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簡単レシピで本格イタリアン〜10分でできる、夏色の冷製パスタ

近年、巷のイタリア料理店の充実ぶりには目を見張るものがあります。うれしいのはトラットリアとかオステリアと呼ばれる大衆店が増えたこと。いつでも気軽にイタリア料理が楽しめるようになりました。   これだけ定着したのは四季の味、素材の味を大切にする日本人の感性とイタリア人の感性が似ているのも原因のひとつかもしれません。   イタリアンと言えば、やっぱりパスタ。イタリアの定番であり、世界の定番。手軽に楽しめてオシャレで美味しい。そんなイタリアらしいパスタのレシピをご紹介していきます。   東京赤坂で本格的なトスカーナ料理が楽しめるトラットリアとして人気の「CITTINO(チッティーノ)」の捧(ささげ)シェフに、酷暑を乗り切る日本の夏にふさわしいパスタを教わりました。 夏といえばすぐに夏野菜というのが相場なのですが、今回ご紹介するのは「桃をつかった冷製のパスタ」。 はたしてどんな味なのでしょうか?     「イタリアでは野菜と果物の境目がユルいんです。夏には冷たいピーチティーが定番のイタリアなんですが、実は簡単な工夫でパスタと絶妙な組み合わせになります。冷製パスタにフルーツって、デザート的な? そう思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ちょっと固定観念を一度捨ててもらえると良いかなと思います。」   にこやかに語る捧さんは、トスカーナ地方の複数の星付きレストランで修行した経歴の持ち主。季節の旬と素材の良さを活かすことが、日本とイタリアの料理に共通した部分だといいます。           <レシピ> パスタ(スパゲッティ1.4ミリ〜1.6ミリ)100グラム 桃(一個) 水煮トマト缶(2ホールくらい) プチトマト(彩り用〜適量) ミント(香り付け〜適量) ニンニク(少々) 生ハム(パルマ産がオススメ・スライスで二〜三枚) オリーブオイル バルセート(イタリアの白ワインのバルサミコ〜ワインビネガーで代用も可) 塩 コショウ     日本で夏の冷製パスタといえば細麺のカッペッリーニを想像しがちですが、いわゆるフツーのスパゲッティがオススメとのこと。ちょっと驚きました。     「もちろん地方によって好みは異なりますが、少なくとも私のいたトスカーナでは、カッペッリーニのような細麺はあまり食べられていないんです。日本人がお米の炊き方にこだわるように、イタリア人はパスタの食感を大切にします。噛んだときの食感と小麦そのものの味、そして具材の味とのコンビネーションを楽しむんです。今回のパスタには普通の太麺、スパゲッティが最適なんです。」   「麺の茹で上がりを待つ間に、具材を用意するだけなので、暑い夏で手数をかけずにさらっと作れるのも魅力です。家庭でも厨房は暑いですからね…。」     ちなみに今回の調理にかかる時間は、麺茹で時間を含めてたった10分ほど。 簡単なレシピですが、いろいろとコツがありますので、ぜひご参考まで。   おいしいコツ その1 プラス2分の茹で時間 「冷製パスタを作るコツは、パスタの袋に書いてある所要時間よりも2分多く茹でるのがオススメです。」     タイマーをセットして、パスタがお鍋に入ったら、いざ具材づくり!   用意した桃の半分を1センチ角に切り、ボウルの中でフォークで潰します。         […]

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CIAO! LIFE〜簡単すぎるひと工夫「スモーク」のススメ

