、5速セミAT「デュアロジック」を組み合わせた「500S Automatica」という限定車も販売され、その装備類の充実ぶりが気に入って購入しました。もともと黄色いボディカラーが欲しかったので、それも決め手となりました。 藤島 500 はその時期にしか手に入れられない限定車が続々と登場するので、買うタイミングが悩ましいですよね。 増田 「これを逃すと次はないかな?」と思って、購入を決意しました。ブラックを基調としたスポーツタイプのインテリアは、乗り込むと走る気持ちを高めてくれるような魅力を感じています。 藤島 最初の500 との出会いは「ナルホド!」と想像がつくのですが、なぜ1台目を購入してすぐに2台目の購入に至ったのですか? 増田 キャンバストップ仕様の「500C Panna」に出会ってしまったからです(笑)。500 といえばキャンバストップが昔から似合うクルマだと思っていましたし、ちょうど2014年の3月末に消費税率がアップするタイミングを前に、担当のセールスマンからあと1台だけ残っているという情報を得て、「ではお願いします」ということになりました。 藤島 オープンエアが楽しめる500C のキャンバストップは晴れた日はご機嫌のドライブが満喫できそうですね。 増田 500C のキャンバストップは使い勝手がいいのが気に入っています。たとえばルーフの開き方。サイドのフレームを残して天井だけが開くので、一般的なオープンカーとは違って、バスや対向車から中を覗かれることが少なく、車内のプライバシーが保たれます。また、落ち着いたボディカラーなのでどこへでも出掛けやすく、我が家で最も出番が多いです。また「500 Panna」のレザーシートは素材が肉厚で座り心地がしっかりしているところも気に入っています。 藤島 イタリア語で「生クリーム」を意味するPanna ですが、チョコレートクリームのようなボディカラーの色合いは周囲の景色に優しく馴染む色ですよね。そして、いよいよ3台目に突入……ということで、映画『ルパン三世』にも登場する人気のバニライエローのモデル「500C GELATO」を購入されたそうですね。 増田 じつは、最初からバニライエローの500 が本命だったんです(笑)。限定車が登場した時に「これを待っていた!」ということで購入しました。 藤島 それにしても、半年間に3台も購入されるとは大胆な行動ですよね。 増田 私としても同じ車種を3台も買うなんて初めてでしたが、そんなことができたのも、FIAT のインテリジェントローンのおかげでした。残価据置型のローンは最初の1、2年は月々の支払が1万円程度からOKということで、月々の負担額が少なく済むのです。輸入車でありながら、月々に支払うベースの値段が手頃に抑えられるのは嬉しいですね。 藤島 増田さんはイタリア車を初めて購入されたということですが、実際に所有されてみた感想はいかがですか? 増田 ひとことに輸入車と言っても、500 はドイツ車などとは異なるキャラクターの持ち主です。最初は875ccのTwinAirエンジンはパワー不足ではないかと思っていましたが、まめにギアチェンジをすればしっかりと力が得られます。また、私が気に入っているのはTwinAirエンジンが奏でる2シリンダー特有のポコポコポコという音色……。狭い路地を走る時、塀に共鳴するといい音が響いてくるんですよ。 藤島 500に乗り始めたことによって、何か変わったことは? 増田 楽しい時間が増えましたね。もちろん、乗っていても楽しいですが、乗っていない時も眺めているだけで楽しいし、いろいろと想像することが増えました。たとえばトコトコと旅行に出掛けたり、コーナーを攻めているイメージが浮かんだりと、「こうしたらこんな感じかな」と考えるだけでニンマリできます。ちなみに、最初に購入した「500