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イタリア人を笑顔にする車、チンクエチェント・ヴィンテージ|FIATオーナー紹介

生まれも育ちもフィレンツェというClaudia Callai(クラウディア・カッライ)さんの愛車は、白の500F(チンクエチェント)ヴィンテージ2台。 「チンクエチェント・ヴィンテージは時代を超えてエレガント。イタリア人ならみんな大好きな車で、この車を見るとみんなが笑顔になるんです。誰もがこの車にまつわる思い出があり、私の母は”あなたがお腹の中にいた時に乗っていたのよ”と話してくれます。500Fはイタリアのクオーレ=心なんです。昔からずっと欲しいと思っていた車でした。」 クラウディアさんは観光名所ポンテベッキオ(ベッキオ橋)上のジュエリーショップ「Callai(カッライ)」を家族で営んでいます。このお店はクラウディアさんの父フランチェスコさんが兄と1967年に始めました。現在81歳のフランチェスコさんと85歳の兄はともに今も一緒にお店で働いており、クラウディアさんはショップ経営からジュエリーデザインまで全てを彼らから学びました。 「もともと獣医になりたかったのですが、20歳の時に父に連れられたヴィチェンツァの宝石展示会ですっかりジュエリーの世界に魅せられて。ジュエリーはピュアなファンタジーだと感じたのです。原石を選び、そこからインスピレーションを得てイマジネーションを働かせ、原石の良さを最大限生かせるデザインを考えるのはとても楽しいことです。」 オバマ前アメリカ大統領はフィレンツェ紋章のピンバッジを 「ポンテベッキオには世界中から観光客が来るので、”このジュエリーはロシアをイメージしたデザインにしてみよう”などと各国の好みを想像しながらデザインすることもありますよ。」とクラウディアさん。2017年にはオバマ前アメリカ大統領がフィレンツェをバカンスで訪れた際にクラウディアさんのお店に立ち寄り、フィレンツェ紋章のゴールドのピンバッジを購入したそうです。 「世界中からお客さんが来るので、彼らの母国へ行ってみたくなります。だから一年に二回はバカンスで海外へ行きますよ。特にお気に入りの地域はアジア。体力のある今のうちにもっぱら遠方を旅行しています。また、仕事で年に一度はバンコクの展示会へ宝石の買い付けにも出かけています。」 「2014年に北海道と東京を旅行しました。北海道は趣味のスノーボード目的でしたが、世界一の雪と言われていることがうなずけるほど素晴らしかったですし、札幌雪まつりも満喫しました。東京では大雪になり空港が閉鎖されましたが、毛布を配ってもらえ快適に過ごせました。日本人はみんな本当に親切にしてくれて、すっかりお気に入りの国です。」 人生の相棒500Fを手放す日、元オーナーの目には涙が クラウディアさんが念願の一台目の500Fヴィンテージを所有するようになったのは6年前。イタリアの聖人暦の「Santa Rita=聖リタの日」に購入したので、車にはRita(リタ)と名付けました。リタはフィレンツェ在住のレナートさんというお年寄りが大切にしていた車でした。 [Twitterアンケート♪]あなたは愛車のFIATに愛称をつけていますか?是非投票をおねがいします。http://bit.ly/2KaXQfM 「レナートさんは高齢のために運転ができなくなっていました。彼にとって500Fは1966年からずっと一緒だった車。内装にも一切手を加えずオリジナルのまま大事にメンテナンスが行われていたため、状態もとても良かったです。思い出いっぱいの愛車を知らない他人には売りたくないと言い、譲る条件は”直接会って話してから”としていました。そこで私はレナートさん会いに行き、試乗させてもらったのです。」 クラウディアさんなら車を大切に扱ってくれると思ったレナートさんは彼女に販売することに。その時、クラウディアさんに「①内装を変更しないこと②誰かに販売する時は自分に連絡すること」を宣誓する誓約書を書いてもらったそうです。そして実際に車を手放す日、レナートさんは悲しみのあまり涙を流しました。そんなレナートさんを見てクラウディアさんは「またこの車に乗りたくなったらいつでも電話してください。私が代わりに運転しますから。」と伝えたそうです。 レナートさんとの約束を守るべく、クラウディアさんは一切手を加えずオリジナルのままを保っています。そしてメンテナンスに必要なアンティークの部品を手に入れるため、イモラという街で開かれるアンティークの車の部品を扱うマーケットにも毎年出かけています。 遠出も可能にするスポーティーな2台目は父からの贈り物 2台目の500Fは1970年製で、3年前に父のフランチェスコさんからのプレゼントです。車のモデル名Giannini(ジャンニーニ)にちなんで、Gianni(ジャンニ)と名付けられました。 [Twitterアンケート♪]あなたは愛車のFIATに愛称をつけていますか?是非投票をおねがいします。http://bit.ly/2KaXQfM 「よく遠出する娘にはパワフルなエンジンのついたチンクエチェントが必要だと思ってプレゼントしたんだ。」と父のフランチェスコさん。 