簡単に「美味しい」ひと仕事 手軽な素材にひと手間加えると途端に美味しくなる料理法のスモーク(燻製〜くんせい)。あらゆる年代に人気のスモークサーモンやスモークチーズをはじめ、実はハムやソーセージ、ベーコン、さらには鰹節や秋田のいぶりがっこなど、わたしたち日本人の食生活には大変身近なもの。フィアットの生まれ故郷イタリアでも、モッツアレラチーズをスモークしたスカモルツァ・アッフミカータのように、さまざまなスモークが人気です。 スモーク、つまり燻製はその名の通り、食材を煙で燻して風味を付けるもので、本来は肉や魚など腐敗しやすい生鮮食材の保存を目的にひろまった料理法で、燻すのに使用する木材が持つ殺菌、防腐効果だけでなく、その香味成分によって風味もアップしてしまうという一石二鳥の料理法なのです。     マンションでもできる? そんなスモーク。 「煙が出るから家では無理でしょ?」 「ハーブとか専門的な材料を揃えないとダメでしょ?」 「専門の道具と知識がないとうまくいかないでしょ?」 実はそんなことはないんです。 スモークとは、簡単に言ってしまうと煙というスパイスを食材にまとわせればいいわけですから、スモークする食材次第では1時間もあればできちゃいます。温度管理や火加減を神経質に…。ということもなく、大袈裟に言うと、その間放ったらかしでのんびり読書をしたり、おしゃべりしている間にできてしまいます。 クサイ煙がモクモクと出るんじゃないかとか、炎が燃え広がって危ない! なんてことを心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、いい匂いの煙で食材を燻す(いぶす)のが目的のスモークです。河原などでのBBQや庭先はもちろん、たとえそれがマンションのベランダででも、多少なりとも近隣の方々に配慮さえすれば、誰でもお試しいただける簡単作業の一つなんです。     スモークウッドでラクラク&失敗なし さて、そんなスモークで用意すべきものはというと…。 スモーカーとスモークウッド。 以上です。あとは食材やアルミホイルといった小物のみというご覧の通り大変シンプルなもの。     スモーカーとは煙を循環させて食材に香り(煙)を浸透させる箱のこと。今回の取材では金属製のものを用意しましたが、言ってみれば「ただの金属の折りたたみの箱」なので、ネット通販で5000円程度で購入可能です。(このタイプはオーブンとしての機能もあるのでいろいろ便利)     でも、そこまでしなくても、これまたネット通販で1〜2000円程度で手に入る段ボール製の使い捨てタイプでもOK。煙さえまとわせることができれば、あとは見た目の問題だけです。(こちらはまたの機会にご案内しますね) さて、お次はスモークウッド。つまり燻製材とよばれるものですが、本格派はウッドチップという木片を使いますが、今回はもっと手軽で簡単なスモークウッドという大きなお線香(蚊取り線香?)が大変便利。     なんといっても取り扱いが楽だし、香りの種類にもバリエーションがありとても便利。ちなみにまずはサクラやリンゴといった定番からはじめると失敗はないでしょう。ちなみに1本500~1000円で、数回の使用が可能です。   コンビニやスーパーの食材が豹変する? 本当に手軽に手に入るという意味で、今回はコンビニやスーパーの食材を元に特にオススメしたいもの5つをご紹介します。   ① かまぼこ ② チーズ ③ ゆで卵 ④ ゆで鶏 ⑤ たらこ   かまぼこは種類を問いません。板かまでも、笹かまぼこでも、竹輪、カニかまでもOK。はんぺん、魚肉ソーセージも間違いないセレクトです。 文字通りスモークチーズとなるチーズでの注意点は、やや厚めのかたいプロセスチーズタイプをオススメします。そして、その2つが融合した「チーズかまぼこ」も非常に美味しい。 ラーメンなどで一世を風靡した「くんたま」だって簡単です。その他ダイエットで大人気のサラダチキン、そして、たらこもスモーク後の変貌ぶりに驚いてもらえると思います。     いずれも、パッケージから出してそのままスモークすればいいのですが、さらに美味しくしたい場合は、開封後10〜15分風に当てて表面を少し乾かしてからスモークするのがコツ。 さて、スモーカーを組み立て、セットしたら、中の網の上に材料を並べて、スモークウッドに着火し(本当にお線香に火をつけるあの感じです)、燃えカスの後処理を考えるとアルミホイルかお皿に置いて箱の中にセットするといいでしょう。あとはスモーカーの窓やふたを閉めて放っておくだけ。     燻す時間は、煙がスモーカーの中に充満して循環するまでは開けないほうがいいので、30分くらいは放っておきましょう。目的はあくまで香りを付けるだけなので、慣れないうちは表面がうっすらと茶色くなったあたりで、そのつど味見をすることをオススメします。ともかく、軽く茶色く色づいた時に取り出すのがコツです。あまり長く煙にかけてしまうと、文字通り煙臭さと苦味が強くなるので注意が必要です。     取り出したら皿などに乗せて冷まして、落ち着かせると食材と香りがさらに一体化してより旨味が増します。 スモークはBBQやキャンプ、釣りなどのアウトドアレジャーとも相性抜群。もちろん、ドライブ先でコーヒーでも飲みながら…という楽しみ方もOKです。 ちょっとしたことを楽しくすることは、イタリアの哲学でもあり、FIATが生まれたときから持ち合わせているDNAのようなものです。 500くらいの小さなクルマでもこうした楽しさを満喫できることを、今後のこのコーナーで様々なグッズとともにあらためてご紹介していきたいと思います。 […]

