渋谷ストリーム前の広場から並木橋までのリバーストリートにマーケットやワークショップなどが出展する屋外定期イベント『SHIBUYA SLOW STREAM』。3月19日(土)・20日(日)に特別開催された同イベント第7回のテーマは、ずばり“いつもの暮らしから考える地球環境”。
このテーマを受け、今回のスペシャル企画として渋谷ストリームで開催されたのが『MEGURIWA SQUARE (めぐりわひろば)』です。“日本最大級のサステナブルのお祭り”と銘打ち、各地で展開されるサステナブルコンテンツが一堂に会す本企画を手がけたのは『#MY FIRST FIAT』にも登場いただいた、循環型社会の構築を目指して活動する団体『Meguriwa(めぐりわ)』のプロジェクトディレクター・吉橋さん。インタビューとあわせてイベントの様子をお届けします。
2021年にスタートし、各回ごとにテーマを変えて開催されている『SHIBUYA SLOW STREAM』。第7回となる今回は、ファッションとアートを発信する『渋谷ファッションウイーク』が参画する『東京クリエイティブサロン』の一環として“サステナブルサロン”をコンセプトに、“いつもの暮らしから考える地球環境”というテーマのもと特別開催されました。
その一環として『渋谷ストリーム』4〜6階で開催されたのが『MEGURIWA SQUARE (めぐりわひろば)』。循環型共生経済の研究と社会実装を目的とするMeguriwaをはじめ、コンセプトメディア『QUANTA』、繊維商社『豊島株式会社』の共同運営により実施されました。
イベントでは、各階にバラエティ豊かなサステナブルコンテンツが出展。4-5階では、以前『#MY FIRST FIAT』のキャンペーンでプロダクトを提供してくださった信州・伊那谷の『pioneer plants(パイオニアプランツ)』をはじめ、三重県伊勢市から麻製品を提案する『伊勢麻福』や和紙の産地・山梨県市川大門の『SIWA』など、日本各地の地域に根ざした産業にフォーカス。また『笹塚ボウル』がプロデュースするキッズフリーマーケットや不用品を使ったアップサイクルインテリアのワークショップなども実施。美容や飲料などライフスタイルアイテムに取り入れやすいモノや取り組みも多数登場し、来場者がお買い物感覚でサステナブルコンテンツに触れられる空間が広がっていました。
また6階のホールでは、多彩な出演者によるトークイベントも開催。“都市と自然と人間のつながりをアップデート”というイベントに則したストレートな題目からアーユルヴェーダや古代神話から環境との向き合い方を問うユニークなトークテーマが設けられるなど、多角的かつサステナブルについての知見や気づきを与えてくれる企画が盛りだくさんの2日間でした。
今回の『MEGURIWA SQUARE』ついて、プロデューサーを務める吉橋さんは、「サステナブルという言葉が形骸化されてしまっている側面もある中で、都市に暮らす人たちに自然と向き合うことの“生々しさ”を感じて欲しかった」と、その開催意図について語ります。
▲『MEGURIWA SQUARE』プロデューサー 吉橋さん
「僕たちが運営しているMeguriwaは、いわばコミュニティサロンとして、より深く学んでいける場所を目指しています。一方で、今回開催した『MEGURIWA SQUARE』は、普段あまりサステナブルやエコといったところに気を遣ってはいないけれど気にはなっている方、あるいはまったく興味はないけれど、なにか別の入口があれば入ってこられそうな方に向けて、ひとつの導入口になれたらという思いがありました」
「循環型の社会を作るうえで、さまざまな業種のいろんな立場・いろんなエリアの人たちが混ざり合っていくことが必要だと僕ら自身は考えています。普段それぞれが身近に感じられないものがつながり合うことで、創造が拡張され、それが普段の暮らしの中に生かされていく。そうした混ざり合いや結びつき、繋ぎ合いをテーマにしています。僕自身は都市の感性だけで作るサステナブルには限界があると思っていて、やっぱりそこには普段から自然に親しむ人がサステナブルに対してどんな向き合い方をしているのか、都市と自然、両方の視点が必要だと思っています。自然が非日常である都市の人々がそういった視点を有するコンテンツに触れることで、ある種の“生々しさ”を感じ取って、そこからさらに循環型社会に対する認知の拡がりにつなげていければと考えています」
総勢50組近くの出展・出演、来場者により大きな賑わいを見せた“日本最大級のサステナブルのお祭り”。 Meguriwaの取り組みに共感するとともに、イベントのテーマである“いつもの暮らしから考える地球環境”を提案する個性豊かなブースの中から、今回は2組に普段の取り組みや本イベント出展について伺いました。
<JAPAN BLUE JEANS>
2011年、国産デニムの発祥地・岡山から海外へMADE IN JAPANのクオリティを広めるためにスタートした<JAPAN BLUE JEANS>。欧米で認められたシルエットに、国産のクオリティを組み合わせた新しい価値観のジーンズを提案しているブランドです。
立ち上げ当初からコートジボワール産の無農薬コットンを使用しているほか、大量廃棄されるバナナの茎部を再利用した『バナナデニムコレクション』をいち早く展開するなど、ファッション性の高さとエシカル消費を両立したアイテムを積極的に提案しています。
「今回は、エシカルに注力している当社の取り組みとイベントテーマの一致から、参加させていただくことになりました。私たちが提案するのは、日本のものづくりの良さとヨーロッパのスタイルを掛け合わせたデニムアイテム。普段、渋谷にある店舗にはブランドに共感してくださっている方が来てくださるのですが、今回の『MEGURIWA SQUARE』では、普段ブランドに触れる機会のない方々も興味を持ってくださって、サステナブルに対して関心の高い方がこんなにたくさんいるんだと改めて感じられました」
<加子母森林組合>
『#MY FIRST FIAT』スペシャルムービーの撮影地でもある岐阜県・加子母(かしも)村は、山に囲まれた地域。地域面積の約93%を占める山林では、伊勢神宮の式年遷宮御用材をはじめとする重要建築の修復や復元の用材『東濃ひのき』が育てられています。
加子母森林組合では『美林萬世之不滅(びりんばんせい これを たやさず)』の理念を掲げ、林齢の異なった大小さまざまな木が育つ“複層林”の成育や美しい循環型の森林を護り育てる活動を実施。木目が細かく密度の高い丈夫な木を使用した日用品を通じて、自然と人の営みが共存する環境づくりの在り方を呼びかけています。
「加子母村のひのきを使った香りアイテムを展開してくださっている『WANOWA』さんとのご縁からMeguriwaさんとつながり『MEGURIWA SQUARE』に出展させていただくことになりました。加子母は、昔から森林資源を生み出すことに取り組んできた地域。生活そのものが森と人の生活の循環のあいだで成り立っています。だからこそ、自分たちだけでは気づけないことがいっぱいあるので、今回は勉強させていただく心持ちで出展しました。こうしたイベントを通じて、長い時間をかけて森と寄り添ってきた加子母村の取り組みを知ってもらうとともに、ぜひ現地にもお越しいただければ嬉しいです」
都市に暮らす。だからこそ考えたい、サステナブルとの付き合い方を教えてくれた『MEGURIWA SQUARE』。このイベントで出会えた心地のいいモノゴトが、環境にやさしい取り組みにつながっていくと思うとワクワクしますね。サステナブルが“自分ごと”になるきっかけを今後もフィアットと一緒に見つけていきましょう!
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自然と地球に優しい社会を目指して。MEGURIWA・シナダユイさんが思う“自分らしいサステナブル”
Text:野中ミサキ(NaNo.works)
Photos:高見知香
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