お気に入りの水色の『500 1.4 ポップ』オーナーの長谷川江美さん。実は、もう一台500の兄弟車を併有するコンパクトなフィアットが好きという長谷川さんに、フィアットブランド、そしていまお乗りの500の魅力についてお話しを伺いました。
子供の頃からクルマが好きだったという長谷川さん。「いつ頃から好きなんですか?」と尋ねると「その質問が一番困るんです。親が言うには子供の頃から。“あれ何?”って聞くと、クルマの車種が全部言えたらしいんです」とのこと。
そのきっかけについてお聞きすると、「特に思い当たらなくて。家のクルマはすごく普通の日本車でした」とのこと。ただ、「私はもともと、プラモデルとかが好きなタイプの子供だったので、その流れでクルマが好きだったように思います」と振り返り、どちらかというと男の子のような子供時代を過ごしていたようです。免許を取る頃は「オープンのスポーツカーが好きでした」と話されるように、長谷川さんはまさにクルマ好きという言葉がピッタリの印象です。
実は、その頃にフィアットとの出会いがありました。「高校生の頃に、隣りの家の人が日本車から『FIAT MULTIPLA(フィアット・ムルティプラ)』に買い替えたんです。見た瞬間“わぁ、凄いこのクルマ!”と感じました。いままでに見たことのないクルマでしたし、とても良いじゃないと思いました」と、その衝撃を語ってくれました。長谷川さんが衝撃を受けた2代目ムルティプラは、ヘッドライトがAピラーの付け根にあったり、前後シートとも3人掛けの合計6人が乗れる、見た目も内容も独創的なモデルでした。そのときのフィアットの印象は「変わったクルマを作るメーカー(笑)」でした。なぜなら、ムルティプラしか知らなかったのですから致し方ないでしょう。
それからしばらくの間、フィアットとの縁が遠のいてしまった長谷川さん。「免許を取った後、予算の関係から、日本の軽自動車を購入しました。何のトラブルもなく楽しく数年間、乗っていました。ただ、長距離は厳しいかなぁと感じていましたね。ちょうどその頃、クルマが好きならと友人に誘われて、ヒストリックカーのイベントに行きました。すると、その会場に『500(チンクエチェント)』が展示されていたのです。その足でディーラーに行って「500が欲しいんですけど!」と、即購入に至ったそうです。
長谷川さんは、以前から500に興味を持っていました。「当時のジュネーブ・モーターショーで発表されたフィアットのコンセプトカー『TREPIUNO(トレピウーノ)』を雑誌などで見たときから“うわー!”となっていました。これが市販されて、日本に入ってきたら絶対に水色が欲しいと思っていたのです。なぜ水色かって? 水色は、すごく好きな色なんです」とその頃から、水色の500の購入を、ひそかに心に決めていたようです。また「何よりもフォルムが大好きなんです。とってもかわいいでしょ」と、ひと言ひと言に500への愛情があふれていました。
長谷川さんの500は2009年式なので、日本に導入されてから1年経過しています。その点を尋ねると、「乗っていた軽自動車に満足していたので、500の購入は数年後でもいいかなぁと思っていたんです。しかし、実車を見にいった時、私が欲しいと思っていた仕様がなくなってしまうことを知り『500 1.4 16V POP(チンクエチェント 1.4 16V ポップ)』の水色を買うことを決めました」。
しかし、来場したディーラーに在庫がなく、全国レベルで捜索をした長谷川さん。すると、新車の在庫があるディーラーを発見! 「その週末に売れなければ、家の近所のディーラーに回してくれることになり、無事に私の手元にやってきました」と、その時を思い出して嬉しそうに語ってくれました。
2008年の発売時、500は1.2リッターエンジンの『500 1.2 8Vラウンジ』という上級グレードから販売をスタート。その後、1.4リッターエンジンを搭載した『500 1.4 16V ポップ』や上級グレードの『500 1.4 16V ラウンジ』が追加されました。長谷川さんによると、「『500 1.4 16V ポップ』しか考えられませんでした。ファブリックとフェイクレザーのツートーンのシートに惹かれたんです」とグレードも含めて一択だったそうです。
実際に『500 1.4 16V ポップ』を、愛車に迎えた感想をお聞きしました。「インストルメントパネルの色とボディカラーが同色なのがとても良いです。メーターのカタチやデザインも、昔の500にすごく近くて気に入っています」と、お気に入りポイントが満載のようです。
