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#MY FIRST FIAT

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自然と地球に優しい社会を目指して。MEGURIWA・シナダユイさんが思う“自分らしいサステナブル”

人と自然と地球に優しいクルマづくりを続けるフィアットと、日本らしい循環型社会の実現を目指して活動するMEGURIWA(めぐりわ)が『#MY FIRST FIAT』でコラボレーション! そこで今回はMEGURIWAメンバーであり、ハナコラボSDGsレポーターとしても自らの学びを発信しているシナダユイさんに、さまざまな活動を通して感じた“自分らしいサステナブル”について伺いました。   サステナブルな社会を目指して。   ▲MEGURIWA・堀出大介氏インタビューより引用   初めてのフィアットと走り出すオーナーのストーリーを描く『#MY FIRST FIAT』。その最新作でコラボレーションをしているのが、日本らしい循環型社会を目指して活動するMEGURIWA(めぐりわ)。 MEGURIWAは日本サーキュラーバイオエコノミー推進協会が運営するプロジェクトで、日本の地域ごとに育まれてきた美意識を元に、持続可能な社会の実現をテーマに活動する個人や団体をサポートしています。そして、人と自然と地球に優しいクルマづくりを続けているフィアットはMEGURIWAの掲げるフィロソフィーに共感し、共にサステナブルな社会を目指していきたいと考えています。 『#MY FIRST FIAT』最新作では、フィアットの『500(チンクエチェント)』とMEGURIWAの共同代表者・堀出大介氏が登場するムービーやインタビューなどを公開中。さらに現在、アカマツで作った無垢の家具セットやナチュラルひのきのアイテムなど、自然の恵みがたっぷり感じられるアイテムのプレゼントキャンペーンも実施しています。 そんなMEGURIWAが掲げる“サステナブルな社会”とはどのようなものなのか、MEGURIWAのメンバーであり、ハナコラボSDGsレポーターとしても活躍するシナダユイさんにインタビュー。まずはこれまでの経歴や環境を意識し始めたきっかけ、そしてMEGURIWAに参加した経緯などについてお聞きしました。   環境を意識し始めたきっかけとMEGURIWAとの出会い ▲シナダユイさん   ──シナダさんが環境について意識し始めたきっかけは何ですか? 大きなきっかけとしては、音楽プロデューサーとしても有名な小林武史さんが立ち上げた『kurkku(クルック)』という会社にご縁があって入社したこと。それ以前に小林さんは持続可能な社会に向けて『ap bank(エーピーバンク)』を設立されていて、そのコンセプトを実践する場として『kurkku』が発足されたのですが、そのときにさまざまな人に出会い、活動を共にする中で環境について意識するようになりました。   ──そこから現在の活動に至るまでの経緯を教えてください。     『kurkku』からは2年ぐらいで離れることになったのですが、そこで経験したことを踏まえて、自分なりに発信していきたいなと思って始めたのがブログ。そのときにオリジナルで付けた肩書きが“ナチュラルビューティーハンター”です。最初はミーハーな感覚で始めましたが、ブログやInstagramを続けていくうちに、“良いものを見る目を養いたい”という気持ちがどんどん芽生えていきました。   ──現在ではハナコラボSDGsレポーターなど、発信の場を広げていますね。 現在Hanakoでは、SDGsというテーマの元で記事を書かせていただいています。まったく知らないところから始めたのですが少しずつ理解が深まっていき、最近になってようやくいろいろなことが繋がってきた感覚がありますね。 ──MEGURIWAと出会ったのはいつ、どういったきっかけでしたか?   ▲2021年11月に行われたMEGURIWA展にて   MEGURIWAのKIRAさん(MEGURIWA・プロジェクトディレクター)に初めて会ったのは2016年。KIRAさんが開催に携わった『デニムラン 尾道』というイベントに参加したときでした。実はKIRAさんの奥さんと私が知り合いという繋がりもあったんです。