『500X』にはどんな印象をお持ちですか?
「基本は妻が乗るクルマなんですけど、もちろん僕も乗るわけじゃないですか。そのたびに感じるのが、ああ、いいクルマだなっていうこと。それに、これなら国産車からの乗り換えでも誰も全く違和感を覚えないだろうな、っていうことなんです。『500』とか『Panda』にはまだちょっと残っている、昔ながらのフィアットのクセのようなものが全然ない。そのクセを魅力だと感じる人もいて、そこが薄れたという見方もあるけれど、逆にグローバルスタンダードなクルマとしての完成度が高いという見方もある。僕なんかはちょっとひねくれているから、もっとクセがあってもおもしろいって思うところがあるんですけど、どんな人が乗ってもスッと馴染めて綺麗に走らせることができる乗りやすさは、大多数の人にとっての美点ですよね」
「日本でも使いやすいサイズだし、実用性が高いし、装備も充実しているし、チープな感じもないし、よく走ってくれるし、満遍なくいいクルマ。ものすごく優等生です。本当にそうかはわからないんですけど、『500』や『Panda』が開発者たちの“こうしたい”っていう気持ちで作ったクルマなのだとしたら、『500X』は世界の人たちがどういうクルマを欲しがっているのかをひたすら研究して、そうした人たちに寄り添って作ったクルマ。そんなふうに感じるくらい出来がいいんですよ。不満らしい不満っていうのがひとつもない。誰かが欲しいっていったら、エクスキューズなしにいいクルマだよって答えられますよ」
『500』をモチーフにしたスタイリングも魅力のひとつですよね?
「そこに惹かれる人は多いでしょうね。僕も嫌いじゃないです(笑)。とにかく、実用車としては、今までのフィアットの中でいちばん出来がいいんじゃないかな、と個人的に思います。乗ってもう4年になるけど、トラブルもないですしね。昔から一部でいわれていたイタリア車は壊れやすい、みたいな話はもう過去のものですよ。『500X』は完全にグローバルスタンダードのステージにいるクルマだと思います。ただ、実用車でありSUVでもあるのに、こんなビンビン回るエンジンをのせてるところは、やっぱりフィアットだな、って感じます(笑)」
「それにイタリアのクルマらしい輝きみたいなものは、『500X』にもやっぱりありますね。この部分がイタリアだとか、そういうことじゃなくて、乗っていてふとそう感じることがあるんです。ほら、イタリアって不思議な特別感があるでしょう?クルマもそうで、その昔から脈々と続いてきているイタリア車の空気感だとか、あるいは存在自体に華があったりだとか、そういうところがある。ほかの同じクラスのSUVと比べて、やっぱり違うな、って感じるところもありますね」
『500X』、お気に入りな様子ですね。
「あまり考えたことはなかったけど、そうですね、気に入っています。飽きてもいないし、買い換えようと思ったこともないです。『500X』とは、まだしばらく付き合い続けると思います」
フィアットと密接なプロフェッショナルだけあって、語るトーンはかなりニュートラルです。が、20年以上もファミリーカーはすべてフィアット。『500X』を購入されたときのほかの検討対象もすべてフィアット。他ブランドの車名がひとつも出てこなかったあたりに、深津さんのフィアットに対する想いがあらわれているように感じます。また「仕事なんですから当然でしょう」とおっしゃいますが、フィアットに関する知識も並大抵ではありません。チンクエチェント博物館は予約制ではありますが、どなたでも見学することができますので、ぜひ博物館を訪ねて深津館長とお話をしてみてください。フィアットにまつわるおもしろい話を聞かせてもらえるかもしれませんよ。
Text:嶋田智之
Photos:濱上英翔
【INFORMATION】
チンクエチェント博物館
住所:〒467-0872 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14-10
TEL:052-871-6464
HP:https://museo500.com/
*ご観覧・ご来館は、毎週火曜日、木曜日〜日曜日(11:00〜16:00)のみ事前予約制。
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