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イタリアはひとの心を動かす天才だ。

文 : モータージャーナリスト・小川フミオ   建築、絵画、彫刻、オペラ、ファッションにはじまり、日常生活の中まで、イタリアが手がけるものは、気分を豊かにしてくれる。 食事やワインもそうだ。いま世界で最も創造的なシェフの一人といわれるマッシモ・ボットゥーラ氏の料理など典型かもしれない。 パスタ料理やリゾットをベースに、さまざまな物語を盛り込む。ガルダ湖畔で食べさせてくれたときは、リゾットの出汁をガルダ湖の魚でとり、最後に鼻先でガルダ湖畔名物のレモンをしゅっとひと吹き。 一見フツウのリゾットがガルダ湖をまるごと味わうような、奥の深い料理に変わった。ぼくはクルマでも同じような感動を味わうことがある。 イタリア人の“天才”ぶりがクルマの分野で発揮されるのがフィアットといっていいかもしれない。好例が現在欧州を中心に愛されている FIAT 500X(フィアット チンクエチェントエックス)である。 ちょっと背の高いSUV的なプロポーションで、4WDモデルも設定されているにもかかわらず、こけおどし的なゴツさがいっさいない。デザインモチーフは1957年のデビュー以来、愛されてきたNuova 500(ヌォーヴァチンクエチェント)。「ニューヨーク近代美術館」ではモダン美術の永久展示品にもなっている。共通するイメージをうまく取り入れつつ、現代的なデザイン要素を各所に盛り込んだ手法は手練れの業(わざ)だ。 ダッシュボードも60年代のイタリア車を彷彿させる車体色とカラーキー(色合わせ)された意匠で、これもひとことで言うと“いいかんじ”。 シートは「500X Pop Star」は、2 トーンの組み合わせを使ったソフトなファブリック。「Pop Star Plus」は大人っぽい革張り。これも選ぶ楽しみがある。選択肢が多いというのは、豊かなことである。それがわかっているのだ。   前輪駆動の軽快な「500X Pop Star」と「500X Pop Star Plus」は 1368cc の 4 気筒エンジンを搭載。インタークーラー付ターボチャージャーを組み合わせて、103kW(140 馬力)の最高出力と 230Nm もの最大トルクを持つ。さきに、スタイルの魅力について触れたが、しかしどうして、走りは活発だ。1750rpm で最大トルクを発生する設定なので、低回転域から力がたっぷりある。   オートマチック変速機のイージーさと、マニュアル変速機のダイレクトさを同時に持ったデュアルクラッチ変速機は、6 段のギア比を上手に振り分けて、もたついた感じを一瞬として感じさせることはない。運転の仕方に応じて、ゆったり気楽に走るのが好きなひとには早めのシフトアップで燃費にもいいクルーズ感覚を提供する。いっぽうスポーティな走りを好むひとには、つねに応答性のいい回転域をしっかりホールドして機敏な加速性を楽しませてくれるのだ。 脚まわりのセッティングも、峠道が多いイタリアをはじめとする欧州で愛されてきたフィアットだけある。いいかんじに引き締まっていて、ステアリングホイールを切ったときの車体の動きのよさが、高速走行時の気持ちよさとうまくバランスされていると感心する。コーナリングはロールを抑えた設定で、ステアリングホイールへの応答性がよく、車体の動きは完全にドライバーのコントロール下に。 カーブが連続する道ではひらりひらりと曲がっていけるのが快感だ。その感覚は「500X」 ならではだろう。信頼でき、かつ、楽しませてくれる。いいパートナーだなあと感じ入る。こうして人間とクルマとのあいだに濃密な関係を築けるのは、なかなか他メーカーにはない特長といえるかもしれない。荷物もたっぷり積めるこのクルマを手に入れたら、当然、旅行に行きたくなるだろう。1 週間のドライブもいいし、デイトリップも疲労感なくこなせるはずだ。   スマートフォンを接続して「Apple Car Play」 あるいは「Android Auto」を使えるのも、いつも好きなものと旅をするという喜びにひと役買っている。ドライブには欠かせない音楽は、スマートフォン内のコンテンツを聴くことができる。 ハンズフリーフォンの機能も備えているし、地図アプリを使った音声案内付きのナビゲーション機能も使える。タッチパネルでもいいし、スマートフォン上からもと、扱いやすい。スマートフォンの地図データを使うメリットは、つねに最新の地図情報がデータの書き換えをすることなく更新される点である。車載ナビゲーションシステムを使っているなら納得してくれるだろうか。 ※写真は Apple CarPlay の画面です。   […]

