“イタリア各地をめぐるフィアット”がテーマの『フィアット オリジナルカレンダー 2023』。2ヶ月ごとに、フィアットの各モデルがイタリアの6つの街をめぐるイラストが描かれています。5月と6月は、イタリア人のみならずヨーロッパ各国の人々にとっても憧れの地『VAL D’ORCIA(オルチャ渓谷)』です。本連載を執筆しているコラムニスト大矢アキオ氏は、渓谷の玄関口であるシエナ県をベースにして27年。在住者ならではの視点で、エリアの魅力をたっぷり紹介してもらいましょう。
なお、『フィアット オリジナルカレンダー 2023』はダウンロードが可能。方法は記事の最後に掲載しているので、ぜひチェックしてみてください!
▲サン・クイリコ・ドルチャとピエンツァを繋ぐ道沿い、歴史を1590年にさかのぼる『ヴィタレータの聖母礼拝堂』。羊飼いの前に現れたとされる聖母マリアを祀ったものです。
オルチャ渓谷は、イタリア中部に位置するシエナ県の南部・主にオルチャ川流域を指します。面積は、東京23区(約627平方キロメートル)に近い610平方キロメートル。牧歌的な丘に糸杉が連なる風景と、ローマに至る巡礼ルート『フランチージェナ街道』は、長年にわたって芸術家たちのインスピレーションを刺激し続けました。2004年にはユネスコの世界遺産に指定され、さらに世界から注目されるようになりました。
▲バーニョ・ヴィニョーニの中心にある『源泉の広場』。この地の温泉水は遠くエトルリア時代から人々に愛されています。15世紀後半、イタリアのルネサンス最盛期にメディチ家の当主であったロレンツォ・デ・メディチも通っていました。
▲『Via dell’amore(愛の小径)』と名づけられた場所で。15世紀のローマ教皇ピウス2世が、故郷を理想都市にすべく改造を試みたのが、今日のピエンツァ村です。
最上級格付けであるDOCGワイン『ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ』、羊乳のチーズ『ペコリーノ』などグルメ垂涎の地としても知られています。
▲高級ワイン『ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ』を手掛けるワイナリーのひとつ、チャッチ・ピッコローミニ・ダラゴーナ。その歴史は17世紀末の修道院長による領地に始まります。
毎年初夏にはヒストリックカー・ラリー『ミッレ・ミリア』が、秋にはレトロ自転車走行会『エロイカ』がオルチャ渓谷をコースにするのも、数百年時計が止まったような自然と村が残っているからこそです。
ちなみに私の知人のフランス人やドイツ人は、毎年オルチャ渓谷でバカンスを過ごしたあと、途中の街に脇目もふらず国境まで帰っていきます。夢から醒めたくないといわんばかりに。それはこのエリアが、あまりに魅力的であるからに他なりません。
▲その名も『糸杉の道』。“イタリアで最も美しい温泉地”と言われる小さな分離集落のバーニョ・ヴィニョーニとバーニ・ディ・サン・フィリッポを結ぶ州道2号線に現れます。
今回もおすすめのスポット紹介の前に、オルチャ渓谷で見かけたフィアットたちの写真をご紹介します。
▲トッレニエリで。春の丘を下る『500(チンクエチェント)』。
▲ピエンツァ村を駆け抜ける2代目『Doblò Cargo(ドブロ カーゴ)』。ルネサンス建築と不思議と調和するデザインがイタリアン・ブランドらしいところです。
▲サン・クィリコ・ドルチャのプレトリオ宮前を曲がる『500X(チンクエチェントエックス)』。この町は長年伝統的な自動車レース『ミッレミリア』の通過地点です。そのため、イタリアの伝説的ドライバー、タツィオ・ヌヴォラーリの像も建立されています。
▲ピエンツァの細い路地からひょっこり姿を現した初代『Panda(パンダ)』。それも先代『500』に起源をもつ空冷2気筒エンジンの“30”型です。
▲サン・クイリコ・ドルチャに11世紀から建つ『被昇天のマリア教会』で。初代『Panda 4×4』は、その走破性と強靭さから今も人気のモデルです。
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