フィアットがイタリアの自動車メーカーとして伝統を守り、革新を目指しつづけるように、日本文化の象徴ともいえるほどに長い歴史を持つキモノの世界でも時代に応じた新しい表現が生まれていることをご存じですか? たとえば「デニムキモノ」もそのひとつ。現代の暮らしにも馴染む和装として、デニム生地を用いて仕立てられたキモノです。
そんなデニムキモノを最初に発案したとされる斉藤三才さんのご子息であり、「伝統の進化」「和を楽しむライフスタイル」を提唱するキモノ作家・斉藤上太郎さんにデニム素材ならではの経年変化や着こなしなどの魅力、モノ創りへのこだわりについてお聞きしました。
斉藤上太郎 Jotaro Saito
京都出身。祖父に染色作家の故斉藤才三郎、父に現代キモノ作家・斉藤三才を持ち、近代染色作家の礎を築いてきた家系に生まれる。27歳の最年少でキモノ作家としてデビュー以来、現代空間にマッチするファッションとしてのキモノを追求。TVや雑誌などメディアにも頻繁に紹介され、日本を代表するキモノデザイナー、テキスタイルアーティストとして活躍中。プロダクトやインテリアの制作まで多方面に才能を発揮している。
JOTARO SAITO公式サイト
— 上太郎さんの父・斉藤三才さんが1992年に発表された世界初のデニムキモノを、1997年にスタートしたご自身のブランドJOTARO SAITOでも手掛けた理由は何ですか?
時代の流れ、キモノのカジュアル化の流れを感じたので復活させました。
— デニムキモノならではの魅力はどのようなところにありますか?
まずはユースフルかつウォッシャブルなところだと思います。デニム素材というだけで取り扱いなどの不安な材料が軽減され、和を楽しむハードルが下がり、自由なキモノとなりました。
デニム独特の色落ちも楽しめるので、着るたびに味わいがでてくるところも魅力です。作業着として生まれた生地なので、丈夫で長持ち。JOTARO SAITOでは100回以上着用しているスタッフもいます。
写真左:レディースデニム着物 6.5OZ プレーン(BU×金茶)F / 写真右:メンズデニムキモノ 13OZプレーン(BU・L)
— JOTARO SAITOのデニムキモノの特徴やこだわりについてお教えください。
JOTARO SAITOのデニムキモノは、岡山県倉敷市児島で製作しています。今や世界最高峰ともいえるデニム産地の生地を使い、しなやかさと色を厳選。デニム好きも納得の本格的な生地です。
またキモノでありながら、デニムらしいディテールにこだわりました。ダブルステッチ、鋲、オレンジ色ステッチなどがそうですが、このデニムらしさによってタフネスな若々しいキモノになりました。
— デニム生地のオンス(重さ=厚み)のバリエーションも豊富ですね。
キモノですので、いわばワンピースになります。デニム独特の粗野なイメージと着やすい風合いとのバランス、落しどころをメンズとウィメンズとで分けて考えました。
軽くて、着付けしやすい6.5オンスは、デニムシャツぐらいの薄手。ウィメンズの基本生地であり、一番汎用性があるタイプです。暑い時期はカットソーや長じゅばんを着ないで浴衣として、寒い時期は長じゅばん以外にヒートテックの肌着などを着ることで1年中着用できます。
一方、JOTARO SAITOのデニムキモノの中で最も厚手なのが13オンスで、寒い時期にも向いています。私はこの重厚感が好きですね。デニムらしくガチッと男らしく着たい方はこちらがおすすめです。
その中間の7オンスや10.5オンス、さらにデザイン自体が生地に直接織り込まれたジャガード織りの11オンスもあります。デニムのオンスの違いは着心地や耐久性、そして風合いの違いだけでなく、色落ちなどの経年変化にも影響するので、コレクションのシーズンやデザインによって使い分けています。
— 上太郎さんによるデザイン、その幅広いラインナップも魅力だと思うのですが、これまで20年以上にわたってどれぐらいの数を手掛けられましたか?
