2021年4月には、着物のアップサイクルをテーマに掲げたメンズライン『cravatta by renacnatta』をスタート。cravatta by renacnattaの看板商品であるネクタイには、一般的なネクタイの2倍の分量の布地を要し、高い技術を有する熟練された職人のみが作ることの出来るハンドメイドの手縫い技法セッテピエゲを採用。デザインには、着物の柄や質感の面白さを知ってもらいたいという想いが込められています。
renacnattaとcravatta by renacnatta、両ブランドに共通する魅力。それは、日本とイタリアの文化をつなぐとともに、今では作られなくなった工芸品に新しい価値を吹き込み、伝統を今に広く伝えること。その姿勢は、培われた技を継承する企業や工芸産地の活性化にも繋がっています。
「私たちが使用しているものは、主に着物が日常の普段着として使われていた時代のもの。その時代のものはバリエーションがすごく豊かで面白く、生地も上質なのですが、同時に数年後にはなくなってしまう可能性もあるもの。ですので、そういうものの良さを少しでもアピール出来るアイテムにしたいという視点は大切にしています」
デッドストック生地の活用や着物のアップサイクルといったブランドの特性が認知されるにつれ、サステナブルやSDGsの側面からも注目を集めているrenacnattaとcravatta by renacnatta。大河内さん自身、本当の意味での“モノの価値”を考えるうえでは欠かすことの出来ない視点だと自身の見解をこう語ります。
「どんなものであっても捨てずに長く使うことが大切だと思っています。では、捨てられないモノとはどういうものかと考えると、やはり丁寧に作られたものだと思うんです。私自身、長く使って欲しいという想いでものづくりをしていますし、そこはサステナブルの定義と共通する点だと思います」
「また、SDGsの観点からお話しすると、着物離れによる衰退に加えてコロナ禍で着物業界の生産がぐっと下がってしまった時期に、うちからの発注で助けられたという声をいただいて、そのときは“やっていて良かったな”と感じました。今後もいろんな産業の方たちや職人さんと取り組みをして、商品を充実させていきたいという気持ちですし、作ったものを手に取ってもらえないと意味がないことでもありますので、国内外でブランド自体の認知度をさらに上げて、たくさんの人にrenacnattaとcravatta by renacnattaのアイテムを届けるとともに工芸の産地にも活気をもたらすことが出来るようなブランドになっていきたいと思っています」
今後も精力的にコレクションを展開していくというrenacnattaとcravatta by renacnatta。日本とイタリア、それぞれの伝統や文化に敬意を示しながら、求められる場所で着実にブランドを展開していきたいと、近い将来の展望について語ってくれました。使わ“れなくなった”ものが、誰かにとって捨て“られなくなる”ものになりますように――。そんな思いが伝わってくる同ブランドのクリエイションに、ぜひ触れてみてはいかがでしょうか?
【Information】
cravatta by renacnatta ポップアップ
開催期間:3月23日(水)~4月5日(火)
開催場所:伊勢丹新宿店 メンズ館5階 シャツ・ネクタイ・セーター・シーズン雑貨
※3月26日(土)、27(日)、4月2日(土)、3日(日)は代表の大河内氏が来店し接客致します。
Text by野中ミサキ(NaNo.works)
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