普段はどんなふうに『500』に乗っているんですか?
「買い物とかにも乗っていきますけど、基本、通勤がメインです。1日40kmぐらいなんですけど、仕事が終わった後の帰り道に乗り心地がつらいって思ったことも一度もないし、さっきもお伝えしたように法定速度くらいでのんびり走っていて、天気が良ければ窓を開けて鼻歌混じりに流しているので、むしろ気持ちが安らいで1日の疲れが癒されていく感じです。ほかのドライバーの人たちの目が優しくて、このクルマのまわりからギスギスした雰囲気がなくなっていくように感じることもありますね」
まさにデザインの力、ですね。
「そうですね。僕は洗車が趣味で、毎回かならず自分で手洗いしているんですよ。どんなクルマでも洗うのは楽しいけど、『500』は特に楽しいですね。手洗いするときって、いつもとは違う距離感でクルマを眺めるわけじゃないですか。そういうときに、例えばフロントまわりに丸型のライトが下のフォグランプも合わせて4灯あって、そのバランスのよさをあらためて実感したり、ボディのまるっこい面の豊かさに感心してやっぱりいいなって感じたりしています。手で洗っていると、見ているだけでは気づかない面とかラインがわかるんですよね」
「遊びに来るクルマ好きの友達のクルマを洗わせてもらったりすることもあるんですけど、デザインの際立ったクルマは洗っているときの手の運びが楽しくなるんです。それに『500』はちっちゃいからルーフの真ん中まで手が十分届くし、洗う面積が少ないから、洗いやすいです(笑)。ルーフからはじめてボディ全体を洗って、ホイールとタイヤを綺麗にして、内装の掃除機がけと拭き取りと……って納得できるまでやって、だいたい1時間半ぐらいなんですけど、その時間の満足度ってかなり高いですね」
ご家族の評判はいかがですか?
「過去最高です。これまでのクルマの中で、極端に一番いいですよ。嫁さんも気に入っていて、実は……ほぼ取られちゃっている状態なんですから。そうさせる魅力があるところだけはちょっと不満です(笑)」
磨佐枝(まさえ)さん、そうなんですか?
「そうですね。娘たちもママが乗った方が絶対いいよって言うし、お友達にも絶対あなたが乗る方がいいよって言ってくれるので、私が乗ってもいいかなと思いました(笑)。とにかくかわいいので、お友達とかの評判もすごくいいんです。それに小回りも効くし、小さいから駐車もしやすいし。お買い物のときも私が使っている買い物バッグが後ろにちょうどスポッと入って、使いやすいですよ。すごく気に入って、喜んで乗っています」
「僕がイタリア車で通勤したかったのに……って思いつつ、でも嫁さんが『500』を気に入って乗ってくれるんだったら、それならそれでいいなとも思っています。常日頃から嫁さんが乗ってくれて、それで娘たちの通学や塾の送り迎えをやってくれていて。子どもたちは『500』に接する時間が長いことからやっぱり好きになってくれている。それがまた嬉しいんですよね。それまでクルマにほぼ興味を持ってなかった娘たちが、『500』のことはすごく気に入ってくれているんです。特に三人娘のうちの次女が、入り口はルパンだったんですけど『500』を好きになったことからクルマ全体を好きになってくれて、将来は僕の趣味のクルマに乗りたいって言ってくれるようにもなってるし。彼女が今いちばん乗りたいクルマは、古い『500』なんですよ。そういう入り口になってくれたクルマとしても、やっぱり『500』は最高です。そもそもこのクルマがどうしようもなくなる状態になるまで乗ろうって思っているので、長女も次女も三女も数年のうちにこれから順番に免許を取っていくことになるでしょうから、そうしたら子どもたちに譲ろうかなと思っています。免許を取って最初のクルマが『500』ってかっこいいじゃないですか」
猪飼さんご自身が最初に思っていたより、はるかに『500』に想いが入っているように感じます。
「そうなんです。今の『500』に壊れるまで乗ったとしても、それに変わるのはやっぱり『500』しかないんじゃないかな?って感じていますね。なので、これは断言してもいいんですけど、僕はこの先ずっと『500』と名のつくクルマに、何らかのかたちで乗っていこうと思っていますよ」
最後の質問です。猪飼さんにとって、『500』はどういう存在ですか?
「何なんでしょう……?いつの間にか僕の人生になければいけないクルマになっちゃっているんですよね。もう完全にかけがえがないクルマになっています。でも、それは僕だけじゃなくて、嫁さんも娘たちも、猪飼家の全員がそんなふうに感じているんじゃないかな?そういう実感はありますね」
猪飼さんはとっても穏やかな方で、お話をしていても角のようなものを感じたことがありません。おそらくそれは猪飼さんが運営するイベントに参加されてお話をしたことがある人なら、誰もが感じていることなのだとも思います。何だか『500』のキャラクターと重なるな、と感じたインタビューでした。
Text:嶋田智之
Photos:タナカヒデヒロ
【INFORMATION】
アプランドル
住所:名古屋市昭和区隼人町7-13 サンシャインいりなか1A&1B
営業時間:18:00~21:00 L.O
定休日:日曜日
HP:https://www.apprendre-nagoya.com/
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