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もっとFIATとドライブを愉しむ 〜快適ドライブのためのタイヤ学~

お金をかけずにクルマの性能を良くすること。 それはタイヤの空気圧に気を遣うことかも知れません。   「何を大げさな…。」   そんな声が聞こえてきそうですが、レースの世界でも「タイヤマネジメント」という言葉があるように、タイヤこそがクルマの走りを決めるもの。   なんだか乗り心地が前と違ってきた…。 高速道路でハンドルがプルプル震える…。 街中でのハンドルがなんとなく重い…。     こんなことに、心当たりはありませんか?   そんなときは、まずはタイヤの状態を確認してみましょう。   唯一路面に触れ、夏は高熱、冬は低温。雨に雪、石や段差、金属などなど、常に様々な条件と状況の変化にさらされている一方で、走る、曲がる、止まる、といったクルマの運動すべてを担っているのがタイヤです。         安全性はもちろん、乗り心地や操縦安定性、加速や減速、なめらかなコーナーリングや燃費など、ありとあらゆるクルマの走りがタイヤと深い関係にあります。     意外とバラバラ空気圧 実は、よほど整備したてでもない限り、4輪の空気圧がすべて既定値であることは、なかなかありません。 クルマを日頃停める場所がデコボコだったり、傾斜していたり、車止めにめり込んだままにしていたり、平らでないところで空気を調整してしまったなどなど、 さまざまな「ちょっとしたことの積み重ね」で、タイヤの空気圧は既定値を外れてしまうケースが多くあります。         ご存知の通り、空気は温めれば膨張し、冷やせば収縮します。 たとえ新品のタイヤでも、真夏にガンガン走れば、タイヤの温度は上がり、内部の空気が膨張し空気圧が上がります。逆に真冬の車庫に何日も放置されると、逆に空気は収縮し空気圧が低下します。   足にピッタリフィットした靴が快適なウォーキングを約束してくれるのと同様、適切な空気圧の調整は想像以上に快適なドライブを約束してくれます。         0.1でも大違い   500のツインエアー「ラウンジ」に装備されている185/55 R15を例に説明します。(他の車種、グレードの場合、取扱説明書を必ずご確認ください)   基本運転手のみ、もしくはときどき助手席に人が乗る程度の場合。冷間時の推奨空気圧は前輪は2.2bar、後輪は2.1barです。 (計る場所は真っ平らが基本ですぞ!) 前後で空気圧が異なりますが、これを間違えてしまうとクルマの性格が変わってしまいますので注意が必要です。 休みのドライブで荷物も乗客も満載!という時は、前後共に2.3barでOK。   たったこれだけで、しっとりとしたハンドリングとなめらかな乗り心地に生まれ変わります。 もちろん高速道路も山道も非常に楽しく快適に走ることができます。       […]

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もっとFIATとドライブを愉しむ 〜デュアロジック〜山道編

