そろそろ年の瀬という小春日和のこの日、東京郊外、立川駅からほど近い会場で、「フィアット 500(チンクエチェント)のお手入れやメンテナンス方法」をテーマとした座談会が開催されました。集まったのは6組7名のオーナーの方々。モータージャーナリストの若林葉子さんを司会に迎え、オーナーのみなさんの“500愛”あふれるお手入れや洗車方法、トラブルの対策方法に加え、それぞれの“500ライフ”についてご紹介します。
―――『フィアット 500(チンクエチェント)』は、それほどクルマに興味がなかったけど、ルックスに一目惚れして手に入れたという方がとても多いのですが、みなさんはいかがですか?
宮原:私もまさにそうです。もうね、それまではクルマなんてママチャリ程度の扱い(笑)。でも500は人生最後のクルマとして購入したんです。買ってみたらかわいくて。アクセサリーとかおもちゃみたいな感覚に近いですね。内装を変えてみたり。
藤野:私もそうですね。久しぶりに会った友達がフィアットをかわいいって言うから、一緒にディーラーに見に行ったらミントグリーンの500に一目惚れ。ほとんど即決でした。インスタグラムを見ていただくと分かるんですけど、以前の投稿はお花ばっかりだったのが、今はクルマばっかり(笑)。
織戸:僕は500の前に乗っていたクルマも気に入って乗っていたんですよ。以前は小さいクルマってあんまり興味なくて。
―――奥様に勧められたんでしたね。
織戸:そうなんです。買うつもりはなかったんですけど、一緒にディーラーに見に行ったら500の内装のかわいさにやられちゃって(笑)。今は趣味=500です。
長谷川:僕は2011年にツインエア エンジンを搭載した500が出た時、「欲しい!」って思ったんですよ。でもまだ当時は子どもが小さくて、4人乗るとやっぱりちょっと窮屈でしょ? それで子どもが大きくなるまで待って2年ほど前、ようやく手に入れたんです。
―――待望のクルマだったんですね!
小島:僕は500とは別にもう一台クラシックなオープンカーも持っていて、古いバイクにも乗っているんですけど、思考がクラシック系なんですね。それで、色も気に入って、50台限定の『500C ヴィンテージ』を買いました。
―――佐藤さんはまだ買いたてほやほやですよね?
佐藤:はい。ちょうど3ヵ月です。もともと500はかわいくて大好きで、SNSでもフォローしていました。今年のお正月に、勝手に「フィアットを買う」って宣言してたんです(笑)。 私は海辺に住んでいるので絶対オープンがいいと思っていて、どこにあるのかも分からないミント グリーンのカブリオレモデルを買うぞって、また宣言して(笑)。そしたらインスタグラムで見つけて、そのディーラーに連絡を取って、ついに手に入れました。
―――運命を自分で手繰り寄せたんですね!
―――みなさんがいかに500を気に入って、大事に乗ってらっしゃるか伝わってきます。長く乗ろうと思うとお手入れも大事なポイントになってくると思うので、お手入れやメンテナンスについてもお聞きしたいのですが。佐藤さん、カブリオレはお手入れ、大変じゃないですか?
佐藤:買ったときにディーラーさんから、洗車機は絶対ダメって言われて。駐車場は家から離れたところに借りていて、洗車場も近くにないので、洗車環境は良くないんです。洗車するときは自宅のそばまで持ってきて、ペットボトルの水を掛けて、絞ったタオルで拭いています。普段はカバーを掛けてますね。
小島:僕は自宅にガレージがあるので基本、室内保管です。だから普段は洗車用のシートで拭くくらい。でも出先で雨に降られて帰宅した時は、必ず水滴を全て拭きあげます。その方が汚れもすぐ落ちますし、梅雨時期は何週間か乗らないとガレージがかびてしまうことも。
藤野:私は買って3年経ったころ、思い立ってボディコーティングをしたんですけど、水を弾いてくれるから楽ですね。
宮原:私もコーティングはしました。洗車は家の玄関の前で、手洗いしてます(笑)。小さいから楽だと思うんですけど、屋根の上は手が届かないから、柄の長いブラシと脚立も買いました。
藤野:乾いたタオルで拭きあげると車体が傷付いちゃうって聞いてからは、濡れタオルを絞って使ってるんですけど、何度も絞らないといけないでしょう? それで水切りワイパーを買って、ざっと水分を落としてからやるとずいぶん楽です。あとグリルとかリアウインドーのゴムのとことか、エンブレムとか、細かいところの汚れが気になってしまって、そういうところは綿棒で汚れを取ってます。
―――うわあ、すごい!
