初めてフィアットと走り出すオーナーの物語を描くプロジェクト「#MY FIRST FIAT」。
今回のオーナーは、一般社団法人 日本サーキュラーバイオエコノミー推進協会(JCBE)が運営する、日本ならではの循環型社会を目指し活動するプロジェクト「MEGURIWA(めぐりわ)」。
SDGsの制定をはじめ、サステナブルな社会へのシフトチェンジが叫ばれている中、いまやるべきこと、そしてこれからの社会のあり方などについて、MEGURIWAの共同代表者のひとりである堀出大介氏に話を伺いました。
私たちMEGURIWAが活動を始めたのは約3年前になります。そのきっかけとなったのは、東京大学農学部の五十嵐教授にお声がけいただき、循環型社会(サーキュラーバイオエコノミー)を作るための活動や考え方を世界中から集め、今後の社会のあり方を提言していく「世界バイオエコノミーサミット」というイベントに参加したことでした。同イベントに参加し、いまの地球環境や社会の状況に大きな危機感を覚えるとともに、高循環型社会の実現の重要性を強く感じました。
SDGsが制定されたことやサステナブルという言葉が一般的になってきていることもあり、日本においてもそうした機運が高まりつつありますが、実は日本には昔から循環型社会という考え方がありました。そうした日本古来の優れた点をベースに、新たなアイデアを取り入れながら活動されている方や団体をサポートし、マーケットにつなげていく。私たちはMEGURIWAで、そうした活動をしています。
そして、日本に昔からある叡智やこれまでに築いてきたものを活かして、日本型の循環型社会というものを構築し、世界に発信していく。そうしたことを、行っていきたいと思っています。
循環型の社会を目指すとともに、活動の中で生まれる人と人との「縁」であったり「輪」であったり、そうしたものがグルグルと循環していくこと。そして、日本ならではのスタイルを発信していきたいということから「和」というワードを取り入れて、私たちの「MEGURIWA」という名前は生まれました。
私たちが支援や協力をする業種や分野は、特定していません。日本がこれまで築いてきた伝統や文化、歴史などを活かして、事業や製品を作っている方々を対象にしています。変わろうと思えば、どの分野でも変わっていけると思っているので、そうした気持ちを持たれて動こうとされている方、そして変わろうとする思いをサポートしたいと思っています。
私は、循環型社会やSDGsに関して、こうすればいいという絶対的な答えは、少なくとも現時点ではないと考えています。逆に、ひとつに絞ることに対しても少し疑問を持っています。
その理由は多様性。循環型社会への関与の仕方や手段は、多様であっていいと思っています。なので、私たちは、そういった選択肢やオプションを増やして、多くの方がそれぞれのカタチで製品やサービスを提供できるチャンスに出会えることを大切にしています。
個人・団体を問わず、関わる度合いは様々で、イベントや情報発信を一緒にやらせていただいたり、共同で商品開発をさせていただくこともあります。基本的には、私たちがすべてを提案するのではなく、すでにお持ちの強みや技術、そして熱い思いなどを最大限に活用し、私たちがサポートさせていただく。これまでにやってきたことの中から、これからの循環型社会に貢献できるポイントを引き出していくイメージで活動しています。
循環型社会という考え方や活動は、欧州諸国が先行して展開しています。特にフィンランドでは、日本でもメディアで少しずつ紹介されている昆虫食の話が教育プログラムに組み込まれていて、子供の頃からコオロギなどの昆虫をそのままのカタチで食べています。そうしたことを、すでに教育として推し進めていることに大きな衝撃を受けました。
また、雑貨屋で一見同じような製品があって、ひとつは安価で作られたモノ、もうひとつは価格は5倍だけど循環型社会に適したモノがあった場合、フィンランドでは多くの人が価格が高くても地球環境に配慮した製品を購入する。このように地球環境を考えて作られた製品をクールだと感じる、そういった価値観を社会的に作り出すといった活動も、今後日本では重要になってくると思います。
地球上には78億を超える人間がいて、まだまだ増加しています。しかし、地球の資源は限られている。そうした中、これまでに培ってきた日本独自の技術や伝統、文化を活かした循環型社会のスタイルを世界に発信していきたいですね。
そうしたことから、私たちは日本型の事業やサービス、プロダクトといったものが活躍できる場所や仕組みを、もっともっと作っていきたいと思っています。
近年、循環型社会やサステナブルな社会という意識が世界中で高まっていますが、私はいますぐ解決できる問題とは思っていません。大切なのは、中長期目線で考えていくこと。