高原でのフェスや、温泉旅行やちょっとしたハイキングなどに出かけることも増えるこの季節。 そんなドライブシーズンと切っても切れないのが山道や峠道。   日頃から山道に慣れている方はともかく、そうでない方の中には…。   「上り坂で気持ちよく走れない…。」 「下りでエンジンブレーキって…。ついついブレーキを踏みがち…。」     そんなお悩みをお持ちの方も多いようで。 中には「小さなエンジンのFIATは、上り坂は苦手でしょ?」なんて諦めている方も…。とんでもございません! 4,000m級のアルプスと隣接した街、トリノで生まれ、山道で鍛えられたFIATにとって、上り下りの坂道はむしろ大好物。         小さなエンジン、小さなボディのFIATたちですが、その「軽さ」という武器をより効果的にしてくれるのが、マニュアル・トランスミッション(以下MT)やその自動版であるデュアロジックシステム。   クルマは、軽ければよく加速し、よく曲がり、よく止まります。 軽いクルマの方が、重い車よりも上り坂はスイスイ、下り坂でも安心して曲がり、止まることができます。 運転において「気持ちよく走る」ことはとても重要で、疲れにくく集中力も保て、結果として安全も担保できるというメリットがあります。もちろん消費する燃料も少ないし、ブレーキやタイヤの摩耗も少なくて済みます。 いい走りの基本である「重量」こそ、クルマにとって最も重要な要素なんです。       AUTOモードでマニュアルシフト FIATのデュアロジックは、クラッチペダルのないMT、つまり自動MTとも呼べるシステム。構造がほぼMTなので、重量がとても軽く済みます。そんなデュアロジックの恩恵を最も体感できるシチュエーションこそ山道です。         今回はAT車のようにラクラク走行が可能な「AUTOモード」でのドライブのコツについてご紹介します。         走行中は、上の写真の位置にシフトレバーがあるわけですが、例えば、ちょっと上りがきついなと感じれば、さっとシフトノブを一度トンと前に倒してみてください。ギアが一段落ち、エンジンがうなりをあげて俄然元気な走りにかわります。     また、下り坂でスピードが出過ぎるような状況でも、同じようにトンとシフトを前に倒し、一段ギアを落としてください。 効果的なエンジンブレーキとなって速度の増加を未然に抑えてくれます。         唯一のコツは、シフトダウンのときにアクセルペダルを踏み込まないこと。 ただ単にシフトレバーを前にトンと一回倒すだけ。たったこれだけの動作で、山道が俄然走りやすくなります。           こうしたATのシフトチェンジという動作は、自動車教習所で教わることはありませんが、実に簡単ながらもとっても効果的。   「でも、シフトチェンジをミスって壊れたりしない?」 […]

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もっとドライブを愉しむ 〜デュアロジックの仕組みと発進編