ジャンニは最大時速130キロまで出せるエンジンを搭載しているので、ヨーロッパの高速道路を走ることが可能です。 「ジャンニを運転してフランスのサントロペまで2回行きましたが、高速道路を走っていると周りはびっくりして見てきますね。500Fヴィンテージにはシートベルトやエアバックが装備されていないので、私は90キロくらいで走るようにしていますが、イタリアの高速道路の制限速度は130キロ。普通は90キロ程度で運転しているとトラック運転手たちからクラクションを鳴らされますが、ジャンニはあおられたことも一度もありません。それどころか、まるでお年寄りがゆっくり歩いているのを優しく見守るような感じで接してもらえ、挨拶してくれる運転手までいるんですよ。」 私にとって500Fは”セラピー”のような存在 リタは普段使い、ジャンニは週末や遠出用と2台を使い分けているクラウディアさん。 「500ヴィンテージは私にとって”セラピー”みたいなもの。運転席に座ると別次元にいる感覚になりとってもリラックスできるのです。フィレンツェは渋滞もしょっちゅうですが、500Fの座席では不思議とイライラしないんですよ。だから、いつもみんなにこの車を勧めています。なにしろ、とってもかわいいですからね。」 [Twitterアンケート♪]クラウディアさんのように愛車に愛称をつけると、愛着がわいて大切に扱うようになり長持ちすると言われています。あなたは愛車のFIATに愛称をつけていますか?是非投票をお願いしますhttp://bit.ly/2KaXQfM 【撮影協力】 カッライ宝石店(Gioielleria Callai)住所  Ponte Vecchio, 17, 50125 Firenze Italia営業時間 10:00-19:30日曜日定休 www.callaipontevecchio.it/ text・photo:小林真子 […]

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「若手料理人 世界一」を目指す日本地区代表が決定! 〜『サンペレグリノ ヤングシェフ 2018』日本地区大会

文=山根かおり 写真=SHIge KIDOUE   30歳以下、ノンジャンルで行われるユニークな料理コンクール 自分の持てるパッションを全力で傾け、夢を追いかける若者たち。『サンペレグリノ ヤングシェフ』は、そんな情熱あふれるヤングシェフが集うコンペティションです。数あるコンクールのなかでも30歳以下の若き料理人の可能性に焦点を当てているのが特徴。そして、フランス料理でも和食でもジャンルを問わずに挑戦できるのも面白いところです。     実際サンペレグリノはどんな料理にも合わせやすいファインダイニングウォーターとして愛されていますし、レストランや料理人とのつながりも深いので、サンペレグリノらしい料理コンペティションといえるでしょう。     コンペティションでは、まず自らの実力を凝縮させたシグネチャーディッシュを書類で応募し、それをパルマにある国際的な料理学校「ALMA」が審査。ここで21の国・地区それぞれの代表10名ずつが厳選され、ミラノの決勝に進める代表1名をその地区内で選出します。     名だたる顔ぶれの審査員が出場者10人の料理を丁寧に審査 日本地区大会は、10月12日に開催されました。出場者10名は、すでに自分の店を持っていたり、有名店でスーシェフを務めていたりする実力派ぞろいですが、やはりコンペティションということで緊張感が漂います。     開会式では、審査員から「参加者のみなさんと食に対するパッションを共有できて嬉しい。1人を選ぶのは難しいですが、私たちもベストを尽くします」(アンゲラー氏)。「この緊張感を、世界に羽ばたき次のステージへと向かうステップにして」(高澤氏)。「自分ができることを精一杯出し切れば、それは必ず何かにつながります。頑張って!」(長谷川氏)と、激励のメッセージが寄せられました。     調理時間は自己申告制で、中には5時間にわたって仕込む出場者も。調理中も審査員シェフは各テーブルをまわり、時に話しかけたり質問を向けたり。取材のカメラも入りますが、集中力は途切れません。     駐日イタリア大使館に場所を移し、いよいよ日本代表の発表! 熱戦を制した1名の発表は、駐日イタリア大使館に場所を移して行われました。     発表後には華やかなアフターパーティが控えていることもあって会場はにぎやかな雰囲気に包まれましたが、朝から調理とプレゼンテーションを終え、力を出し尽くした出場者10名は緊張の面持ちで発表を待ちます。     審査員を代表し、ルカ・ファンティン氏が発表。 読み上げられたその名前はYasuhiro Fujio、大阪「ラシーム」でスーシェフを務める藤尾康浩さんでした!     メンターシェフとして藤尾さんとともに「世界一」を目指すルカ・ファンティン氏は「地区大会優勝は私たちの第一ステップ。ミラノでは他20地区の代表者と競うことになりますが、ライバルはたった20人です。プレッシャーを感じなくても大丈夫。これから一緒に頑張っていきましょう」と新たな愛弟子を祝福しました。     