そのあと2020年にMEGURIWAの活動が軌道に乗ってきた時期と、私がハナコラボSDGsレポーターになった時期がちょうど重なり、オンラインセミナーのレポートを担当したことをきっかけにMEGURIWAに参加しました。   ──シナダさんから見たMEGURIWAはどんな印象ですか? MEGURIWAはすごく居心地がいいですね。一時期、SDGsのことを学ぶためにいろいろなセミナーに参加していたのですが、中には自分の意見を持って参加しなければ厳しそうな、心のハードルを感じてしまうイベントもあったんです。私はどちらかというと消極的なタイプで、ディスカッションとかで物怖じするのですが、MEGURIWAではそういう気持ちにならなかった。みんな面白い方ばかりですし、ある方は「完璧を目指すというよりは、みんなが一緒に目標へ向かって、いろいろなことを試行錯誤している段階。うまくいってないところや、苦労しているところも隠さず見せていこう」と言っていて、そういう意味でもMEGURIWAの活動はすごく参加しやすいアクションだと思います」   ▲2021年11月に行われたMEGURIWA展にて     シナダユイさんの考えるSDGsとサステナブルな暮らし   ここからはサステナブルな社会の実現を目指して、シナダさんが普段の生活の中で行っているアクションや心がけを教えてもらうとともに、環境を意識して変化したことや、サステナブルな暮らしを始めたいと思っている方に向けたアドバイスやヒントを探っていきます。   ──シナダさんが最近気に入っているサステナブルなアイテムを教えていただけますか?     最近良いなと思っているものが2つあります。両方とも日本の製品なのですが、1つ目は『AMRITARA(アムリターラ)』の二層式オイルインミスト。レモンの果皮から水蒸気蒸留で精油を抽出する際に、副産物としてできるレモンの蒸留水を活用したエコなアイテムです。こちらのブランドは、農薬・化学肥料不使用かつ日本国内で育った原料を使うなど、素材にとてもこだわっているんですよね。日本では化粧品対してオーガニックを認定する機関や認証マークがないのですが、遺伝子組み換えの原料すら使っていないことを取材を通して知り、成分を気にしなくていいぐらい安心感があると感じました。2つ目は北海道・ニセコのスキンケアブランド『ICOR(イコ)』の美容液です。食品ロスがあるように、化粧品も使い切らずに捨ててしまう人が多いらしいのですが、これはひとつでリップやアイクリームなど、いろいろな用途で使えるうえに、しっかり使い切れるようなサイズ感で作られているのが魅力ですね。     […]

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サステナブルな活動から生まれた日本の香りと地域貢献

初めてフィアットと走り出すオーナーの物語を描くプロジェクト「#MY FIRST FIAT」の最新作の中で「MEGURIWA(めぐりわ)」の仲間として登場する「株式会社キャライノベイト」代表の清水篤氏。 各地域と深い関わりを持ちながら香りを通じて地域貢献活動をする清水氏に、これからの日本の伝統・文化、そしてサステナブルな未来についてお話を伺いました。       日本全国を周って知った伝統工芸の厳しい現状   −「キャライノベイト」を設立したきっかけを教えてください。   私たち「キャライノベイト」は、地域や伝統、そして文化など日本ならではの特徴をフィーチャーしながら情報発信をしていくスタイルで、日本の香りを用いたモノづくりをしている会社です。 香木の中でも、特に香りの良いものを伽羅(きゃら)と呼ぶのですが、江戸時代には良い物の総称として伽羅という言葉を使っていました。そうしたことから、良い物をより良くする、イノベイトしていくことを目的に「キャライノベイト」と名付け、13年前に会社を設立しました。     私は、以前香りの雑貨を扱うメーカーで営業職として働いていました。その際、日本全国を周っていたのですが、そこで日本のものづくりや伝統工芸が、とても厳しい状況になっていることを知りました。私自身、日本の文化はとても誇れるものと思っていることもあり、この状況をなんとかしたいという気持ちが日に日に大きくなりました。