フィアットの『Panda』を愛する人々が集まるイベント『パンダリーノ』。その取材にお伺いした際、愛車の『Panda Cross 4×4(パンダ クロス フォーバイフォー)』の側でフレンチトーストを焼いていたお二人が今回お話を伺った岡部さんご夫妻です。これまでにフィアット車を何台も乗り継いでいるほか、いまも『Nuova 500(ヌォーヴァ チンクエチェント )』といっしょに暮らしているとのこと。そこで、岡部さんご夫婦に、歴代の愛車の話やフィアットの魅力をたっぷりと伺いました。
「大学生の時に先輩から“俺はいつかこのクルマが欲しいんだ”とNuova 500の写真を見せてもらったのが、フィアットというメーカーやNuova 500を知ったきっかけでした」と最初の出会いを教えてくれた岡部さん。
そのときに、「僕も凄く欲しい!」と思ったそうです。岡部さんは、元々クルマ好きだったそうですが、その頃は国産の旧車に興味が向いていたとのこと。しかし、「これがきっかけで一気に興味がわきました。ワールド・カー・ガイド(ネコ・パブリッシング刊)のフィアットをすぐに買ってパラパラとめくってみたら、魅力的なクルマがいっぱい載っていて、アバルトもそこで知りました。それがフィアットは面白いと思った始まりです」と嬉しそうに思い出を語ります。そして岡部さんは、「その頃からNuova 500貯金として毎月1万円を貯め始めました。最終的に10年間かかりましたが、そのお金でNuova 500を買えたのです」
このクルマが岡部さんにとって初めてのフィアットになりました。
フィアットの魅力について、「デザインや走りなどクルマの本質に関わる部分がすごくしっかりと作られているところですね。特に著名なエンジニア、ダンテ・ジアコーサが作ったフィアットのクルマ達や、ジョルジェット・ジウジアーロがデザインした初代Pandaもそうですが、機能を突き詰めて考えた結果、あのデザインになったというクルマがフィアットには多いというところに、すごく惹かれました」と語る岡部さん。
その結果、日本車はもちろん、他のヨーロッパ車には目もくれずフィアット一筋。ワールド・カー・ガイドを毎日眺めながら、フィアット車のことを考えて過ごしていたそうです。
実は、Nuova 500の前に、もう1台購入を考えていたフィアット車があったそうです。「社会人になって普段使いのクルマとして、絶対にフィアットが良いと思って『フィアット リトモ アバルト130 TC』の購入を考えていました。コンパクトなハッチバックで“熱いエンジン”を搭載しているのが魅力でしたね。しかし、親に反対されて断念しました」
そこで、スポーティな走りも楽しめる日本車を手に入れ、そのクルマを持ちながら後にNuova 500も購入。そして、その日本車は13年ほど乗ったころからトラブルが相次いだため手放して、Nuova 500のみの生活になったとのこと。「妻といっしょに、Nuova 500でいろいろな場所へ出かけました。屋根のない駐車場に停めていたため、大雪でクルマが埋まってしまったという思い出もあります」
加えて、奥さまから面白いエピソードが。「ある時、土砂降りの中を迎えに来てくれたのですが、突然道を歩いてるおじさんに『これ、フィアットじゃないですか?』と話しかけられ『中を見せてくれ』といわれたことがありました」そして「珍しいクルマだから、どうしてもインテリアを見たいといきなりドアを開けられたよね(笑)」と岡部さんご夫婦は顔を見合わせながら楽しそう。
また、奥さまは、「インパネ周りがツルッとしているので、それにビックリしました。嫌だなという感じは全然なく、楽しい、可愛いと思いました。土砂降りの中で乗っても、ついつい笑っちゃうんです」とお二人ともNuova 500を本当に大好きな様子です。
Nuova 500を所有していたものの、年式が古いため長距離でのお出かけはレンタカーを借りていたという岡部さんご夫婦。
「レンタカーを借りる度に、すごくガッカリしていました。こういうクルマに毎回乗るのであれば、やっぱりもう1台、フィアットで何か良いのはないかなと考え2代目『Panda(パンダ)』の中古車を買いました」
そこでも、フィアット車であるということは譲れなかったそうで、他ブランドのクルマのことは、まったく考えなかったそうです。
