10月28日(土)に『FIAT PICNIC 2023』が開催され、静岡県のボートレース浜名湖に全国各地からフィアットとアバルトが集結しました。今回で14回目となる『FIAT PICNIC』は、900台以上のフィアット・アバルト、そして約2,000名を超えるフィアットオーナーをはじめ、フィアットファンやお友達が参加。会場内に設置されたさまざまなエリアやステージの模様から、参加者インタビューまで自動車ライターの嶋田智之さんにレポートしていただきました。
10月28日、快晴の土曜日の朝7時半。静岡県湖西市のボートレース浜名湖対岸駐車場に僕たち取材チームが到着したときには、すでに色とりどりのフィアットが集まって整列しはじめていました。そこに到着するまでのロードサイドにあるコンビニエンスストアの駐車場でも、目につくのはフィアットばかり。対岸駐車場のまわりの道もフィアット、フィアット、そしてフィアット。イベントのスタートまで2時間半もあるというのに、その勢いです。
『FIAT PICNIC 2023』の開催日。世界最大級といっても過言ではない年に一度のフィアットのお祭りを、フィアット乗りたちがどれだけ楽しみにしていたかが伝わってきます。
続々と会場に入ってくる『NUOVA 500』『500』『500C』『500e』『500X』『Panda』『Doblò』といったフィアットたち、そしてアバルトたち……。年に何度かしか会えない遠方の仲間や日頃はSNSで親しく交流しているフィアット仲間たちの輪がたちまちあちこちに生まれ、見ているこちらも嬉しくなるほどの笑顔の花が次々と咲きはじめます。今回は毎年恒例となっているこのイベントの当日の様子を、お伝えしていきたいと思います。ただし、コンテンツがたっぷり過ぎるくらい用意されているイベントなので、駆け足での紹介になってしまうことをご了承くださいね。
午前10時になると、会場の最も奥にあるメインステージが一気に賑やかになりました。オープニングセレモニーのはじまりです。カウントダウンに続いて、ジャズ・サックス・カルテットバンドのサキソフォビアによるオープニングライブ。ホーンによる独特のアンサンブルが会場の気分を一気に高めてくれます。そして昨年に引き続きMCをつとめるお笑い芸人・レギュラーの思わずクスリとさせられてしまう軽妙なトークとともに本格的にイベントがスタート。途中から女性の声が加わったと思ったら、Stellantisジャパン株式会社のフィアットブランドマネージャー、熊崎陽子さんです。レギュラーのおふたりに負けていないよく通る声と明るく軽快なトークに、ステージ前に陣取ったフィアット乗りたちは思わず笑顔に。
続いて、Stellantisジャパン株式会社の打越晋社長のご挨拶。打越社長は昨年の11月に就任されたので、このイベントには初めての参加です。
打越社長「FIAT PICNICは、ステランティスのイタリア3ブランドの中でも最も大切なイベントのひとつ。こういう素敵な場所に来ることができて、本当に本当に嬉しく思っています。みなさん、ご参加くださって、本当にありがとうございます。14回目となる今回は900台以上にご来場いただきまして、おそらく約2,000名を超えるお客様にご参加いただいています。今回は“友達といっしょ”ということをテーマに、我々のスタッフが一生懸命考えてみなさんといっしょに楽しんでいけるように頑張って、いろいろな催しを準備してきました。フィアットを愛してくださっているみなさまに、よりフィアットを、よりイタリアブランドを愛していただきたいという想いで、ステランティスのスタッフ一同で最大限サポートさせていただきます。今日の1日をたっぷり楽しんでいただければと思います」
挨拶の最後には、「スタッフは準備をがんばってきたけど私は何もがんばってこなかったので、社長特別賞を用意することにします」と、ユーザーのお好みに合わせてカスタマイズできる15万円相当のオーダーメイドジャーニーが贈られるSNSイベントについてのお知らせが。その次の瞬間にスマートフォンをポケットから出す人の姿の何と多かったことか。
そして、ステージを中心に参加者全員での記念写真を撮影した後は、ステージと会場に点在する各コーナーで、さまざまな催しが繰り広げられることになりました。
オープニングセレモニーに続くステージイベントは、『Tasty FIAT!×ファビオ飯 トークショー』。“ファビオ飯”のファビオさんはご存知のとおり、フィアットの公式アンバサダーであり、ご自身のYouTubeチャンネルでは登録者数50万人以上を集める人気のシェフです。イタリア車好きは十中八九、イタリア料理好き。YouTubeや著作を通じてイタリア料理の作り方をわかりやすく教えてくださるシェフの登壇とあって、会場にいたフィアット乗りたちが大注目していた様子は強く記憶に残りました。イタリアと言えば“クルマ”と“食”ですからね。気持ちはよくわかります。