なかでも、日本独自の香りには特別なものがあるので、それを武器として日本のものづくりと連動させた活動をしたいと思い、独立しました。       これからは、モノづくりよりコトづくり   −「キャライノベイト」の活動についてお聞かせください。   私たちキャライノベイトは「人が馨る世の中へ。」という言葉をスローガンとして、日本の香りを用いた様々な商品の開発をしています。「馨る」という言葉には、人の善い行いという意味もあるので、いろいろな人の個性や、その人の好きなことが誇れるような時代になってほしいという思いから、この言葉を肝として活動しています。 また、商品の中にWANOWA(わのわ)というシリーズがあるのですが、なかでも最初に採用したのが、石川県能美市の国造ゆずでした。果汁を搾った際に廃棄される皮を使って、精油やハーブウォーターという香り成分を抽出し、化粧品などを作りました。そして、売上の2%をその地域に還元するシステムを構築しました。売上の2%を寄付することによって、地域の皆様にも、お客様にも喜んでいただけましたし、この活動を通じて多くの方々に能美市のゆずを知ってもらうことができたため、地域に貢献できたかなと思っています。     さらに、能美市ではゆずの木を植樹するイベントも行いました。地元の人たちも地域の特産物であるゆずのことをあまり知らない状態だったので、私たちではなく地元の小学生に植樹をしてもらいました。地域の方々に、自分ごとというか地域のこととして捉えていただき、自分の住んでいる地域や、そこに根付いている伝統や産業を誇りに思ってもらえるよう、このイベントを開催しました。 これからは、モノづくりの時代ではなく、コトづくりの時代だと思っています。こういう人が作っている。こういう気持ちで作っている。それが商品になっているから買ってもらえる。志や想いに共感して物が売れていく。そういう流れがより強くなると思っているので、これからもそうした活動をドンドンやっていきたいと考えています。 他の国だと戦争などで文化的なものが破壊されてしまうことが多いのですが、日本は伝統や文化がたくさん残っている稀な国だと思います。そのため、こうした貴重なものを決して絶やさないよう、今後も関わっていきたいと思っています。       香りを通じて実現する地域貢献の新しいカタチ   −香りに着目した理由を教えてください。   嗅覚(匂い)は、五感の中で唯一、脳に直接伝達される感覚なのです。つまり、人生は香りと連動する。そういうところが面白いと思い、追求したことが香りに着目した理由ですね。 今回、撮影でお伺いした加子母村のひのきはもちろん、それ以外にも様々な日本の香りがあります。私は調香師として香りを作っているので、そうした日本の香りをそのまま使うこともありますが、数ある香りをブレンドしてオリジナルの香りも作っています。 香りを作ることって、作曲や絵を描く感覚に近いと思っています。香りの被せ方や香りの変化を表現していく。そういった意味でも、感性的なものにすごく近いジャンルかなと感じていますね。     「#MY FIRST FIAT」の撮影を行った岐阜県中津川市加子母村は林業が盛んで、なかでもひのきが有名な地域です。私たちが手掛けているブランドWANOWAのハンドクリームやミルクローションに使用しているひのきの精油やハーブウォーターは、この地域のものなのですが、その材料はもともと廃棄する枝葉の部分。いままで廃棄していた材料を有効活用して、製品を作っていくこともサステナブルのひとつのカタチだと思いますし、加子母村のひのきを知ってもらう機会にもつながる。そんな地域貢献の新しいスタイルを、さらに確立していけたらと思っています。       MADE IN JAPANの香りを活かした上質さへのこだわり   −製品開発のポイントを教えてください。   製品に対しても、モノ売りではなく、コト売りであることにこだわりを持っていますね。例えば、環境に配慮したパッケージにしたり、開封した際に新鮮な香りを楽しんでいただけるようアルミチューブを使用したり、岐阜の職人が作った部材を採用したり、細かな部分にもこだわっています。製品に関わる人たちの気持ちを汲み取り、ひとつの製品の中にいろいろなストーリーが詰まったモノづくりをしています。 […]