メンズ、ウィメンズ合わせて250ルックに相当すると思います。
— すごい数ですね。こんなに作り続けても、まだ進化させていきたい部分はありますか?
デニム素材というだけでキモノに対するハードルがグッと下がったことは身をもって感じましたし、キモノをよりカジュアルに日常に楽しめるモノへの進化を試みたいと思っています。
— デニムキモノを着る際のコーディネートや着こなしのコツを教えてください。
デニムはカジュアルな素材の代表格なので、「いかにもキモノ」らしく着なくても、インナーに白Tシャツをコーディネイトしたり、ブーツやスニーカーを合わせたりしても良いと思います。
またカスタマイズも可能です。お好きな刺繍を入れたり、自身でダメージデニムに改造したりと今までの絹のキモノでは考えられなかった、「キモノをカスタマイズ」というタブーが面白いですね。
和を自由に楽しめるツールとしてお楽しみください。
— 上太郎さんご自身もデニムキモノをよく着られますか?
はい、ヘビロテで着ています。オジサンっぽくないのが良き!です。
生地に張りがあって着心地も良いです。
— デニムキモノをセレクトするのはどのようなシーンですか?
仲間と飲みに行くときやパーティーに出るときなどでしょうか。
— ちなみに普通のジーンズを穿くことも?
普段はいつもジーンズで過ごしていますよ。
— 最後に上太郎さんご自身についてもお聞かせください。三代にわたってキモノの創作に携わっておられますが、キモノ以外の道を考えたことはありますか?
27歳まで自身のブランドの洋服を創っていました。モノを創るのが大好きですので、もしキモノ以外の道を歩むにしても何かクリエイションには関わりたいですね。
— モノ創りのうえで、大切にしていることややりがいは?
大切にしているのは、プロとしての完成度です。そして、お客様に手に取っていただき、お買い求めいただいたときにやりがいを感じます。
—クリエーターとして休まることのない日々ですが、オフはどのように過ごされていますか?
最近はもっぱら家のことですね。芝の手入れをしています(笑)。
— デニムキモノの他にもジャージキモノや麻ポリキモノ、プロダクトやインテリアの制作まで、伝統を進化させたモノ創りに挑まれていますが、その原動力はなんでしょうか?
伝統工芸の技、技術の存続、継続に対する危機感しかありません。
今後は伝統工芸の持つ目を見張る技術、技法の手業にプラスして、工業製品のレギュレーションを併せ持つという進化を目指しています。
マットジーンズ ブルーをまとった限定車『500X indigo』の登場を記念し、世界が認める高いクオリティを誇る日本製デニムとのコラボレーションが実現。500X Indigoをご成約いただいた方の中から抽選で合計15名様に、ここでしか手に入らないフィアット オリジナルアイテムをプレゼントします。
A賞
フィアット オリジナル JOTARO SAITO デニムキモノ 5名様
500X刺繍入り/Lサイズ / 13オンス / 洗濯可
ユースフル&ウォッシャブルでカスタム可能なデニムキモノは、500Xのイメージにぴったり。ガシガシ着て経年変化を楽しんでいただきたい、厚手の13オンスです。(斉藤上太郎さん)
B賞
フィアット オリジナル デニムエコバッグ 10名様
サイズ:(H)640 × (W)380 mm
日本のデニムの名産地 「広島県福山市」から、世界に向けてオリジナルのデニムを発信する篠原テキスタイルのデニム生地を使用したエコバック。500Xのロゴがデザインされています。
『500X Indigo』のボディカラーや個性をイメージして仕立てたデニムアイテムを、ぜひその手に。
※実施期間 2020年10月3日(土)〜19日(月)
※画像はイメージです。
※プレゼントに帯、雪駄、足袋、カットーソーは含まれません。
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