おすすめスポット① 食事時だけレストランに変身する食料品店
カンポ・デ・フィオーリは、青空市場があることからローマでもとくに庶民感覚あふれるエリアとして知られています。その街区にある『ロッショーリ』は、デリカテッセンとして長年人々に親しまれてきた店。カウンターには、毛が生えたままのプロシュート・クルード(生ハム)をはじめ、さまざまな珍味が並びます。
ところが昼と夕方、にわかに店員さんたちによってテーブルセッティングが始められます。なんとその時間だけレトスランに変貌するのです。とくにカウンター席では、食料品店の雰囲気のまま食事をすることに。2カ月先まで予約が埋まる日もある人気店です。
店を仕切るアレッサンドロ・ロッショーリさんは創業2代目。ローマきっての名物パスタ『カルボナーラ』に使うグアンチャーレ(豚の頬肉)は、アレッサンドロさんが自ら厳選し、スパイスを3種も駆使しています。本物志向である地元の人々に愛されるのは、そうした妥協なき姿勢があるからに他なりません。
もうひとつのご当地パスタで、チーズ&ペッパーを惜しみなく使った『カチョ・エ・ぺぺ』も絶品です。こちらは旅でやってきた人に店の味を自宅でも再現してほしいという願いから、オリジナルの瓶詰めソースも作って売っています。創業者であるお父さまは現在、70代。「成功しても常に満足しない人です」とアレッサンドロさんは笑います。伝統と新たなアイディアこそ『ロッショーリ』の原動力なのです。
おすすめスポット② あの名歌手にも愛された文具店
紀元125年に歴史を遡る古代ローマの巨大宗教建築物『パンテオン』。そこから少し歩いた場所に、文具店『アンティーカ・カルトテクニカ』はあります。扉を開けた途端、漂うのは懐かしい文具店の香り。店主アレッサンドロ・ビッリさんは「この場所にあった文房具卸問屋のオーナーが店を手放す際、従業員だった祖母が引き継いだのが始まりでした」と説明します。
店は劇作家で終身上院議員でもあったエドゥアルド・デ・フィリッポや、名カンツォーネ『アリヴェデルチ・ローマ』を最初に歌ったことで知られ、児童文学作家でもあったレナート・ラシェルなど、文人墨客や著名人にも愛されてきました。「レナートは店にやってきても、とても朗らかでフレンドリーな人でしたね」とアレッサンドロさんは少年時代の思い出を振り返ります。
店内には非売品であるものの、かつて扱ってきた文具のコレクションが舞台セットのごとく散りばめられています。その多くは万年筆をはじめとする筆記具です。
また『アンティーカ・カルトテクニカ』では、万年筆は修理も行っています。デジタルツールがあふれる今、あえて手がかかるライティング・ギアのメインテナンス・サービスを続ける理由は?という問いにアレッサンドロさんは「頭の中のものをファンタジーとともに表現するのに、手書きほど理想的な手段はありません。同時に手で記す過程は、考える手段のひとつでもあるのです。時代が変わっても、それは同じです」と力説します。
店内を見ている間にも、次々と愛用の万年筆の修理依頼にやってくる人が。創業93年の文房具店は、永遠の都・ローマのクリエイターの想像力を、今日も静かに支えています。
おすすめスポット③ “イタリアの奇跡”に乗って巡る知られざるローマ
「昔、娘を学校に送り迎えに乗せて行くと『パパ、恥ずかしいからそんな小さいクルマで来ないで』と怒られたものです」と笑うのはアルヴィーゼ・ディ・ジューリオさん。ローマっ子の彼は、若い頃からイタリア戦後経済成長のシンボルであるフィアット『Nuova 500』の大ファンです。
大学卒業後は長年ホテルに勤務しましたが、2012年に独立。『Nuova 500』に乗って巡る市内ツアー『Rome 500 Experience(ローマ 500 エクスペリエンス)』を立ち上げました。
今や保有する『Nuova 500』は10台。コロッセオ、カラカラ浴場など定番ルートのほか、大きなツアーではなかなか巡れないスポットも、キュートな『500』の機動力を活かして訪ねます。お伺いしたその日も、3世紀後半から4世紀前半にローマ帝国を拠点とし、サンタクロースの起源にもなった聖ニコラウスのフレスコ画が残る教会や、“3つの国が一度で覗ける鍵穴”など、隠れスポットに次から次へと誘ってくれました。
これまで最も印象的なゲストは?と聞くと「某国の将軍です」と教えてくれました。夫人がご主人の誕生プレゼントに、と貸し切りでツアーに申し込んでくれたのだそう。「後方に護衛のクルマを従えて走り続けました!」。アルヴィーゼさんは、ひと味違った故郷をひとりでも多くの人に紹介すべく、毎朝エンジンを暖めてゲストを待っています。
▼INFO
①Roscioli salumeria con cucina
https://www.salumeriaroscioli.com
②Antica Cartotecnica
https://www.anticacartotecnica.it
③Rome 500 Experience
https://www.rome500exp.com
『フィアット オリジナルカレンダー 2023』の3月・4月のイラストは、コロッセオ前に佇むフィアットのマルチパーパスカー『Doblo(ドブロ)』です。周囲を彩るのはミモザの花。“国際女性デー”である3月8日は、イタリアでは“ミモザの日”として親しまれていて、男性から女性に黄色いミモザの花を贈るのが慣わしです。ときにはたくさん抱えて、街行く見知らぬ女性たちにひと枝ずつプレゼントする粋な紳士も。日本でもおなじみのクリームたっぷりのローマ名物・マリトッツォを頬張りながら、カレンダーのイラストをお楽しみください。
Text & photo:大矢アキオ Akio Lorenzo OYA
Coordinate:大矢麻里 Mari OYA
FIAT 500eの詳細はこちら
フィアット オリジナル 2023年カレンダー&壁紙ダウンロード
“イタリア各地をめぐるフィアット”がテーマの2023年カレンダー。3月・4月は、ローマの人気観光名所『コロッセオ』を背景に爽快に走る『Doblo』のイラストが描かれています。 このイラスト入りカレンダー(PC用 / スマートフォン用)はダウンロードが可能。また、イラストのみの壁紙もご用意しているので、ぜひダウンロードしてみてください!
ダウンロード方法はこちら
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