すでに、この2代目Pandaを手放しているという岡部さん。実は、そのことを後悔しているそうです。「サイズ感や、小さいのに5ドアであることなど、いまにして思うと貴重な存在でした」とのこと。
そのPandaを手放した後『500X(チンクエチェントエックス)』を購入。500Xの購入には、実は岡部さんの趣味が関係していました。「トレイルランニングや登山をするので、ちょうどSUVの四駆が欲しかったのです。そうした思いにピッタリなモデルがフィアットのラインナップに加わっていたことと、形が500に近いこともあり、ずっと欲しいと思っていました。ちょうど『Panda 4×4(パンダ フォーバイフォー)』も発売されていたのですが、妻がAT免許なので500Xを選びました」
そこで奥さまが一言。「そのとき“も”即決だったよね(笑)」
さらに、今度はアバルトに乗り換えた岡部さん。「自分の中での反省なんです」と苦笑い。
「500X購入後の1年点検にディーラーへ行った時、アバルトの『595 Competizione(コンペティツィオーネ)』があったんです。その頃アバルトに興味が沸いていた時期で、すごく気になっていたんです」
そこで岡部さんは大胆な発想をします。「まだ1年しか乗っていないということは、下取りに出したらすごく高くなりますよね。一方、来年まで乗っちゃうと絶対に安くなる。それであればいまの方が得なんじゃないか」
そこで見積もりをしてもらったところ、思ったほど高額ではなく、ローンを組んで買い替えることに。「気づいちゃったのがいけなかった(笑)。そして、トドメは試乗。その結果、これ買います!となっていました(爆笑)」
その後、3年の間で3万km程乗ったアバルトから、現在の愛車の『Panda Cross 4×4(パンダ クロス フォーバイフォー)』に乗り換えることに。
「595 Competizioneは、本当に気に入っていたので、次に買うクルマがないなって思っていました。実は車検の予約までしていたのですが、たまたまそのディーラーで別ブランドのクルマを見せてもらおうと立ち寄ると、長くお付き合いのある営業の方が『えっ!』という不思議そうな顔をしたんです。『そのクルマも良いのですが、Panda Cross 4×4が入りますよ』って言われて。500Xを買った時にPanda 4×4を候補にしていたことを覚えていてくれていたんですね」
ここから岡部さんは悩みます。「595を手放すなんて、まったく考えていませんでしたから。でも、Panda Cross 4×4は限定車だし、いま住んでいるエリアには来ても2台ぐらいと言われて」
奥さまはその時の状況を「午前中にディーラーへ行って、帰ったのは夜だったね」とお話しされます。
そして、ついにPanda Cross 4×4を購入。そのPanda Cross 4×4にした決め手は「 595 Competizioneは、レギュラーモデルということもあり、再度手に入れようと思えば手に入る可能性も高いと思います。しかし、Panda Cross 4×4は台数が少ないということもあり、二度と手に入れることができないかもしれないと思いました」と決断の理由を語る岡部さん。また、奥様の職場が変わり、車を運転する機会が減ったことも、マニュアル車の購入が選択肢に挙がった理由のひとつだったそうです。
岡部さんはPanda Cross 4×4について「ツインエア エンジンが想像以上に良かったですね。自動車好きなら、絶対に1度は乗らないといけないエンジンだと思います」と大絶賛。
具体的には、「アクセルを踏んだ時のビートやエンジンルームから聞こえてくるサウンドがとても良いんです。また、6速マニュアルが本当に面白すぎて、Panda Cross 4×4を買って良かったと思っています」と笑顔で語ってくれました。
「山にも(トレイルランニングの)練習なども含めて行きますが、山にある古民家カフェとかを巡るのもすごく好きなんです。だいたいそういうお店は、狭い道の先にあったりするので、このコンパクトなサイズはすごく重宝しています」と利便性の高さもお気に入りのご様子。
