運転上達のヒントを発見 4月8日(日)、富士スピードウェイにて「フィアット セーフティ ドライビング(FSD)」が開催されました。2017年4月の富士、7月の鈴鹿に続き、第3回目となる今回は、参加申し込みが大幅に増加。受付開始からわずか数日で定員数に達し、これまで以上に好評を得て開催されました。 フィアット セーフティ ドライビングが目指すのは、フィアットオーナーさまに正しい運転操作に身につけていただき、「運転する楽しさ」を実感いただくこと。まずは取り回しをしやすい運転ポジションを習得し、その上でクルマの持つ基本性能や安全装備に触れ、万一の時に役立つ危険回避の方法や心構えを学んでいきます。 今回のご参加者数は1回のレッスンにつき25-26名ほど。プロのインストラクターによる安全講義やレクチャーを通じて、自分のクルマの持つ性能の高さに触れると、まるでパートナーの意外な一面を見たかのように喜びと感動が大きいようです。ご参加者からは「正しいポジションで運転の仕方が変わった」「小さいクルマなのに思いのほかスゴかった」などの声が飛び出しました。 以下の動画よりレクチャーの模様やご参加者の声をご覧ください。
イタリア生まれのFIAT。移動の道具だけでなく、街の一部としての役割も担うクルマとして愛されているのも特徴の一つ。 よく「オシャレ〜」といわれるイタリアの街並みですが、それは脇を固めるクルマたちという助演女優(男優?)たちのおかげであることにお気づきでしょうか? 日本と違い、自家用車であっても駐車場が住宅前の路上というケースが多い彼の国において(郊外以遠でないと戸建住宅は少ない)、いやがおうでも街の景観の一部を担う「クルマを選ぶ」という行為は、思いの外シビアなものです。 あまりに場違いなカラーなど選ぼうものの、町内における好感度はみるみる失墜します。 実はイタリア人は想像以上に衆目を気にします。ハデだ陽気だ自分勝手だなんていわれますが、日本人以上にシャイで周りに気を配っているのです。 さて、そんな彼らのクルマたちですが、日本のみなさんのようなピカピカな状態ではなく、適度に使い込まれてヤレていたり、見事に汚れていたりするんですが、それでもちょっとした看板やテントといった街並みのアイコンにあるときは溶け込み、あるときは見事なコントラストを見せてくれているのも、イタリアだなあと思わせる瞬間だったりします。 数百年を経た旧い建物の前でも、最新のゴージャスなショーウインドウの前でも、キリリとした存在感を放つのはイタリア車の最大の美徳の一つ。 排ガス規制などのせいで、かつてほど都市部の駐車に「自由」はなくなったものの、それでもいたるところにクルマが溢れていて、街とのアンサンブルを楽しむことができます。これが「オシャレ」を感じさせる理由なんでしょう。 さて、今度はちょっとイタリアを離れてフランスへ。 毎年2月にパリで行われる、欧州最大級の旧車イベント「RETROMOBILE」に出向いた際に出会ったFIATたちをご紹介します。 折しも、今年の日本同様、大変な寒波に見舞われた2月初頭のパリだったのですが、おかげでなかなか珍しい「雪のパリ」に佇むFIATたちと出会えました。 東京ほどではないにせよ、大変な交通量があるパリ。古く、入りくんだ路地も多い中、実はNuova500の時代から愛らしいデザインとサイズ感で、オシャレなパリジェンヌ、パリジャンに大人気。その流れは現行の500にも引き継がれています。 クルマが生活の一部になっている人たちに愛され続けるクルマ。それがFIAT。 日常に暮らす相棒として、国を問わず活躍している姿はなかなか素敵ではありませんか?