  軽さが生み出す、楽しい運転 FIAT500やPandaに装備されるデュアロジック。ただの「FIAT版のAT」ではありません。   オートマチック限定免許でも運転できるこのトランスミッションは、クラッチペダルもなく見かけは完全に「AT車」なんですが、厳密にいうとシフトとクラッチの操作、つまりMTの操作を機械がこなしてくれる自動MTともいえるシステム。         多くのAT車で用いられている「トルクコンバーター式」と呼ばれるものと比べると、動力の伝達効率が良く、なにより軽量なので、運動性能でも燃費性能でもアドバンテージがあります。     日に日に太陽の日差しも強くなる、季節はまさにドライブシーズン。野に山に海へのお出かけを、もっと楽しいものにしていただくためには、是非このデュアロジックの魅力や運転のコツをもっと知っていただきたいと思います。     ギアの役割分担を考える さて、見た目はAT、中身はMTともいえるこのデュアロジックをより理解していただくには、まずは5段階にわけられた各ギアについて説明する必要があります。   1速=停車からクルマを動かすきっかけづくりや、きつい坂道などを元気よく登るためのギア。〜時速20キロくらいまでが守備範囲の力持ち。   2速/3速=街中や幹線道路など低速〜中速で取り回しのいいギア。山道などの下り坂ではブレーキの役割も果たしてくれる。 〜時速20キロから80キロくらいが守備範囲の中低速が得意なオールラウンダー。   4速=幹線道路や自動車専用道など中〜高速域で活躍するギア。〜時速60キロから100キロくらいが守備範囲の高速のスペシャリスト。   5速=高速道路で燃費を稼ぎながら無理せず走るためのギア。加速が必要なときには不向き。〜時速60キロから上の速度で、ゆったり「流す走り」を得意とするゆとりのギア。           MT車がスポーティと言われる最大の理由は、これらの5種類のギアたちを、思いのままに操れるからに他なりません。 もっと加速したい時、坂を登ったり下ったりする時、低速で走りたい時、ゆったり流したい時…。それぞれ得意な領域で、効率よくエンジンの力を活用できるので、キビキビとしたスムースな走り、つまりスポーティな走行が可能というわけです。もちろんスムースな走りは燃費にも好影響を与えますし、運転自体の疲れも軽減し、ひいては判断力の低下も防ぐことができます。   デュアロジックは、たとえAT免許しか持っていなくても、こうしたMTのようなスポーティな運転も楽しめるので、軽快な身のこなしが得意なFIATには、まさにうってつけのシステムといえます。   だからこそ、MTの仕組みや運転のクセを知ることで、もっとスムースで楽しい運転ができるということも事実ですので、そのあたりのご紹介をシリーズで行いたいと思います。   AUTOモードでのちょっとしたコツ 「停車から走り始め、そして2速にシフトアップするまでをもっとスムースに運転したいんだけど…。」   そんなご意見を耳にすることがあります。   都市部などではどうしてもストップ・アンド・ゴーが多くなるので、こうしたことを気にされる方も多いのかもしれません。         そんな方は、ひょっとすると発進時にそーっとアクセルを踏んでいらっしゃる方かもしれません。 急のつく動作は厳禁! というのが世界共通の運転ルールですが、あくまで「いつもより多めに」アクセルを踏んでみて下さい。   「グオオオオオオオオオッ…。」 という低くうなるエンジン音こそするものの、急とは程遠いほど普通に発進するはずです。(ツインエアモデルの場合)     大体時速20キロくらいに達するまでのせいぜい5秒ほどなんですが、そこでアクセルを少し緩めてあげると、2速へのシフトアップがスムースに行われます。 […]

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毎日を楽しく、万一の時に安心を フィアット セーフティ ドライビング in 富士スピードウェイ

運転上達のヒントを発見 4月8日(日)、富士スピードウェイにて「フィアット セーフティ ドライビング(FSD)」が開催されました。2017年4月の富士、7月の鈴鹿に続き、第3回目となる今回は、参加申し込みが大幅に増加。受付開始からわずか数日で定員数に達し、これまで以上に好評を得て開催されました。     フィアット セーフティ ドライビングが目指すのは、フィアットオーナーさまに正しい運転操作に身につけていただき、「運転する楽しさ」を実感いただくこと。まずは取り回しをしやすい運転ポジションを習得し、その上でクルマの持つ基本性能や安全装備に触れ、万一の時に役立つ危険回避の方法や心構えを学んでいきます。     今回のご参加者数は1回のレッスンにつき25-26名ほど。プロのインストラクターによる安全講義やレクチャーを通じて、自分のクルマの持つ性能の高さに触れると、まるでパートナーの意外な一面を見たかのように喜びと感動が大きいようです。ご参加者からは「正しいポジションで運転の仕方が変わった」「小さいクルマなのに思いのほかスゴかった」などの声が飛び出しました。   以下の動画よりレクチャーの模様やご参加者の声をご覧ください。   […]

