2019年12月6日公開の映画『ルパン三世 THE FIRST』。2019年冬公開の映画の中でも、一際注目を浴びている新時代の『ルパン三世』。3DCGという新たな姿でスクリーンに帰ってきた各キャラクターの活躍が楽しみな話題作です。 今回は、山崎貴監督インタビューの第2弾。本作のこだわりや見どころ、そして『FIAT 500』の登場シーンなどについて、根掘り葉掘りお話を伺いました。
これまでにも、たくさんの話題作でメガホンを取ってきた山崎貴監督。最新作『ルパン三世 THE FIRST』を手掛けることになったきっかけとは?その経緯についてお聞きしました。
「本作には、最初アドバイザー的な関わり方をしていたのですが、ドンドン愛着が湧いてきまして。その流れで監督起用の話が出てきたんです。とても忙しい時期ではあったのですが、ルパン三世という題材は、一度は関わってみたいコンテンツだったので、こんなチャンス滅多にないと思って引き受けました」。
原作の誕生から50年以上にわたり、幅広い層で人気を博している『ルパン三世』。その最新作を手掛けるにあたり、どのような思いで作品制作に取り組んできたのか。本音を尋ねてみました。
「プレッシャーは、物凄くありましたね。とても多くの人々に愛されている作品ですし、人々の中にいろいろなルパン像がある。しかも、今回は3DCGという初めての試みなので、そこで感じる違和感をできる限り取り除かなければいけないと思いました。ルパン三世ならではの特徴はしっかりと踏襲しながらも、ある意味で決定版になっていないといけない。しかも、新しいフォーマットで制作する第1弾ということで、しっかりとした軸を作っていかなければいけない。そして、先人がこれまでに『ルパン三世シリーズ』として素晴らしい作品を創られている中、僕がそこに参加させていただくという思いもある。そういったいろいろな思いがある中、新しいフォーマットで挑戦するというのは、ある意味での恐さがありましたね。でも、ルパン三世作品の監督ができる、そのよろこびが物凄く大きかったので、プレッシャーに負けずに頑張るしかないと思いながら制作しました」。
3DCGという新たなフォーマットで表現された『ルパン三世 THE FIRST』。本作の制作にあたり、特にこだわり、時間をかけたのが、キャラクターの表情だと語る山崎貴監督。
「それぞれのキャラクターの表情だったり、動きだったり。そういった点に、トコトンこだわりました。3DCGになっても、ルパンはルパン、次元は次元に見えなければいけない。これまで愛されてきた、それぞれのキャラクターの個性をしっかりと受け継ぐといった部分は、特に注力しました。キャラクターが決まるまで、本当に大変でしたね。その分、きっと皆様にも満足していただける仕上がりになったと思います」。
「制作にあたっては“This is LUPIN”、つまり、典型的な“これぞ、ルパン!”という作品を創るということを意識しました。物語に関しても、表現自体が3DCGというカタチに変わっているので、それ以外のところは出来るだけこれまでの流れみたいなものを踏襲しようと思いました。2D(アニメーション)の作品と3D(CG)の作品をつなげるフックとして、これまでの作品を大切にするということに注意深く取り組みました。とはいえ、3DCGなので、これまでの作品とはだいぶ印象が違うと思うんですよね。でも、映画が始まって30分くらい経ったときに、観ている方が違和感を感じなくなってくれればいいなぁと思って制作しました。長年ルパン三世ファンという方に観ていただいても、ご家族で観ていただいても、楽しんでいただけると思います」。
『ルパン三世 THE FIRST』でも、ルパン一味の相棒として登場する『500』。山崎貴監督が『500』の存在を知ったのは、1979年に公開された『ルパン三世 カリオストロの城』だったとのこと。
「あの作品の中で、500が大活躍するじゃないですか。しかも、凄まじいパワーを秘めた、まさに「羊の皮を被ったスーパー狼」的な感じで。500がスクリーン狭しと駆け回る場面は、本当にワクワクしましたね。僕らがいま思い描いているルパン三世の世界観って、最新でもないけれど、古くもない。そういった作品が持っているいい感じの世界観に、500の存在は物凄く似合っていると思います」。
そして本作で『500』はどの様な活躍をするのか?尋ねてみました。