新年のご挨拶でご紹介したアルゼンチンでのキャンペーン「FIAT DOGS」をはじめ、様々な形で動物たちを支援するFIAT。今年のイチオシは、やはりなんといってもワンちゃんです。 そこで「fiat magazine CIAO!」では、愛犬との暮らしをより“ワン”ダフルにしていただくためのTIPSを、東京・田園調布で30年以上にわたりあらゆる動物たちをケアしてきた「動物のお医者さん」、アーク動物病院の増川洋史・薫院長先生に監修いただき、これからみなさまにシリーズでご紹介していきたいと思います。 クルマのエアコンって、ワンちゃんにイイの? やっぱりケージに入れてドライブした方がいいの? ドライブでの休憩はどれくらい必要なの? ワンちゃんとのドライブは楽しいのですが、さまざまな疑問や「言われてみれば…。」ということも結構多いかと思います。 ワンちゃんの個性をみる 「おとなしくシートに座っている子もいれば、落ち着かなくて鳴き出したり暴れたりする子もいます。もちろん犬種それぞれの特徴もあります。だから、本やネットで言われていることを鵜呑みにするのではなく、それぞれのワンちゃんの個性にあわせた環境づくりをすること、まずはそこからですね。」 冷え込みが続くこの季節、果たしてワンちゃんに服を着せる? それとも着せない方がいい? 「基本、ワンちゃんは寒さに強い生き物です。たとえば雪の上をずっと歩いても、凍傷にもなりません。でも、人との暮らしが長くなることで徐々にその特徴にも変化があらわれてきます。たとえば犬種によってはアンダーコート(地肌に近い部分の密度の濃い毛)がない、つまり冬毛に生え替わらない子もいるんですが、そういうタイプのワンちゃんには、寒い外へ出る少し前に服を着せるなどの注意が必要です。」 つまり正解はひとつではなく、ワンちゃんごとに合わせる必要があるようです。 クルマのエアコンが気になりますが、温度設定はどうすれば? 「あまり気にすることはないでしょうね。特に冬は問題ありません。でも夏場には注意が必要です。ワンちゃんは汗をかかない恒温動物、体温の調節は舌と肉球で行っています。寒さには強いと言いましたが、暑さにはめっぽう弱いんです。FIATだけではありませんが、欧州の車は、日本のクルマと違いエンジンをかけたままドアをロックできないので、冬ならともかく、夏はたとえ五分でも高温になる車内にワンちゃんを放置したままトイレに…。なんてことは絶対に避けなければなりません。最近では多目的トイレを設置しているSAがほとんどですので、ワンちゃんを連れて一緒に入ってあげてください。」 ケージ? それともハーネス? 車内の安全は? 「落ち着いた子ならハーネスでも問題ありませんが、落ち着かない子なら自分でハーネスを巻きつけてしまい、不意のブレーキなどで骨折なんていうようなケースもあります。やはりケージに入れるのがベストでしょうね。」 車内では思わぬことで怪我することも…。 「ワンちゃんの足は細いので、ちょっとした隙間に足を挟んで骨折したり、リアシートの足元に落ちて怪我をするなんてこともあるんです。空気で膨らますクッションで段差をなくしてフラットにしてあげたりするといいでしょう。」 なるほど、ワンちゃんに合わせたケアが大切なんですね。 「そうです。ワンちゃんは暮らしのパートナーですから、その子の個性を知ることは飼い主の義務だとも言えます。理解が深まれば、より親密な関係を築くことができますしね。」 ありがとうございます。もっとお聞きしたいこともあるので、これからもお話を聞かせてください。 アーク動物病院 東京都大田区田園調布2-20-10 http://www.ark-vet.com
FIATは冬が大好き 予想では平年並みと言われている2018年の冬ですが、昨年の秋からのラニーニャ現象のせいか、いつもより寒くなる予感が…。 さて、冬といえばドライブの季節。澄んだ空気で遠くまで景色が美しく、夜ともなれば美しい星空を存分に楽しむこともできます。なにより温泉や冬の海など楽しみは尽きません。 イタリアはトリノ生まれのFIATは、何を隠そう北国生まれ。雪や氷に慣れた北海道の女性はハイヒールのままでも凍った歩道で小走りできるそうですが、同様に寒い地域での安全快適な走りも、FIATの伝統的な特技のひとつ。 夏は海、冬は山でスノースポーツというのがイタリアのお決まり。 