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VRアートで描く「和」の世界への想い。せきぐちあいみさん インタビュー

シンガーソングライター、イラストレーター、俳優、フォトアーティストなど、様々なシーンで活躍するフィアットオーナーと、フィアットとの出逢いを描くプロジェクト「#MyFirstFIAT」。その最新作に出演中のVRアーティスト・せきぐちあいみさんが、今回描いたのは「和」の世界。 伝統と革新の世界を愛するせきぐちさんが、今回描いたVRアート、そして愛車『500 TwinAir Lounge』への思いについて、お話を伺いました。   「和」の世界に込めた思い 先進技術を用いて描き出すVRアート。しかし、最新作の#MyFirstFIATでせきぐちあいみさんが制作した作品は、その真逆とも思える「和」の世界。「和」のモチーフを選んだ理由、そして本作品への思いについて、お話を伺いました。     「“和”って、とても抽象的。辞書で調べると“和やか” “協力し合う” “調和が取れている”という意味が出てくるんですけれど、それも含めて“和”って、私たちの心の中にあるイメージなんだと思うんです。日本人ならではの、素敵な感覚というか。私は、昔からある日本ならではの景観や伝統工芸を描くことで、そう言った“和”の世界を表現したいと思い、今回の作品を制作しました。日本にある伝統文化とか工芸品って、まったく古いものではないと感じています。 そもそも、古いとか新しいという感覚自体が、近年生まれた感覚で、ちっぽけなものさしだと思うんです。長い歴史の中で、古いものを守り続けたものではなく、その時々で変革を起こして新しいものを創り続けてきた最新作の積み重ねが、いまの伝統につながっていると感じています。なので、私はその素晴らしい伝統的なものを、VRというテクノロジーで描くことで、これまでにないアートを表現したいと思いました」。       VRで描く理想の世界 先進テクノロジーというイメージが強いVRアート。しかし、せきぐちさんの中では、アナログ的要素の強いものだと感じているとのこと。その理由について、お聞きしました。 「歴史を振り返ると、いつの時代も常に新しいものに挑戦し続けている。10年後、きっと私自身もいまは想像もしていないことに挑戦していると思います。変わらない良さの中で、いままでにない挑戦をしていくことで、より良いものを創っていけたらと感じています。 実は、そういうところって、フィアットと共通している部分だと思っています。昔から愛されている良さを守りながらも、新たな技術やデザイン性をドンドン取り入れている。クラシカルさと新しさが上手に融合していて、とても素敵だと思います」。     「また、私が使っているVRの機材にも、似たところがあると思っています。実は、最新のテクノロジーを採用しつつも、コントローラーをペンやブラシのように使って描いていくというアナログ的な要素が強いんです。パソコンに向かって、座って描いているというよりは、直感的にペンやブラシを使って描いているという感覚。そこは、人間の手描き感が活かせると思っているので、自然とか温かみのあるものを表現する方が面白いと感じています。 私は、今回描いた“和”の世界観は、VRとの相性がすごくいいと思っています。 VRって360度、全方向で別世界に連れて行ってくれるので、今後の目標としては、命とか温度とか、そういうものを感じてもらえるような作品を描いていきたいと思っています」。       VRで描く理想の世界 作品によって、幅広い世界観を描いているせきぐちさん。VRアートを制作する際、心掛けていることとは何か。そのポイントを尋ねました。 「VRアートって、絵を描くというよりは、世界を創っていくこと。その新たな表現方法で、みなさんをワクワクさせるとか、想像力を高めるとか、感性を刺激するとか。そういう作品になるよう意識しています。 今回制作した#MyFirstFIATの作品は、日本の伝統文化と最先端テクノロジーという両極端なものを融合しました。いま私が描きたい、みなさんの心に響かせたいという思いで制作しました。 何が古い、何が新しいということではなく、心がワクワクするものを描きたかったんです。日本の伝統文化とか美意識って、本当に素晴らしいですし、無条件に私たちの心が惹かれるものだと感じています。なので、そういった部分を取り入れながら、最新テクノロジーだからこそ描ける表現で、さらに奥行きを持たせるようにしました」。       改めて感じる500の魅力 #MyFirstFIAT第2弾ムービーの撮影で訪れた千葉県香取市・佐原市。小江戸としても知られるこの街の風景に、とても興味を持ったというせきぐちさん。一体、どのような点に惹かれたのか。この街の感想をお聞きしました。 「とにかく、すごく素敵なところでした。めちゃくちゃよかったですね。