バイクをメインのフィールドに、モデル・タレント・ライターとしてマルチに活躍されている多聞恵美(たもん・めぐみ)さんが、ご自身初の愛車として選んだのが『500C』。バイク乗りの多聞さんが『500C』を選んだ理由について、自動車ライター・嶋田智之さんがお話を伺いました。
上信越自動車道の碓井軽井沢インターから県道43号を軽井沢駅方面へ5kmほど走ると、左側にカナリアイエローの小さな建物が見えてきます。そこは『SHINICHIRO ARAKAWA 軽井沢 Canarino』という、パリコレデザイナーとしても著名なSHINICHIRO ARAKAWAのバイクウェアショップ。傍らの駐車場には、赤い『500C(チンクエチェントシー)』が停まっています。このお店のカフェカウンターを担当する、多聞恵美さんの愛車です。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、多聞さんはバイクの世界では著名な方。タレントやモデルとしての経歴もさることながら、バイク好きが高じてバイク系メディアで連載を持ったり試乗記を書いたりとライターとしても活動され、ツーリングと食をからめた著作も3冊あります。さらには、バイク関連イベントのMCやテレビ/ラジオ番組でのパーソナリティも。モデル+ライター+ライダーで“モデライダーの多聞恵美”。その名前はバイク業界全体に行き届いているといっていいでしょう。
▲多聞恵美さん
ここしばらくは、ふたりめのお子さんの出産のためにすべての仕事をお休みしていましたが、復帰した途端に連載は再開、MCの仕事も入りはじめ、バイク乗りのお客さんたちが待つカフェにも戻り……と、いきなり多忙になってきた様子。お訪ねしたのはちょうどそんなタイミングでした。
『500C』は多聞さんにとっての最初の愛車ということですけれど、ずっとバイクにお乗りだったんですか?
「10代からずっと、でした。バイクでこと足りていたので、クルマに興味が向かなかったんです。すべてが自分の手の届く範囲にある感覚が好きで、それに馴染んでいたから、クルマの大きさだと四隅に責任が持てないって感じてもいましたし。免許は20歳の頃に取りましたけど、それもモデルの仕事で教習所のプロモーションビデオの仕事をさせていただいて、ご縁だからそこで免許を取ろうっていう感じでした。クルマに乗りたいっていう想いはなかったですね」
クルマにはまったく乗っていなかったんですか?
「母が軽自動車に乗っていたので、必要なときに借りることはありました。でも、そうじゃないときは、ずっとバイクでした。バイクは何台か乗り継いで、20代前半の頃からバイクの仕事をいただくようにもなって、排気量の大きめなイタリア車も2台乗りましたよ」
なのにクルマに、それも初めてのクルマとして『500C』に乗るようになったのはなぜですか?
▲『500C』
「31歳のときに最初の子どもを授かったのがきっかけでした。家には主人のクルマがあって、それが私にはちょっと大きかったんです。それに私、免許はマニュアルで取ったんですけど、ほとんど運転してこなかったので……。主人はいろんな含みを持った言葉で、心配だからって乗らせてくれなかったんですね(笑)。仕方がないから教習所でマニュアル講習を受けて、次に主人を乗せてテストしたんですけれど、坂道発進ができなくて“やっぱりダメ”っていわれて(笑)。実は主人がかなりのイタリア車好きで、そのクルマもイタリア車で、大のお気に入りだったからでしょうね(笑)」
なるほど、ご主人の影響を受けての選択だったんですね。
「ぜんぜん違います(笑)。結果的には増車になったんですけれど、私が運転できる小さいクルマに買い換えようってことになって。最初、『500C』は候補じゃなかったんです。もちろんフィアットは前から知っていたし、仕事で知り合った4輪のプロの方たちからお話を聞いたりもして、小さくてかわいくていいなと感じてはいたんですよ。でも、かわいいって思うのと買おうって考えるのはぜんぜん違うじゃないですか。もともとクルマに趣味性みたいなものはまったく求めてなくて、子どもが大きくなってファミリーカーとして使うのならスライドドアは便利だし、そんないい選択肢はないでしょ、なんて考えていたくらいですから」
▲Canarinoで食べることができるホットドッグ。
なのに、なぜ『500C』に?
「実は私、車種がどうっていうより、せっかくならサンルーフで構わないから屋根が開くクルマがいいな、って思っていたんですよ。バイクの仕事でお世話になった方のクルマに乗せていただいたとき、当たり前のようにサンルーフを開けてくださって、こういうのっていいな、って感じたことがあったんです。それを主人に伝えたらいくつも候補を上げてくれて、それこそ軽自動車から輸入車まで、いろいろ見に行ったり試乗しに行ったりしたんですね。そしたらファミリーカーとして最良に思えたクルマたちって、とっても便利なんですけれど、おもしろくなかったんですよ。最後に見に行ったのが『500』で、これはないだろうなと思いながら運転席に座ったら、その瞬間、ああ、これだ!って思ったんです(笑)」
「なにがどうって説明しにくいし、直感といえば直感なんですけれど、いろんなものがしっくりきたんです。それで、3ドアだけど何とかなるだろう、って(笑)。そのときに試乗したのはハッチバックだったんですけれど、“屋根が開くクルマがいいんでしょ?”っていうことで、1.2の『500C』がうちに来ることになりました」
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