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#500F

LIFESTYLE

イタリア人を笑顔にする車、チンクエチェント・ヴィンテージ|FIATオーナー紹介

生まれも育ちもフィレンツェというClaudia Callai(クラウディア・カッライ)さんの愛車は、白の500F(チンクエチェント)ヴィンテージ2台。 「チンクエチェント・ヴィンテージは時代を超えてエレガント。イタリア人ならみんな大好きな車で、この車を見るとみんなが笑顔になるんです。誰もがこの車にまつわる思い出があり、私の母は”あなたがお腹の中にいた時に乗っていたのよ”と話してくれます。500Fはイタリアのクオーレ=心なんです。昔からずっと欲しいと思っていた車でした。」 クラウディアさんは観光名所ポンテベッキオ(ベッキオ橋)上のジュエリーショップ「Callai(カッライ)」を家族で営んでいます。このお店はクラウディアさんの父フランチェスコさんが兄と1967年に始めました。現在81歳のフランチェスコさんと85歳の兄はともに今も一緒にお店で働いており、クラウディアさんはショップ経営からジュエリーデザインまで全てを彼らから学びました。 「もともと獣医になりたかったのですが、20歳の時に父に連れられたヴィチェンツァの宝石展示会ですっかりジュエリーの世界に魅せられて。ジュエリーはピュアなファンタジーだと感じたのです。原石を選び、そこからインスピレーションを得てイマジネーションを働かせ、原石の良さを最大限生かせるデザインを考えるのはとても楽しいことです。」 オバマ前アメリカ大統領はフィレンツェ紋章のピンバッジを 「ポンテベッキオには世界中から観光客が来るので、”このジュエリーはロシアをイメージしたデザインにしてみよう”などと各国の好みを想像しながらデザインすることもありますよ。」とクラウディアさん。2017年にはオバマ前アメリカ大統領がフィレンツェをバカンスで訪れた際にクラウディアさんのお店に立ち寄り、フィレンツェ紋章のゴールドのピンバッジを購入したそうです。 「世界中からお客さんが来るので、彼らの母国へ行ってみたくなります。だから一年に二回はバカンスで海外へ行きますよ。特にお気に入りの地域はアジア。体力のある今のうちにもっぱら遠方を旅行しています。また、仕事で年に一度はバンコクの展示会へ宝石の買い付けにも出かけています。」 「2014年に北海道と東京を旅行しました。北海道は趣味のスノーボード目的でしたが、世界一の雪と言われていることがうなずけるほど素晴らしかったですし、札幌雪まつりも満喫しました。東京では大雪になり空港が閉鎖されましたが、毛布を配ってもらえ快適に過ごせました。日本人はみんな本当に親切にしてくれて、すっかりお気に入りの国です。」 人生の相棒500Fを手放す日、元オーナーの目には涙が クラウディアさんが念願の一台目の500Fヴィンテージを所有するようになったのは6年前。イタリアの聖人暦の「Santa Rita=聖リタの日」に購入したので、車にはRita(リタ)と名付けました。リタはフィレンツェ在住のレナートさんというお年寄りが大切にしていた車でした。 [Twitterアンケート♪]あなたは愛車のFIATに愛称をつけていますか?是非投票をおねがいします。http://bit.ly/2KaXQfM 「レナートさんは高齢のために運転ができなくなっていました。彼にとって500Fは1966年からずっと一緒だった車。内装にも一切手を加えずオリジナルのまま大事にメンテナンスが行われていたため、状態もとても良かったです。