料理のタイトルは「Across the Sea」。日本特有の食材である鮎を用い、鮎になじみのない海外の人でも受け入れやすい創造性豊かな一皿です。     審査員の高澤氏が「10人のすばらしいクリエーションの中でも、藤尾さんのプレゼン能力はとくに優れていました。コンペティションなのにレストランで出すのと同じクオリティのシズル感、温度感を表現できていた点も評価が高い」と太鼓判のコメント。料理のコンセプトから素材選び、調理法、プレゼンテーションまで、緊張感とプレッシャーの中で高いクオリティを出し切れたことが評価につながりました。     出場者のシグネチャーディッシュ、そのすべてを一挙公開! 発表の際、ファンティン氏から「過去のイベントの中でもレベルが高かった」と総評があった本大会。「オリジナリティとクリエイティビティに富み、旬の食材をふんだんに使って、フレーバーのバランスも抜群でした」(アンゲラー氏)、「ひとりずつに個性があってしっかり前を向いていて、非常にすばらしかった!」(長谷川氏)という声もありました。 さて、代表に選ばれた一皿だけでなく、未来の「食」を担う若手料理人へのエールを込めて、出場者すべての力作をご紹介しましょう(敬称略)。           […]

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おいしいイタリア〜シンプルな漁師めし「アクアパッツァ」

巷では◎◎めしなるものがもてはやされている。 いろんなアイディアが詰まっていて手軽で美味しく味わえ、しかもコスパ抜群。そんな簡単レシピが大人気である。 アクアパッツァという料理をご存知だろうか? いうなれば南部イタリアの漁師めしなのだが、これまたシンプルなことこの上なく、さりとて日本で大人気なイタリアン、ペペロンチーノやピッツァ・マルゲリータ同様、実に奥の深い料理なのである。 日髙良実(ひだかよしみ)、日本を代表するイタリア料理のシェフのひとり。喫茶店で供されるナポリタンやミートソース、そして冷凍のピザくらいしか一般的には認知されてなかった時代、イタリアの名店で修行を重ね、本格的なイタリア料理を日本に広めたことで知られている。 今よりもずっと本格イタリアンが少なかった時代、彼の海外武者修行もフランス料理からスタートしている。しかし、当時のフランス料理は敷居が高く、そこに疑問を抱いていた彼はもっと身近に楽しんでもらえるイタリア料理を選んだ。     その男、南へ 日髙青年は、やがて単身イタリアへ渡り数々の名店で修行を重ねる。 イタリアは広い、そこで郷土料理も学ぶべきだという先輩シェフの言葉に、彼は南イタリアのナポリへ足を向けた。 そして、後の彼の店名でもある「アクアパッツァ」に出会うことになるのだ。 「塩とオリーブオイル、柑橘類くらいしか使わないのに奥が深い。衝撃でした。シンプル、そのひと言ですね。イタリアンの凄味を感じました」     極めればミニマルに 「毎日食べても飽きないんです。いやシンプルだからこそ飽きないのかな? これぞイタリア的な一皿だと思いました。」 アクアパッツァは、格式あるレストランでも食べられるが、同時に庶民的でもあるこの“漁師めし”は、オステリアやトラットリア、果てはターヴォラカルダといった場末でも楽しむことができるので、修行の合間に評判の名店を食べ歩いたという。 「最初は仕事に夢中でしたが、慣れてくるといつのまにかどんどんイタリアが好きになっていました。特にイタリア人の人がらでしょうね、朗らかで屈託がない。街の美しい景色は、この人たちあってのものなんだと実感しました。     修行する店のスタッフの実家へ遊びに行ったり、街を散歩するようになると、ますますイタリアの魅力に引き込まれていく。」 「ナポリって港町ですからね。新鮮な魚介類の料理を大勢で楽しんでいる。暖かい日差しが降り注ぐ街並、石畳の上にはちっちゃなフィアットたちがギュウギュウに停められている。あれは心象風景ですね、僕にとってのイタリアの。」 そう語る日髙氏がアクアパッツァを作ってくれるという。           長く愛される理由 ホールスタッフに取り分けてもらった一皿を前にすると香しさに包まれる。柔らかな白身を口にふくむ…。素材を活かすのがイタリア料理などという月並みな言葉が頭の中から吹っ飛んでしまった。気がつけばスープまで飲み干していた。一皿のカタルシス。日髙氏の言う衝撃とはこのようなものだったのだろうか? 庶民派という点ではFIAT 500もその代表格。しかも、ギュウギュウに路上に溢れていたチンクエチェントは日高氏と同い年の1957年生まれ。 「ますます親近感を覚えますね。使い込まれたチンクエチェントが元気に走り回る光景は私にとってイタリアそのものです。いまは忙しくて運転する機会と言えば横須賀のアクアマーレに行くくらいなのですが、いつかこういう車に乗って港町を巡る旅をしてみたいものです。」 笑顔で答える彼と、いつのまにかミケランジェロやダヴィンチといったイタリアの文化や芸術にも話が及ぶ。 「どちらもイタリアの人が作ったものだからなんでしょうね、アクアパッツァ的なものを、チンクエチェントに乗った時にも感じましたよ。イタリアの気質みたいなものでしょうか。しっかりと歴史が磨いていく感じなのかな…。 誰からも愛され、歴史が磨き続け、愛され続けるという点で、一皿のアクアパッツァとチンクエチェントには同じイタリアの精神が脈々と宿っていると改めて認識させられた。     リストランテアクアパッツァ 東京都渋谷区広尾5-17-10 EASTWEST B1F 03-5447-5501 2018年春より移転予定 […]