江戸情緒あふれる印象もあって、街全体で美しさを守っていこうという雰囲気を感じました。理想の場所というか、今回制作したVR作品の世界観にピッタリでした。場所も建物も、心からリラックスできる。日本建築の良さはしっかりと残しつつ、いまの時代にフィットした快適性もある。ここに住みたい!と思う場所でした。 また、改めて気づいたのですが、佐原のような風情を感じる街並みにも500はマッチする。どんな景色にもなじむことができるというのも、500の魅力のひとつだと感じました」。     「500がパートナーになってから、ドンドンかわいくなっていくというか、ドンドン好きになっていくという感覚がありますね。どこにいても、そこに500がいることで、その景色をより華やかにしてくれる。そんな印象を持っています。 また、500は乗り物とか機械という感じではなくて、もっと別の愛着が持てる存在。世の中には、かっこいいクルマや機能性に優れたクルマがたくさんあるけれど、それは500だけの特別な魅力だと感じています」。       いまから楽しみな500との遠出ドライブ せっかく500オーナーになったのに、まだ遠方へのドライブができていないというせきぐちさん。しかし、すでにドライブの目的地候補は決めているとのこと。せきぐちさんが楽しみにしているドライブスポットをお聞きしました。 「ぜひ行きたい場所は、山梨県にある“久保田一竹美術館”。何度か訪れたことがあるのですが、これまでは高速バスに乗って行っていました、なので、500といっしょに行けるのはとても楽しみですね。 ここは、世界中で愛されていた染色家・久保田一竹さんの美術館なのですが、展示されている染物を見ると、その深みや鮮やかさに“これが、人間の手で創り出したものなのか!”と思うくらい感動して。次回は、家族といっしょに訪れたいと思っています。また、近くにあるスポットも巡れるというのも、ドライブならではの醍醐味だと感じています」。     「あと、神奈川県の津久井湖にも行きたいですね。ここは、私が生まれ育った場所。アクセスも悪いし、昔は身近すぎて、その魅力に気づかなかったんですけれど、大人になってからその魅力を再認識。都心から日帰りで行けるし、自然の中でリフレッシュできる素敵なスポット。普段、デスクワークが多いので、本能的に自然を求めているのでしょうね(笑)。おすすめの場所なので、ぜひみなさんも行ってみてください」。   […]

LIFESTYLE

VRアートと愛車『500』の共通点とは?せきぐちあいみさんインタビュー

シンガーソングライター、イラストレーター、俳優、フォトアーティストなど、様々なシーンで活躍するフィアットオーナーと、フィアットとの出逢いを描くプロジェクト「#MyFirstFIAT」。 その第5弾に、世界中から注目を集めるVRアーティスト・せきぐちあいみさんが登場。 先進技術とイマジネーションが融合したVRの魅力、そして愛車『500 TwinAir Lounge』への思いについて、詳しくお話を伺いました。   魅力に満ちたVRアートの世界   仮想空間に幻想的な世界を描くVRアート。革新的な技術と想像力が生み出すVRアーティストの中でも、いま大人気なのがせきぐちあいみさん。せきぐちさんとVRの出逢いはどのようなものだったのか、そしてVRの魅力とは何か、お話を聞きました。     「VRとの出逢いは、たまたま仕事の一環として体験したんですけれど、空間に立体を描けるなんて魔法みたいって思って。すぐに、ハマりましたね。 それまで、タレントやYouTuber、ダンスやお芝居など、いろいろなことをしてきたんですけれど、VRとの出逢いは特別でした。最初は、落書き程度でしたね。星空と東京タワーとかを描いたりして。その後、制作した作品をSNSに載せたら、世界中から問い合わせをいただくようになって。初めて、ちゃんと描いた作品は日本庭園。元々、日本文化が好きなのと、日本庭園への興味から描いてみたんですけれど、制作してみて改めて感動。庭園って、全体が把握されていて、どこから見ても美しくなっている。それを現実の世界で表現できている庭師の方の頭の中に、とても興味を持ちました」。     「VRの魅力は、キレイな絵を描くことよりも、現実にはない世界を創れるという新感覚だと思っています。しかも、360 度、空間すべてがキャンバスになるし、自分が生み出した世界に入ることもできる。 “こんなの、いままでなかった”“まるで、夢の世界”という風に、心の奥から楽しめる感覚が、とても好きです。感覚的に楽しめるものだから、まだVRの世界に触れたことのない人でも、言葉とか年齢とか性別とか関係なく、多くの人に楽しんでもらえると思います。 私は、自分が描いた世界が、多くの人に新しい体験をするきっかけになれたらいいなぁと思っています。いい作品を創りたいということよりも、人に何かを与えられる作品を創りたい。上手に描くことはもちろんですが、自分自身の想像力を最大限に発揮して、これまでに見たことのない世界を創っていきたいと思っています」。     