『500』と暮らすようになってから、以前と何か変わったことはありますか?
サチエさん「まるっきり変わりましたね。まず、クルマのある風景の写真が撮りたくなりました。見るだけだったInstagramに自分でも投稿しはじめて、気づいたらいろいろなところに行くようになっていたんですよ。以前は買い物や送り迎えぐらいで行動範囲も決まっていたし、家族とクルマでお出掛けすることもしばらくなかったし、お休みの日にはクルマで出掛けるっていう感覚もなかったんです。交通手段にこだわりがなかったんですね。でも今は、できるかぎりクルマで行きたいって思うんですよ。楽しいし、写真も撮りたいので。『500』がなかったら行ってなかっただろうな、っていう場所がたくさんありますよ」
出掛けるときは母娘で行くことが多いんですか?
サチエさん「これまではそうでした。娘は春から社会に出て休みの日が週に1日しか合わなくなっちゃったので、いっしょに出掛けるのが、ちょっと難しくなりましたね。去年は娘と比較的自由に遊べる最後の年だったから、隙を見ては誘って出掛けていました。晴れてるから行こう!みたいに(笑)」
エミナさん「去年は免許がなかったので、私は助手席に乗って写真を撮る係でした。母にもこだわりがあって細かい注文をつけてくるので、誘われるたびに、またか……って思ってました(笑)。母も自分で撮っていましたが、私のスマホの方が画質がよかったので、私が撮って、母に送って、母が選んで投稿して、という流れでしたね」
サチエさん「Instagramを通じて、すごく広がりができたんですよ。『500』やフィアットに乗っている人たちから集まりに呼んでいただいたり、一緒に走ったり、クルマのことを教えていただいたり。親しいフィアット友達は、ほとんどがInstagramを通じて知り合った方々なんです。そこでのやりとりがすごく楽しいし、それにフィアットのオーナーやファンの人たちって、皆、優しいんですよね。『500』に乗ってなかったら、そういう素敵な人たちと出逢うこともなかっただろうな、って思います。不思議なクルマですよね」
エミナさんは『500』を借りてドライブすることはないんですか?
エミナさん「母が大切にしているので、ちょっとまだ借りる勇気がなくて(笑)」
サチエさん「私もちょっと貸せる勇気がないです(笑)」
エミナさん「でも友達とレンタカーで旅行に行ったりして運転は勉強していますし、母と一緒のときには運転させてもらっていますよ」
あれ?そのドルチェヴィータのミニチュアカーは?
サチエさん「クルマで行けないところへ旅行するときに持っていって、現地の風景とかと写真を撮ったりしているんです。これ、本当はただの白い『500』だったんですけど、自分で『500 Dolcevita』風にしようとネット通販でストライプ用の罫線テープを買ったら、娘が貼ってくれたんですよ」
エミナさん「がんばりました(笑)。神戸や京都にも一緒に行っていますし、私の卒業記念で一緒に行ったパリにも連れていきました。ルーブル美術館に入るときに探知機に引っ掛かっちゃったんですけど、カバンから出したら警備員さんが『ああ!』って笑いながらこれを走らせて(笑)。ちょっと国際交流できた感じでした」
サチエさん「きっと『500』だったからでしょうね。このクルマは誰にでも愛されちゃうから(笑)」
何だかおふたり、かなり仲がいいのですね。
サチエさん「娘との関係もそうなんですけど、『500』って人と人のつながりを作って、間柄をより深くしてくれるようなところがあるんですよね。大袈裟かもしれないですけど、私にとっては願いを叶えてくれる存在なんだと思います」
エミナさん「『500』がなければ、ほかの『500』乗りの大人の方たちとは出会えなかったと思うんです。とっても面白い方たちで、すごく温かいんですよ。そういう方たちの中に入って、同世代の友達とはまた違ういろいろな話をお聞きして、楽しく勉強させていただいてる感じです。そういう出会いを作ってくれるのも、このクルマのすごいところなのかな?と思っています。本当に幸せなことですよね」
サチエさん「だから、もう1台『500』が欲しいんです」
エミナさん「あっ、母が、ですよ。私は欲しいとはひと言もいってないです(笑)」
サチエさん「私は私で乗りたいからなかなか貸せないけど、娘にももっと自由に乗らせてあげたいと思うんです。というか、カブリオレが欲しいな、と。最初に欲しかった『500 Dolcevita』の“C”が手に入るなら、今の『500 Dolcevita』はエミナに乗らせようかと(笑)」
エミナさん「『500 Dolcevita』もかわいいんですけど、私、赤が好きで、赤のカブリオレってすごくかわいいし、いいなって思うんです。いずれクルマを買うときが来たら、『500』がいいですね。いろんなところに自分で『500』を運転して行けたらいいな、と思っています」
サチエさん「エミナ、白と赤を並べたら、それはそれでかわいいと思わない?」
いつまで『500』に乗り続けますか?とたずねるつもりでしたが、やめました。それは、遠くない将来、母と娘が1台ずつの『500』に乗って一緒に走っている光景が、ありありと想像できたからです。そのときが来たら、またお話をうかがいにお邪魔しますね。
Text:嶋田智之
Photos:濱上英翔
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