「500は、すごく活躍していますよ。僕の中で500は、軽快なイメージとか、小回りの効くイメージとか、なおかつカタチからは想像が付かないようなパフォーマンスを秘めているイメージがあるんです。そういう感じが活かせるよう500は作品の中でパワフルな活躍をしています。 また、本作では音にもこだわっています。タイヤの軋み音とか、ブレーキ音とか、走行音とか。ブレーキをかけながら回転するようなアクロバティックな走り方をするんですけれど、そういうところも含めて、とてもかっこいいカーチェイスになっています。3DCGならではの立体感というか、そういった中で展開するので、500の登場シーンも楽しみにしていただければと思います。500の走行シーンは、本当にかっこいいと思いますよ」。
ご自身も、ルパン三世ファンという山崎貴監督。本作の制作中、いろいろな出来事があったとのこと。その中で、印象的だったエピソードについて、お話を伺いました。
「今回は、声を先に録音して、それに合わせてCGを創るプレスコという手法で映画を製作したのですが、声優さんの声を録音したときは、めちゃめちゃテンションが上がりました。
栗田貫一さんが話し出したときは「うわぁ、ルパンだ!」と感動しましたし「次元が喋っているよ!」「わっ、五エ門がいる!」とか、思わずファン目線になってしまいました。長年キャラクターを担当されている声優さんたちがスタジオで声を出している感じが、とても嬉しかったですね。声を録り始めた頃は、有頂天になって毎回ワクワクしていました」。
「あと、とにかく制作期間が長かったですね(笑)。CGってコンピューターが勝手に絵を作ってくれるイメージがあるかもしれませんが、ひとつひとつ、コツコツ。人間の手を介して作っていくウェイトが大きいので、とても時間がかかるんです。本当、一歩一歩というか。いつになったら出来上がるんだろうと思いながら、進行していましたね」。
最後に『ルパン三世 THE FIRST』の見どころについて、山崎貴監督にお聞きしました。
「やはり“This is Lupin”というところに尽きると思います。ルパン三世ファンの方や、これまでのルパン三世の作品を好きな方が観て、楽しめる作品になっていると思います。もちろん、ルパン三世ならではの、お約束事みたいなものもしっかり入っています。しかも、3DCGになったことで、いままでとは違った新しさも見られると思います。昔からある良質な作品に、現代風の厚みを加えたらこうなったというか。「ルパン三世が3DCGになって帰ってきた!」という部分を楽しんでいただけたらと思います」。
3DCGという新たなフォーマットで制作された、劇場版『ルパン三世 THE FIRST』。ルパン三世シリーズの新時代を切り開く山崎貴監督渾身の本作は、ルパン三世ファン、そしてフィアットファンにとって、きっといつまでも心に残る作品になることでしょう。
山崎貴監督インタビュー : 最新作『ルパン三世 THE FIRST』への思いを語る Vol.01 はコチラ
https://www.fiat-jp.com/ciao/lupin-the-first-interview/
長野県松本市出身。阿佐ヶ谷美術専門学校卒業後、映像制作プロダクションの白組に入社。00年『ジュブナイル』で監督デビュー。『ALWAYS 三丁目の夕日』(05)では、日本アカデミー賞16部門を制覇。続編『ALWAYS 続・三丁目の夕日』、『ALWAYS 三丁目の夕日’64』も大ヒットを記録。以後『SPACE BATTLESHIP ヤマト』や『永遠の0』、『寄生獣』2部作を監督。また、3DCGアニメでも手腕を発揮し『STAND BY ME ドラえもん』では八木竜一氏と共同で監督。近年では『DESTINY 鎌倉ものがたり』や『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』『アルキメデスの対戦』など話題作の監督を多数務める、日本を代表する映画監督、脚本家、VFXディレクターである。
500の詳しい情報はコチラ http://www.fiat-jp.com/500/
映画『ルパン三世 THE FIRST』公式サイトはコチラ https://lupin-3rd-movie.com
山崎貴監督インタビュームービーVol.1はコチラ https://youtu.be/KQi3gMOo4O0
山崎貴監督インタビュームービーVol.2はコチラ https://youtu.be/w0ZTU23CWGI
映画『ルパン三世 THE FIRST』予告1はコチラ https://www.youtube.com/watch?v=Uw7jrQQK3Mc
映画『ルパン三世 THE FIRST』予告2はコチラ https://www.youtube.com/watch?v=OIzHw0gVB0g
©モンキー・パンチ/ 2019 映画「ルパン三世」製作委員会
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