VRアーティストとしてのこだわり   先進テクノロジーを駆使して描き出すVRの世界には、トラブルや問題もいろいろなことがあるよう。これまでの活動の中で、思い出に残っているエピソードについて伺いました。 「以前、海外でライブペインティングをする機会があったのですが、会場の屋根の真ん中が空いている施設だったんです。当日、お天気が悪くなる可能性があったため、機材トラブルを危惧して、スタッフから事前に私がライブペインティングしている姿を撮影して、ライブペイント中は描いているフリをしないかって言われたんです。でも、それは絶対イヤ。それを1度でもやったら、いままでやってきたことが、全部嘘だと思われる。私は、機材も含め、リアルタイムでこんなすごいことができるっていうことを伝えたい。描いているフリなんかしたら、絶対嘘だって分かるし。結果的に、ライブペイントが上手くいって、とても良かったです。 私は、人を驚かせたり、楽しいって思ってもらえることが本当に好きなので、会議室のようなところで数人の方に見ていただく時も、大きな会場で何万人もの方に見ていただく時も、同じ気持ちでパフォーマンスしています。どちらも同じくらい緊張するし、逆に大きな舞台でもガチガチになり過ぎることもないんです」。     イマジネーションの世界を『500』とドライブ   「#MyFirstFIAT」プロジェクトのムービーで、愛車の『500』と海底をドライブするVRアートを制作したせきぐちあいみさん。このアートを生み出す上で、どのように発想を膨らませたのか、お聞きしました。 「私にとって、500は初めてのマイカー。これまでにもいろいろなクルマに乗ったことはあるのですが、ドライブしている時のこのワクワク感は、いままでに感じたことのないものでした。これって、とても感覚的なものなので、言葉で伝えるんじゃなくって、VRで視覚的に伝えられたらなぁと思って、今回の作品を制作しました。 500は、いつも私を知らない世界へ連れて行ってくれる。でも、海の中をドライブするって、さらに非現実じゃないですか。海の中に入って行って、さらにその中に別世界が広がっている。500が、私をイマジネーションごと、夢のような世界に連れて行ってくれるっていう感覚をVRで表現しました」。     「人に新しいよろこびを伝えるきっかけになれることに、ものすごくやりがいを感じています。子供はもちろん、自分より長く生きている方々に、まだ見ぬ世界を伝えるきっかけになれるって、すごく光栄なことだと思っています。 私の作品やパフォーマンスが、みなさんの想像力を広げるきっかけになれたら、とてもうれしいです。VRという新しいテクノロジーを使うことで、新しい体験を与えられる。そんなVRアーティストという仕事と出逢えて、本当によかったと思っています」。     VRで広がる夢の舞台   世界中からオファーが絶えないせきぐちあいみさん。これから、どのような目標に向かって走っていくのだろう?今後の展望について語っていただきました。 「自分が創った新しい世界で、人間の想像力の限界を超えていきたい。それが、私の人生の目標かな。それを常にアップデートして、世界中で実現したいです。そう言いながら、いま世界各国からオファーが来ている状況が、まだ信じられないんですけれどね(笑)。 結局、私は人に楽しんでもらうことが生きがいなんです。いまは、人を楽しませることを目標にしいているけれど、今後はみんなに何か新しい衝撃を与えたい。それが、老若男女、世界、動物、もしかしたらまだ見ぬ宇宙の生物とか。それくらいの範囲まで、楽しんでもらえたらうれしい。大それた目標ですけれど、自分の人生はそんな風に使いたいですね」。     ますます広がるインスピレーション   自然からVR作品の発想を膨らませることも多いというせきぐちさん。実際に、どのようなところからヒント得ているのか、お聞きしました。 「自然って、インスピレーションを広げるのに1番の教材だと感じています。本やインターネットの資料だと、どうしても平面でしか見ることができないじゃないですか。でも、VRは3Dで描くので、細かなところまで見たいんです。そのため、実際に見に行くことはとても大事だと思っています。 また、写真って、いいところだけを切り取るじゃないですか。でも、実は地面とか見上げた景色が大事だと思っているんです。桜の花びらが散って絨毯みたいになっていたり、月明かりが美しかったり。自然が織り成す表情っていうのは、別の世界に来た感じがして、本当に大好きです。 あと、滝を見に行くのも好きなんですけれど、周りに生えている苔とかシダとか、バランスを計算して庭師が植えたような生え方をしているんです。自然の才能に、心から感激しています。理屈では説明できないものに、心を惹かれますね。そういう感動をVRで表現したい。 今後は、匂い、触覚、音など、五感のすべてを刺激する別世界を描いていきたいと思っています」。     […]