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家具づくりで森と暮らしにポジティブな変化を。プロダクトブランド・パイオニアプランツの挑戦と地域貢献の可能性

より良い社会を目指すべく、人と自然と地球に優しいクルマづくりを続けるフィアットと、よりよい未来のために、循環型社会の構築を目指して活動する団体『MEGURIWA(めぐりわ)』。同じ未来を目指す2つのブランドは、初めてフィアットと走り出すオーナーの物語を描くフィアットの独自プロジェクト『#MY FIRST FIAT』で現在コラボレーションを行なっています。今回は、MEGURIWAというゆるやかなつながりの中で共に活動し、連動企画のキャンペーンでプロダクトをご提供くださった、pioneer plants(パイオニアプランツ)のモノづくりの姿勢とクリエイティビティで目指す未来について、ブランディング・ディレクターを務める奥田悠史さんにお話を伺いました。   地域の自然を救いたい。深刻な現状と貢献のための挑戦     “家の中でも、森の中でも”をコンセプトに、信州伊那谷のアカマツの無垢材を使ったモノづくりを行うパイオニアプランツ。立ち上げは2019年11月。以来、アカマツが持つ軽さと柔らかさを活かした持ち運びのしやすい“暮らしを身軽にする家具”を提案しているプロダクトブランドです。 “パイオニアプランツ”とは、裸地が植生を拓いていく際、最初に芽を出す先駆植物のこと。ブランド名の由来について「その土地にあった木を使って家具をつくる、ということの意思表明。何もないところに種が落ちて森への一歩目がはじまるように、私たちも森の未来を切り開いていく開拓者になりたいという意味が込められている」と語る奥田さん。山々の雄大な景色と森に寄り添う地域の人々に惹かれ、伊那谷でモノづくりに携わる道を選んだ奥田さんにとって、アカマツを使うことは挑戦であり可能性に満ちた取り組みだといいます。   ▲パイオニアプランツ メンバー   「アカマツは軽くて柔らかな木質という特徴がある反面、幹の曲がりやねじれてしまうという特徴から建材には不向きということで市場価格が非常に安く、丸太のまま販売しても他樹種の半額以下で取引されています。私たちは家具職人として伊那谷に多く生育しているアカマツの特徴を活かしたプロダクトをつくることで、その価値を高めていきたいという考えからパイオニアプランツを立ち上げました。   ▲アカマツの木   そしてもうひとつ、アカマツを使う大きな理由に深刻な松枯れ病の問題があります。昭和中期に海外から入ってきた線虫を媒介して広がる現象なのですが、現在では日本中に広がり、ほとんどの地域でアカマツが群生する景色が見られなくなってきている中で、標高の高い伊那谷にもその兆候が見え始めています。松枯れ病によって枯れてしまった木には線虫がたくさんいるので、その場で処分しなければなりません。そんなアカマツを山の負債にするのではなく、枯れてしまう前にちゃんと資源に代える。そうすることで、地域の森や空気を守っていくということも大事にしているところです」       最高のモノづくりの秘訣は、自然と人への敬意   一般的な家具に使用される広葉樹と比べて強度が劣るアカマツを活かすべく、試行錯誤の末に完成したパイオニアプランツのプロダクト。軽量かつ白く美しい木肌と柔らかな触り心地を直に感じられる魅力的な家具が生まれた背景には、家具職人ならではの視点と発見がありました。     「アカマツは節と節の間隔が広いため、無節で美しい材を取りやすいという利点があります。割れの原因になってしまう節がないというのは家具をつくる上ですごくありがたいポイントです。長く使うごとに飴色に変わっていく経年変化を楽しめますし、あたたかく手になじむような触り心地を楽しんでいただける材だと思います。その柔らかな木質と軽さを活かすための試行錯誤を重ねる中で、強くしなやかなロープと組み合わせることによりお互いが支え合う構造を作り出すことに成功しました。柔らかな素材同士を組み合わせると硬いものと同等、場合によってはそれ以上に強くなるというのは非常に大きな発見でしたし、木を切るときに使うロープが家具の開発を助けてくれたというのがコンセプトとしてとても面白いと感じました」     『リスのテイラー兄弟のバッグ』や『オコジョのロッティさんのスツール』など、思わず声に出したくなるユニークな商品名。