つまり、イタリアの国民車であるFIATは代々冬を得意としています。 さて、冬のドライブといえば、一昔前なら「雪が降ったらタイヤチェーンを巻けばいいじゃないか!」というのがある種の常識でした。しかし、FIATのみに限った話ではなく、今どきのクルマというのは純正タイヤ&ホイールではタイヤチェーン(金属、樹脂問わず)装着が不可能な場合が多いので、必ずマニュアルの確認やディーラーにお問い合わせする必要があります。 そうなると選択肢はスタッドレス! となるわけですが、今回は進歩著しい冬のドライブのマストアイテムについて触れたいと思います。 楽しむための安心 豪雪地帯でなくとも、いまや都市部でも冬の間にはスタッドレスという方が年々増えていますが、それもそのはず。多くの一流メーカーがさまざまなグレードを展開しており、商品によっては前モデルよりも制動距離が10%減、摩耗20%以上減などというめまぐるしい性能向上を果たしているものもあるほど。 さらに、一昔のモデルと違い、普通の路面でも商品によっては夏タイヤとほぼ変らない走行性能が得られるものも増えており、「走り」を多少なりとも犠牲にするようなこともなくなりました。だから、走りが楽しいFIATにこそ相応しい冬のアイテムともいえるわけです。 購入と交換時期 スタッドレスタイヤは普通の夏タイヤと同様、ゴムでできています。つまり、よく走り、よく曲がり、よく止まり、低燃費で走れるかは、素材(ゴム)の鮮度と山(溝)の残り具合によって決まります。 ちなみにタイヤも食品のように製造年月日を確認することができるのをご存知でしょうか? メーカーによって定義は異なりますし、ゴムの大敵UVを考えると屋外に駐車している場合と屋内でもその条件は異なりますが、概ね3〜5年を一つの目安とするのがいいでしょう。 夏冬でタイヤを履き替え、しっかりと日光のあたらない(つまりUVを当てない)場所で保存すれば、寿命は5年に近づき、そうでない場合は3年だと考えるのが安全です。 なぜだか激安の新品タイヤを購入する場合や、中古タイヤをオークションでという場合には、この製造年確認は必須ですのでご注意を。 また、よく、多少古くても山が残っているからまだ大丈夫! というような説もありますが、低い温度ではその性能が発揮しづらいというゴム素材の特性上、目に見えない劣化タイヤはいざという時にホントに曲がりませんし止まりません。もちろん山があってもヒビなど入っているようなら言語道断。最悪バーストもありえます。 特性上どうしても夏タイヤよりも摩耗が激しいスタッドレスでは、このタイヤ確認にはひときわこだわっておきたいところです。 ちなみに、チェーン時代の名残からか、駆動輪のみスタッドレスを使用すればいい!と勘違いされている方もいらっしゃるようですが、安全のためには必ず4輪とも装備してください。 往きはよいよい帰りは怖い お天気の日に日帰り温泉へ出かけたら帰りはすっかり冷え込んですっかり路面が凍結…。なんてことは冬のドライブではよくあること。山間部でなくても、寒い冬の日なら都市部でもあり得る話。 そこで、スタッドレスであろうが、夏タイヤであろうが、是非とも実践していただきたいのが、試しブレーキ。ちょっと凍っているかな? 溶けて濡れているようにみえるけど、インパネ内の温度計が低温になっていて怪しい…。 そんな時は、路肩でも駐車場でも結構です。絶対に周りに人やクルマがいないことが確認できる安全な状況で、歩くほどの微速から思いっきりブレーキを踏みつけて停車してください。実際にはどのくらい滑ってしまうのかを理解、把握することはとても重要で、いざという時の判断の手助けになるので、是非実践してみてください。 数年前からイタリアでは、雪や凍結の可能性が出てくる11月から4月までの間(なぜかともに15日?)は、高速道路走行の際はスタッドレスタイヤ装備かタイヤチェーン携行がなければ罰則の対象となっています。 日本ではいわゆるチェーン規制がかかっていない場所では罰則とはなりませんが、意外にもイタリアの方が周囲に迷惑がかかることを良しとしない風潮が強いようです。 冬のバカンスも彼らの大切なライフスタイルのひとつですから、楽しいドライブを満喫したいという国民性がよく出た、イタリアらしいルールともいえるかもしれません。 さあ、みなさんもFIATで日本の冬を味わい尽くしましょう! *日本では都道府県道路交通法により、積雪または凍結道路における冬用タイヤの装着、いわゆる防滑措置の義務が規定されています。(大型7000円、普通6000円の罰金〜沖縄県を除く)
