そして翌日、いよいよ念願の新型『500e』の試乗が叶いました!
新型『500e』はボディサイズが先代に比べて大きくなったとはいえ、全長3630㎜×全幅1685㎜×全高1530㎜という軽自動車をもう少し大きくしたぐらいのボディサイズで日本の道路にはピッタリの大きさ。外観は並べてみると違いは明白ですが『500』のアイコンともいえるフォルムやエクステリアデザインは、新型でもオーラを放っています。フロント中央には“FIAT”ではなく“500”のエンブレム。そして、目に留まるのはヘッドライト。楕円形の上部分はボンネットラインにもなり、まるで瞼が重なっているように見えて、なんともいえない表情をしています。
これは人によって見方がいろいろかもしれませんが、実車を見たメディア関係の人たちとの話でNHKのキャラクター“チコちゃん”に見えるという話になりましたが、皆さんにはどんな風に見えますか?確かにヘッドライトが目、その下のフォグランプがほっぺ、ボディ下部分が口に見えて、まるで顔。リアに回ってみても可愛さ100%。そうそうフィアットのロゴも新しくなっていて、リアの『500』のバッジは、末尾の“0”の部分が“e”になっています。
そういえば今回の試乗会で振舞われたオリジナルランチのスイーツにはこの“0”の部分が“e”になっているロゴが記されていました。
ではいざ、車内へ。ドアハンドルに手をかけると、手を差し込んだ先にスイッチがあり、実は電動のドア。ドアと言えば内側のドアポケットの底には『500e』の生まれ故郷、イタリア・トリノをフィーチャーして“MADE IN TORINO”の文字と『Nuova 500』のイラストが描かれています。トリノの街は、スマートフォントレイの中に、その街並みが描かれていて、教会や古い街並みのシルエットから素敵な場所が連想できます。
ロゴと言えばシートに“FIAT”のロゴがあしらわれ、ロゴ好きの人には堪らないキラーアイテム。ヘッドレストが楕円形から人の頭のような形になり、ちょっと大人っぽくなったという感じです。メーターパネルもデジタル表示になり、スピードメーターの他に電池の残量、航続可能距離などが表示されます。また、新型『500e』には衝突被害軽減ブレーキやクルーズコントロールなど一通りの運転支援と先進安全装備を搭載しています。さらに『500e ICON』と『500e OPEN』には、アダプティブクルーズコントロールやオートハイビーム、レザーシート、シートヒーター、17インチのアルミホイールなどがワンランクアップの装備としてあります。ちなみにレザーシートは、リサイクルレザーを使用したエコレザーです。
ドライブモードは3つ。“Normal(ノーマル)”が通常モードですが、実はこのモードが最もスポーティ。滑らかに素早く力強く加速します。“Range(レンジ)”はワンペダルでの走行が可能となり、強い回生ブレーキがかかり航続距離を伸ばせるモード。そして“Sherpa(シェルパ)”はいわゆる“エコモード”ですが、レスポンスやエアコンなどが制御され、消費電力を抑えて長距離走行を可能にします。
なぜ敢えて“シェルパ”なのかとブランドマネージャーの熊崎陽子さんに尋ねてみました。シェルパって、私はエベレストなどの登山の時に、荷物を持って道案内をしてくれる人という認識でしたが、「正解です。シェルパのように確実に家に送り届けるためのモード、という思いを込めてネーミングしたそうです。最高速度を制限したり、エアコンを制限したりするのは、まさにシェルパのように確実に目的地まで案内する道案内のようなものだから、と言っていました」とのこと。なるほど。ここにもこだわりがありましたね。
スタートスイッチを押すと何とも言えない平和な音と共にシステムが起動します。この音は、ぜひ聞いてほしい!今回、『500e ICON』と『500e OPEN』に試乗しましたが、EVならではのモーター音と静かな車内、そして滑らかで力強い加速。『500』と比べると洗練された印象です。また、EV初体験の人なら、その加速に驚くはず。“レンジ”と“シェルパ”のワンペダルモードも他車と比べても少し強めなので、すぐ慣れますが最初は驚くかもしれません。ちなみに1回の充電での航続距離は約335㎞とのことです。
ちなみに『500e OPEN』は、今のところEVモデルでは唯一のオープンモデルなので、オープンカーをご所望の方にはピッタリ! しかも自分の好みで屋根の開ける量を調整できます。もういろいろ最高です!
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『FIAT 500e』
【PROFILE】
吉田由美(よしだゆみ)
カーライフエッセイスト/モータージャーナリスト
日本自動車ジャーナリスト協会理事 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員(2022-2023)
JMS 日本モータースポーツ記者会会員 日本ボート・オブ・ザ・イヤー選考委員
短大時代からモデルを始め、国産メーカーのセーフティドライブインストラクターを経て「カーライフ・エッセイスト」に転身。クルマまわりのエトセトラについて自動車雑誌を中心に活動中! 調布FM「あなたと私のクルマ時間」(毎週月曜日23時30分~23時45分)パーソナリティ、youtube「吉田由美ちゃんねる」はほぼ毎日更新中!
Photos:佐藤大輔
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