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「日常に暮らす」FIAT〜イタリア、フランス編

イタリア生まれのFIAT。移動の道具だけでなく、街の一部としての役割も担うクルマとして愛されているのも特徴の一つ。   よく「オシャレ〜」といわれるイタリアの街並みですが、それは脇を固めるクルマたちという助演女優(男優?)たちのおかげであることにお気づきでしょうか?   日本と違い、自家用車であっても駐車場が住宅前の路上というケースが多い彼の国において(郊外以遠でないと戸建住宅は少ない)、いやがおうでも街の景観の一部を担う「クルマを選ぶ」という行為は、思いの外シビアなものです。 あまりに場違いなカラーなど選ぼうものの、町内における好感度はみるみる失墜します。 実はイタリア人は想像以上に衆目を気にします。ハデだ陽気だ自分勝手だなんていわれますが、日本人以上にシャイで周りに気を配っているのです。     さて、そんな彼らのクルマたちですが、日本のみなさんのようなピカピカな状態ではなく、適度に使い込まれてヤレていたり、見事に汚れていたりするんですが、それでもちょっとした看板やテントといった街並みのアイコンにあるときは溶け込み、あるときは見事なコントラストを見せてくれているのも、イタリアだなあと思わせる瞬間だったりします。 数百年を経た旧い建物の前でも、最新のゴージャスなショーウインドウの前でも、キリリとした存在感を放つのはイタリア車の最大の美徳の一つ。     排ガス規制などのせいで、かつてほど都市部の駐車に「自由」はなくなったものの、それでもいたるところにクルマが溢れていて、街とのアンサンブルを楽しむことができます。これが「オシャレ」を感じさせる理由なんでしょう。             さて、今度はちょっとイタリアを離れてフランスへ。 毎年2月にパリで行われる、欧州最大級の旧車イベント「RETROMOBILE」に出向いた際に出会ったFIATたちをご紹介します。   折しも、今年の日本同様、大変な寒波に見舞われた2月初頭のパリだったのですが、おかげでなかなか珍しい「雪のパリ」に佇むFIATたちと出会えました。     東京ほどではないにせよ、大変な交通量があるパリ。古く、入りくんだ路地も多い中、実はNuova500の時代から愛らしいデザインとサイズ感で、オシャレなパリジェンヌ、パリジャンに大人気。その流れは現行の500にも引き継がれています。     クルマが生活の一部になっている人たちに愛され続けるクルマ。それがFIAT。 日常に暮らす相棒として、国を問わず活躍している姿はなかなか素敵ではありませんか? […]

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ワンちゃんと暮らす〜楽しいドライブのための知っておきたいこと その1