フィアット セーフティ ドライビングは、フィアットオーナー向けのレッスン・プログラム。まいにちを安全・快適に過ごすために役立つ運転のコツを、プロのインストラクターから学ぶことができます。 レッスンでは、ドライビングポジションのレクチャーや座学、それに日常の危険回避に役立つ「走る・曲がる・止まる」の基礎練習や、急ブレーキ時に安全装備がどのように働くかなどを実際に体験できます。 またセーフティ ドライビングを学んだ後は、フィアットの兄弟分「アバルト」車の助手席でプロドライバーのサーキット走行を体験できるサーキットタクシーも。刺激もちょっぴり味わいつつ、愛車についてより深く知ることができるワンデーレッスンをお楽しみください。 レッスンについては第1回目の映像をご参照ください。
おしゃれで自分を磨くと元気がわいてくるように、クルマの運転も自信が増すとまいにちがもっと輝いてくるはず。せっかくフィアットに乗られているのなら、クルマとの距離をもっと縮めて、まいにちをトコトン楽しみませんか。 フィアットとお出かけするのはとっても楽しく、わくわくしますよね。お買い物のときに便利なのはもちろん、人から見られてちょっと嬉しかったり、元気のないときに自分を励ましてくれたり。クルマもともだちと同じで、一緒に過ごすほどに距離が縮まってくるもの。 でもじつは運転にそれほど自信がない、そんな方もいらっしゃると思います。そんな普段あまりクルマに乗っていなかったり運転に不安を感じたりする方のために、安全運転に役立つ情報や運転が楽しくなるTipsをいくつか紹介します。 安全運転は実際に学ぶのが一番 フィアットオーナーが自分のクルマで参加できる「フィアット セーフティ ドライビング」をご紹介します。「フィアット セーフティ ドライビング」は、フィアットオーナーのために用意されたレッスンプログラム。プロのインストラクターによる講義や、運転のキホン操作「走る・曲がる・止まる」についてのレクチャーが受けられます。 また安全なコースでブレーキを全力で踏み込む急制動の体験や、プロドライバーによるサーキット走行の同乗体験といったアトラクション的なプログラムも。イベントへの参加を通じてクルマとの関わりを深めることで、まいにちの運転がより楽しくなるはず! 「フィアット セーフティ ドライビング」は4月22日(土)に静岡県富士スピードウェイ、7月17日(月・祝)には三重県鈴鹿サーキットで開催。参加はムリという方のために、女性モータージャーナリストの藤島知子さんが紹介する「安全運転」をテーマとした記事や、フィアットユーザー向けの運転にまつわる記事をまとめました。きっと役に立つ情報が見つけられるはず。 安全運転の第一歩はドライビングポジションから まずは運転のキホン、正しいドライビングポジションのガイドです。記事ではシートやハンドル位置を設定するときの目安や、正しいドライビングポジションのメリットが詳しく紹介されています。また、ヘッドレストやシートベルトの調整など見落としがちな注意点にも触れています。 また、「500X」のようなSUVタイプを所有されている方は、「ドライビングポジション SUV編」も併せてご覧ください。背の高いクルマを運転するときの注意点が書かれています。 デュアロジックを上手に操るコツ 「デュアロジック車をトコトン楽しもう!」では、フィアット車に多く採用されているトランスミッション「デュアロジック」を上手に扱うためのコツを解説。運転がラクチンなオートマチックと、操る楽しみを体感できるマニュアルトランスミッションのいいとこ取りをした「デュアロジック」。その両方の魅力を引き出すための方法が紹介されていますのでぜひご参考に。 楽しいエコドライブのススメ 続いてはエコドライブに関する実践的なTips、「エコドライブを今日から始めよう」。燃費がよくなる運転方法について解説しています。エコドライブはお財布にやさしいのはもちろん、コツがわかるとそれ自体が楽しくなるもの。燃費を向上させるちょっとした工夫や上手なアクセルの踏み方などをわかりやすく解説しています。 安全運転を身につけて自由で楽しいカーライフを!