ここに登場するのは、すべて日本アルプスに生息する動物たちなのだとか。“家の中だけでなく外にも持ち出せる家具”というコンセプトを伝えるとともに、“豊かな暮らしづくりを通して豊かな森をつくりたい”という理念と環境問題に向き合う姿勢がネーミングにも息づいています。 「家具づくりをする上で、私たちは“ゴミを出さない”ということをすごく意識しています。ゼロにするのは難しいのですが、森の動物を商品名に使うなら森のゴミにならないようになるべく少なくしていきたい。今、安いものほど処分が難しくなっていたり、最終的な選択肢が埋め立て以外なくなってしまっている中で、パイオニアプランツの家具は最終的に燃やして処分が出来る造りにしています。もし壊れてしまったら薪として使うことも出来ますし、手間がかかりません。また、商品によっては回収を受け付けリプロダクト化しています。」     「もうひとつ、私たちがつくる家具の特徴に、トレーサビリティ(追跡可能性)があります。伐採された木の生育環境や作業工程に携わる方々の存在をすべて明確にする。それにより、どこかの工程にだけ負担をかけるようなことは出来なくなります。負担をどこにも押し付けずに安く買えるモノをつくることは難しいのですが、そこに対して私たちは、すべての情報をオープンに出来るモノづくりで可能性を担保する。いずれそれが価値になる社会を目指していきたいですし、そうやってつくられた家具を手に取ることが、サステナビリティの一歩になるというメッセージを発信していきたいと思っています」       あらゆる場所を癒しの場に変えてくれる愛すべき家具たち   ここで今回『#MY FIRST FIAT』にご提供いただいた『クマのオーウェンさんのイス』と『フクロウのアイビーさんのトレイ&レッグ ラージ』について、奥田さんに伺ったオススメの使用シーンをご紹介します <クマのオーウェンさんのイス>       「まずみなさんに驚かれるのが、この軽さ。約2キログラムで、木のイスとしてはかなり軽量。片手で持てる軽さなのでストレスなく運ぶことが出来ます。オススメの使用シーンは、ずばり自然の中。海なら砂浜に、山なら木々の合間に設置して腰掛けてもらえたら、自然から生まれた資源を使ったプロダクトを使う心地良さを感じていただけると思います」   <フクロウのアイビーさんのトレイ&レッグ ラージ>       […]

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伝統と叡智を活用して 日本型の循環型社会を世界へ発信

初めてフィアットと走り出すオーナーの物語を描くプロジェクト「#MY FIRST FIAT」。 今回のオーナーは、一般社団法人 日本サーキュラーバイオエコノミー推進協会(JCBE)が運営する、日本ならではの循環型社会を目指し活動するプロジェクト「MEGURIWA(めぐりわ)」。 SDGsの制定をはじめ、サステナブルな社会へのシフトチェンジが叫ばれている中、いまやるべきこと、そしてこれからの社会のあり方などについて、MEGURIWAの共同代表者のひとりである堀出大介氏に話を伺いました。       MEGURIWAという名に込められたこれからの社会への想い   −MEGURIWAの活動を始められたきっかけを教えてください。   私たちMEGURIWAが活動を始めたのは約3年前になります。そのきっかけとなったのは、東京大学農学部の五十嵐教授にお声がけいただき、循環型社会(サーキュラーバイオエコノミー)を作るための活動や考え方を世界中から集め、今後の社会のあり方を提言していく「世界バイオエコノミーサミット」というイベントに参加したことでした。同イベントに参加し、いまの地球環境や社会の状況に大きな危機感を覚えるとともに、高循環型社会の実現の重要性を強く感じました。     SDGsが制定されたことやサステナブルという言葉が一般的になってきていることもあり、日本においてもそうした機運が高まりつつありますが、実は日本には昔から循環型社会という考え方がありました。そうした日本古来の優れた点をベースに、新たなアイデアを取り入れながら活動されている方や団体をサポートし、マーケットにつなげていく。