新年のご挨拶でご紹介したアルゼンチンでのキャンペーン「FIAT DOGS」をはじめ、様々な形で動物たちを支援するFIAT。今年のイチオシは、やはりなんといってもワンちゃんです。   そこで「fiat magazine CIAO!」では、愛犬との暮らしをより“ワン”ダフルにしていただくためのTIPSを、東京・田園調布で30年以上にわたりあらゆる動物たちをケアしてきた「動物のお医者さん」、アーク動物病院の増川洋史・薫院長先生に監修いただき、これからみなさまにシリーズでご紹介していきたいと思います。   クルマのエアコンって、ワンちゃんにイイの? やっぱりケージに入れてドライブした方がいいの? ドライブでの休憩はどれくらい必要なの? ワンちゃんとのドライブは楽しいのですが、さまざまな疑問や「言われてみれば…。」ということも結構多いかと思います。      ワンちゃんの個性をみる   「おとなしくシートに座っている子もいれば、落ち着かなくて鳴き出したり暴れたりする子もいます。もちろん犬種それぞれの特徴もあります。だから、本やネットで言われていることを鵜呑みにするのではなく、それぞれのワンちゃんの個性にあわせた環境づくりをすること、まずはそこからですね。」   冷え込みが続くこの季節、果たしてワンちゃんに服を着せる? それとも着せない方がいい?   「基本、ワンちゃんは寒さに強い生き物です。たとえば雪の上をずっと歩いても、凍傷にもなりません。でも、人との暮らしが長くなることで徐々にその特徴にも変化があらわれてきます。たとえば犬種によってはアンダーコート(地肌に近い部分の密度の濃い毛)がない、つまり冬毛に生え替わらない子もいるんですが、そういうタイプのワンちゃんには、寒い外へ出る少し前に服を着せるなどの注意が必要です。」 つまり正解はひとつではなく、ワンちゃんごとに合わせる必要があるようです。   クルマのエアコンが気になりますが、温度設定はどうすれば?   「あまり気にすることはないでしょうね。特に冬は問題ありません。でも夏場には注意が必要です。ワンちゃんは汗をかかない恒温動物、体温の調節は舌と肉球で行っています。寒さには強いと言いましたが、暑さにはめっぽう弱いんです。FIATだけではありませんが、欧州の車は、日本のクルマと違いエンジンをかけたままドアをロックできないので、冬ならともかく、夏はたとえ五分でも高温になる車内にワンちゃんを放置したままトイレに…。なんてことは絶対に避けなければなりません。最近では多目的トイレを設置しているSAがほとんどですので、ワンちゃんを連れて一緒に入ってあげてください。」     ケージ? それともハーネス? 車内の安全は?   「落ち着いた子ならハーネスでも問題ありませんが、落ち着かない子なら自分でハーネスを巻きつけてしまい、不意のブレーキなどで骨折なんていうようなケースもあります。やはりケージに入れるのがベストでしょうね。」   車内では思わぬことで怪我することも…。   「ワンちゃんの足は細いので、ちょっとした隙間に足を挟んで骨折したり、リアシートの足元に落ちて怪我をするなんてこともあるんです。空気で膨らますクッションで段差をなくしてフラットにしてあげたりするといいでしょう。」   なるほど、ワンちゃんに合わせたケアが大切なんですね。 「そうです。ワンちゃんは暮らしのパートナーですから、その子の個性を知ることは飼い主の義務だとも言えます。理解が深まれば、より親密な関係を築くことができますしね。」     ありがとうございます。もっとお聞きしたいこともあるので、これからもお話を聞かせてください。     アーク動物病院 東京都大田区田園調布2-20-10 http://www.ark-vet.com […]