セダンやハッチバックなど一般的な乗用車からSUVに乗り換えた時に、多くの人が感じるのが、外の景色の見え方の違い。今回は、その違いに戸惑うことがないように、背の高いクルマをスマートに操るドライビングポジションに注目したいと思います。 死角を少なく、心がける 最近人気のクロスオーバーSUV。一般的な乗用車に比べ、車高が高いスタイリングは、アクティブなイメージが強く、実用性にも優れることからさまざまなユーザーから支持を集めているようです。FIATからも2015年10月24日に、初のイタリアンSUVとなる「500(チンクエチェント)X」が登場しました。そこで今回はSUVが初めてという人や、運転に不安を感じている人に、背の高いクルマを運転する際のドライビングポジションを提案したいと思います。 まず、安全運転という観点からSUVを運転する際に意識したいポイントは、いかに死角を減らすかです。SUV特有の高い車高は、走行中に遠くまで見渡せる一方、車庫入れや取り回しの際には車両周辺の状況が掴みづらいことがあります。特に低い位置の障害物や小さな子供の存在には気を配る必要があります。 そこで重要になってくるのが、シートの調整です。ドライビングポジションの基本については、以前の記事「正しいドライビングポジションのススメ」で紹介していますので、そちらもご参照ください。今回は、背の高いSUVの運転に有効なドライビングポジションについて掘り下げていきます。 今回の試乗車は、「500X Cross Plus」。運転席の座面高は地上から697mmに設定されています。これはクロスオーバーSUVとしては平均的ですが、乗用車に比べるとやや高めの設定となります。SUVのドライビングポジション調整で注目したいのは、座面の高さを調整するシートリフターです。これは運転者が自分の体型にあったポジションを、外の見え方やハンドルとの位置関係に応じて調整するもの。「500X」では全車に標準装備されています。 実際にシートを上げた状態と下げた状態を比べてみました。シートリフターの調整により、ドライバーの目線の高さはこんなにも違ってきます。頭と天井の間にゲンコツが1つ残る程度までシートを上げてみたところ、前方や斜め方向の死角が大幅に減りました。 下の写真はアイポイントの高さの違いによる見え方の違いを比べたもの。着座位置を上げると、直前までよく見えることがわかります。これを日常シーンに置き換えると、クルマの周辺にある障害物や子供の存在が確認しやすくなり、安全面で大きな効果が得られるのはいうまでもありません。 また、不整地を走行する場合は、予期せぬ進路の乱れや車体の揺れが起こりうるので、身体を安定させ、適切な操作を行う必要があります。それには基本に忠実に腰を深く掛け、シートのホールド性が十分に発揮されるように座るのが有効です。また、機会は少ないと思いますが、岩がごろごろ転がる河川敷などを走行する際は、タイヤが凹凸を踏み越える際の反力でハンドルが勢いよく左右に振られる場合があります。そのような時はハンドルを握る手の力をゆるめ、衝撃を逃がすように心掛けるとよいでしょう。 このほかドライビングポジションに関して、SUVと乗用車で違いがあるのがドアミラーです。大概のSUVは視界を確保するために大きめのものが付いています。これは足元まで視界を確保できるようにするためですので、車両周辺の安全確認を行いやすいように適切な位置に調整しましょう。 運転補助装置を活用しよう さて、次は後方視界についてです。後方視界は後ろを振り向いて目視で確認するのが基本ですが、それでも見えないところについては、そのクルマに備わっている運転補助装備に頼るほかありません。機能を理解して、正しい使い方を心がけましょう。「500X Cross Plus」を例に紹介します。 「500X」には後退する際にアラームで障害物の存在を知らせる「アラーム式リアパーキングセンサー」が全車に標準装備されています。障害物に近づくとアラームが鳴り、危険が迫っていることを知らせてくれます。 