私たちはMEGURIWAで、そうした活動をしています。 そして、日本に昔からある叡智やこれまでに築いてきたものを活かして、日本型の循環型社会というものを構築し、世界に発信していく。そうしたことを、行っていきたいと思っています。 循環型の社会を目指すとともに、活動の中で生まれる人と人との「縁」であったり「輪」であったり、そうしたものがグルグルと循環していくこと。そして、日本ならではのスタイルを発信していきたいということから「和」というワードを取り入れて、私たちの「MEGURIWA」という名前は生まれました。       MEGURIWAが目指す日本型の循環型社会とは   −どのような方々をサポートしているのでしょうか。   私たちが支援や協力をする業種や分野は、特定していません。日本がこれまで築いてきた伝統や文化、歴史などを活かして、事業や製品を作っている方々を対象にしています。変わろうと思えば、どの分野でも変わっていけると思っているので、そうした気持ちを持たれて動こうとされている方、そして変わろうとする思いをサポートしたいと思っています。 私は、循環型社会やSDGsに関して、こうすればいいという絶対的な答えは、少なくとも現時点ではないと考えています。逆に、ひとつに絞ることに対しても少し疑問を持っています。 その理由は多様性。循環型社会への関与の仕方や手段は、多様であっていいと思っています。なので、私たちは、そういった選択肢やオプションを増やして、多くの方がそれぞれのカタチで製品やサービスを提供できるチャンスに出会えることを大切にしています。     個人・団体を問わず、関わる度合いは様々で、イベントや情報発信を一緒にやらせていただいたり、共同で商品開発をさせていただくこともあります。基本的には、私たちがすべてを提案するのではなく、すでにお持ちの強みや技術、そして熱い思いなどを最大限に活用し、私たちがサポートさせていただく。これまでにやってきたことの中から、これからの循環型社会に貢献できるポイントを引き出していくイメージで活動しています。       循環型社会へ向けて求められる意識改革   −循環型社会を実現する上で、重要なことは何でしょうか。   循環型社会という考え方や活動は、欧州諸国が先行して展開しています。特にフィンランドでは、日本でもメディアで少しずつ紹介されている昆虫食の話が教育プログラムに組み込まれていて、子供の頃からコオロギなどの昆虫をそのままのカタチで食べています。そうしたことを、すでに教育として推し進めていることに大きな衝撃を受けました。 また、雑貨屋で一見同じような製品があって、ひとつは安価で作られたモノ、もうひとつは価格は5倍だけど循環型社会に適したモノがあった場合、フィンランドでは多くの人が価格が高くても地球環境に配慮した製品を購入する。このように地球環境を考えて作られた製品をクールだと感じる、そういった価値観を社会的に作り出すといった活動も、今後日本では重要になってくると思います。     地球上には78億を超える人間がいて、まだまだ増加しています。しかし、地球の資源は限られている。そうした中、これまでに培ってきた日本独自の技術や伝統、文化を活かした循環型社会のスタイルを世界に発信していきたいですね。 そうしたことから、私たちは日本型の事業やサービス、プロダクトといったものが活躍できる場所や仕組みを、もっともっと作っていきたいと思っています。     近年、循環型社会やサステナブルな社会という意識が世界中で高まっていますが、私はいますぐ解決できる問題とは思っていません。大切なのは、中長期目線で考えていくこと。 もともと、この問題のベースは人口爆発であり、それに伴う食料や水、環境、そして温暖化という難しい課題があります。そうしたことからも、中長期で取り組んでいく必要があると考えています。 しかし、数十年先の目標だけでは、なかなか自分ごとにならない。そこで、短期的な目標として、みんなができることから1歩ずつ対応していくべきだと思っています。小さいことからで構わないので、ひとり一人が毎日続けることが重要だと感じています。そうした、いい意味での自己満足の積み重ねが、より良い社会や環境を育んでいくと信じています。       未来へ向けた循環型社会への想い   […]