また、長谷川さんのこだわりは、エクステリアのカスタムにも感じられます。「500の上級グレードのラウンジは、モールなどにクロームパーツがついているんですけど、ポップにはついていないんです。そこで、オプションパーツで、ほとんどつけました。ただ、ドアミラーは水色のままがいいのでそのままにしています。あと、ホイールも、後からラウンジ用のアルミホイールを装着しました。外見は、ほぼラウンジ。でも、内装はポップです(笑)」と、長谷川さんの好みにピッタリなこだわりのドレスアップに仕上げたそうです。特に、外装のクロームパーツは、とてもお気に入りとのこと。「昔の『Nuova 500(ヌォーヴァ 500)』の印象に近づけました。2台を見比べると『Nuova 500』はクロームパーツがデザインにうまく生かされているので『500 1.4 16V POP』もクロームパーツが装着されていないと逆におかしいよねと思ったんです」と『Nuova 500』のデザインモチーフを理解したうえで、モディファイを楽しんでいるようです。
デザインはもちろん、『500 1.4 16V POP』の走行性能についても、気にいっているようです。「とても、楽しいですね。1.4リッターエンジンなのでパワーがありますし、すごく乗りやすいです。あと『500 1.4 16V POP』はスポーツモードがあるんです。これも、このモデルが欲しかった理由のひとつ。スポーツモードをONにすると半端なく楽しいんです!」と嬉しそうな長谷川さん。そこで、常にスポーツモードですかと尋ねると「いや(笑)。渋滞中とかクルマが多いときは普通にしています。でも、クリアになるとスポーツモードにして、ブ〜ン!!と行きます」と、スポーツモードの走りの楽しさを語ってくれました。
また、『500 1.4 16V POP』を手に入れたことでライフスタイルにも広がりがあったようです。
「それまで乗っていた軽自動車では、高速走行のときに風にあおられる感じで遠出はなかなかできませんでした。でも『500 1.4 16V POP』に乗るようになってからは、そういった不安は解消! 都内はもちろん、富士山のふもとで開催された新旧500のイベントや、同じく500のお誕生日イベントにも参加しました」と語る長谷川さん。また、最近ではクラシックカーイベントの見学などにも積極的に出かけているとのこと。「名古屋のチンクエチェント博物館にも行ってみたいですね」と彼女のドライブは、ますます距離も楽しさも広げていきそうです。
長谷川さんのライフスタイルを大きく変えたフィアット。そのイメージは、当初から何か変わったのでしょうか。
「はい、いまは可愛いクルマを作るメーカー。日常を楽しくしてくれるブランドです。特に、500は日常の足にも使えるので絶対に手放しませんし、ずっと一緒にいたいクルマです」。その楽しさは、走りとともにデザインからも感じられると言います。
「先程もお話ししたようにインストルメントパネルがボディと同色というところが、とても気に入っています。ドライブしているときも、自分の好きな色が目の前にある。それだけで、気分も上がるんです」と、デザインから感じるドライブの楽しさも語ってくれました。
そして、長谷川さんは、今後のフィアットのヒストリックカーにも触手を伸ばそうとしているそう。
「初代のムルティプラが欲しいんです。前か後かわからない変わったデザインがなんとも愛らしいんです。あるいは、素の600も欲しいですね。『Nuova 500』だったら、初期のモデルがいいかな」と思いを馳せていました。
どうやらフィアットのデザインは、新旧問わず長谷川さんの琴線に大きく触れているよう。そのフォルムを要因として挙げますが、細かいディテールにまでこだわるフィアットのデザインにも長谷川さんは共感し、そこから過去のクルマのモチーフも感じ取っているようです。そして、そのモチーフとなった古いフィアットを手に入れようと画策し始めています。今後、長谷川さんの愛車ラインナップには新旧のフィアットがそろい踏みすることで、彼女のライフスタイルがさらに彩り豊かになることでしょう。
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Text:内田俊一(Shunichi Uchida)
Photos:安井宏充(weekend.)
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