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おいしいイタリア〜自宅で手軽にナポリ式カッフェ「クックマ」

大好評・バリスタ中川直也さんとのバール連載、4回目は自宅で飲める本格派カッフェを伝授していただきます。ドリップコーヒーとはまた違う濃厚な味わいのカッフェ・ナポレターノ。簡単なのにとてもおいしくできるので、思わずほしくなっちゃいます!       バールをこよなく愛し、なじみの店に何度も足を運ぶのがイタリア人の日常ですが、もちろん自宅でもカッフェを楽しみます。各家庭に直火式のマキネッタが必ずあり、しかも「家族2〜3人用」「家族で大量に飲む大人数用」「来客用」など大きさ違いで数個あるのが普通だといいますから、コーヒーがいかに暮らしに溶け込んでいるかがよくわかります。 マキネッタは以前こちらの記事でもご紹介しましたが、今回登場するのは、イタリアの中でもとくにコーヒーに強いこだわりを持つナポリ人が愛用する昔ながらの器具、クックマです。     「イタリア全土で近代的なモカ・マキネッタが使われているのに対し、ナポリ人だけは昔ながらのクックマを愛用しています。一日にバールや家で7〜8杯のコーヒーを飲むナポリ人ですが、その半分以上は自宅で飲むわけですから、クックマの使い方やレシピにもかなりのこだわりがあります。親から伝わる一子相伝的なものでもあるので、誰もが“うちのコーヒーが一番!”と思っていますね」と中川さん。     ナポリ人も納得のクックマは今から約170年前、19世紀前半に発明されたといいます。「サイフォンと同時期に誕生した器具です。20世紀になりイタリアでエスプレッソが発明されるまでの数十年で、フィルターコーヒーよりもより抽出効率が高い方法が発明されてきましたが、ナポリ人は古き良きものを大切にしますから、そういった面でもクックマを愛し、その器具を今でも使っている自分たちに誇りを持っているのだと思います。ナポリの文化を守り続けているんだ、という自負を感じます」 ではさっそく、クックマを使ってナポリ式カッフェを淹れてみましょう。     まずは内側の容器(穴あきのもの)に粉を入れます。今回は3杯用のクックマなので規定量は15〜17g。「18gぐらい使うとシロップのようなとろみ感が出て、ナポリ人が家庭で味わうようなカッフェ・ナポレターノになります。15gだといわゆるレギュラーコーヒーより少し濃い目かな、という感じ。お好みですが、まずはナポリ風を味わってみて」     容器の脇を軽く10回ほど叩いて、粉を均一にならします。指でぎゅっと押し込むと抽出しづらくなり、濃く出すぎたり苦味ばかりが強調されたりするので、軽くならす程度でOK。「もしご自身で豆を挽く場合は、グラインダーの粗さ表示を細かい設定にしてください。確実なのはイタリアの粉パックを使うこと。クックマやモカ・マキネッタに合うようになっていますから。イタリアではそもそもドリップコーヒーを飲みませんから豆を自分で挽く人もいないのです」     均一にならしたら、フタを閉めます。フチの部分に粉がくっついているとフタがきちんと閉まらず、うまく抽出できなくなるので、その部分についた粉は指できれいにはらってから閉めましょう。     注ぎ口がないほうの容器に熱湯を注ぎます。内側にラインがあるのでそれを越えないように。「温度は90〜95℃くらい。熱湯だと苦味や酸味が際立ってしまいますが、少し冷ますと脂質や糖質が溶けつつも、高温による苦味・酸味成分が出すぎないため、バランスのいいイタリア人好みの味に抽出できます。沸かした湯を冷たい容器に注げばちょうど適温になりますね」     先ほどのお湯の中にコーヒー粉を入れた容器を入れ(写真左)、残りの容器(注ぎ口の付いたもの)をすぐにはめます。 持ち手を持ってすっと上下をひっくり返し、その上にフタをのせたら、あとは5分ほど待つだけ。     ところで、最後にのせたフタは単なる飾りなのでしょうか? 「その通り。上容器のお尻の部分を隠してエレガンテに、カップに注ぐときもエレガンテに、という役割です」・・・エレガンテ! なるほどそれもイタリアらしいですね。 抽出が終わったら、濃さが均一になるよう容器の中で軽くまわします。香りを逃がさないよう上容器を付けたままカップに注ぎましょう。     おいしいカッフェ・ナポレターノのできあがり。簡単なのにとてもおいしいです! このコーヒー2杯分に、65℃程度に温めたホットミルクを加えれば、コクと優しさのあるカッフェ・ラッテも簡単に作れます。バニラやチョコのアイスと合わせれば、食後や夏のデザートにぴったりのアッフォガートに。 