また、「Cross Plus」と「Pop Star Plus」には後方視界を補う「リアパーキングカメラ」と後退時に側方から車両が接近すると警告を発する「リアクロスパスディテクション」が標準装備されています。リアパーキングカメラは車内のモニターで障害物の存在や車両との距離感を視覚的に捉えることができます。車庫入れの際に重宝します。 もうひとつ走行時に安心の機能が「ブラインドスポットモニター」(「Cross Plus」と「Pop Star Plus」に標準装備)。こちらは車線変更時に斜め後方の死角にクルマがいるとドアミラーに内蔵された警告灯が点灯し、ドライバーに危険を知らせてくれる機能。ウインカーを点滅させたときに作動します。とても有効な装備ですが、車線変更の際は約3秒前にウインカーを作動し、目視で安全確認を行うのが基本ということをお忘れなく。 背の高いSUVも、視界が確保できていることを実感すれば、自信を持って運転できるはず。周囲に危険が潜んでいるかもしれない、という安全意識を持ちつつ、せっかくのSUVならではの機動性や利便性を存分に楽しんでください! 撮影 荒川正幸 文 藤島知子
安全な場所にクルマを停車させる パンクしたことに気付いたら、まず周囲にクルマがいないことを確認し、安全で見通しのいい場所にクルマを停止します。カーブの途中など後続車両から見えない場所は危険ですので、できるだけ避けましょう。また、スペアタイヤの交換にはジャッキアップが必要ですので、舗装された平らな場所にクルマを停めるように心掛けます。パーキングブレーキも忘れずに。 停車したら、クルマの後方に非常停止表示板を置き(非常停止表示板はオプションで販売されています。常備しておくと安心です)、後続車に自分のクルマが故障中であることを知らせます。 パンク修理をする ラゲッジルームに搭載されているパンク修理に必要な道具一式。 安全が確保できたら、スペアタイヤの交換作業に移ります。FIAT 500(チンクエチェント)の場合、ラゲッジルームの床下に交換部品が収納されています。カーペットをめくって交換キットを取り出します。タイヤ交換に必要なものは、ジャッキ、ジャッキハンドル、ホイールレンチ、マイナスドライバー、そして交換用のテンパータイヤです。軍手もあると便利なのでクルマに携帯しておくといいでしょう。では作業手順を順番にご紹介していきます。 ■センターキャップの取り外し アルミホイール装着車の場合、まずは、ホイール中心部のセンターキャップを取り外します。マイナスドライバーをセンターキャップの凹みに差し込んで手前に引くと外れます。 ■ホイールボルトを緩める クルマを持ち上げる前にホイールを固定している4本のボルトをゆるめます。タイヤが地面に接地した状態でホイールボルトにレンチを差し込み、反時計回りの方向に回すとボルトがゆるみます。 ■ジャッキアップ ジャッキアップするポイントを事前に確認しておきましょう。ジャッキアップ中は一点に力が掛かるため、正しい位置にジャッキをセットしないとクルマに大きな負担を掛けてしまいます。車体の「∇」が目印です。 ∇印の延長線上のボディ下を覗きこむと、レール状になったジャッキアップポイントが見つかります。その突起の下にジャッキを置き、まずは手でジャッキを時計回りに回していくと、ジャッキの上端が伸び上がってきます。 適切な位置にジャッキを設置したら、いよいよジャッキアップです。ジャッキハンドルを時計回りに回転させ、パンクしたタイヤが地面から2〜3cm浮き上がるまでクルマを持ち上げます。 ■ホイールボルトを外す あらかじめ緩めておいたホイールボルトをレンチでさらに緩め、ボルトを外します、4本すべてが外れたら、パンクしたタイヤを車体から取り外します。 ■テンパータイヤの装着 次にテンパータイヤを装着します。ホイールの中心には4つのボルト穴のほかに、小さめの穴が2つあります。これはタイヤの取り付け位置をわかりやすくするガイド用の穴で、この2つの穴が水平になるようにタイヤを抱え、クルマ側から突き出した2本のガイドピンに差し込みます。 ■ホイールボルトの装着 ホイールボルトをまずは指で時計回りに締め付けていきます。タイヤは重さで下側が浮き上がりやすいので、ホイールを押さえつけた状態のままボルトを取り付けていきます。ひとつ付けたら、次はその対角線上のボルトを締め付けます。仮止めなのでこの時点では軽く締めるだけで結構です。ホイールが傾いた状態で装着されていないか確認しながら作業を行ってください。 ■ホイールボルトの締め付け ジャッキハンドルを反時計回りにゆっくりと回してジャッキを下ろしていき、スペアタイヤが地面に完全に接地したことを確認します。最後にホイールボルトの締め付けを行います。ホイールレンチを使って、ボルトを時計回りに回していきますが、このとき体重を掛けて強く締めつけてしまうのはNGです。力が強すぎるとボルトがねじ切れてしまうこともあるので注意が必要です。両手でレンチを持って最後まで緩みなく締め付けられていればOKです。 ■タイヤ交換終了 これで、テンパータイヤの装着は完了です。ただし、通常のタイヤよりも小さくて細身のテンパータイヤは、あくまでも修理工場まで移動するための応急用タイヤです。高速道路を走る場合はスピードを控えめで慎重に走行し、近くの正規ディーラーでなるべく早い段階で純正タイヤに交換してください。 パンクの多くはタイヤの接地面にクギなどが刺さって空気が抜けてしまうパターンですが、縁石などにタイヤの側面をぶつけてしまいダメージを与えることで起こるものもあります。また、タイヤの溝が摩耗している場合や、摩耗はしていなくても経年変化で劣化している場合も、パンクやバーストのリスクは高まります。目視で細かいひび割れや異物が刺さっていないか、日常点検で確認しておくことも大切です。 さらに空気圧の低下にも注意が必要です。空気圧が低い状態で走行するとパンクの危険性が高まります。ガソリンスタンドで給油の際などに空気圧を点検し、指定空気圧を維持しておくのが良いでしょう。タイヤは熱を持つと空気圧が上がってしまうので、空気圧を点検する際はタイヤが温まっていない状態で行います。指定空気圧はクルマの取扱説明書に記載されているので確認しておきましょう。 文 藤島知子 写真 荒川正幸
ATとMTの魅力を併せ持つデュアロジック クルマを思い通りに走らせるにはハンドルやアクセル、ブレーキ操作が基本となりますが、もうひとつ重要なものがあります。トランスミッションの操作、つまりギアチェンジです。 トランスミッションの役割は走行状況に応じて最適なギアを選択すること。それを手動で行うのがマニュアル(MT)、クルマが自動で行うのがオートマチック(AT)ですが、このほかにATとMTの機能を足し合わせた「オートモード付きシーケンシャルトランスミッション」というものがあります。FIAT車に採用されている「デュアロジック」もこれに分類されます。今回はこのデュアロジックを上手に操るコツをご紹介したいと思います。 まずは特徴を知ろう ところで、皆さんはデュアロジックとはどのような特性をもつトランスミッションなのかご存じでしょうか? デュアロジックのベースとなっているのはマニュアルトランスミッションですが、マニュアル車との違いは、クラッチ操作が不要なことと、自動変速モードを備えていることです。またAT限定免許でも運転できます。 日本ではATやCVTが主流ですが、トルクコンバーターをもつこれらのトランスミッションは変速時に滑らかにギアが繋がることと、ブレーキペダルから足を離したときにゆっくりと前進するクリープ現象を持つのが特徴です。ただし構造が複雑なため、重量はほかのトランスミッションに比べてやや重くなりがちです。 これに対して、FIAT 500(チンクエチェント)やPandaに採用されているデュアロジックは構造がシンプルで、軽いという特徴があります。またトルクコンバーターを介さないことからATに比べてエネルギーの伝達ロスが少なく、低燃費走行にも寄与します。 意のままに操る喜び デュアロジック車では変速をクルマに委ねることができますが、MT車のようにシフトレバーによるマニュアル操作も楽しめます。