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おいしいイタリア〜シェフ直伝。本格濃厚「カルボナーラ」

銀座で出会った極上のカルボナーラ カルボナーラ。「炭焼き職人風」という名の通り、卵、パンチェッタ、チーズで作るシンプルなソースに、炭焼き職人の手から炭の粉がハラハラと落ちたかのように黒胡椒をたっぷりかけたパスタです。日本でもおなじみですが、個人的には「おいしい!」と感激したことはありませんでした。今回ご紹介する、ジャッジョーロ銀座のカルボナーラを食べるまでは。     落とし気味の照明が落ち着いた雰囲気を醸し出す店内は、食通の常連さんやカップル、近所にお勤めの会社員など、幅広い客層。銀座にふさわしい高級感がありつつも、フレンドリーでにこやかな接客をしてもらえるので、とても居心地よく食事が楽しめます。ジャッジョーロ銀座は、今年で開業8年目を迎えたリストランテ。フィレンツェにある世界最古の薬局「サンタ・マリア・ノヴェッラ」の自然治癒、予防医学といった思想を取り入れながら、素材本来の味わいを活かした調理法で、心身が豊かになれる料理を提供する本格派です。こちらの名物といえば、目にも舌にもおいしい「15種類のハーブサラダ」、炭火を使った和牛や和豚のグリル、それに、天然真鯛のハーブ蒸しなど、思わず通い詰めたくなる料理ばかりなのですが、濃厚なカルボナーラも人気メニューの筆頭。本当に、感動的なおいしさなのです。   こだわり卵と熟成パンチェッタ     「エサ、飲み水、環境などすべてにこだわり、清潔な鶏舎でストレスなく暮らしている親鶏が生んだ卵です。鮮度もいいし、すべてにおいてポテンシャルが高いですね。完璧です」とシェフも太鼓判。「カルボナーラの決め手は、なんといっても新鮮で味のいい濃厚な卵」と語る、シェフ岩永 健さん。野菜、魚、肉などすべての食材に対して真摯に向き合い、鮮度はもちろん栽培法(飼育法)や産地にまでこだわるシェフがカルボナーラのために選び出したのは、「こだわり家族のこだわり卵」と名付けられた、なんとも鮮やかなオレンジ色をした卵。 本来、カルボナーラは卵黄だけで作りますが、この卵の場合、黄身だけだと濃すぎるくらいの濃厚さなので、ジャッジョーロでは全卵を使って作られています。それなのに、あの見事に美しいオレンジのカルボナーラになるというのですから、驚きです。     唯一の「具」ともいえるパンチェッタ。イタリアで熟成させて、香草をまぶしたもので、なんとも芳醇ないい香りがします。「生ハムと同じで、このまま食べてもおいしいですよ」とシェフ。カルボナーラを作る際は、あらかじめカリカリに炒めておきます。 ではさっそく濃厚こだわり卵のカルボナーラ、レシピを教えていただきましょう!   ジャッジョーロの極上レシピを伝授!     材料(1人前)/スパゲッティ90g 、茶色い殻の全卵1個(ヨード卵・光など、ちょっといい卵を使いましょう。普通の卵を使う場合は、卵黄のみで2個分)、パンチェッタ10g、グラナパダーノ10g(パルミジャーノ・レッジャーノ、ペコリーノ・ロマーノでもOK)、生クリーム10cc(乳脂肪分35%がおすすめ)、塩・黒胡椒適量 材料をそろえたら、たっぷりのお湯を沸かします。茹でる際の塩は、湯量の1〜0.8%。「けっこう多めですよ。ご家庭で作るとだいたい塩が少なすぎる人が多いですから」とシェフ。塩の分量でパスタそのものの塩味が変わるので、ここはきっちり量りましょう。   1)パンチェッタを適当な大きさに刻みます。   2)フライパンに少量のオリーブオイルを敷き、弱火でカリカリになるまで炒めます。   3)キッチンペーパーで油を切っておきます。このくらいまでじっくり炒めることで、香ばしさが際立ちます。   4)ボールに卵を割り入れ、チーズ、生クリーム(分量の2/3)、塩ひとつまみ、粗挽きの黒胡椒を適量(たっぷり目がおいしいです)加えて、泡立て器で混ぜます。   5)ダマが残らないように、しっかりかき混ぜます。   6)フライパンに、パンチェッタ(半量。残りは飾り用に取っておく)と4)の残りの生クリームを入れておきます。まだ火は付けません。   7)パスタを茹で始めます。茹で時間は、表示よりやや少なめに。ジャッジョーロの場合、「9分と書いてありますが、7分50秒にしています」とのこと。キッチンタイマーできっちり測りましょう。   8)パスタが茹で上がる30秒前になったら、フライパンを弱火にかけ、温め始めます。温めすぎると卵がそぼろ状になってしまうので、気をつけて。このあたりで、盛りつけ用の皿も出しておきましょう。   9)フライパンをいったん火から下ろし、茹で上がったパスタを十分に湯切りして加えます。   10)5)の卵液も加えます。ボールに残らないよう、ゴムベラでこそげ落としましょう。   11)火に戻して(慣れるまで、火加減は弱火で)、ここからは手早く! まわりから火が入るので、鍋はだをゴムベラで混ぜながらソースをからめていきます。   12)卵のとろみを見つつ、1分ほど。火の入れ具合はパスタの量やフライパンの大きさ、コンロの種類によっても変わってくるので、ここはズバリ練習あるのみ!   13)生すぎず、ダマにもならない頃合いになったら、余熱がそれ以上入らないように、すぐにお皿へ。トングで高さを出すと美しく盛りつけられます。   14)残しておいたパンチェッタを飾り、粗挽きの黒胡椒をたっぷりかけたら完成!       ソースとパスタをからめるとき火の入り具合を見極め、ダマにならないように仕上げるのはかなり難しい工程ですが、これは何度も作って経験を積むのが一番です。それに、シェフいわく「カルボナーラの本場はローマですが、ローマで食べてもここまでクリーミーなのはないですよ。イタリア人は生卵を食べないので、生すぎるといやがるんです。だから、イタリアで食べるカルボナーラはそぼろ状だったりします」とのこと。 […]