「夏にぴったりといえば・・・」と、中川さんが手早く作ってくださったもう一品は、淹れたてのコーヒーで作るカッフェ コン ギアッチ。「コーヒー withアイス、つまりアイスコーヒーです(笑)。氷さえあればいいので、僕も夏場はよく作ります。甘味も加えずにこのまま味わってみてください」     ワイングラスに氷を6〜7分目まで入れておき、できたてのカッフェ・ナポレターノを注ぐだけ。「できたてを急冷させるので甘味も酸もきれいな状態のまま。香り、味ともにぎゅっと閉じこもるんです。じんわり冷ますとおいしくないんですよね」 注いだら、グラスをまわすかマドラーでステアすれば完成。     「たとえばコンビニで買うアイスコーヒーは、苦味ばかりが立って甘味が少ない。コーヒーの旨味である糖質や油分がちゃんと溶け出していないから薄っぺらい味にしかならないんです。カッフェ・ナポレターノで作ったら、ひと味違うでしょう?」ひと味どころか・・・これ、本当においしいです! ワイングラスで飲むことで香りがさらに際立つし、夏のひとときを優雅に演出してくれる効果も。 自宅で簡単に作れるカッフェ・ナポレターノ。この道具があるのとないのとでは、暮らしの質が変わってしまうはず・・・そう思えてしまうコーヒー器具でした。次回は、カッフェ・ナポレターノで作るカクテルレシピをご紹介。クックマがますますほしくなっちゃうこと請け合いです。どうぞお楽しみに!   ***   フィアット松濤 ショールーム内のFIAT CAFFÉでも、クックマで淹れた「カフェナポレターノ」が飲めます。お気軽にどうぞ。 […]

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おいしいイタリア〜エスプレッソをもっと楽しむ。「イタリアエスプレッソデー」

イタリアのバール文化を紐解き、楽しみ方をお伝えする中川直也さんとの新連載。2回目は、イタリア人が一日に何度も飲むエスプレッソ。本場の味とは? そして正しい飲み方とは? 知っているようで知らない本物のエスプレッソ、その魅力をお伝えします。       エスプレッソの歴史を知ろう! 日本でもすっかりおなじみになったエスプレッソ。カプチーノやカフェモカなども含めれば、日々多くの方が味わっていることでしょう。とはいえ日本でエスプレッソドリンクが広まったきっかけは、チェーン展開されるアメリカ・シアトル系のコーヒーショップ。つまり、イタリア発祥である「本物のエスプレッソ」がみなさんに広く知られるのはまだこれからといえるかもしれません。 エスプレッソが誕生するひとつの転機となった舞台は、1800年代のイタリア。当時ナポレオンが発した大陸封鎖令によりフランス植民地で砂糖やコーヒー豆が極端に不足していました。すでにカフェ文化が台頭していたイタリアでは閉店を余儀なくされる店も現れたとか。そんな中、スタンダールやゲーテも立ち寄ったという1760年創業の「アンティコ・カフェ・グレコ」の3代目オーナーが、カップを小さくし豆の量を減らして価格も下げるという苦肉の策で試練に立ち向かいます。 結局、小さめのカップ(=デミタスカップ)で飲むスタイルは多くの客に受け入れられ、フランス領全土にこの流れが広がっていきました。その後、19世紀前半から中頃にかけては、より抽出効果の高い新しい方法として、サイフォン、フレンチプレス、ナポリ式クックマが登場。20世紀のエスプレッソ抽出へと、道は続いていったのです。 そして1901年、高圧力で濃厚なコーヒーを淹れる方法としてルイジ・ベッツェラが新しいタイプのマシンを開発、その特許を買い取ったデジデリオ・パヴォーニが1906年4月のミラノ万博に出品し、世界で初めて「Caffè Espresso」と表記したのが現在のエスプレッソの直接の起源といわれています。     世界初の「Caffè Espresso」が登場した1906年4月〜のミラノ万博を記念して、国際カフェテイスティング協会(IIAC)イタリア本部では毎年4月16日付近の週末を「イタリアエスプレッソデー」と制定(日本では、1906年のミラノ万博一般公開日にあたる4月16日を毎年「イタリアエスプレッソデー」としています)。     「長い歴史を持つコーヒー文化の中では、エスプレッソは比較的新しい飲み方です。イタリアのエスプレッソは豆の量から抽出の温度、圧力等々、細かな規定がありますが、それが決まったのもほんの20年ほど前。はやりすたりはイタリアにもありますし、おいしいカッフェの1つとして発展してきた中でスタイルとしての変化もあったでしょう。そんな中、イタリアは昔から培われた経験をもとに完成された味わいを守ろうとしています。実際に飲んでみて「これはイタリアンエスプレッソの定義に当てはまるキャラクターだ。適切な焙煎、ブレンド、抽出により、奥行きのある香りや味わい、余韻が感じられる」などと思える理想的な方向性を目指して、マシンも豆も、もちろん淹れ方も吟味されているのです」   そうして規定された「イタリアンエスプレッソの定義」がこちらです。 ・ コーヒー粉の量 7g±0.5g ・ 抽出圧力 9気圧±1気圧 ・ 抽出時間 25秒±5秒 ・ 抽出されたカフェの量 25ml±2.5ml ・ 抽出されたカップ内の温度 67℃±3℃ ・ 5種類以上をブレンドした豆で抽出     バリスタの実力を世界大会でジャッジし、後進を育てる立場でもある中川さん、「日本のバリスタはマジメで一所懸命な反面、仕事の途中で手が止まって、連動した作業ができていないなと感じることがしばしばあります。バリスタにとってカウンターはステージ。常に流れるような動きで作業することが大切です」と語ります。その言葉通り、抽出を待つ間にほかの作業をしたり食器を整えたりして、決して流れを止めません。もちろんお客さんのほうに向くときはいつも笑顔でした。   正しいイタリアンエスプレッソとは 各国でエスプレッソが飲まれるようになった今、原点回帰の必要性、つまり「これが正しいイタリアンエスプレッソだ」という定義を改めて認識する必要がでてきたといえるのかもしれません。「それはお客様だけでなくバリスタのためでもあります」と中川さん。「コーヒーは生活の流れの一部ですが、あくまでも流れであって、特別なワンシーンというわけではないと思います。おいしいコーヒーが当たり前に飲める。日常的な流れの中で、コーヒーを通じて快適な時間が過ごせる。そのためにバリスタにできること、すべきことはいろいろあるはずです」 本物のイタリアンエスプレッソとは何か? 日本人にとってはその基本的な問いにすら、正しく答えることは難しいのが現状です。でも、それは行きつけのバールで毎日何杯もエスプレッソを飲むイタリア人だって、同じなのかもしれません。彼らが知っているのは、エスプレッソの正確な定義ではなく「おいしいエスプレッソとはこういう味だ」という経験。「適切に抽出・作成されたエスプレッソとともに、空間の雰囲気を作るバリスタによって、おいしい経験ができるのだろうと思います」 私たちも、本物のエスプレッソを知り、正しい飲み方を知れば、生活のワンシーンにおいしいエスプレッソがごく普通に存在するようになるのではないでしょうか。4月16日のイタリアエスプレッソデーは、そのための第一歩になるかも。たとえば、イタリアカフェテイスティング協会日本支部ではその日に合わせたイベントなどをご紹介しています。また、イタリアンエスプレッソを味わえる店を集めたこちらのリスト を参考に、身近なお店で本物のエスプレッソを味わってみるのもおすすめです。     ナポリでは、必ず1杯の水と一緒に供されるエスプレッソ。水で口をすっきりさせてから味わうのがナポリ流なのです。 「日本でエスプレッソを淹れると、ブラックで飲もうとする方も少なくないです。でもエスプレッソは砂糖を入れてこそ完成する味。それも、ナポリ人を見習ってたっぷりの砂糖を入れ、30〜40回以上かき混ぜてみてください。混ぜる回数で味や口当たりも変わりますよ。ちなみに北の人はあまり混ぜずにさっぱりと味わうのが好きで、ナポリに代表される南の人たちは何度もかき混ぜてからその後は一息に飲みきりますね。しっかり混ぜることで乳化してキャラメル状になり、上品なチョコレートのような飲み口になります。おいしくないエスプレッソだといくら混ぜても砂糖の甘味だけが飛び抜けてしまうのですが、本物のエスプレッソはコク、酸味、甘味のすべてがバランスよく、複雑に仕上がっているんです」と中川さん。     左は淹れたてのエスプレッソ。1分ほど置いておくと右のように黒く変色してしまいます。「アロマも味もすぐに変わりますから、出されたらすぐに味わうのがエスプレッソを楽しむ極意。ナポリのバールに行くと、スプーンと砂糖を手に持ち、かき混ぜる準備をして今か今かと待ち受けているおじさんもよく見かけますよ」 18世紀にはすでにカフェテリアがあったイタリア。先述したグレコは1760年創業、ヴェネツィアのカフェフローリアンはそれより前の1720年、フィレンツェのジッリは1733年の創業で、しかもその歴史的な店が現存して営業を続けているのです。「カフェテリア創世記のいろいろなお店が今も現役で華やいでいるのがイタリアらしいですよね。ひとつの通りにいくつものバールがあり、そのすべてが個性的で、“これがイタリアのバールだ”なんて一緒くたに評価することはできないほど」と語る中川さん。そうして連綿と続いているカフェ/バール文化の深さには驚嘆するばかりです。そして同時に、本物のエスプレッソのおいしさやイタリアらしい陽気なバールの楽しみ方を日本のみなさんにもぜひもっと知っていただけたらと思います。     […]

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おいしいイタリア〜シェフ直伝。本格濃厚「カルボナーラ」