もともと、この問題のベースは人口爆発であり、それに伴う食料や水、環境、そして温暖化という難しい課題があります。そうしたことからも、中長期で取り組んでいく必要があると考えています。
しかし、数十年先の目標だけでは、なかなか自分ごとにならない。そこで、短期的な目標として、みんなができることから1歩ずつ対応していくべきだと思っています。小さいことからで構わないので、ひとり一人が毎日続けることが重要だと感じています。そうした、いい意味での自己満足の積み重ねが、より良い社会や環境を育んでいくと信じています。
日本型の循環型社会というスタイルをしっかりと整理をして、世界に発信していきたいというのが、大きなテーマですね。これまで培われてきた日本の強みを活かした循環型社会の仕組みを、事業スタイルやプロダクトなど、様々なカタチで発信していくことを目標にしています。
大先輩の中には、100年後や400年後という、はるか先の未来を見据えていまを生きている方もいらっしゃいますが、私は孫世代くらいまでしか想像ができなくて。でも、その時に自分が携わっていた活動が、循環型社会を担う事業のひとつになっているようにしたいと考えています。
SDGsやサステナブルということが叫ばれる中、CO2排出量という観点では、自動車をはじめとするモビリティは批判的に見られやすい存在だと感じています。しかし、モビリティがなければ、人の動きや物流も含めて、いまのような生活は維持できない。そのため、モビリティ自体をどのようなカタチで循環型として運用していくか。それが重要だと思っています。エネルギーを100%循環型にすることは難しいと思いますが、燃費を上げるとか、燃料を変えるとか、電気自動車にシフトするとか。私は、そうした変化が全部あっていいと思っていますし、現在そういうものがドンドン出てきているということ自体が素晴らしいと感じています。
そんな中、フィアットという老舗かつ業界大手の自動車メーカーが、サステナブルな活動やフィロソフィーを、世の中にドンドン発信している。時代にマッチしたエコな製品開発はもちろん、CSV活動などにも積極的に取り組んでいる。フィアットが、そうしたアプローチをしていることに、私は深く感銘を受けています。
私自身、以前からクルマが大好きで、いままでにいろいろなモデルに乗ってきましたが、ヨーロッパの街で乗ることを考えると『500』は絶妙なモデルだと思いますね。かわいいイメージがありながら、デザイン性や実用性においても、決して妥協していない。さらに、狭い道でも軽快に走れて、大人が4人乗れる。しかも、日常生活で充分な荷物も載せることができる。「コンパクトカーって、走りはまあまあでいいでしょう」みたいに感じている方もいると思いますが『500』は全然違う。勾配の厳しい道でも軽快に走ってくれるし、乗るたびにドライブの楽しさを感じさせてくれる。デザインだけではなく、走りも使い勝手の良さも両立していることが、老若男女から愛される理由だと感じています。
この度、私たちMEGURIWAの新しい仲間に加わった『500』が、循環型モビリティのモデルケースになってくれることに期待しています。いつの時代も、クルマは世界中で必要不可欠な存在だと思うので、これからも循環型のモビリティがドンドン出てきて欲しいですし、『500』が今後さらに進化してカテゴリーのフラッグシップとして、さらに存在感を発揮して欲しいと思っています。
サステナブルな社会へ向けて、世の中が大きくシフトチェンジする中、人と人との縁や環が繋がり、そして日本古来の叡智や技術を活かし、日本型の循環型社会の構築を目指すMEGURIWA。より良い未来を見据え活動をする彼らと、仲間の一員として走り出した『500』の活躍に、これからも注目していきます。
撮影協力:加子母森林組合
堀出 大介
兵庫県生まれ、横浜育ち。
MEGURIWAを運営する一般社団法人 日本サーキュラーバイオエコノミー推進協会の共同代表理事。
慶應義塾大学卒業後、10年間総合商社にて貿易および新規事業開発に従事。
その中で多くの日本の優れた技術シーズが世の中に出ていない現状を知り、
優れたシーズを事業化する事業創出推進機構株式会社を設立。
日本の様々な分野で眠っている優れたシーズの事業化に取り組んでいる。
その他、森林資源バイオエコノミー推進機構株式会社の執行役員、
ロジスティックスイノベーションプラットフォーム株式会社の代表取締役も務めている。
MEGURIWA共同代表・堀出大介氏が出演する「#MY FIRST FIAT」の詳細はこちら
『#MY FIRST FIAT』
MEGURIWAの新しい仲間『FIAT 500』の詳細はこちら
『FIAT 500』
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