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冬のドライブを楽しくする〜スタッドレスタイヤのススメ

FIATは冬が大好き   予想では平年並みと言われている2018年の冬ですが、昨年の秋からのラニーニャ現象のせいか、いつもより寒くなる予感が…。 さて、冬といえばドライブの季節。澄んだ空気で遠くまで景色が美しく、夜ともなれば美しい星空を存分に楽しむこともできます。なにより温泉や冬の海など楽しみは尽きません。     イタリアはトリノ生まれのFIATは、何を隠そう北国生まれ。雪や氷に慣れた北海道の女性はハイヒールのままでも凍った歩道で小走りできるそうですが、同様に寒い地域での安全快適な走りも、FIATの伝統的な特技のひとつ。 夏は海、冬は山でスノースポーツというのがイタリアのお決まり。 つまり、イタリアの国民車であるFIATは代々冬を得意としています。     さて、冬のドライブといえば、一昔前なら「雪が降ったらタイヤチェーンを巻けばいいじゃないか!」というのがある種の常識でした。しかし、FIATのみに限った話ではなく、今どきのクルマというのは純正タイヤ&ホイールではタイヤチェーン(金属、樹脂問わず)装着が不可能な場合が多いので、必ずマニュアルの確認やディーラーにお問い合わせする必要があります。 そうなると選択肢はスタッドレス! となるわけですが、今回は進歩著しい冬のドライブのマストアイテムについて触れたいと思います。       楽しむための安心 豪雪地帯でなくとも、いまや都市部でも冬の間にはスタッドレスという方が年々増えていますが、それもそのはず。多くの一流メーカーがさまざまなグレードを展開しており、商品によっては前モデルよりも制動距離が10%減、摩耗20%以上減などというめまぐるしい性能向上を果たしているものもあるほど。     さらに、一昔のモデルと違い、普通の路面でも商品によっては夏タイヤとほぼ変らない走行性能が得られるものも増えており、「走り」を多少なりとも犠牲にするようなこともなくなりました。だから、走りが楽しいFIATにこそ相応しい冬のアイテムともいえるわけです。     購入と交換時期 スタッドレスタイヤは普通の夏タイヤと同様、ゴムでできています。つまり、よく走り、よく曲がり、よく止まり、低燃費で走れるかは、素材(ゴム)の鮮度と山(溝)の残り具合によって決まります。 ちなみにタイヤも食品のように製造年月日を確認することができるのをご存知でしょうか?     メーカーによって定義は異なりますし、ゴムの大敵UVを考えると屋外に駐車している場合と屋内でもその条件は異なりますが、概ね3〜5年を一つの目安とするのがいいでしょう。 夏冬でタイヤを履き替え、しっかりと日光のあたらない(つまりUVを当てない)場所で保存すれば、寿命は5年に近づき、そうでない場合は3年だと考えるのが安全です。 なぜだか激安の新品タイヤを購入する場合や、中古タイヤをオークションでという場合には、この製造年確認は必須ですのでご注意を。   また、よく、多少古くても山が残っているからまだ大丈夫! というような説もありますが、低い温度ではその性能が発揮しづらいというゴム素材の特性上、目に見えない劣化タイヤはいざという時にホントに曲がりませんし止まりません。もちろん山があってもヒビなど入っているようなら言語道断。最悪バーストもありえます。   特性上どうしても夏タイヤよりも摩耗が激しいスタッドレスでは、このタイヤ確認にはひときわこだわっておきたいところです。 ちなみに、チェーン時代の名残からか、駆動輪のみスタッドレスを使用すればいい!と勘違いされている方もいらっしゃるようですが、安全のためには必ず4輪とも装備してください。   往きはよいよい帰りは怖い   お天気の日に日帰り温泉へ出かけたら帰りはすっかり冷え込んですっかり路面が凍結…。なんてことは冬のドライブではよくあること。山間部でなくても、寒い冬の日なら都市部でもあり得る話。   そこで、スタッドレスであろうが、夏タイヤであろうが、是非とも実践していただきたいのが、試しブレーキ。ちょっと凍っているかな? 溶けて濡れているようにみえるけど、インパネ内の温度計が低温になっていて怪しい…。 そんな時は、路肩でも駐車場でも結構です。絶対に周りに人やクルマがいないことが確認できる安全な状況で、歩くほどの微速から思いっきりブレーキを踏みつけて停車してください。実際にはどのくらい滑ってしまうのかを理解、把握することはとても重要で、いざという時の判断の手助けになるので、是非実践してみてください。   数年前からイタリアでは、雪や凍結の可能性が出てくる11月から4月までの間(なぜかともに15日?)は、高速道路走行の際はスタッドレスタイヤ装備かタイヤチェーン携行がなければ罰則の対象となっています。     日本ではいわゆるチェーン規制がかかっていない場所では罰則とはなりませんが、意外にもイタリアの方が周囲に迷惑がかかることを良しとしない風潮が強いようです。 冬のバカンスも彼らの大切なライフスタイルのひとつですから、楽しいドライブを満喫したいという国民性がよく出た、イタリアらしいルールともいえるかもしれません。   さあ、みなさんもFIATで日本の冬を味わい尽くしましょう!   *日本では都道府県道路交通法により、積雪または凍結道路における冬用タイヤの装着、いわゆる防滑措置の義務が規定されています。(大型7000円、普通6000円の罰金〜沖縄県を除く) […]

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FIATともっと仲良くなろう!「フィアット セーフティ ドライビング」

フィアット セーフティ ドライビングは、フィアットオーナー向けのレッスン・プログラム。まいにちを安全・快適に過ごすために役立つ運転のコツを、プロのインストラクターから学ぶことができます。     レッスンでは、ドライビングポジションのレクチャーや座学、それに日常の危険回避に役立つ「走る・曲がる・止まる」の基礎練習や、急ブレーキ時に安全装備がどのように働くかなどを実際に体験できます。     またセーフティ ドライビングを学んだ後は、フィアットの兄弟分「アバルト」車の助手席でプロドライバーのサーキット走行を体験できるサーキットタクシーも。刺激もちょっぴり味わいつつ、愛車についてより深く知ることができるワンデーレッスンをお楽しみください。 レッスンについては第1回目の映像をご参照ください。   […]

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