銀座で出会った極上のカルボナーラ カルボナーラ。「炭焼き職人風」という名の通り、卵、パンチェッタ、チーズで作るシンプルなソースに、炭焼き職人の手から炭の粉がハラハラと落ちたかのように黒胡椒をたっぷりかけたパスタです。日本でもおなじみですが、個人的には「おいしい!」と感激したことはありませんでした。今回ご紹介する、ジャッジョーロ銀座のカルボナーラを食べるまでは。     落とし気味の照明が落ち着いた雰囲気を醸し出す店内は、食通の常連さんやカップル、近所にお勤めの会社員など、幅広い客層。銀座にふさわしい高級感がありつつも、フレンドリーでにこやかな接客をしてもらえるので、とても居心地よく食事が楽しめます。ジャッジョーロ銀座は、今年で開業8年目を迎えたリストランテ。フィレンツェにある世界最古の薬局「サンタ・マリア・ノヴェッラ」の自然治癒、予防医学といった思想を取り入れながら、素材本来の味わいを活かした調理法で、心身が豊かになれる料理を提供する本格派です。こちらの名物といえば、目にも舌にもおいしい「15種類のハーブサラダ」、炭火を使った和牛や和豚のグリル、それに、天然真鯛のハーブ蒸しなど、思わず通い詰めたくなる料理ばかりなのですが、濃厚なカルボナーラも人気メニューの筆頭。本当に、感動的なおいしさなのです。   こだわり卵と熟成パンチェッタ     「エサ、飲み水、環境などすべてにこだわり、清潔な鶏舎でストレスなく暮らしている親鶏が生んだ卵です。鮮度もいいし、すべてにおいてポテンシャルが高いですね。完璧です」とシェフも太鼓判。「カルボナーラの決め手は、なんといっても新鮮で味のいい濃厚な卵」と語る、シェフ岩永 健さん。野菜、魚、肉などすべての食材に対して真摯に向き合い、鮮度はもちろん栽培法(飼育法)や産地にまでこだわるシェフがカルボナーラのために選び出したのは、「こだわり家族のこだわり卵」と名付けられた、なんとも鮮やかなオレンジ色をした卵。 本来、カルボナーラは卵黄だけで作りますが、この卵の場合、黄身だけだと濃すぎるくらいの濃厚さなので、ジャッジョーロでは全卵を使って作られています。それなのに、あの見事に美しいオレンジのカルボナーラになるというのですから、驚きです。     唯一の「具」ともいえるパンチェッタ。イタリアで熟成させて、香草をまぶしたもので、なんとも芳醇ないい香りがします。「生ハムと同じで、このまま食べてもおいしいですよ」とシェフ。カルボナーラを作る際は、あらかじめカリカリに炒めておきます。 ではさっそく濃厚こだわり卵のカルボナーラ、レシピを教えていただきましょう!   ジャッジョーロの極上レシピを伝授!     材料(1人前)/スパゲッティ90g 、茶色い殻の全卵1個(ヨード卵・光など、ちょっといい卵を使いましょう。普通の卵を使う場合は、卵黄のみで2個分)、パンチェッタ10g、グラナパダーノ10g(パルミジャーノ・レッジャーノ、ペコリーノ・ロマーノでもOK)、生クリーム10cc(乳脂肪分35%がおすすめ)、塩・黒胡椒適量 材料をそろえたら、たっぷりのお湯を沸かします。茹でる際の塩は、湯量の1〜0.8%。「けっこう多めですよ。ご家庭で作るとだいたい塩が少なすぎる人が多いですから」とシェフ。塩の分量でパスタそのものの塩味が変わるので、ここはきっちり量りましょう。   1)パンチェッタを適当な大きさに刻みます。   2)フライパンに少量のオリーブオイルを敷き、弱火でカリカリになるまで炒めます。   3)キッチンペーパーで油を切っておきます。このくらいまでじっくり炒めることで、香ばしさが際立ちます。   4)ボールに卵を割り入れ、チーズ、生クリーム(分量の2/3)、塩ひとつまみ、粗挽きの黒胡椒を適量(たっぷり目がおいしいです)加えて、泡立て器で混ぜます。   5)ダマが残らないように、しっかりかき混ぜます。   6)フライパンに、パンチェッタ(半量。残りは飾り用に取っておく)と4)の残りの生クリームを入れておきます。まだ火は付けません。   7)パスタを茹で始めます。茹で時間は、表示よりやや少なめに。ジャッジョーロの場合、「9分と書いてありますが、7分50秒にしています」とのこと。キッチンタイマーできっちり測りましょう。   8)パスタが茹で上がる30秒前になったら、フライパンを弱火にかけ、温め始めます。温めすぎると卵がそぼろ状になってしまうので、気をつけて。このあたりで、盛りつけ用の皿も出しておきましょう。   9)フライパンをいったん火から下ろし、茹で上がったパスタを十分に湯切りして加えます。   10)5)の卵液も加えます。ボールに残らないよう、ゴムベラでこそげ落としましょう。   11)火に戻して(慣れるまで、火加減は弱火で)、ここからは手早く! まわりから火が入るので、鍋はだをゴムベラで混ぜながらソースをからめていきます。   12)卵のとろみを見つつ、1分ほど。火の入れ具合はパスタの量やフライパンの大きさ、コンロの種類によっても変わってくるので、ここはズバリ練習あるのみ!   13)生すぎず、ダマにもならない頃合いになったら、余熱がそれ以上入らないように、すぐにお皿へ。トングで高さを出すと美しく盛りつけられます。   14)残しておいたパンチェッタを飾り、粗挽きの黒胡椒をたっぷりかけたら完成!       ソースとパスタをからめるとき火の入り具合を見極め、ダマにならないように仕上げるのはかなり難しい工程ですが、これは何度も作って経験を積むのが一番です。それに、シェフいわく「カルボナーラの本場はローマですが、ローマで食べてもここまでクリーミーなのはないですよ。イタリア人は生卵を食べないので、生すぎるといやがるんです。だから、イタリアで食べるカルボナーラはそぼろ状だったりします」とのこと。 […]