思い出いっぱいの愛車を知らない他人には売りたくないと言い、譲る条件は”直接会って話してから”としていました。そこで私はレナートさん会いに行き、試乗させてもらったのです。」 クラウディアさんなら車を大切に扱ってくれると思ったレナートさんは彼女に販売することに。その時、クラウディアさんに「①内装を変更しないこと②誰かに販売する時は自分に連絡すること」を宣誓する誓約書を書いてもらったそうです。そして実際に車を手放す日、レナートさんは悲しみのあまり涙を流しました。そんなレナートさんを見てクラウディアさんは「またこの車に乗りたくなったらいつでも電話してください。私が代わりに運転しますから。」と伝えたそうです。 レナートさんとの約束を守るべく、クラウディアさんは一切手を加えずオリジナルのままを保っています。そしてメンテナンスに必要なアンティークの部品を手に入れるため、イモラという街で開かれるアンティークの車の部品を扱うマーケットにも毎年出かけています。 遠出も可能にするスポーティーな2台目は父からの贈り物 2台目の500Fは1970年製で、3年前に父のフランチェスコさんからのプレゼントです。車のモデル名Giannini(ジャンニーニ)にちなんで、Gianni(ジャンニ)と名付けられました。 [Twitterアンケート♪]あなたは愛車のFIATに愛称をつけていますか?是非投票をおねがいします。http://bit.ly/2KaXQfM 「よく遠出する娘にはパワフルなエンジンのついたチンクエチェントが必要だと思ってプレゼントしたんだ。」と父のフランチェスコさん。 ジャンニは最大時速130キロまで出せるエンジンを搭載しているので、ヨーロッパの高速道路を走ることが可能です。 「ジャンニを運転してフランスのサントロペまで2回行きましたが、高速道路を走っていると周りはびっくりして見てきますね。500Fヴィンテージにはシートベルトやエアバックが装備されていないので、私は90キロくらいで走るようにしていますが、イタリアの高速道路の制限速度は130キロ。普通は90キロ程度で運転しているとトラック運転手たちからクラクションを鳴らされますが、ジャンニはあおられたことも一度もありません。それどころか、まるでお年寄りがゆっくり歩いているのを優しく見守るような感じで接してもらえ、挨拶してくれる運転手までいるんですよ。」 私にとって500Fは”セラピー”のような存在 リタは普段使い、ジャンニは週末や遠出用と2台を使い分けているクラウディアさん。 「500ヴィンテージは私にとって”セラピー”みたいなもの。運転席に座ると別次元にいる感覚になりとってもリラックスできるのです。フィレンツェは渋滞もしょっちゅうですが、500Fの座席では不思議とイライラしないんですよ。だから、いつもみんなにこの車を勧めています。なにしろ、とってもかわいいですからね。」 [Twitterアンケート♪]クラウディアさんのように愛車に愛称をつけると、愛着がわいて大切に扱うようになり長持ちすると言われています。あなたは愛車のFIATに愛称をつけていますか?是非投票をお願いしますhttp://bit.ly/2KaXQfM 【撮影協力】 カッライ宝石店(Gioielleria Callai)住所  Ponte Vecchio, 17, 50125 Firenze Italia営業時間 10:00-19:30日曜日定休 www.callaipontevecchio.it/ text・photo:小林真子 […]