藤野:ハンドルは白の革巻きで、自分ではキレイだと思ってたのに、ディーラーさんでお手入れしてもらったら、布が真っ黒になってもうびっくり! 知らない間に汚れてるんですね〜。
宮原:ウチはハンドルに汗が付かないように、主人が運転するときは強制的に滑り止めの付いた軍手をはめてもらってます(笑)。
―――みなさん、すごく愛車を大事にされているんですね。そう言えば、織戸さんはご自分でボディコーティングされたとお聴きしましたが。
織戸:そうなんです。ウチは青空駐車場なので、最初、水滴のシミを取りたいと思ってたんです。それでいろいろ調べているうちに洗車の専門サイトでコーティング剤を売っていることも分かって。女性の方でも自分でできると思います。ただ7時間くらい掛かりますけど。
―――7時間!?
織戸: はい。まず洗車して。ホイールはカー用品店で買った専用のグローブをはめてぐいぐいやります。それからシミ取りして、コンパウンドで磨いて、脱脂して、コーティングです。洗車はちょっとこだわりがあって、洗い終わったら5分くらい近所を走って、水分を飛ばしてから、再度拭きあげてます。
長谷川:それ、僕もやってます(笑)。ホイールは必ず2週間に1回は洗いますね。駆動輪の前輪はブレーキダストが出やすいし、放っておくと簡単には落ちなくなるので。僕のホイールのデザインはスポークがすごく細かいので、スティック状のブラシを使ってます。ディーラーさんなどでは今はボディだけじゃなくて、ホイールや内装のコーティングもしてくれるので、最初にそれをやっておけばきっと楽でしょうね。
―――500と出会ったことにより、ライフスタイルの変化はありましたでしょうか?
小島:僕はもう1台がクラシックカーだから、500が来てから、新潟とか信州とか、行動範囲がめちゃめちゃ広がりました。
宮原:私もそうです。高速道路に乗れなかったので、これまでは半径20kmくらいが行動範囲だったんですけど、500のイベントに行きたいと思って、高速道路を走る練習もしてるんです。まさか自分がこんなにクルマのことを考えるようになるなんて思ってなくて、なんかすごく楽しいです。
藤野:私も同じくなんです。高速道路に乗れないから500のイベントに行けないと思っていたんですけど、友達が私の前後を走ってくれたり同乗してくれたりして何度か参加できました。この半年で5000キロも走ってるんです。普段の生活自体はそれ程変わらなくても遠出やクルマに対しての気持ちは大きく変わりました。
―――素敵ですね。
織戸:僕はこのクルマを買ってから写真を撮りたくなって、それまで全く興味のなかったインスタグラムを始めたんです。携帯やスニーカーを500と同じ赤にしてみたり、クルマそのものに興味を持ったのは初めての経験ですね。外で500を見ると幸せな気持ちになります。
真梨子:主人は500を見つけると数えるんですよ。「1チンク、2チンク、3アバルト」とか(笑)。また、インスタグラムの投稿でみたあの風景の中で写真を撮りたいから行ってみようって、よく出かけるようになりましたね。
織戸:以前のクルマの倍くらい距離を走ってます。
長谷川:僕もこれまでクルマはただの移動手段だったんですけど、500に乗るようになってからは面白い建物とか絵になる風景とかを探して、キョロキョロ(笑)。それをインスタグラムにあげてます。ライフスタイルが変わりましたね。アウトドアはずっとご無沙汰してましたが、来年くらいからはソロキャンプでも始めてみようかなって思ってます。
もちろん500の走りもいいんですよ。デュアロジックは気軽に乗れるマニュアル車みたいな感覚もあって楽しいです。
―――長谷川さんは内装も手作りでカスタムされたり、フェルトでミニチュアの500をつくったり、500ライフをとっても満喫されてますよね。
長谷川:フェルトの500は1つ作るのに3時間掛かります(笑)。でも、かわいいクルマに乗ってるので、そこはこだわりたいんですね。
―――佐藤さんはいかがですか?
佐藤:私、自宅は海まで歩いて3分で、そこは夕陽がきれいに見えるんです。これまでは歩いて夕陽を見に行ってたんですけど、今は愛車のミントちゃんと家から15分くらいの海辺までドライブして、そこで夕陽とミントちゃんを写真に撮るようになりました。本当に買って良かったと思ってます。
オーナーのみなさんのお手入れの方法はそれぞれですが、誰もが“このクルマのかわいさを損なわないように”と、まるで宝物のようにクルマを大切に思われていることが伝わってきました。
この小さなクルマが、手に入れた人の世界を広げ、人生を豊かにしている。フィアット 500は小さいけれど偉大なクルマ。みなさんの幸せのお裾分けをもらったような楽しい座談会でした。
FIAT 500の詳細はこちら
『FIAT 500』
INFORMATION
Adam’s Awesome Pie
住所:東京都立川市緑町4-5 コトブキヤビル201
営業時間:11:30~22:00
※詳しい営業時間は下記のURLからご確認いただきますようお願いいたします。
URL:https://adamsawesomepie.owst.jp/
Text:若林葉子
Photos:濱上英翔
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