BIRRA ARTIGIANALE
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おいしいイタリア〜欧州で大人気、クラフトビール「baladin バラデン」

多様なスタイルをもつ「クラフトビール」 クラフトビールとは、造り手の想いやこだわりが行き届く小規模な醸造所で精魂込めて作り出される、まさに手工芸品(Craft)のようなビール。柑橘系やトロピカル系、花などにたとえられる芳醇な香りとフレッシュなフレーバー、なめらかなノド越しは「ビールって苦手」と敬遠していた人々にもうれしい驚きを持って受け入れられ、アメリカ、ヨーロッパ、そして日本へと、世界を席巻しています。 そもそもビールの種類(スタイル)はとても豊富です。代表的なのはピルスナー、ペールエール、ヴァイツェン、スタウトなどですが、実際には100以上のスタイルが存在するともいわれます。日本の大手が造るのはそのうちの数種に過ぎず、しかもピルスナーが主流なので「ビールの味なんてどれも同じ」と思い込んでいた人がいても仕方ありません。けれど、クラフトビールにはじつに多様なスタイルがある。だからこそ「クラフト」なのです。     ビール通が注目、本物の味「baladin」! 中でもイタリアのbirra(ビール)は世界のビール通から熱い視線を注がれる注目株。そんな状況をクリエイトし、牽引してきたのが、今回ご紹介するbaladin(バラデン)です。イタリアで最初にクラフトビールを作ったバラデン。それは、昔から続く伝統ある醸造所ではなく、音楽とアートと食、そしてビールをこよなく愛する一人の男が築き上げた、情熱とこだわりのメーカーです。   初めて誕生したバラデンビールは、アンバーエールタイプの「スーパー」。輝くような琥珀色で、香りの第一印象は南国フルーツのよう。ドライフルーツやアーモンドを思い起こさせる風味もあり、バランスのいい味わいです。初めてバラデンを味わうなら、まずはこの1本からどうぞ。濃厚なフルボディなので、肉の煮込みや熟成チーズにもぴったり。 スーパー」醸造からほどなくして誕生したのがベルギーのブランシュビールからインスピレーションを受けた「イザック」。やや濁りのあるアプリコットカラーで、華やかな柑橘系の中にコリアンダーのような印象的な香りを感じます。前菜や魚にも合うデリケートな味わいで、アペリティーボ(食前酒)に最適です。 華やかな香りと力強い味わいが特徴のアメリカンペールエール「オープンクラシカ」。焦がしたモルトに由来するアンバーの色合いが特徴的。ナッツのような香ばしさがあり、複雑ながらも飲み口のいいテイストです。オープンとは、イタリア国内にてこのビールのレシピなどを公開していることに由来します。 「オープン」のアンバーエールバージョン、「オープンリゼルヴァ」。ホップの芳醇な香りと苦み、ビスケットのような香ばしさがバランスよく保たれています。クラシカはビーフジャーキーやスモークチキン、リゼルヴァは肉料理やチーズに合わせて。日本で販売中のバラデンは今のところ4種類ですが、実際に醸造されているビールはなんと30種類。その豊富なバリエーションで多くのファンを虜にし、イタリア各地だけでなくNYでもビッレリア(ビール屋)を展開、バラデンの魅力を広めています。また、かつて醸造所に併設されていたビアパブは、現在、ビールを楽しみながら滞在できるホテル「CASA BALADIN」として営業中。すばらしい雰囲気の客室と、本格的な料理+それに合うビールを提供するリストランテが、高い評価を得ています。     バラデンの追究は「飲み方」にも及びます。料理との相性を考え抜き、味のバリエーションも豊富だからこそ、グビグビあおるように飲むのではなく、言ってみれば「ワインのように」味わいます。オリジナルのグラスがワイングラスの形状に似ていることからもわかりますが、まず芳醇な香りを嗅ぎ、口に広がる複雑な味わいを楽しみ、シルキーなノド越しを感じる、そして、料理との相性をも堪能する。とはいえ気取ったり気負ったりする必要はなく、「本物の味」を陽気にカジュアルに楽しむのです。     じつは、バラデンはイタリアのFIATとコラボレーションも果たしています。2007年、FIATが新しい 500(チンクエチェント) をリリースした際、レセプションに訪れたVIPやジャーナリストへのギフトとして用意されたのが、500 のロゴが入ったバラデンビール(500本の限定生産!)と、バラデンのロゴが入った 500 のミニカーだったのです。さらに、この特別仕様の 500 はミニカーだけでなく実物大の実車もバラデンスタッフに一年間貸与されました。バラデンがある小さな村Piozzo(ピオッツォ)を走り回る愛らしい 500 の姿。ぜひ見てみたかったですね!       baladin 三井食品株式会社 ※バラデンビールは全国のスーパー、酒販店でお取り扱い中です。インターネット通販でもお買い求めいただけます。そのほか、お問い合わせは下記までお気軽にどうぞ。 0120-062-014(三井食品株式会社 お客様相談室)   撮影 SHIge KIDOUE 取材・ 文 山根かおり matricaria […]