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半世紀たっても色あせない500Fの魅力|FIATオーナー紹介

山中湖の湖畔からほど近くを駆け巡るのは、愛らしいルックスと楽しげなエンジン音を備えた1969年式の旧い車。木々が色づきはじめた秋の山道を彩るまっ赤な500F(チンクエチェント)です。 500F は1957年のNUOVA 500発売時より大幅にバージョンアップして1965年に誕生し、日本ではルパン三世の愛車として活躍する姿でも知られるモデルです。誕生から半世紀、50年以上を経た今も新鮮な魅力を放ちつづけています。   この500Fのオーナーは渡邉優さん。ちなみに本職はプロの尺八奏者です。和楽器の音楽レーベルも手がけ、古典作品の演奏だけでなく現代の幅広い楽曲も演奏するなど、尺八の新たな可能性を広げながら活動されています。車のミーティングイベントによく参加されるそうですが、その際には和装で500Fと並び立ち、尺八で『ルパン三世のテーマ』を演奏することも! 今回取材に伺った山中湖のご自宅の奥には、天井高8メートルを誇るこだわりの録音スタジオ「ミュージックイン山中湖」も併設。近隣で車のミーティングが開催されるときは仲間たちが集って宿泊することもあるそうです。     ベスパに通じるフィアットの魅力 もともとはクルマよりもバイク好きだったという渡邉さん。過去には多くのヴィンテージバイクを乗り継ぎ、トライアル競技にも参加し、バイクに関する著書も3冊手がけるほどにのめり込んでいたといいます。中でもイタリアのスクーター「ベスパ」には夢中になり、サイドカー付きなどさまざまなタイプに乗ってきたそう。 そんな渡邉さんにとって500Fの魅力は、かつて偏愛してきた「ベスパっぽい」ところ。「エンジンが動いていることが伝わってくるんです。映画『紅の豚』の複葉機を彷彿させるような……そしてどこかベスパと似た感覚もありますね」と渡邉さん。   500Fとの出会いは5年前にさかのぼります。「バイク仲間だった修理屋さんで修理中の500Fを見かけていたんです。ある日たまたま売りたいという話を聞いて即決した」とのこと。「500Fの前はウーズレイホーネットMK-Ⅲなどずっと英国車に乗っていて、同好のミーティングイベントにも参加していたので、急にフィアットに乗り換えて裏切り者みたいな」と苦笑い。 「英国車とイタリア車はミーティングイベントの雰囲気も車の乗り心地もまったく違います。イタリア車に乗っていると英国車は正統派でもう普通というか。500Fはベスパと同じで乗り手を選ぶ独特のクセがあり、そこがおもしろいですね」   半世紀前の車だけに、乗りはじめてからの5年間で故障などのトラブルも数知れずですが「趣味だからいいんですよ」と渡邉さんは笑い飛ばします。 「よく止まるので保険屋さんには申し訳ないです。現行の500だとこんな心配もないんでしょうが……」と殊勝な言葉をつなぎながらも、「いろんな車に乗ってきましたが、いまのところこのまま乗り続けるつもりです」とやっぱり500Fに執心の様子。 「イタリアではいまもどんな部品でも作られているから、直しながら乗るって感じかな」というエピソードからは、イタリアで500が時代を超えて愛されている様子も伺えます。     500Fは内装も走りも魅力的 500Fの内装でまず目を引くのが、鮮やかなインパネとシングルの丸型メーター。とにかくかわいくて、運転が楽しくなるデザインのエッセンスは、現代の500にもしっかりと引き継がれています。クーラーはついていませんが、暑い日にはサイドミラー脇の三角窓を開けると幾分涼しいそうです。 シートに腰掛けてみると、想像以上に身体と車の一体感を感じます。「コンパクトだけど窮屈じゃないでしょ。椅子にはリクライニングもないけれど、座った感覚がしっくりくる。欧州車は腰掛ける部分が深くて、総じて座り心地がいいんですよね」と渡邉さん。   気になる燃費については「いいですよ」と即答。「リッター18kmぐらいは走ります。軽いですからね。ボアアップしているので、坂道も元気に走ります。ボアアップしてなければたぶん20kmはいくと思いますよ」と現代の車にも劣らない燃費の良さにも驚きです。     こんなにコンパクトな500Fで車中泊!? 500Fにタープを張って、自家焙煎したコーヒーを楽しむ渡邉さん。普段はちょっとした買い物などで活躍しているという500Fですが、実は何日かかけて遠出できるように手が加えられています。なんと車の中で足を伸ばして寝ることもできるんです。 「僕の500Fの一番の特徴はこの車中泊仕様ですね。昔は妻も一緒に乗ることもあったんですが、いまじゃそんなこともないので(笑)。助手席はいらないなということで、そこで寝られるようにカスタムしました」   寝ながら動画を見られるように、スマホスタンドまで装備と至れり尽くせりな快適仕様。特製ベッドは助手席を取り外して踏み台を置いて、その上に板を敷いただけなので、現状復帰も簡単です。板の下や運転席の後部など収納も意外とたっぷりで、バッテリーやコンバーターも搭載し、電気毛布を使ったりご飯を炊いたりできるそう。 「ミーティングの帰りってたいてい眠くなるので、パーキングでちょっと寝たことはありますがまだ遠出はできていません。春になったら何泊かしたいと思っています」 いよいよ冬本番を迎える山中湖。500Fと旅する雪解けが待ち遠しい師走です。 […]