うまく操ればクルマと一体になる感覚を味わうことができます。 一方で、ATやCVT車の場合、ブレーキペダルから足を離すとクルマがゆっくり前進するクリープ現象が得られますが、デュアロジックの場合はATやCVT車に比べるとクルマが動き出す力は弱いため、状況によりアクセルを少し踏み足す必要があります。特に走り出しや車庫入れなどではマニュアル車と同様に繊細なアクセル操作が求められますので注意が必要です。もちろんていねいな操作を心掛ければスムーズに走れます。 つまり、デュアロジック車はドライバーの運転操作に忠実に反応するということ。コツさえ掴んでしまえば思い通りに走ることができ、クルマを意のままに操っている喜びが得られるというワケです。 かかとをしっかり固定する では、実際にどのような操作をしたら、スムーズに走れるのでしょうか? 今回はFIAT 500Cをドライブしながら考えていきます。 まずクルマに乗り込み、ブレーキペダルを踏みながらキーを回すとエンジンが始動。ATやCVTのようにDレンジはなく、シフトレバーを『+』のゲートに入れて走り出します。 シフトレバーを『A/M』と表示されたゲートの左側に倒すと自動変速モードの「Auto」と手動変速モード「MT」の選択ができます。 「Auto」モードで走行する場合は、アクセルとブレーキペダルの操作だけでOK。ペダル操作の際は、右足のかかとをしっかりと床につけると、足が固定されて操作しやすくなります。車庫入れや発進加速、ブレーキングもスムーズに行えるようになるので、ぜひ試してみてください。 マニュアルモードを楽しもう MT車のように手動変速を楽しみたい場合は、シフトレバーを左に倒してMTモードを選びます。加速時にシフトアップする時はシフトレバーを『+』と書かれた手前側に引き、減速時は『-』と表示された奥側にレバーを倒すとシフトダウンします。 MT車だと、クラッチ操作とシフト操作を同時に行う必要がありますが、デュアロジック車の場合はクラッチ操作が不要なぶん、ハンドル操作に集中できるメリットがあります。 パドルシフト付きのモデルの場合、ハンドルから両手を離さずに手動変速をすることが可能です。シフトアップする時は右手のパドルを引き、シフトダウンは左手側のパドルを引きます アクセルを一旦緩めるのがコツ デュアロジックの醍醐味はクルマと呼吸を合わせながら走る楽しみが得られること! シフトアップするときは、アクセルペダルを踏み込み、エンジン音が高まってギアチェンジのタイミングが訪れたと感じたら、一旦アクセルを緩めるのがポイント。そこで、一段上のギアに変速したことを確認してから、再度アクセルペダルを踏み足していくとギクシャク感が抑えられ、スムーズに走らせることができます。 シフトダウンする時は、ブレーキを踏んで車速を落とせばクルマが自動的にシフトダウンを行ってくれます。また、カーブの走行などで、ある程度車速を維持したままシフトダウンしたい時は、アクセルを緩めたり、わずかにブレーキをかけたりしながら手動でシフトダウンの操作を行ってあげると、クルマ側がその意図を汲み取り、ショックのない滑らかなシフトダウンが行えます。 坂道発進の味方「ヒルホールドシステム」 最後に、2ペダル式シーケンシャルトランスミッション車で怖じ気づいてしまいがちなのが、坂道発進時のクルマの後退です。でもFIAT 500とPandaには、坂道発進でクルマが逆行しないようにドライバーをサポートする「ヒルホールドシステム」が標準装備されているので安心です。 坂道で発進する場合は、ブレーキペダルを一旦しっかり踏み込めば、ブレーキペダルから足を離しても約2秒間はクルマが停車状態をキープしてくれるので、その間にアクセルペダルに踏み換えればスムーズな発進が可能になります。 クルマの特徴を知って上手に向き合うコツを掴めば、日常のドライブがもっと楽しくなるハズ。みなさんも愛車と呼吸を合わせて走る楽しみを満喫しながら、素敵なカーライフを送ってください。 文 藤島知子 写真