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LIFESTYLE

ヒッチハイクとボランティア。バックパックで21カ国。「世界はいい人であふれてる」− Simona Matsunoさん –

母はイタリア人、父は日本人。大学までフランスで過ごし、夏休みになるとイタリアのノンナ(おばあちゃん)宅を訪れて手作りパスタを味わったというSimona Matsunoさん。卒業後は日本に拠点を置き、FCAジャパンに勤務した後、2016年から、長年夢見ていたバックパックの旅を決行。4年8ヶ月にわたって1人で21カ国を巡りました。そんなSimonaさんに、各国での発見と女性一人旅での経験についてインタビュー。旅先で撮影した約4万枚の中から選りすぐった写真とともに、ぜひご覧ください。     お金をかけずに世界を巡る!その手段は「ボランティア」   ▲アルゼンチン・ポトレリージョス/住み込みで働いていた小さな家 (2016年12月) ―約5年におよぶ一人旅を決行しようと考えたきっかけは何だったのでしょう?   20歳の頃からの友人がバックパッカーで、インドに半年とか南米に1年とか長期滞在している姿に憧れていました。彼の居場所をメールで聞いてはGoogle Mapで調べたりして。「私もいつか絶対行く!」と決めていたんです。 最初は「日本で2〜3年働いたら旅に出よう」と考えていましたが、やっぱり職場や友人関係の心地よさに慣れちゃいますよね。友達からも「仕事やお金はどうするの?将来は?本当に大丈夫?」「Crazyだね」とか言われて(笑)。本来の私は計画的で几帳面なので、そういう言葉に影響されたし、簡単にはいかなかった。まぁ、ビビってたんですよね(笑)。気がつくと結局東京で8年が過ぎていました。 旅をためらう最大の理由は経済的な心配。だったらそれを解消しようと調べていたら、「相手の願う仕事を行えば、宿と食が提供される」というマッチングサイトを見つけました。それが2015年中旬です。「食べ物と寝る場所があれば、行けるじゃん!」とテンションが上がりました。   ▲ネパール・ヒマラヤ山系/シェルパ族の伝統衣装を着るSimonaさん。3700メートルにある村のロールワリン・ヒマールの修道院学校で5ヶ月間、講師として勤めた(2020年4月)   ▲メキシコ・バラカル/近くのホテルで働きながら湖(ラグーン)でハンモックを楽しむSimonaさん(2019年3月)   ―これまでに約23回のボランティアをしながら旅をされていていたそうですね? 4年8ヶ月のうち約8割がそうでしたね。宿代とご飯代、電気代も水道代もWi-Fiの使用料もかからない。全く問題なくやっていけますよね。 しかもローカルの人たちと直に触れあえるので、何でも教えてもらえます。毎日が勉強だし、私もいろんなことを教えました。そうやって、自分の知らない新しいことをシェアし合えるのもこういう自由なスタイルの旅だからこそです。 あらかじめ仕事を見つけてから行くわけじゃないので、正直不安もありました。初めての滞在先はブエノスアイレスで、顔では笑って自信満々そうにしていたけど、心の中は不安で震えてた(笑)。   ▲アルゼンチン・ブエノスアイレス/初めて南米に着いた日(2016年10月)   でもいざ始めてみたらみんな親切で、毎日が最高!たまにオーナーと気が合わないこともあったけど、たまたま自分と合わないだけの話と思い、気持ちを切り替えて次の仕事を探していました。その日、その時限りの出会いだからこそ良いこともあって、そのひとつがイースター島での出来事です。   ▲チリ・イースター島(2017年7月)   ある日の夜中の1時頃に、思いつきでヒッチハイクをしていたんです。すると一台のバイクが停まって、ピックしてくれたのは親切な養蜂家でした。その後に、前のボランティアを辞めた話を伝えたら「ちょうどいいタイミング!うちにおいで」と言ってくれて。彼の養蜂場で10日間、働くことになったんです!   ▲チリ・イースター島/養蜂場で働くSimonaさん(2017年7月)   計画的に動いていたら、この奇跡みたいな出会いはなかったはず。そういう経験を数えきれないほどしました。几帳面で計画的だった自分が、「風に任せて動くこと、Go with the flow」の魅力、大切さを知った瞬間でしたね。     “女性だから”ではなく、空気もマインドも、全ては「自分しだい」   ―ボランティア先での出会いに加えて、ヒッチハイクも出会いの宝庫だったに違いありません。そもそもヒッチハイクの経験がある日本人はなかなかいないと思いますが、実際どんな感じだったのでしょうか? 最高ですよ(笑)。乗せてくれる人も、長く運転しているとつまらないから、1人よりも2人でおしゃべりしてたほうが楽しいと思うんです。並んで座って、相手をインタビューする感じでたくさん話しました。だから、ローカルしか知らない話をgetできる。最高でしょ?   ▲ペルー・エクアドル/6週間にわたり、仲間と車で旅した時のキャンプスポット(2017年11月)     ―女性一人での旅やヒッチハイクは少し危ない印象もあるのですが?   女性一人でヒッチハイクって危なくない?とよく聞かれるのですが、女だから危険、男だから大丈夫ということはありません。実際、女性の一人旅は普通です。女だから危ないという考え方はチェンジして、「自分しだい」「心の持ち方しだい」という意識を持ったほうがいいと思います。 長期間ヒッチハイクしながらバックパッカーを続けていると、出会う男性たちがリスペクトしてくれるんです(笑)。今の時代、女性のほうが強いんじゃないですかね。それにヒッチハイクをしていた時に、乗せてくれる人は女性が多くて、メキシコのバハ・カリフォルニアでピックしてくれた子に聞いてみたら「男性にピックされるの嫌でしょ?」って(笑)。女性同士で協力しようよ、守り合おうよみたいな、あたたかい雰囲気を感じたのを覚えていますね。     ―「旅の醍醐味は人との出会い」といいますが、Simonaさんの話を聞いていると本当にそう思えますね。 […]