続いて『デコレーションコンテスト』の紹介。こちらは自分の“相棒フィアット”を思い思いにデコレーションした8台がステージの両翼に並べられ、会場にいる人たちによるSNSからの投票で最優秀賞が決まるというもの。そのエントリー車両が1台ずつ紹介されていきます。
少し休憩をはさんで、『FIAT川柳入賞作品発表&表彰式』。“女性の活躍”をテーマにした川柳を事前に募集し、このステージで優秀作品にStellantisジャパンのマーケティングダイレクター、ジェイミー・アンさんから賞品が手渡されました。今年は“羽曳野のルパン三世さん”の「フィアットが 似合う女と 自画自賛」が最優秀賞です。
次のステージイベントまで少しだけ時間があるので、急ぎ足で会場を回ってみましょう。
リラックスエリアのフィアットカフェも、やっぱり大人気でした。ドネーションというかたちで提供される極上のイタリアンコーヒー。列ができないわけはなく、終日、途切れることはありませんでした。
メルカートエリアも人気でした。フィアットショップ、フィアットのライセンス商品を制作する『La Fit+a』といったフィアットファンなら誰でも気になるショップはもちろん、地元・静岡のガーベラ、みかんジュースやジャム、お茶、メロンジュース、地元名産の弁当、イタリアンブランドの商品、フランクフルトなどのショップが並びます。こちらも早くから売り切れとなってしまうショップが出るほど、人を集めていました。
その横にはバーバリウムや手染めオリジナルバッグ作り、遠州綿紬を使ったワークショップ。誰もが参加できるということも手伝って、とりわけ女性やお子さんを中心に、人が絶えることがありませんでした。
ワークショップといえば、事前に申し込んで当選した人が参加できる2つのブースも、見学者を含めて大人気でした。
ひとつはコーヒー系インフルエンサーであり『500X(チンクエチェントエックス)』のオーナーでもあるヒロヤさんによる、野外でコーヒー豆の焙煎を行うためのレクチャー。もうひとつは、『Tasty FIAT!×ファビオ飯』のファビオさんによる、ラビオリのクッキングライブと試食。どちらもワークショップをじっくり拝見することはできなかったのですが、試飲と試食はさせていただきました。役得を誹られるかもしれませんが……すみません!感動的といえるほどに、とても美味しかったです。
駐車場の一角には、テストドライブのスタート&ゴールが設けられていました。フィアットの『500』『500C』『500e』『Doblò』のほか、アバルト『500e』と『695 トリビュート 131 ラリー』、アルファ ロメオ『トナーレ』のMHEVとPHEVが試乗車として用意され、予約をすれば誰でも15分少々のコースを試乗できるのです。自分の愛車とは違うフィアット、あるいはイタリアブランドのクルマに乗ってテイストを知ることができるのは貴重な体験。次々に予約が埋まり、クルマはすべてフル稼動の状態だったようです。『500e(チンクエチェントイー)』を試乗された浦野香織(うらの・かおり)さんに、試乗した感想をうかがってみました。
浦野さん「普段はツインエアの『500 Sport(チンクエチェント スポーツ)』に乗っています。その前は1.2リッターの『500 Anniversario(チンクエチェント アニベルサリオ)』だったんですけど、力強いツインエアが欲しくなって買い換えました。単純に電気自動車ってどんな感じなのかなっていう興味から『500e』に試乗したんですけど、すごく滑らかな乗り味で、静かで、かなりよくできたクルマだと思いました。ただ、やっぱり今の自分の『500』がかわいいので、乗り換える気持ちはないんですけど、でもものすごく優秀なクルマ、いいクルマだな、と感じましたね」
会場内にはほかに、お子さんが塗り絵を楽しめるバンビーノスペース、愛犬のためのドッグランやフォトスポットなどが点在していて、どこもにぎやか。そうですよね、約2,000人が会場にいて、スタッフのみなさんはその人たちが笑顔になれそうなことばかり考えて準備してきたわけですから。毎回このイベントで感じるのは、参加する人たちと迎える人たちの気持ちのズレのなさ。何だかフェアでフラットでピースフルなのです。フィアットって、きっとそういう幸せなブランドなのですね。
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