それだけでなく、デザインもお気に入りとのこと。「Pandaは機能的に考えられたデザインですから、しかし、初代Pandaを真似しているわけではなく、その時代の技術や、求められている利便性を考えて創られた結果、この可愛らしい個性的なデザインになったところがすごく気に入っています。この感じはNuova 500にも通じるところですね」このクルマづくりの発想がフィアットのDNAであり、また初代PandaからのDNAとしても受け継がれていると岡部さんは感じられているようです。
その一方で、遊びゴコロや、こだわりの部分もたっぷり感じているご様子。「すごくマニアックなんですけどね」と前置きした岡部さん。「サイドの一番後ろのウインドー。この小窓はなくてもそれほど死角にも影響はないんですよね。でも、デザイナーはきっとめちゃくちゃこの窓にこだわっていると思うんです。このウインドーがドアにまでつながっているように見える造形が、本当によくできているなと感じています」と小窓部分をなでながら教えてくれました。そこにまで目が向く岡部さんも相当なこだわりがある方です。
そして、奥さまもPanda Cross 4×4について、「乗り心地も良いですよね。これまでは、山に行くと段差があるので、床やフロントの下回りを擦るのではないかとすごく気にしていたのですが、そういうこともなくなりました。車高が高くて先が見える感じも良いですよね」とのこと。また、インテリアでは「インパネなどに“PANDA”のロゴがたくさん描かれていることに感動しました。そういった、細かなこだわりも面白いと思いますね」と、様々な発見も楽しんでいるようです。
さて、岡部家の主役として活躍していたNuova 500。いまはどのような時に乗られているのでしょうか。「写真が好きなので、景色のきれいな場所に行って写真を撮ったり、近くのカフェなどに出かけて食べ物といっしょに撮ったり。あと、イベントなどへの参加もしています」と、主に近場へのお出かけや趣味、ミーティングへ参加する際などに活躍しているようです。
フィアットにのめり込んだ毎日を過ごしている岡部さん。いったいこの思いは、どこから来ているのでしょうか。
「初めてクルマを買ってから、Nuova 500を手に入れるまでの10年間、フィアットのない生活をしていましたが、その後はずっとフィアットのある生活をしています。もうその生活が、自分の中でのライフスタイルになっていますので、フィアットがないのは想像できないですね。ですから、本当になくなっちゃったら大丈夫かな、フィアットロスは相当大きいだろうなと思います」
岡部さんがお話ししてくれた、“フィアットのある生活”とは「クルマの手触りや座った感じなどからくる心豊かになる生活。これがなくなるということは、例えば自分のお気に入りの家具が奪われてしまう感じ。フィアットは、いつも使っているお気に入りの椅子や机のような大切な存在で、自分の中で生活の一部になっていますね」
それは奥さまだけでなく、奥さまのご実家の応援も後押しになっているようです。「私の両親も、夫が凄くフィアット好きということを知っていますので、母が編み物でフィアットのイラストを編んだ座布団を作ってくれました。家族全員でフィアット推しですね」と、ご夫妻だけでなくご家族皆さんがフィアットを愛してくれているようです。
岡部さんは、アバルトからPanda Cross 4×4に乗り換えて、これまで以上に箱根や奥多摩などのワインディングロードを走るようになったと明かしてくれました。「Panda Cross 4×4は、四輪駆動のためワインディングでも安心して走ることが出来るので、よりアクティブな生活になりました。乗っていて、やっぱり面白いですね。実は、僕の中でPanda Cross 4×4は、スポーツカーみたいな感覚です」
岡部さんご夫妻とお話をしているあいだ中、ずっと笑顔と笑い声が絶えませんでした。常に岡部さんがお話をして、時々奥さまが合いの手を入れる。きっとPanda Cross 4×4やNuova 500の中でも笑顔溢れるお二人がドライブを楽しんでいることでしょう。そして、そんな生活に寄り添っているのが、お二人が愛するフィアットなのです。
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『FIAT Panda Cross 4×4』
Text:内田俊一(Shunichi Uchida)
Photos:濱上英翔
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